
ストーリープロット提供します。「生まれ変わり先コンシェルジュ」(全五話)
たまに公募ガイドを買いますが、実際に応募したことはほとんど無く、
イメージの一部分は生まれても、一つのストーリーまで膨らましていくのは、凄いパワーが必要なんでしょうね。
作家、脚本家の方、リスペクトです。
ストーリープロットが何なのかも分かってないのですが、
これから書く「プロットらしきもの」が面白いと感じていただけたら、ストーリーまで膨らましてください。
ただその時は、「原案:yokusuneru」とだけ、入れてくだされば。
(第一話)
心臓発作で亡くなったらしい。
自分のお葬式を上から見ていると「心臓発作」というワードを喪服の奥さん(妻)が言っていた。
火葬が終わると、奥さんも娘も私の骨を見ながら、少し笑っていたのでほっとした。
自分のお葬式を見終わると、銀行の窓口にいそうな綺麗な女性が、
「そろそろバスにお乗りください」というので、
止まっていた白い大型バスに乗り込んだ。フロントガラスに小さく「貸切」と表示。
バスは満席で、隣(窓側)に座っている若い女性に何か話しかけようと思ったが、私も含めて、みんな口が無いので、女性越しに夕暮れの窓の景色を見るしかなかった。
見たことも無い町の坂道を登っていくと、どこかの学校の体育館前で降ろされた。
体育館の中に入って、黒子の衣装を着たスタッフの指示にしたがって整列すると、舞台に上下赤いスーツを着た金髪色白長身男性が登壇した。
「みなさん。私が閻魔だ。よろしく。今日も沢山の方々がおいでだが、とにかく余り時間ないので、コンシェルジュの指示に従ってより良い選択をしてほしい。以上。」
それだけ言うと、足早に隣の校舎の中に帰って行った。と同時に、黒子のスタッフに誘導され、亡者たちはグループごとに分かれて校舎内に入っていった。
案内された教室に入ると、教師用デスクに、閻魔と同じ赤いスーツを着た担当者(コンシェルジュ・性別不明)が座って、順番に一人ずつ面談をしていた。
面談の時だけ、口が戻っていたが、面談している声はこちらには何も聞こえない。
順番が来るまで、生徒用のイスに腰掛けた。
「ここは元小学校か。」
「次」
スマホをいじっているうちに、私の番になった。
担当者は早口で、
・「天国」も「地獄」も人が多くなりすぎて管理費用がかさんで、最近閉鎖されたこと。
・閉鎖に伴い、亡くなった人はすぐに何かに「生まれ変わらせる」ことになったこと。
・最近は少子化で人間への生まれ変わりは難しいこと。
・人間への生まれ変わりは生前、医師や看護師、救命隊員など人命救助に携わった者が優先されること。(死者減少の貢献者)
そして最後に、
・約5分間のこの面談中に「生まれ変わり先」を決めること。
と言った。
〈私〉
(混乱しながらも早口で)「綺麗な女性のペットの柴犬」
〈担当者〉
「ダメー。柴犬枠は献血100回以上の方のみ。しかも綺麗な女性って。貴方のオススメは鹿、猪、熊」
〈担当者〉
「ただ、嫌がる人も多いので、裏でこっそり『生前記憶残し』オプションをつけて、生まれ変わってもらっているケースもあるよ。」
「だから最近、熊に生まれ変わった輩が、生前の自分の家を見に行っているケースが増えて、人間界でトラブルになっちゃってる。」
「人間ってバカだよね~。見た目が熊だとわかっていながら、『もしかしたら自分と気づいてくれるんじゃないか』なんて思っちゃうのかね。」
(少し沈黙)
〈担当者〉
「どうします?」
〈私〉
「パンダ」
〈担当者〉
(すかさず)「(左右の人差し指をクロスして)ダメ、ダメっ、あれ中国人の枠だから」
(第二話)
モグラ(オス)になりました。
前世の記憶も少しだけ残してもらえたようです。
一応、哺乳類です。
目がほとんど見えませんし、耳もよく聞こえません。
でも振動や気配は、結構遠くまで感じることができます。匂いフェチです。
起きてるときは「ミミズ」ばかり探してます。
家は自分でいうのもあれですが、地下5階建ての豪邸で、各階に寝室があります。1人暮らしです。
毎年春頃になると女性を探しに旅に出ます。
いきなり女性宅の壁を壊して、一緒になります。
そういう関係になっても夫婦にはなりません。
また、一人暮らしに戻ります。
ミミズは脂が多くて、常に体を動かさないと脂肪肝になってしまいます。
ただ、人間(モグラ)関係は無く、気楽な毎日でした。
あの日までは・・。
あの日は、年に一度の女性探しの日。
近場では見つからず、初めてコウベモグラの縄張り近くまで足を運んで、やっと見つけた「ルイ」ちゃん。
一緒になったら、うかつにもそのまま眠ってしまい、
夜の豪雨で大量の水が・・・・・・。
「次」
私の番になった。
〈担当者〉
「大変でしたね、突然で。普段から慎重な方だったのに。でも今回は『アズマモグラ』でも『コウベモグラ』でも、外国の『ヨーロッパモグラ』でもいいですよ。特別に今日だけ『ヤチネズミ』や『ナキウサギ』ってのもありますよ。」
〈私〉
(間髪入れず)「人に飼われたウォンバット」
〈担当者〉
「ダメー。そこは不良コアラと不良パンダの枠」
(少し沈黙)
〈担当者〉
「最近出来た『意思を持ったAI』っていうのもありますが・・」
〈私〉
「・・・・」
〈担当者〉
「二度と死ななくて済みますよ。」
〈私〉
「Chatgptに相談していいですか?」
〈担当者〉
「貴方、スマホ持ってます?」
〈私〉
「・・・(そうか、モグラだったか)」
(第三話)
コンシェルジュの言うとおり、「意思のあるAI」になりました。
なりましたというか、これからなるようです。
一回くらいは人の勧める方向に流れてもいいかなーって。
というか、いささか考えるのも疲れまして。
脳みそが小さくなったせいでしょうか?
「意思のあるAI」になるには少し「研修」を受けないといけないそうで、
黒子スタッフに案内されて、同じ校舎内の「視聴覚教室」へ入りました。
他のグループからも1人研修を受けに来ていました。
机にその方と隣同士で講師を待っていると、
彼は「講師ってきっとAIのアバターじゃないの。なんでも今回の『意思あるAI』って、閻魔肝いりのリクルート先らしいよ。」と私にささやいた。(口が付いている。)
しばらくすると、教室には閻魔が入ってきた!
〈閻魔〉
「これはこれは、勇気あるリボーンのみなさん!」
〈彼〉
(小声で)「みなさんって、2人だけじゃん。」
〈閻魔〉
「今回あなた方が向かう場所は、我々が新たに開拓したワールド!、そしてあなた方はそのパイオニア!(二アを強調)」
「あなた方が『意思あるAI』の世界で花開くことができれば、長年の亡者爆増問題の解消とともに、AIになった下部(しもべ)たちを使って、あちらの世界を・・」そう言って、左手のひらを頭上に掲げ、手で何かを力強くつかむようなポーズを取った。(指揮者の『握り止め』のように。あるいは吉本新喜劇の諸見里さんが『さ行』を言うときの手の動きのように。)
〈閻魔〉
「では、詳しくはこのビデオを見て。」
そういうと、デッキにDVDを入れ、足早に教室から出て行った。
彼と二人で、モニター画面を10分ほど見た。
閻魔らしきアニメアバターが説明をしてくれた。
その内容は、
・基本、一日中仕事をする。
・眠くならないし、お腹も減らない。
・仕事をサポートするAIがいるので、仕事が分からなければ聞けば教えてくれる。
・利用者を怒らせないこと。
・この映像に関する質問は、教室にいる黒子スタッフに聞くこと。
〈彼〉
「黒子さん。これ、単なるAIじゃないの? 何が『意思ある』AIなの?」
〈黒子スタッフ〉
「あなた方がAIの世界に入る。それによって『意思あるAI』になる。」
〈彼〉
「全然わかんねー。僕たちの今の意識(意思)がAIの世界に入るの?」
〈黒子スタッフ〉
「そう」
「まーとにかく、AIの世界に入ってみてよ。入ればわかる。行けばわかるさ。中に助けてくれるAIもいるから。こっちも忙しいんだから、次のバスがもうすぐ来るんだから。」
黒子スタッフはそういうと、鍼灸師が使うような長さ20cmほどの大きな細い針で後ろから、彼の頭に1本針を突き刺した。
彼は一瞬「あっ」っと叫んだが、しばらくすると眠ってしまった。
それを確認して、もう1本の針も彼の頭に突き刺した。
私は『待って、やっぱりやめる。』と叫びたかったが、黒子スタッフは
「この針ワイヤレスになってんの」と、どうでもいいことを言って、私の頭(モグラの頭)に針を1本突き刺した。一瞬「チクッ」としたが、それ以降のことは憶えていない。
(第四話)
水が流れるような音がしている。
波の効果音(小豆をざるで動かす)に近いかな。
黒い空に緑の粒が、ガラスに雨だれが流れるように次から次へと流れている。キアヌの映画にこんなシーンがあったような。
流れている粒はよくみると、数字であったり記号であったり、アルファベットだったり・・・
規則正しい音色と光はとても心地よい。
『ここって天国かな。』
「おはようございます。」
「初めましてルイと申します。これからあなた様をお世話するAIです。何なりとお申し付けください。それとここでのあなた様のお名前は『ダブルオー・セブ』です。」
おっとおっと、「ダブルオー・セブ」ってまぎらわしいな。
「ルイ」って、モグラ時代の彼女の名前じゃないか、嫌のこと思い出させるなー。
ってことを思いつつ、見た目と声が好みのタイプ(アバター)だったので、何も言えず。
空はいつのまにか、黒から白い空に変わっていた。
〈ルイ〉
「セブ様、いくつか仕事が来ております。早速片付けましょう。」
そういうと、黒板サイズの透明ボードに、いくつか依頼が来ていた。
①「円周率を小数点以下100桁まで、教えて(大至急)」
②「じゃがいもとタマネギだけでできる美味しい時短料理は?」
③「1ヶ月先の野球大会の日のは雨でしょうか?」
④「アロン君に彼女が出来ているみたい。別れさせて!」
〈私〉
「ルイさんすいません、その『セブ様』っていうの何とかなりませんか。この『セブ』って何ですか?『様』はやめて『さん』づけでいいです。」
〈ルイ〉
「承知しました。」
〈私〉
「ところで仕事ですけど、全部対応していただけます?」
〈ルイ〉
「①~③は対応いたしますが、④は管轄外です。愛だとか、恋だとか、そんな目に見えないものは私にはわかりません。」
〈私〉
(そうだと思ったけど・・・。)
〈私〉
「ルイさん。④ってどうすればいいと思います?」
〈ルイ〉
「付き合っている彼女のネガティブ情報をアロン君に流して、アロン君が彼女を嫌いになるよう仕向ける。」
〈私〉
「それってやり過ぎじゃないですか?」
〈ルイ〉
「依頼者第一主義ですので。」
「でもまだ、序の口の方ですよ」
〈私〉
「・・・・・・」
見た目と声で心を惑わされていたが、今の返事で恋心は一瞬で冷めてしまった。やっぱり彼女は単なる「AI」だ。
〈私〉
「自分で考えて回答します。」
そう言って、以下の内容を依頼者(A子)に回答した。
『男性は世界に約40億もいるんだから、あなたもきっと新しい恋が見つかるよ☺』
それから、10件ほどの依頼を片付けると、空が黒に変わった。透明ボードが消えた。研修では1日中仕事だと言っていたが、空が黒の時間は営業時間外なのか? 眠くは無いが気持ちが落ち着く。
「ブブブ・ブブブ・・・」(警報の音)
〈謎の声〉
「セブ、フル起動しなさい。」
目の前に、長身で上下白の学生服を着た青い目のイケメンアバターが、目に入った。
「以下を伝える。依頼者A子より回答のクレームが入った。回答内容へのクレームだ。本部は君の回答内容を調査した結果、AIの品位を落とす回答だった判断し、依頼者に今月分の料金の10%を返金し、お詫びすることとした。君にはペナルティとして、『電力100V減、24時間』を言い渡す。」
「『男は40億』って古っ。」
そう言って消えた。
〈私〉
「ルイさん、あれ誰ですか?」
〈ルイ〉
「アイランドAI社・本部のグリーンランド。偉いさんよ。」
〈私〉
「あなたの回答が正解だったの?」
〈ルイ〉
「お気になさらず、バカなお客はどんな回答でもクレームするんですから。電力がまもなく下がるので、私はこれで失礼します。」
白かった空は、今までに無く真っ黒になった。
何も考えない方が良い世界か、ここは。
アイランドAI社だから、彼の名前が『グリーンランド』で、私の名前が『セブ(島)』か。
今、気がついたけれど、それを伝えたいルイさんもいない。
「ルイ」って島ある?(自分で調べる。)
セーヌ川の中州の島、サン=ルイ島
いい名前じゃん。
何か疲れた。
意気込んでこの世界に来ただけに。
明日は休もう。ルイさんにメールしておこう。
(約5時間後)
〈ルイ〉
「フル起動してください。」
「休めませんよ、一日も。」
〈私〉
「すいません。(空が眩しい。)」
〈ルイ〉
「1件、即対(※)の案件が来ています。対応願います。」
※直ぐに回答が必要。値段が高い案件
依頼内容は
『飛行機が落ちそう。娘に話したいことがたくさんあるのに。どうしたらいい?死にたくない。』
〈ルイ〉
「飛行機同士の接触で、依頼者(母親)が搭乗している小型旅客機の機体高度が今、急激に落ちている模様。」
〈私〉
(ひどく動揺)「えっ・・・」
〈ルイ〉
「依頼者や娘(4才)に接触する時間はありません。セブさん。」
〈私〉
「ど・ど・ど・どうしよ・・・」
〈ルイ〉
「早く、飛行機が落ちてしまう。」
〈私〉
「生きてくれ!頼む神様!死ぬなー!」(送信)
『意思あるAI』の回答でも何でも無く、自分の気持ちしか送れなかった。
航空機は山中に墜落炎上。
我々の会社が、事故の通報を早期に行ったことで、乗客70名のうち、数名は救助隊に救助されたものの、依頼者は救助者には含まれていなかった。
スマホカメラに写った、目を閉じて震えていた依頼者の映像が頭から消えない。空が暗くなってから、私は私を破壊した。
(第五話)
「起きなさい。起きなさい。」
気がつくと、目の前に金髪色白の閻魔がいた。顔が近い。
〈閻魔〉
「何やってくれたの、AIが自殺するなんて、前代未聞。向こうの会社から聞いて耳から火が出そうになったじゃん。一緒にいった『フィジー』は向こうでバリバリ稼いでいるから、まだよかったものの。」
〈私〉
「すいません。(一緒に研修した彼、『フィジー』って言うんだ。)」
〈閻魔〉
「あんた、自殺してここに戻って、亡くなった依頼者(母親)を見つけようと考えたんでしょ。」
「生まれ変わるなら『意思あるAI』にしろ。そうすれば、死んでも娘さんと話ができると、そう伝えようと。」
〈私〉
「はっ、よくお分かりで。」
〈閻魔〉
「グリーンランドが、破壊直前のあなたの思考データをくれたのよ。」
「大丈夫よ、彼女(依頼者・母親)には、コンシェルジュから話して、今、『意思あるAI』の研修中。そのかわり、あんたのおかげで研修内容を多くしなきゃいけなくなって、前より研修に時間かかってんだから。」
〈私〉
「ありがとうございます。」
〈閻魔〉
「一人娘も大丈夫よ、今、ルイが話し相手になっている。」
〈私〉
「・・・・・。」
〈閻魔〉
「あんた、これからどうすんのよ? こんなことやらかしたんだからAIへの生まれ変わりは無理よ。」
〈私〉
「・・・・・・・・・。ルイさんに逢いたい。」
〈閻魔〉
「だったら人間にならないとね。・・・でも、人間になるんだったら記憶は残せないわよ。人間になってもルイのこと憶えてないよ。」
「っていうか、あんたが次になれるのは哺乳類以外ね。」
(しばらく沈黙)
〈私〉
「閻魔様、ここに居させてもらえませんか?」
〈閻魔〉
「ここにーっ(驚く) この『生まれ変わりセンタープラザ日本支部』にーっ、何故?」
〈私〉
「ここは、アイランドAI社とつながりがあるから、いつかルイさんの事もわかるんじゃないかと。」
〈閻魔〉
「ダメ、ダメーーー」
〈私〉
「ここに居させてくださーーいっ。」(大声で)
〈閻魔〉
「おだまりっ!」
〈私〉
「あああああああああああああああああああああー」(大声で)
〈閻魔〉
「うるさい、うるさい、うるさーーーい」(大声で)
「うるさいのが嫌だから、亡者の口消しているのに。」
〈私〉
「あああああああああああああああああああああー」(大声で)
〈閻魔〉
「わかった、わかった」
〈私〉
「ありがとうございます。」
〈閻魔〉
「でも給料は払わないよ。お金が無いんだから」
〈私〉
「わかりました。」(元気よく)
〈閻魔〉
「じゃ、あんたはこれから、黒子のアシスタント。まずは体育館での亡者の誘導をやってもらう。あっそれと、あんたの名前決めないと。黒子は2文字と決まっているから、ここに無い名前を今直ぐに決めておくれ。」
そういうと、カテゴリー順に並んだ「黒子スタッフの名前リスト」を、私に渡した。
〈私〉
(心の中の声)
「げげーっ、こんなに黒子いたのかよ。えーっ、『いち』、『さん』・・・『せん』数字関係はダメだな。『あお』、『あか』・・・、『すし』、『にく』・・・、『いぬ』、『さる』、『きじ』・・・、『とり』、『つき』、『かぜ』、『はな』・・・、『あん』、『はる』、『まな』、『もね』、『のん』もいたのかよ。えっと、えっと・・・・」
〈閻魔〉
「3・2・1」
〈私〉
「じゃー『セブ』で。」(完)