
【ショートショート】"生きる"って意外と大変
「なんか生きるのって難しいよね」
「そう?」
「だって…明日があるかなんて誰にもわからないし、毎日なんかそれなりに大変だし。あと怖い生き物だっていっぱいいるじゃない?」
「そうかなー…ってまぁそう言われればそうか。
たしかに事件とか不慮の事故とか多いもんね。
年齢なんて関係ない。確率は低いかもしれないけど、次は自分かもしれないし」
「ほんとそうなんだよ、他人事にできなくて。
どうにもならないのにね、気づいたら
そんなこと考えちゃうんだ」
「いいんじゃない?そういう時間も。
あー、でも一つ言えるとしたら、きっと
私たちの悩みなんてこの世界からしたら
ほんのちっぽけ。今のこの瞬間が全てじゃない、それだけは覚えておくべきよ。」
「まあ私はまだやりたいことたくさんあるから
しばらくは生きたいけどね」
そう言って、君は笑った。
「そうだね」
つられるように僕も笑った。
そのとき、不意に差し込んだ光が
瞳に突き刺さる。
「うわぁぁ、眩しっ!」
目の前が真っ白に染まる。
時間が経ち、光に慣れていくと
徐々に視界が広がり始めた。
あっ…。
……
『ギャァァァァ!ねぇ、お母さん!!
そこに虫いるんだけどー!!!』
――ここで、終わってたまるか。