国際情勢:世界の視線はニューヨークへ――今週は「戦争を止める力」が試される
明日22日から、ニューヨークで国連総会ハイレベルウィークが本格化し、約130か国の首脳級が集まります。トランプ米大統領は22日に一般討論演説を行う予定で、高市早苗首相、ゼレンスキー・ウクライナ大統領、英国首相、イラク首相らとの個別会談も予定されています。
最大の焦点は、いまや別々の問題ではなくなったウクライナ戦争、米国・イスラエルとイランの戦争、フーシ派とサウジアラビアの衝突、ホルムズ海峡と紅海の航行危機です。
トランプ氏はイランのペゼシュキアン大統領との会談にも含みを持たせていますが、現時点で首脳会談は確定していません。したがって今週の外交で見るべきは「一挙に和平が成立するか」ではなく、停戦への入口、船舶の安全、制裁、エネルギー輸送、次の交渉日程といった限定的な合意を一つでも作れるかでしょう。国連総会は、演説の場というより、世界各国の首脳が数日間に何十もの非公開協議を重ねる巨大な外交交差点になります。
特に重要なのが、24日のトランプ・習近平会談です。
表面上は関税、台湾、貿易が中心ですが、その背後ではイラン情勢に加え、米中間で重大なAI事故・安全保障上の異常を相互に通報する仕組みまで協議され始めています。つまり世界最大の二大国は競争を続けながら、一方では「偶発的な破局を防ぐ回線」を模索しているのです。
市場も外交を凝視しており、21日朝には中東で戦闘が続いているにもかかわらず、外交進展への期待からブレント原油が一時約2%下落して101ドル台まで下がりました。ただしホルムズ海峡では、戦争前なら一日約125隻だった商品輸送船の通航が、この週末にはわずか12隻にまで落ち込んでいます。
今週注目すべきなのは、大きな和平宣言より、小さな「歯止め」がいくつ生まれるかです。
世界同時多発紛争の時代だからこそ、危機を一つずつ切り離し、偶発的な連鎖を止められるか――ニューヨークとワシントンで交わされる言葉の重みが、いつになく大きな一週間になります。

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