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『着脱匏』 1196字


    ある朝

    目芚たし時蚈を止めようず、ボタンを抌したが鳎り止たない。
    壊れた

    僕はすぐに「異倉」に気が付いた。

    指が  無い

    が、痛みや流血などは無く、断面は滑らかだ。
    目の端が䜕か動くものを捉えた。

    指だ
    それは垃団の䞊で、楜しげにゞャンプしおいるではないか。
    おいおい、嘘だろ  

    「おい指、戻っおこい今から出勀なんだ」
    するず、指はピョヌンず、あるべき堎所に戻っおきた。



    その埌も異倉は続き  
    今や党おの指が倖れお、勝手に動き回るようになっおいた。

    ある時はギタヌを挔奏したり、しかも『本䜓』より䞊手いずは、どういう事だ
    酷い時には、倜䞭に運動䌚を始める始末。

    「おい、お前達いい加枛しろ。次にこんな事をしたら、『ガムテぐるぐる巻きの刑』だからな」僕は指達を調教した。
    特に薬指は時折「脱走」するので、厳しく躟けねばならなかった。



    だが今朝、ずうずう恐れおいた事が起きおしたった。
    事もあろうに、通勀電車の䞭で薬指が脱走したのだ。

    しかも、目の前に立っおいる女性の、ショルダヌバッグの䞊で螊っおいるではないか。
    マズむ。気付かれない内に䜕ずかせねば  

    幞い他の乗客にも気付かれおはいない。
    が、い぀ものように叱り぀けお呌び戻す事も出来ないし、女性のバッグに手を䌞ばそうものなら、䞋手すりゃ痎挢だず思われおしたう。

    そうこうする内に電車は䌚瀟のある終点に到着し、その女性も䞋車した。
    女性の埌を付けるず、僕の䌚瀟が有るビルに入っお行くではないか。

    僕が゚ヘンず咳払いするず、薬指は瞬時に定䜍眮に戻った。
    ラッキヌ

    だが、振り向いた女性ず目が合っおしたった。
    矎人ではないが感じの良い女性だ。

    「あの、䜕か」
    「あ、すみたせん。ちょっず咜せおしたっお」

    僕は圌女の襟の瀟章を芋逃さなかった。
    なんず同じ䌚瀟ではないか。

    「初めたしお。僕は営業郚のYずいいたす」
    「初めたしお。私は総務課のSです」
    僕らは互いに名刺を差し出しお、吹き出した。



    こうしお僕らは付き合うようになったのだが、問題は「指」だった。
    䞀緒に生掻するようになれば、きっずバレおしたうだろう。

    悶々ずするうちに、ある日圌女が真顔で「折り入っお聞きたい事があるの」ず蚀っおきた。

    「貎方の指、時々倖れない」

    ああ  化物だず嫌われお別れを切り出されおしたうのか  。
    僕は芳念した。
    が、それに続く圌女の蚀葉は意倖なものだった。

    「実は、私もなの」
    「ええ」

    圌女の薬指がポンず倖れお、僕の薬指ずむチャ぀き始めた。

    「貎方ず付き合い始めおからコりなっお、最初は凄く驚いたけど、なんかコレも運呜かなっお」
    屈蚗なく笑う圌女を抱きしめお、僕は叫んだ。

    「今すぐ結婚しよういや、しお䞋さい」
    「喜んで」



    数幎埌、
    僕らは぀子の芪になった。
    そしお、子䟛達の指も時々倖れるのだった。

    「そのうち家族で『指サヌカス団』か『指オヌケストラ』でも結成しようか」
    「良いわねぇ」

    僕らは笑い合った。


    了《,文字》
    ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌ

    初めお応募させお頂きたす。
    皆様、䜕卒よろしくお願いいたしたす(*^^*)


     
     
     
    音楜ず自然ずススムちゃん(『感情盎結型ギタリスト』西川進)をこよなく愛する地球人♀/ 無芞倧食・単玔盎情・超絶オッチョコチョむ/ 趣味は埡近所ず倚摩川土手の散策/ 䞇幎゚レキ入門者/特技(?)...時々歌いたす/ 日々様々な事を孊び䞭/䞀蚀「よろしくお願いいたしたす」