
【第14話】綺麗なレースと紙おむつ
赤信号で止まっていると
物凄い衝撃音と共に
頭を何度も強打
何が起こったのか全く理解が出来ないまま
パニック状態で手にはしっかりとスマホを持ち
車の外へと飛び出していたんですよ
こんな時でもスマホを手にしてる
小心者の弱虫ってやっぱりすごいかも・・・。
車の外に飛び出した瞬間
もう既に警察官数名が事故現場に到達済み
もちろん救急車も手配済み
警察官 仕事早っ! さすが日本の警察だわぁ〜
なんて感心してたんですけど
後から聞いたら
たまたま強盗犯を追って
待機してたらしいんですよね
もらい事故の目撃者が警察官
運が良いのか悪いのか
本当に微妙です
病院へ運ばれると すぐ検査でした
痛みと吐き気がひどく
一人では全く動けず
看護師さんにあれよあれよと
洋服も下着も全部剥ぎ取られていき
エッチな夜職をしていた時は
何とも思わなかったのに
ところ変わればこんなにも
恥ずかしいものなのかと
思っちゃいましたよ
そして紙おむつを着けられた時は
この世の終わりだと思いました
人生で一番泣きたくなりました。
小心者の弱虫は意識はしっかりとあったので
時間と共に尿意がやって来る訳ですよ
困った事に。
最初は紙おむつの中で用を足すなんて
絶対に無理!
赤ちゃんプレーなんて
全く望んでないしできない! と
意地を張ってたんですよね
けど尿意はどんどん襲ってくる
でも紙おむつの中で絶対に用を足したくない
看護師さんが紙おむつを着けてる状態で
さらに尿瓶を当ててきて
こう言ったんですよ
「おむつが無理だったら尿瓶でしてみようか?
出せる?」
ムリムリ
絶対に無理
この状態でこの姿で用は足せない
足したくない!
でもそろそろ我慢の限界が・・・。
看護師さんの当てた尿瓶の形状が
合わなかったからなのか
尿瓶には入らず
結局紙おむつでしてました
あの生ぬるい感覚の中で
小心者の弱虫は思ったんですよ
寝たきり老人にだけはなりたくない
エッチな夜職をしていた時は
恥ずかしい姿も恥ずかしい部分も見せてたけど
あれは綺麗なレースに包まれてて
誰かを喜ばせることができてた
でもおむつ交換で見られる恥ずかしい部分は
リアルそのもので
誰も喜ばないし
ただただ申し訳ない
完全に受け身で 逃げ場もない
ずっと綺麗なレースを身につけていたい
事故直後に何考えてるんだろう
頭を強く打ちすぎておかしくなった?
でも本当にそれしか考えてなかった
首を動かす事も身体を動かす事も
眠る事も出来ず
病室の天井を眺めているしかなかった
入院生活1日目の夜
看護師さんが持ってきた睡眠薬を
飲んでしばらくすると
頭の中の意識はあるのに
痛みからくる身体が動かない状態とはまた別の
身体が動かない状態になったんです
そしてベッドの頭の上から
黒い人影が襲いかかって来るんですよ
さらにベッドの周りを
黒い人影がびっしりと囲んでるんですよ
小心者の弱虫は怖くて
助けを求めて声を出したいのに
声が全く出ないんですよ
でも怖くてたまらなくて
右肩近くにあるナースコールボタンを
なんとか押して
看護師さんが来てくれたんですけど
小心者の弱虫は 「怖い・・・怖い・・・」
しか言えず
気づいたら看護師さんが
小心者の弱虫の口に
何かよくわからない液体を
ジョボジョボと流し込んでました
その後の記憶は全くなく
気がついたら朝でした
小心者の弱虫まだ生きてた
嬉しいとか悲しいとかじゃなくて
ただ朝だった
救急車で運ばれ
紙おむつと尿瓶に負け
黒い人影に襲われて
それでも朝が来たら生きてた
小心者の弱虫って
案外しぶといな
まだまだ続くよ小心者の弱虫の旅が〜