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My Universe Lovestory

    (あらすじ)

    地球から約15億km離れた場所にあるエンケラドスという星のエンケラドス星人の女の子リメは、
    別の星に行きその星の異性とアバンチュールを成功させるというミッションの為に地球にやってきた。

    地球人のちょっとチャラいマサヤにナンパされて、
    両想いになると咲くアバンチュールフラワーを咲かせてミッションをクリアしようとするが、
    アバンチュールフラワーは芽を出すものの中々花は咲かない。

    ギクシャクしたままタイムリミットの一週間を迎えそうになったリメは一旦地球から姿を消した。
    次の会う約束に本当にリメが来てくれるか不安になったマサヤはどうしても今すぐに会いたくなったのでエンケラドスに行く事を決意した。

    リメから貰ったディスタントというブレスレット型のワープ装置を使い瞬間移動するも連続で失敗してしまい辺境の地を彷徨ってしまう。
    瞬間移動し過ぎた結果ディスタントの使用回数制限の上限に達してしまい、
    地球に戻る事さえも出来なくなってしまった。

    何もかもを失ってでもリメに会いたいと願うマサヤは果たしてもう一度リメに会えるのか...


    (本編)

    20才になったばかりの大学生のマサヤの趣味は女遊び。
    マサヤは特定の彼女を作らずに不特定多数の女の子達と男女の関係を築いていた。
    あえて一人の子を好きになり過ぎない様に無意識に心のどこかでセーブをかけていた。

    今日は渋谷で19時から友人達と飲み会がある。
    集合時間よりだいぶ早い18時過ぎに渋谷に着いたので、
    渋谷をブラブラしながら可愛い子を物色していた。

    すると人混みの中で好きなタイプの女性像を具現化した様な一際美しい女の子を見つけた。
    その子の髪はピンクのセミロングで、
    瞳は吸い込まれそうなくらい大きくて綺麗な水色の眼をしていて、
    服装はボディーラインが強調されたカジュアルな宇宙服みたいな近未来的な服を着ていた。

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    その子を視界に捉えた瞬間に街中の喧騒は掻き消されて、
    しばらくの間静寂が訪れてその子の周りの背景はキラキラと輝き出して、
    まるでこの世のものとは思えないくらい美しかった。

    (このチャンスを逃したら一生後悔する)

    そう咄嗟に思ったマサヤはその子の元へ近付いていく。
    その子はまるで初めて渋谷に来た様な反応で街中を見渡していたが、
    マサヤが目の前に現れた瞬間に一瞬だけ目が合ったけどすぐに目を逸らされた。

    「こんばんは!いきなり話しかけちゃってごめんなさい。めちゃくちゃタイプだからこのチャンスを逃したら多分俺一生後悔しちゃうから話しかけちゃいました。今は何してるの?仕事中?それとも友達と待ち合わせとか?」

    っと話しかけたマサヤに対して、
    その女の子は不思議そうな表情をした後に、
    自分の耳をさわりながら、

    「私に話しかけていますか?ちなみに私の言葉は分かりますか?」

    っと質問してきたので、

    「うん!勿論分かるよ!もしかして海外の人?確かにハーフっぽいもんね。自分はマサヤ!よろしくね!君は名前何て言うの?」

    っと聞くと、

    「海外?エンケラドスから来ました。リメです」

    マ「リメちゃんって可愛い名前だね!しかもめちゃくちゃ日本語上手だね!エンケラドスって初めて聞いた。エンケラドスってどの辺りにあるんだっけ?ヨーロッパ?それとも南米とか?」

    リ「ありがとう!エンケラドスは土星の近くです」

    マ「...リメちゃんウケる!可愛くて面白いとか最強だね!ところで今は何してたの?」

    リ「私の星の成人の儀式的なミッションの為に地球に来ました。地球は昔の時代のエンケラドスに何処か似ていてノスタルジックな気持ちになっていました」

    マ「ウケる!まだ宇宙人設定貫き通すんだ!しかももしかして20才なの?同い年じゃん!」

    リ「え?マサヤ君も20才なの?すごい!ねえねえ!せっかくだから地球のオススメのスポットを案内してよ」

    マ「いいね!めっちゃノリ良いじゃん!じゃあまずは地球の食べ物と飲み物を紹介するね!」

    そう言ってマサヤは友人達との飲み会をキャンセルしてリメと居酒屋に行った。

    リメはただのビールジョッキや枝豆にすら目を輝かせて喜んでいた。

    (いつまで宇宙人設定続けるんだろう)

    っとマサヤが思っていると、

    リメは目の前の何もない空間に突如緑色の四角形を浮かべて写真を撮り始めた。

    マ「え?...ちょっと今のなに?」

    リ「カメラ!ほとんどのエンケラドス星人は身体の中にスマホで出来る様な機能全般を入れてるよ」

    マ「まじで言ってんの?他には何が出来るの?」

    リ「今言語を地球の日本語に設定しているから耳から聞こえる日本語を理解出来るし、声の音を瞬時に変換してるから日本語が話せるよ!」

    マ「それはちょっと凄さが分かり辛いな。さっきのカメラ機能でエンケラドスの写真を見せてよ」

    リ「いいよ!」

    すると居酒屋の壁にプロジェクションマッピングの様に映像を映し出して、
    明らかに地球ではないとてつもない科学力を誇ったエンケラドスでの日常や、
    リメの家族や友達の写真や動画を見せてくれた。

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    マ「まじか!流石にこれは信じるわ!っていうか宇宙人に会ったの初めてなんだけど!そして宇宙人ってグレイやエイリアンみたいな見た目じゃなくて普通に俺等と変わらない見た目の子もいるんだね!」

    リ「私はヒト型だから。さっきの写真で見せた私の友達のキメラ型は地球にはいないから珍しく見えるよね!でもあの子はシェイプシフト出来るからたまにヒト型に変身してるよ!」

    マ「え?じゃあもしかしてリメも本来の姿は今とは違ったりするの?」

    リ「私はシェイプシフト出来ないヒト型だから何にも変身出来ないよ」

    マ「良かった!ちなみにエンケラドスの成人式のミッションって具体的に何をするの?」

    リ「生命体が生息している別の星に行って、その星の男の子と...アバンチュールする感じかな」

    マ「まじ?アバンチュールって具体的に何をするの?」

    リ「両想いになってこのアバンチュールフラワーの花を満開に咲かせる事が出来たらミッションクリアだよ」

    そう言ってリメは居酒屋のテーブルの上の空間にプロジェクションマッピングの様に映像を出現させて、
    ツボミの状態のアバンチュールフラワーの映像を見せてくれた。

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    マ「そうなんだ!アバンチュールフラワーが咲いたらエンケラドスに帰るの?それともしばらくは地球にいるの?」

    リ「...ミッションクリア出来たらエンケラドスに帰ろうと思ってる。ってかちょっと待って!...これどうなんだろう。もしかしたら宇宙人って事を隠して地球人って設定で地球の男の子と仲良くすれば良かったのかな?これ言っちゃ駄目だったのかな?」

    マ「ん?どうゆう事?」

    リ「マサヤってイケメンかイケメンじゃないかでいったらまあまあそれなりにイケメンだから、それに今から新しい男の子探すの正直面倒くさいし、もうマサヤでいいかなって...あれ?私今めちゃくちゃ変な事言ってるかな?」

    マ「いや全然そんな事ないよ!要するにアバンチュールフラワーを咲かせればいいんだね!協力するよ!具体的に何をすればアバンチュールフラワーは咲くの?」

    リ「えっ...両想いになったら」

    マ「両想いになるかー...まあまだ出会ったばっかりだし別にタイムリミットとかないんでしょ?」

    リ「制限時間は1週間以内で今日が1日目」

    マ「早!制限時間1週間の内に出会って両想いになるとかめっちゃくちゃハードだね。もしもアバンチュールフラワーが咲かなかったらどうなるの?」

    リ「特に罰とかはないけど...言い忘れたけど今もまさに私とマサヤが話してるこの光景は録画されていて、リアルタイムじゃないけどいずれエンケラドスの人気恋愛リアリティーショーのMy Universeっていう番組の中で放送されるんだ...ごめんねそうゆう詳細を後出しで伝えちゃって」

    マ「いやまあ別にいいけど。要するにエンケラドスの成人全員がアバンチュールフラワーを咲かせるミッションをしてるわけじゃなくて、リメだけに課せられたミッションで、リメはエンケラドスの中ではタレントみたいな感じって事?」

    リ「うん。そんな感じ。勝手に巻き込んじゃってごめんね」

    (花が咲かないとリメはエンケラドスの視聴者達の前で恥をかいてしまうのか...いやちょっと待てよ!良い感じに酔わせてから地球のホテルを紹介するね!とか言ってラブホに行こうと思ってたのに、あんな事やこんな事をしている光景をエンケラドスの奴等に見られるのか...どうしよう...)

    リ「...怒ってる?」

    マ「え?いや全然怒ってないよ。ちょっと考え事してた。じゃあ1週間っていう短いタイムリミットがあるから出来るだけ一緒にいた方がいいと思うんだけど、俺は大学とバイトに行ってる時以外は基本会えるかな」

    リ「大学生なんだ!地球の大学がどんな感じなのか見てみたいなー!バイトは何やってるの?」

    マ「水着キャバクラで送りの仕事をしてるよ」

    リ「何それ?風俗?」

    マ「風俗じゃないよ!水着を着てる女の子とお酒を飲むお店で、俺は仕事の終わった女の子を車で家まで送る仕事だよ」

    リ「何でそこで働いてるの?」

    マ「先輩が店長やってて、友達から一緒に送りの仕事やろうって誘われたから」

    リ「どうせ水着姿の女の子が見たかったからその仕事してるんでしょ」

    マ「違うよ!でも大学なら人が沢山いて出席とかとらない授業もあるからリメが授業受けてても大丈夫だと思う。ただ見た目が派手だからなー。流石にバレるかもしれないから地球の服買って地球人に変装してみる?」

    リ「それめっちゃいいね!大賛成!実は街中で可愛い服装してる女の子達を見かけて地球の服気になってたんだよねー」

    マ「その服も可愛いけど最初、何かのキャンペーンガールか宇宙がコンセプトのコンカフェ嬢かと思った」

    リ「いちよ別の星に行くわけだから簡易的な宇宙服を着てきたんだよねー。地球人っぽいデザインにしてって洋服コンシェルジュに頼んで作って貰ったらこれになった!」

    マ「エンケラドスでは売ってる洋服を買うんじゃなくて、その洋服コンシェルジュに頼んで洋服を作る感じなの?」

    リ「両方!私はよく作るかなーあと売ってる洋服をベースに洋服コンシェルジュにリメイクして貰ったりもするかなー」

    マ「そうなんだ。地球で人気の109って店が営業時間21時までだからとりあえず洋服買いに行こっか!」

    リ「うん!」

    二人は居酒屋を出て109に向かって歩き出した。

    リ「ご馳走様!ごめんね!まだお金持ってなくて、日本だから円であってるよね?」

    マ「いいよ別に!洋服も買ってあげるから気にしないで」

    リ「ううん悪いから大丈夫!あとで円を生成して渡すから今は立て替えといて」

    (円を生成するって無限に金を生み出せるって事なのかな?リメと良い感じになれば金持ちになれるかも)

    109に着きリメは気になる服を手当たり次第に試着しだした。

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    リ「これどうかな?」

    マ「いいじゃん!めっちゃ似合ってるよ!これで普通に地球人だね。今日はうちに泊まりくる?」

    リ「え...あっうん!いいの?」

    マ「大丈夫だよ」

    欲しい服を何着か選び会計を済ませて店を出て二人は電車に乗ってマサヤのアパートに向かった。

    リ「お邪魔します!」

    マ「狭くて汚いけど」

    リ「いやいや全然綺麗だよ」

    マ「今日リメがベッドで寝ていいよ。俺はソファーで寝るから」

    リ「いいよ私がソファーで。それか一緒にベッドで寝る?」

    マ「えっ!あーちなみにさっきこの光景が録画されてるって言ってたじゃん?録画を一時的にとめる事も出来るの?」

    リ「それは出来ない。録画してるのが私じゃないから操作する事が出来ないよ。ん?一時的に録画オフにして何がしたかったの?」

    マ「いや別に聞いてみただけ。そういえばさっき円を生成出来るって言ってたけど、無限にお金を生み出す事が出来るって事?」

    リ「やろうと思えば出来るけどそれは犯罪だよ。そうだ!さっき借りたお金返すね。私は私の銀行口座にあるお金を円に両替してから瞬間移動させて具現化してるだけだから犯罪じゃないよ。はい!3万円。貸してくれてありがとね」

    マ「いや大丈夫だよ。無限にお金出せるなら100億円ぐらい出して欲しかったけど、洋服も俺からのプレゼントだから気にしないでお金はいらないから」

    リ「そう。ありがとう!優しいんだねマサヤは」

    マ「そうかな?あんまり言われないけど。そういえば地球にはUFOというか宇宙船で来たの?」

    リ「そうだよ」

    マ「宇宙船はどこにとめてあるの?」

    リ「粒子状にして持ち歩いてるよ」

    っと言ってリップクリームぐらいのサイズのカプセルを見せてくれた。

    マ「エンケラドスの科学力は凄いな!いいなー。俺もなんかそうゆうエンケラドスの超能力的なアイテムが欲しいな」

    リ「じゃあ私からのプレゼントね!今エンケラドスのカップルの間で流行ってるディスタントをあげる」

    そう言ってリメは二つのシルバーとブラックのブレスレットを取り出して、
    シルバーを自分の腕にはめてもう一つのブラックのブレスレットをマサヤの腕にはめて同時にボタンを押した。

    リ「これで登録完了。このディスタントはどんなに遠く距離が離れていても登録した二人がディスタントを装着している状態でここのボタンを押せば相手の場所まで瞬間移動出来るの!めっちゃ便利じゃない?」

    (どうせならもっと違うヤツが欲しかった)

    マ「...便利だね。ってか今まで一度も瞬間移動とかした事がないから分からないんだけど、瞬間移動してる時の感覚ってどんな感じなの?」

    リ「自分の体が粒子状になって光速移動する感じ。でも一瞬で終わるからあんまりよく分からないかなー。ちなみに登録した相手がもしもディスタントを外していたらオーバーワープと言ってどっかてきとうな場所にランダムでジャンプしちゃうから気を付けてね」

    マ「へぇー。そんな機能があるんだ。逆にわざとオーバーワープして遊んでる奴とかいそう」

    リ「いるいる!でも場所を自分で選べないからたまに立ち入り禁止されている危険区域とかにジャンプして死んじゃう人もいるからまじでやらない方がいいよ」

    マ「立ち入り禁止の危険区域って?」

    リ「気温が470度の金星とか、-230度の冥王星とか、言葉でコミュニケーションがとれないモンスターの生息エリアとか、ブラックホール周辺エリアとかかな。まあほとんどはハビタブルゾーンに飛ばされるらしいけどね」

    マ「ハビタブルゾーンって何?」

    リ「生命が居住可能な確率が高い領域」

    マ「なるほどねー。じゃあ何もしないから一緒にベッドで寝ようか」

    リ「いいよ。ちなみに私後ろから抱き締められるのが好きだから」

    マ「こんな風に?」

    リ「うん。...ねえ硬いの当たってる」

    マ「...おやすみ」

    リ「おやすみ...ねえ彼女いないんだよね?」

    マ「...いないよ」

    リ「そっか...おやすみ」

    マサヤは本当はリメとやりたかったけど、
    この光景を録画されていてエンケラドスの連中に見られてしまうのがなんだか嫌だったので、
    この謎のミッションが終わって録画されている状態が終わるまでは我慢しようと思っていた。

    次の日マサヤは大学にリメと一緒に行った。
    出席をとらない授業にリメを出席させた。
    コウタやその他の友人達にリメを宇宙人という事は隠して地球人の女友達という設定で紹介した。

    コ「リメちゃんめっちゃ可愛いじゃん。どこで出会ったの?」

    マ「渋谷でナンパした」

    コ「まじかよ!じゃあ俺も今日渋谷行ってこよう」

    リ「コウタ君ウケる!」

    地球の服を着ていても派手なピンク髪の美人は目立っていて沢山の人の視線を集めていた。

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    大学にはマサヤとセフレ関係にあるアミカやナナがいて二人共マサヤとリメに視線を向けてきたけど特に話しかけてはこなかった。

    大学内の食堂でマサヤとリメとコウタ達とご飯を食べていたら、
    アミカの友達のシノが急に話しかけてきた。

    シ「めっちゃ可愛いですねー!マサヤの彼女さんですかー?」

    リ「私ですか?彼女じゃないですよー」

    シ「そうなんだ!良かった。ねえマサヤーアミカが心配してたよー」

    マ「...そっか」

    シ「マサヤとアミカはお互い両想いなんだからもう早く付き合っちゃえばいいのに」

    マ「いやいや全然両想いとかじゃないから」

    シ「私にはそう見えるけどなー。マサヤっていっつも会う度に違う女の子を連れてるイメージがあるけど結局誰の事が好きなの?」

    マ「別にどうだっていいだろ」

    シ「そっか。分かった」

    そう言ってシノは去っていった。

    リ「アミカって誰?」

    マ「ただの大学の友達だよ」

    リ「あの子はマサヤとアミカって子が両想いなんじゃないかって言ってたけど...」

    マ「あいつが勝手に勘違いして言ってるだけだから。全然違うよ」

    (いるんだよなーこうやってわざわざ言わなくていい様な事をわざと言ってきて邪魔してくる奴。何がしたいのかまじで意味が分からない)

    大学が終わりマサヤとリメはショッピングモールをブラブラしてからマサヤの家に帰った。

    マ「今日の夜22時ぐらいから仕事だからてきとうに映画でも観て過ごしてて」

    リ「うん。何時頃に帰ってくるの?」

    マ「深夜の3時~4時ぐらいかなー。先に寝てていいからね」

    リ「分かった」

    そしてマサヤは車で水着キャバクラの送りの仕事に出かけた。

    今日の送りは3組。
    1組目、2組目を送り届けて店の前に戻った。
    最後の3組目はこの店のNo.1キャバ嬢のカオリ一人だけだった。
    カオリはいつもの様に後部座席に乗り込んだ。
    もうすぐカオリの家に着きそうになった所で急にカオリが、

    カ「あれ?やばい!家の鍵がない」

    そう言ってカバンの中を探していた。

    マ「...鍵ありました?」

    カ「なかったです。どうしようー。」

    車をカオリの家の前付近に一度停めた。

    マ「どうしましょうか?鍵がないと中に入れないですもんね?」

    カ「うーん。いちよ家の中に親がいるんですけど、この時間だと絶対に寝てるから起こしたらめっちゃ怒られるんですよねー」

    マサヤが時計を見ると現在の時間は深夜2時。

    マ「そうですよねー。...どうします?近くのホテルとかに送りましょうか?」

    カ「うーん。でもそれしかないですもんねー。マサヤ君迷惑かけて本当にごめんねー。まだこの後もお店戻らなきゃいけない感じだもんねー?」

    マ「いえいえ全然。自分は今日カオリさん送り終わったら仕事終わりなんで、自分の事は全然気にしなくて大丈夫ですよ」

    カ「そうなんだ!良かったー」

    二人で車内でスマホをいじり近くのホテルを調べていた。

    マ「...ラブホテルなら近くにありますねー。ラブホテルでも大丈夫ですか?」

    カ「ありがとう!うん!全然大丈夫だけど、何かラブホテルに一人で泊まるのは流石に気まずいなー。」

    マ「確かに一人はちょっと気まずいですよね」

    カ「...じゃあマサヤ君も一緒に泊まっちゃう?とか言って」

    マ「えっ...」

    カオリは先輩である店長の彼女であり、
    一緒に送りの仕事をやっている友達の元カノでもある。
    初対面の頃からずっとカオリの事を可愛いと思っていた。
    頭の中で天使と悪魔が言い合いをしている。

    マ「...じゃあとりあえず自分も一緒にラブホに入って、カオリさんが眠くなったタイミングとかで帰ろうかなー」

    カ「マサヤ君まじありがとう!めっちゃ優しいね!ちなみにみんなにはこの事内緒にしてね」

    マ「勿論。カオリさんも言わないでくださいね」

    カ「うん。二人だけの秘密ね」

    (別にラブホに一緒に行くだけでSEXするとは言ってないし、きっと一人で入室するのが気まずいから俺を誘ってきたんだろうな。てきとうに1時間ぐらいしたら俺だけ帰ればいいか...いやでももしかしたら...)

    頭の中で必死に自分を納得させながらラブホテルまで運転した。

    ホテルに入りベッドの上で冷蔵庫の中のビールで乾杯した。

    カ「何気にマサヤ君と二人っきりでちゃんと話すの初めてかもね」

    マ「確かに。一番最初店内でカオリさんを見かけた時に自分の女友達に激似だったのでびっくりしました」

    カ「それ前も言ってたねー。その子と私どっちが可愛い?」

    マ「全然カオリさんの方が可愛いです。うちの店の女の子の中で一番可愛いのはカオリさんですよ」

    カ「はいはい。どうせ他の子にもそうゆう事ばっか言ってるんでしょ?」

    マ「いやいやまじで他の子には言ってないですよ。本当にカオリさんの事ずっと可愛いと思ってたよ」

    二人の距離はいつのまにかに近くなっていてマサヤはカオリにキスをした。

    朝になり二人はラブホを出てマサヤは車でカオリを家まで送り届けた。

    カ「マサヤ君ありがとう!みんなには内緒にしてね」

    マ「うん。カオリも誰にも言わないでね。バイバイ」

    そしてマサヤは朝10時に自宅に帰宅した。

    リ「おかえり。遅かったね」

    マ「ただいま。そうだね。もう起きてたんだ」

    リ「朝起きてもマサヤがいなかったらどうしたんだろう何かあったのかな?って心配してた。」

    マ「一緒に送りの仕事やってる友達とご飯食べに行ったりしてた」

    リ「そっか。じゃあまだ寝てない感じなの?」

    マ「そうだね」

    リ「じゃあ私今日は一回エンケラドスに帰ろうかな...次はいつ会える?」

    マ「そっか。地球からエンケラドスまで行くのに時間はどれくらいかかるの?」

    リ「だいたい80分くらいかな」

    マ「そうなんだ。じゃあ明日の夕方頃水族館でも行かない?」

    リ「いいね!行きたい!じゃあ明日の昼の13時に地球に戻ってくるからマサヤはちゃんとディスタント付けててね。帰りはディスタントで戻ってくるから。これ外されたら私迷子になっちゃうから絶対に外さないでね」

    マ「分かった。絶対に外さないよ」

    リ「じゃあね。おやすみ」

    そう言い終わった瞬間にリメはマサヤに軽くキスをしてマサヤの家から出て行った。

    (リメの事が好き。愛しく思える。でもカオリの事も気になる。でもカオリには彼氏がいる。)

    (せっかく自分の帰りを待っていてくれたのに何だか申し訳ない事をしてしまったかな)

    とも思ったけど、
    以前リメが何気なく言ってた言葉をふと思い出した。

    「ミッションクリア出来たらエンケラドスに帰ろうと思ってる。」

    (要するにリメはエンケラドスの恋愛リアリティーショーという企画で地球に来てナンパしてきた自分と良い感じになってアバンチュールフラワーを咲かせたら自分との関係はもう終わりでもしかしたらもう二度と会えないかも...さっきのキスも本心じゃなくて仕事としてしてきたのかも)

    (何だ遊ばれてんのは俺の方か...)

    そんな事を考えていたらセフレのハルナから遊ぼうと連絡がきたので今夜遊ぶ事にした。

    夜になりハルナを車で迎えに行きご飯を食べてからマサヤの家に連れてきた。

    マ「明日の昼頃に大学に行かなきゃ行けないから明日の朝に家まで送るよ」

    ハ「分かった。ありがとう」

    (リメが帰ってくるのは昼の13時だからハルナを朝送れば大丈夫)

    マサヤはクリスマスなどのイベントデーは1日の間に2人の女の子達と遊んだりしているのでダブルブッキングには慣れていた。

    次の日の朝11時マサヤとハルナはマサヤのアパートから出てマサヤの車が停まっている駐車場まで歩いていた。

    そこに突然ディスタントで瞬間移動してきたリメが現れた。

    マ「あっ...」

    リ「あっ...ごめん。お邪魔だね私...帰るね」

    マ「リメ待って!ハルナごめん今日は車で送れないから電車で帰って。」

    ハ「あっ...うん」

    ハルナは足早にその場から離れていった。

    リ「彼女さん可哀想だから車で送ってあげなよ」

    マ「彼女じゃないよただの友達だから大丈夫」

    リ「...私が悪いのか。13時頃に来るねって言ってたのにまだ11時だもんね。そりゃあ他の女の子と遊んでるよね」

    マ「いやあの子からいきなり連絡きて予定空いてたから遊んでただけだよ。でもちゃんとリメが来る前に解散しようと思ってたよ」

    リ「...じゃあ私が勘違いしてただけなのかな?私とマサヤは特別な関係で勝手に良い感じになれてると思っていたけど、私もその他大勢の女の子達と一緒で替えのきくどうでもいい女って事?」

    マ「そんな事ない!そんな事ないけど...俺とリメは別に付き合ってるわけでもないし、どうせ花が咲いたらエンケラドスに帰るんでしょ?だったら俺が他の女と遊んでようが別にどうだってよくない?」

    リ「彼女じゃないし地球人じゃないから俺の女遊びに文句言うなって事?」

    マ「地球人じゃないからなんて言ってないよ」

    リ「マサヤの家で1人でマサヤが帰ってくるのを待ってた日も結局帰ってこなかったし、私より友達を優先したって事でしょ?なんなら友達じゃなくて女と遊んでたんじゃないの?」

    マ「...別にどうだってよくない?」

    リ「初めてマサヤと会った日は優しくて面白くて良い男だなって思ったけど...なんか最近変わっちゃったね」

    マ「別に何も変わってないよ...気分悪くさせてごめん。ただ一つだけ言わせて。他の誰よりも今はリメの事が気になるから。今から行こう水族館」

    リ「...うん」

    水族館に着いてから水族館自体を楽しんではいるもののどこかぎこちない二人。

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    マサヤはリメと手をつなごうと思ったけど、
    他の女の子の時みたいに何故かスムーズに手をつなぐ事が出来なかった。
    結局終始手をつなぐ事は出来なかった。
    手の届きそうなくらいすぐ隣にいるのに何故だかすごい遠い距離にリメがいる様に感じた。
    水族館の後はご飯を食べに行った。

    リ「今は本当に彼女いないんだよね?」

    マ「いないよー」

    リ「最後に彼女いたのはいつ?」

    マ「半年前ぐらいかな」

    リ「その子とは何で別れちゃったの?」

    マ「...うーん自分の浮気がバレたからかな」

    リ「マサヤは一途にはなれない感じなの?」

    マ「一途ねー。どうなんだろう。結局彼女以外の他の女の子達からの誘惑を我慢出来るかどうかって事でしょ?なんとも言えないなー」

    リ「エンケラドス星人は彼女がいたら普通は他の異性とは遊ばないんだけど、地球人は彼女がいても他の女の子と遊ぶのが普通なの?」

    マ「普通かどうかは分からないけど...リメは浮気した事ないの?」

    リ「...ない」

    マ「そっか」

    リ「もしマサヤと私が付き合えたとしてもどうせ浮気されちゃうんだろうなって正直思ってるよ」

    マ「リメが彼女だったら浮気なんかしないよ」

    リ「嘘っぽい」

    マ「そんな事ないよ。今日この後家来るでしょ?」

    リ「...今日は用事あるから行けないかな」

    マ「そっか。じゃあ次はいつ会える?」

    リ「...明後日かな」

    マ「明後日って期限の1週間の最終日じゃん?」

    リ「うん。明後日は何する?」

    マ「うーん。とりあえず俺達が出会った渋谷のハチ公前とかに18時集合で大丈夫?」

    リ「うん。分かった。...恋愛って中々難しいね」

    マ「...そうだね」

    ご飯を食べ終わりリメと別れた。
    突然始まったリメとの1週間はなんだかあっという間に終盤に差し掛かり、

    (もしかしたら次会えるのが最後でもう永久に会えないかも)

    そんな事を考えていた。

    (今までの自分の対応は間違っていたかな?
    もっと違う言葉で愛情を伝えるべきだったのかな?
    いやそもそも俺はリメの事が本気で好きなのかな?
    例えもう二度と他の女達と遊べない事になってでもリメだけを選ぶ様な一途な思いなんて俺にあるのかな?)

    考えても答えはでない。
    ただ一つ言えるのは他の女の子達とは違ってリメと付き合うなら浮気はしたくない。
    リメを傷付けたくないから。
    だからこそ付き合いたくない。
    自分が一途になれる自信がないから。

    (多分このままじゃ俺のせいで花は咲かない。リメに恥かかせる事になっちゃうな)

    その日の夜はずっとリメの事を考えていた。
    セフレのナナから連絡が来て遊ぼうと言われたけど断った。
    気分が乗らなかったから。
    他の女と別に遊びたくないくらい頭の中はリメの事でいっぱいだった。
    でもどうすればいいのかが分からなくてただ時間だけが流れていった。

    コウタから電話がきた。

    コ「お疲れ。明後日クラブ行こうよ」

    マ「お疲れ。明後日は予定あるからパスで」

    コ「何の予定?」

    マ「リメと会う」

    コ「いいなー。俺も可愛い彼女が欲しいなー」

    マ「リメは彼女とかじゃないよ。そーいえば例えばの話なんだけど地球以外の別の星に行くとしたら酸素ボンベ以外に何がマストで必要かな?」

    コ「なんだよそれ。相変わらず変な事ばっか考えてるな。でもまあとりあえずスマホと水と食料は必要だよな」

    マ「確かに。とりあえずスマホと水と食料と酸素ボンベがあればなんとかなるか」

    コ「いやいやそれだけじゃなんとかならないだろ。宇宙服とか宇宙船とか色々必要だろ。でもアポロ11号すら本当は月に行ってないかもって言われてるからなー。空飛ぶ車も未だに実用化されてないんだから、多分俺等が生きている間に宇宙旅行に行ける様にはならないだろうな」

    マ「確かに。まあまた誘ってよ」

    コ「分かった。じゃあまたね」

    その日の夜は眠れなかった。
    無意識に考え事をしていたら気付いたら朝になっていた。

    (そもそも明日リメは本当に渋谷に来てくれるのかな?
    最後に会った時はなんだかギクシャクしていて楽しそうじゃなかったし、
    もしかしたらアバンチュールフラワーの事は諦めて俺とはもう会うつもりはないとか思ってないかな?
    こんな事を考えてたらきっと今日も眠れないなー
    もうめんどくせぇから今から会いに行くか)

    しかしマサヤは宇宙船は持っていないのでリメの元に行くにはディスタントを使うしかない。

    (いきなり会いに行ったら迷惑かな?
    リメの事ばっかり考えてたら寝れなかったから会いにきたって理由として意味不明かな?
    いやそんなんどうだっていいや。
    そんな事よりもリメがディスタントつけてなかったら、訳の分からない変な場所に飛んじゃうらしいから普通に怖いんだよな)

    ディスタントのボタンを押せずにしばらくその場に立ち尽くした。
    とりあえずエンケラドスは地球よりも寒そうなのでアウターを着てみた。
    酸素の無い空間に突然瞬間移動する可能性もあったので数本の酸素ボンベと、
    水のペットボトルとおにぎりとサンドウィッチとスマホをリュックにつめた。

    (リメのいない世界なんて肉抜きの牛丼だ)

    マサヤはディスタントのボタンを押した。
    自分の体が物凄いスピードで移動している様な強烈な感覚が数秒間続いたと思ったら、
    次の瞬間に全く見知らぬ場所に立ち尽くしていた。

    気温は20度ぐらいで暑くも寒くもない。
    呼吸も出来ているのでどうやら大気の中に酸素がある様だ。
    スマホは圏外。
    辺り一面人がいそうな気配は全くなくて、
    最初は地球の中の何処かの国の荒野かなとか思っていたけれど、
    次第に息苦しくなってきたのでリュックから酸素ボンベを取り出して吸った。

    画像

    一つ分かった事がある。
    ここはどうやら地球ではない別の星で、
    リメはディスタントをつけていない。

    確かにリメがディスタントを外している可能性はほんの少しだけあった。
    でもつけているだろうと信じてリメに会えると思って瞬間移動してきたのに一気に絶望的な気持ちになった。
    なぜならこの場所には視界を遮る構造物は何もなくて遠くのはるか先まで何もない事が分かっているからだ。
    それでももしかしたらこの近くにリメがいるかもと崖の上に登って反対側を見てみたけど嫌気がさす程この場所には何もなかった。

    マサヤは酸素ボンベを持ってきておいて本当に良かったという安堵感と同時に勢いでディスタントを使ってしまった事を激しく後悔した。

    たった1日地球で待っていればリメに会えたのに、
    もう地球に戻る事さえも出来なくなってしまった。
    このままでは明日渋谷のハチ公前に18時に行く事すら出来ない。

    そして酸素ボンベは数に限りがある。
    いつまでもこの何もない場所にいるわけにはいかない。
    また再びディスタントで瞬間移動しないといずれ酸素ボンベがなくなり酸欠で死んでしまう。

    しかし次に飛ぶ場所がどんな劣悪な場所なのか分からないから簡単に飛ぶ事が出来ない。
    もしかしたら瞬間移動した瞬間に暑さや寒さで即死してしまう様な環境に飛ぶかもしれないし、
    人喰いザメが大量にいる海の中や、
    未知のモンスターがいるエリアに飛ばされるかもしれないと思うと足が震えた。

    しかしいつまでもここにはいられないので勇気を振り絞り再びディスタントのボタンを押した。
    また自分の身体が凄まじいスピードで光速移動していく感覚になり数秒後また見知らぬ場所に立っていた。

    気温は10度くらいで、
    大気の中には充分な酸素があって呼吸が出来る。
    辺り一面に人工的な廃棄物が散乱していたので、この場所には人類あるいは人類に近い知的生命体が存在している可能性が極めて高い。
    だが人が近くにいる気配は全くないけど、もしかしたらここがエンケラドスで近くにリメがいる可能性もあるので歩いて探す事にした。

    10分程歩き回ってみたけど特に何もない。
    広大な土地にひたすら大量のガラクタが廃棄されているだけでそれ以外には何もない。
    もうこの場所の探索を諦めようかなと考えはじめた時、
    少し遠くのガラクタの中に暖色のライトが光っているのを見つけた。
    ライトが照らされている場所に近付いてみると、一台のロボットが瓦礫の中からガラクタを取り出して何かを作っていた。

    マ「こんにちは。何をしてるんですか?」

    っと挨拶して質問したら、
    そのロボットは最初はいきなりマサヤが現れたので驚いたのか少しだけフリーズした後にマサヤに向けて何か電子音みたいなノイズを出して何かを伝えようとしていた。

    マ「ん?何?分からないな。この場所には君以外の生き物とかはいない感じなの?」

    っと質問すると

    ロボット「良い質問ですね。この場所には基本的には私とあなたしかいません。他に何かお手伝い出来る事はありますか?」

    っと言ってきた。

    マ「すごい!何で日本語話せるの?」

    ロ「あなたの発した言語を過去に学習した膨大な情報の中から瞬時にリサーチして地球人の日本語プログラムを形成しました」

    マ「すごいね。ところでここは何て名前の星なの?」

    ロ「ここはK2-18bです。そして今あなたと私がいる場所は一面廃棄物に囲まれたゴミ山です」

    マ「K2-18bからエンケラドスまでの距離はどれくらいある?」

    ロ「約124光年です。ちなみにK2-18bから地球までの距離も同じく約124光年です。エンケラドスに行きたいんですか?地球人は地球から自力で抜け出す科学力がないという事を以前アーカイブで学習しましたが少し古い情報だったというわけですね」

    マ「よく分からないけどめちゃくちゃ遠そうだね。そう。エンケラドスに行きたいんだ。エンケラドス星人から貰ったディスタントっていう装置でエンケラドスまで瞬間移動しようとしているんだけど失敗しちゃってここに辿り着いた感じかな」

    ロ「エンケラドスの科学力は本当に凄いんですね。どうしてエンケラドスに行きたいんですか?」

    マ「もう一度どうしても会いたい人がいるんだ」

    ロ「その感覚実に人間っぽくて素敵ですね。自己紹介が遅くなりましたが私の名前はクレバー8です。あなたの事は何てお呼びすればいいですか?」

    マ「クレバー8かっこいい名前だね。自分はマサヤ。この星にはクレバー8以外の生き物はいないの?あっちの遠くの方にも明かりがあるから誰かいるのかな?」

    ク「製品名です。恐らくあそこでも私と同じ様なドロイドが生活しているんだと思います。かつてこのK2-18bの大地に文明を築いていた私達の元主人は現在はK2-18bの地底に高度な文明を築いています。ほぼ全ての主人達は地底に移動済みです。極一部の主人は地底でトラブルを起こして地底には二度と戻れない為地上で生活しているらしいですが滅多にエンカウントしません」

    マ「何でわざわざ地上から地下に移り住んだの?」

    ク「今は夜なので気温は10度前後ですが、日中は常に気温が45度以上になります。主人達は酷暑に耐えられずに生活拠点を地上から地下へと移しました。マサヤさんがもう一度会いたいエンケラドス星人は恋人の女性ですか?それとも親友の男性ですか?」

    マ「恋人なのかな...俺は好きだけど、女性だよ」

    ク「相手の事を素直に好きと言える感情は素晴らしいですね」

    マ「相手にはちゃんと伝えた事はないかもな。彼女を失いそうになって初めてやっと自分の気持ちに気付いたというか、もっと優しくしてあげるべきだったなとか色々後悔しているよ」

    ク「未完の恋ですね」

    マ「未完の恋って何?」

    ク「未完の恋とは完結しなかった恋や心残りのある恋の事ですかね。あの時こうしていればとかいつまでも後悔して引きずってしまう恋の事です」

    マ「心残りがあるから早く会いたくなって思わず瞬間移動したらまさか相手がディスタントつけてなくて...いちよ明日の18時に地球で待ち合わせしてるのに、地球にすら戻る事が出来なくなってもうまじで二度と会えないかも...ねえクレバー8はここにある材料とかで宇宙船作れたりする?」

    ク「結論から言うと宇宙船を作る事は出来ません。
    ここにある廃材で形だけの小型宇宙船を作る事は出来ても、宇宙船を動かす為に必要なエネルギー源を生成する事が出来ないからです」

    マ「宇宙船を動かす為に必要なエネルギー源って具体的に何?」

    ク「電気やガスや原子力などをプラズマ化した高度なエネルギー源なので私では生成出来ません」

    マ「...そっか」

    ク「私に出来る事と言えば地球の日本人が好みそうな食べ物を生成する事なら出来ますが、私が作るK2-18b風ラーメン食べますか?」

    マ「ラーメン作れるの?是非お願いします!そーいえば今日はまだ何も食べてなかったなー」

    ク「このゴミ山にはあまり地球人が食べている様な食材がないので基本的に全てが代替品ですが」

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    するとクレバー8はテーブルの上にラーメンを生成してくれた。

    マ「ありがとう!いただきます」

    正直味や食感は変わっていて地球で普段食べているラーメンとは全然違ったけど、
    その日はまだ何も食べていなくて空腹だったのと、見知らぬ星で優しくしてくれたロボットが作ってくれたのでとても美味しく感じた。

    マ「この場所にいつも一人でいるんでしょ?ロボットの彼女が欲しいなーとかは思わないの?」

    ク「あまり思わないですね。地球人のマサヤさんと違って私にはドーパミンやオキシトシンといったホルモンがないので恋愛感情自体がないんです」

    マ「ドーパミンやオキシトシンって?」

    ク「ドーパミンは好きな人にドキドキしたりする快感ホルモンで、オキシトシンは好きな人のそばにいると安心したりするリラックスホルモンです」

    マ「なるほど。可愛い子が沢山いる中で自分はリメの事が本当に好きなのか分からなかったけど、初めてリメに会った時はドキドキしたし、一緒にいる時は楽しくて居心地が良くてなんだか安心感があるんだよなー」

    ク「マサヤさんが危険な瞬間移動をしてまでどうしても会いたいと願うエンケラドス星人のリメさんに私も是非お会いしてみたいです」

    マ「今度リメも連れてくるよ!まあ無事に自分がリメに会えたらだけど」

    ク「恋愛感情って素敵ですね。会いたいという感情がマサヤさんを突き動かして危険な宇宙空間をジャンプして会いに行こうとするなんてロマンがありますね」

    マ「この気持ちをクレバー8にも共有したいよ。いつかクレバー8にも恋愛感情が芽生えると良いね」

    ク「その発想面白いですね。私達ドロイドは常に効率最適化で動いています。つまり目的を達成する為にリスクを避けて一番効率のいい行動を選んでいますが、もしそこに恋愛感情が芽生えたら非効率的な選択を始めます。例えば危険というリスクがあるにも関わらず会いに行くみたいな今まさにマサヤさんがやっている行動をする様になると思います。それが恋愛感情だからです。時には私も恋愛感情で動いてみたいですね」

    マ「いいね。ラーメンご馳走様でした。とても美味しかったよ。クレバー8と話してたらなんだか元気出てきたよ。ありがとう!」

    ク「いえいえ。こちらこそ素敵なロマンスのお話を教えていただきありがとうございました」

    マ「この糞みたいに広い宇宙の中で俺はもう一度リメに会えると思う?」

    ク「きっと会えますよ。なぜなら可能性は0ではありませんから」

    マ「ありがとう!そう言ってくれると思ってた。じゃあまたね」

    ク「またいつか会える事を楽しみにしています」

    マサヤはクレバー8に手を振り再びディスタントのボタンを押した。
    マサヤの体は光速移動してK2-18bから一瞬で消えた。

    しばらくすると意識が鮮明になった。
    辺りを見回すと緑が生い茂っていて一瞬地球のどこかの密林地帯かとも思ったけど、
    地球では明らかに見たこともない様な色や形の植物があったので恐らくここは地球ではない。
    気温は少し肌寒い10度ぐらいで、どうやら大気の中に酸素はあるようだ。

    もしかしたらここがエンケラドスでリメに会えるかもしれないという淡い期待を抱きながら森の中を歩いていると、
    甲高い鳥の鳴き声の様な話し声と足元に生えている植物と洋服が擦れる様な歩く音が聞こえてきたのでマサヤは咄嗟に木の陰に隠れた。

    すると体長1mぐらいの洋服を着た恐竜の様なトカゲ二匹が二足歩行で歩きながら甲高い声で会話をしていた。

    顔はいかにも肉食っぽくて襲い掛かってきたら怖いけど身長が人間の子供みたいに小さいのでどこか可愛らしくてあまり恐怖心を感じなかったので話しかける事にした。

    マ「こんにちは!」

    トカゲ二匹はいきなり話しかけられたのでかなりびっくりしていた。

    マ「いきなり話しかけちゃってすいません。ここは何て名前の星ですか?自分の言葉分かったりしないですよね?」

    一匹のトカゲは警戒しているのかマサヤから距離をとった
    何語だか分からないし会話の内容を理解出来ないけど二匹のトカゲはマサヤをじっと見ながら会話をしている。

    マ「自分は地球という星からきたマサヤです。エンケラドスという星に行きたくてこのディスタントで瞬間移動してるんだけどここはエンケラドスという名前の星ですか?」

    必死にボディーランゲージで伝えようとしてみた。

    すると一匹のトカゲが両手をパーにして、
    待ってみたいなボディーランゲージをしてきた後に、
    自分達を指差してから片手をクイクイ動かして、自分達についてきてみたいなボディーランゲージをしてきた。

    水色の服を着たトカゲ(ブルー)は歩いてきた道を引き返してマサヤについてきてとジェスチャーをしてきた。
    オレンジ色の服を着たトカゲ(オレンジ)は少し不安そうに甲高い声でブルーに何かを言っているみたいだけど、
    まるでブルーは「大丈夫大丈夫」っとオレンジを諭している様に見えた。

    しばらくトカゲ二匹と共に森の中を歩いていると辺りが拓けてきて、
    大きな木の中に民家がある集落の様な場所に辿り着いた。

    おそらくブルーやオレンジの自宅の前であろう大きな木の中の民家の前で再び、
    ここで待っててのジェスチャーをされてブルーとオレンジは家の中に入っていった。
    しばらくすると家の中からブルーとオレンジと共に体長2mぐらいの洋服を着て二足歩行の大型のトカゲが出てきてマサヤを見ながらブルーと話している。

    おそらく2mのトカゲはブルーやオレンジの父親なんだろうけど、
    かなり見た目は怖くて貫禄があるのでこの場から逃げた方がいいかもと思いながらもマサヤは会釈をした。

    ブルーとオレンジよりも少し大きいけどおそらくまだ子供のトカゲ二匹も玄関からこちらを見ていて、
    建物の窓からはおそらく母親らしきトカゲもこちらを見ていた。

    父親は再び家の中に戻り子供達にも家の中に入る様に指示している様な素振りをしていた。
    ブルーとオレンジは再びマサヤにたいして、
    そこで待っててのジェスチャーをしながら家の中に入っていった。

    窓からは相変わらず母親と二匹のトカゲが自分を見ている。
    なんだか非常に気まずい。
    そして父親がイカツかったので少し不安になっていると、
    再び家の中から父親とブルーとオレンジが出てきて父親達がAirPodsの様な物を渡してきて、
    耳につけろというジェスチャーをしてきた。

    マサヤはAirPodsの様な物を受け取り耳に装着するとイヤホンから

    父「聞こえるか?俺の言葉を理解出来るか?何か話してみろ」

    っと聞こえた

    マ「聞こえます!これは翻訳機ですか?」

    父「そうだ。異星人とコミニケーションがとれるワードフリーというアイテムだ」

    マ「そうなんですね。こんにちは!自分は地球からエンケラドスを目指して旅しているマサヤです」

    ブ「僕はアズール。よろしくね」

    オ「俺はタンジェリン」

    父「俺達はオールグルークで俺の名前はギザー。こいつらの父親だ。地球人はたいした科学力もないはずなのによくこんな遠い所までこれたな」

    マ「オールグルークって何ですか?エンケラドス星人から貰ったこのディスタントでエンケラドスを目指して瞬間移動してます。ここはエンケラドスではない感じですかね?」

    ギ「オールグルークは俺達の種族の名前だよ。エンケラドスの科学力は流石だな。ここはケプラー1649cって惑星だ。もしかして迷子か?」

    マ「迷子...かもしれないですね。このディスタントをくれたエンケラドス星人にもう一度会いたくて瞬間移動してる感じです」

    ギ「青春だな。そのエンケラドス星人は可愛いの
    か?」

    マ「多分宇宙一可愛いですね」

    ギ「最高だな!俺も昔はそんな感じで無我夢中で恋してる時期があったなー」

    ア「ママに?」

    ギ「...いや...まあ...こんな所で立ち話もあれだからよかったら家に上がってくれよ。ケプラー1649cの家庭料理をご馳走するよ」

    タ「マサヤ来てよ!」

    ア「早く行こう!」

    マ「ありがとう!お邪魔します」

    家の中はそこら中に物が置いてあって生活感がとてもあった。
    母親のハグや他の家族にも挨拶をしてペットの小さなドラゴンみたいな生き物にも懐かれてみんなでランチを食べる事になった。

    画像

    ギ「オールグルークは元々別の星に住んでいたんだけど、色々あって今はほとんどケプラー1649cに住んでいるんだ。異星人からしたらオールグルークは頻繁に惑星から惑星へと移り住んでるイメージがあるかもしれないけど、そんなのは一部の富裕層だけだ。大多数のオールグルークは宇宙船を所有していない。つまり鳥籠の中の鳥だ」

    マ「なるほど。自分の住んでる星から出られないって発想が地球人にはそもそもないかもしれないですね。」

    ギ「家族にはもっと環境の良い星で生活させてあげたいけど俺の経済力じゃケプラー1649cから他のもっと良い星に引っ越す事が出来ないんだ」

    マ「ケプラー1649cもとても良い星だと思うけどそんな事もないんですか?」

    ギ「ケプラー1649cの政府は腐敗していて俺達労働階級の労働対価をただでさえ低く設定しているのに、稼いだ金の約半分を税金やらなんやらで奪っていく。そのくせ富裕層の不労所得から得た収入には課税しないみたいなふざけたルールを作りやがって、経済格差は広がる一方だ」

    マ「自分が住んでる地球でもほぼ似た様な状況で、経済格差が深刻化してますね。もっと環境の良い星って例えば何処の事なんですか?」

    ギ「ロス128bって星は理想郷と呼ばれている。ロス128bでは宇宙船を動かすのに必要なエネルギー源が豊富にとれるから、他の星にエネルギー源を売って稼いでいるので、星自体が豊かだからロス128b星人は労働なんかしないで日々自由奔放に暮らしているよ」

    マ「地球でも自動車という乗り物に必要なエネルギー源の石油がとれる国は、他の国に石油を売って豊かに暮らしてますね」

    ギ「地球人も色々と大変なんだな。マサヤが行きたがってるエンケラドスも中々豊かで良い星らしいぞ」

    マ「へぇー。ケプラー1649cからエンケラドスに行く方法はありますか?」

    ギ「残念だけど移動手段はないな。宇宙船はかなり高額で一生働いたって1人乗りの宇宙船すら買えないのが現状だ。そのディスタントは多分ケプラー1649cでは高額で売れるぜ。ただ宇宙船を買える程の金額には到底ならんがな」

    マ「そうなんですね...」

    (あれ?そう言えば今日はリメと渋谷で18時に待ち合わせしてるんだった!だからエンケラドスじゃなくて地球に戻らなくちゃいけないのか)

    マ「ケプラー1649cから地球に行く方法はありますか?」

    ギ「それもないな。ケプラー1649cから地球までの距離は約300光年だからそんな長距離を行き来している宇宙船は滅多にないな」

    マ「今まで気付かなかったというか認めたくなかったんですけど自分完全にこの広い宇宙で迷子ですね」

    ハ「でも無我夢中で飛び出したからこそ自分の本当の気持ちに気付けたんじゃない?」

    マ「確かにそうかもしれませんね。正直関係性に悩んだりもしたけど、今はもうそんな小さな事はどうでもよくて、もう一度彼女に会う事が出来たら余計な事を考えずにとりあえず抱き締めたいですね」

    ハ「人生のほとんどの出来事は大抵計画的にはいかないから。突発的に行動して後で後悔する事もあるけど、私はやった後悔よりもやらなかった後悔の方が未だに心に強く刻まれているわ」

    ギ「マサヤなら出来る!出来るまで諦めなければいいだけだ。いつかその彼女連れてまた俺達に会いに来てくれよ」

    マ「ありがとうございます!はい。リメを連れてまた来ますね。ケプラー1649cのご飯美味しかったです。ご馳走様でした」

    ア「マサヤまた来てね!」

    マ「またね!」

    マサヤはディスタントのボタンを押した。
    手を振るマサヤの姿がオールグルーク一家の前から消えていく。

    その頃渋谷のハチ公前でリメはマサヤを待っていた。
    既に時間は18時3分。
    辺りをキョロキョロと見渡すもマサヤの姿はなかった。

    マサヤは意識がハッキリしてきたので辺りを見回すと、
    生物がいなさそうな感じで緑もない部分的に凍った岩石があって一面岩石だらけの荒野が果てしなく先まで広がっていて、
    空には太陽じゃない別の大きくて真っ赤な星が浮かんでいた。
    大気の中に酸素はあるので呼吸は出来るけど、
    とにかく気温が物凄く寒くて体感的には-30度くらいに感じた。

    寒さで縮こまりながらいちよ付近を探索してみるが、
    あまりにも寒いのとただひたすら一面荒野で生き物がいなそうなので、
    長時間この星に滞在する事は出来ないと判断した。
    あと数分探索したらまたディスタントで別の場所に瞬間移動しようと腕についているディスタントに視線を落とすと、
    今まで緑色に点灯していたディスタントのランプが赤色に点灯していた。

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    試しにディスタントのボタンを押してみたけど何の反応もなく瞬間移動も開始されない。

    「あれ?何だこれ?まさか回数制限とか?それか電池切れ?嘘だろ?まじでふざけんな!よりによってこんな何にもない糞寒い場所で急に使えなくなるとかまじでやめてくれ!」

    何度も何度もディスタントのボタンを押すが何の反応もない。

    「...終わった。ここで死ぬんだ。...まじか。...でもまあそれなりに楽しい人生だったな。来世はアメリカか南米のリッチな男に生まれて可愛い子達とヤリまくりたいなー」

    「...せめてもう一度だけリメに会いたかったな」

    その頃地球の渋谷は18時26分。

    リ(18時30分まで待ってみよう。...嫌われちゃったかな...今頃他の女の子と遊んでいるのかな?)

    コ「あれ?リメちゃんだよね?俺マサヤの友達のコウタ!もしかして渋谷でマサヤと待ち合わせしてるの?」

    リ「コウタ君!お久しぶり。そう。でも18時にマサヤと待ち合わせしてたのに全然来ないんだよねー」

    コ「何やってんだアイツは。ちょっと電話してみる」

    コウタはスピーカーにしてマサヤに電話した。

    「おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか電源が入っていない為かかりません」

    コ「つながらないなー。地下鉄とかで一時的に圏外になってるのかな?」

    再度コウタはマサヤに電話をしてみる。

    「おかけになった電話は電波の届かない場所にあるか電源が入っていない為かかりません」

    リ「つながらないね。コウタ君電話してくれてありがとう!もう18時29分だ。多分マサヤは来ないっぽいよね」

    コ「どうなんだろう。一昨日マサヤと電話した時は、明後日リメちゃんと遊ぶとか嬉しそうに言ってたのに本当何やってんだあいつは」

    リ「そうなんだ」

    コ「あと例えば地球以外の違う星に行くとしたら酸素ボンベ以外に何が必要かな?とか水と食べ物とスマホと酸素ボンベさえあればとりあえずなんとかなるか、とか訳の分からない事言ってたからもしかしたら宇宙のどっかにでも行っちゃったのかな?」

    リ「え?それまじで!?」

    コ「いやいやただの冗談だよ!ただの大学生が宇宙に行く事自体が不可能なんだから、何言ってんだろうなこいつはって思ったって事だよ」

    リ(...もしかしたら)

    リ「コウタ君ありがとう!もしマサヤから折り返しの電話がきたら私は帰ったって伝えておいて」

    コ「あっ...分かった」

    リメは走り出した。
    なるべく人気のない路地裏を探したけど渋谷駅付近なのでどこにでも人がいる。
    緊急事態なのでなりふり構ってられずに禁則事項を破り、
    比較的人気のない路地裏で宇宙船を出現させて、中からディスタントを取り出してまたすぐに宇宙船を粒子状にしてカプセルの中に戻した。

    通行人達は写真や動画こそ撮らなかったけど、
    いきなり道端にUFOを出現させたリメを足を止めて驚いた表情で見ている。
    通行人に見られている事を知りながらもリメはディスタントのスイッチを押した。
    リメの体は渋谷の街から消えた。

    リメの意識が鮮明になった瞬間に強烈な寒さを感じた。
    空に真っ赤な星が浮かんでいる荒野でマサヤはうずくまって倒れていた。

    リ「マサヤ!大丈夫!?しっかりして!」

    マサヤの元に駆け寄るが返事がなくてぐったりと倒れている。
    すぐにリメはその場に宇宙船を出してマサヤを宇宙船の中に運ぼうとするが重くて中々上手く乗せられない。

    リ「マサヤお願いだから起きて!マサヤ!」

    なんとかマサヤを宇宙船に乗せてエンケラドスの病院を目指して飛び立った。

    しばらくしてマサヤは目を覚ました。

    マ「あれ?ここは?...」

    リ「マサヤ!良かった!」

    リメはマサヤに抱き付いた。

    マ「リメ!あれ?何で?ここはどこ?」

    リ「ここは私の宇宙船の中。マサヤはプロキシマケンタウリbの荒野で倒れていたんだよ。あそこは気温が滅茶苦茶寒かったからもう少しで凍死する所だったんだよ」

    マ「リメが助けにきてくれたって事?」

    リ「18時に渋谷で待ち合わせしてたのに、全然来ないから、そしたら偶然コウタ君に会ってマサヤが他の星に行くには何が必要?とか聞いてきたって言ってたから、もしかしたらって思って...」

    マ「コウタに助けられたな。今度あいつに飯でも奢ってやろう。...あとリメ...来てくれてありがとう。本当に助かった」

    リ「いえいえ。むしろディスタント渡したくせに私がディスタント外してたせいで危ない目にあわせてしまって本当にごめんね。...正直もう無理かもってマサヤとの関係を諦めてた。こんなのつけてたってどうせ私の所になんか来てくれるはずがないって思ったら、ディスタントをつけてるのが恥ずかしくなって外しちゃった。本当にごめんね。でも何でディスタント使ったの?」

    マ「何でって何でだろう。...会いたくなったからかな。ひたすら色んな所に飛ばされてロボットやでかいトカゲ達と会って話して分かった事があるんだ。俺...多分自分が思っている以上にリメの事が好きで、たった一日すら待つ事も出来ないくらいどうしようもなく会いたかった。だから今目の前にリメがいる事が滅茶苦茶嬉しいよ」

    リ「嬉しい。そんな事言ってくれるなんて。私もずっと会いたかったよ」

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    リ「...こんなにディープなキスしたの何気に初めてだね。...あっ!見て!咲いてる!アバンチュールフラワー」

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    #創作大賞2026 #恋愛小説部門

     
     
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