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ショートショート 「転校生」

 技術の粋を集めた超大型のワープゲートが、あらゆる星間を結ぶようになって久しい。

 かつては天文学的なコストがかかった星間移動も、今や身近なものになっていた。それに伴い、私たちの日常風景も一変した。様々な天体から多様な生命体が日々合流してくるため、異星人との交流など、今では誰も珍しがらなくなっていた。

 しかし今日やってきた転校生ばかりは、私の目を引いた。

 教室のドアを開けて入ってきた彼は、私たちから見れば、あまりにも奇妙で異形と呼ぶにふさわしい姿をしていたので、教室中にどよめきが広がった。
 全身を覆うカサカサとした外骨格もなければ、感情に合わせて美しく明滅する発光器官もない。大気中の電磁気を感じ取るための触角も見当たらなかった。

 代わりに、彼の頭部には不揃いな繊維の束が生えており、顔の真ん中には、不格好に突き出た肉の隆起があった。肌はあまりにも薄く、頼りないほど滑らかで、その内を流れる体液が透けて見えそうだった。

 私は前のめりになり、興味津々で彼を観察した。あんなに歪な姿で、一体どうやって意思を疎通させ、どんな環境で生きてきたのだろう。彼の生まれ故郷での生活を想像するだけで、私の胸は不思議と高鳴った。

 担任の先生が、教壇の前で緊張のあまり硬くなっている彼に向かって、右半分の触手を数本差し出して優しく言った。
「はーいみんな静かに。今日は転校生を紹介します。はるばる第三惑星の『チキュウ』という星からやってきた、新しいお友達よ」

(了)



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