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Photo byエドゥアール・マネ / メトロポリタン美術館

まとめたい時間と距離-第二話

    あなたはチューリップが好きですか?

    と人から聞かれるとしてみる。
    それ相応の答えが帰って行ったり来たりする人
    そういう人ってナイーブなだけなの。
    そう片付けていた日々が必ずしも有しことでは無い。そう考えるに至ったわたしはペンネームをつけた、寄稿を試みて居たのであった。

    最初の一行にインクのシミを付けては行かまいと腕を捲った。ドキリとわたしは拍子抜けしたのだった。いつの間にやら腕の高い位置にネズミのようなあざができて居た。
    擦って消えやしないかと 何度かハンカチを往復させたが、
    全くの無意味であった。

    これはなんだろうと
    手のひらの万年筆をテーブルに置き
    改めて懐中電灯で照らし出してみた。

    するとそこには一瞬目を疑う様なものを目に留めることが出来た。そこにあったのは、一本の芍薬と蝶々の絵であった。わたしは驚き慌てめき、図鑑というもので似た現象が無いか?浮き出て来る絵に就いてなんらかの情報を少しでも得ようと暗中模索した。

    しかしながら、答えはでず、紛い物なきその芍薬と蝶の絵に就いて一頻り観察を試みた

    コンコンと書斎の扉から音が鳴る

    もう一度コンコンと音が鳴った。

    しつこいわ。とわたしは思う

    見かねた空気に先手を持ち腕まくりを隠し扉を弾き開けた。そこには父がいた
    「おい、何時だと思っているんだ。」
    ええ、少し図鑑を見ているだけでしたよ。と怒らせない様に、父に注意を引かない様に軽く話題を逸らした。

    しかし、父の顔の不穏な感じは取れず仕舞いでわたしの方が申し訳ないほどに窶れた顔をして居た。
    父は開口一番にこういった
    「なんだ君の部屋からジリジリとヴァイオリンの様な音が聞こえるとしたら、すぐに誤りを直し、答えを言いなさい。朝っぱらからヴァイオリンを弾いていたかね?」
    わたしはあまりにも不意なことで、くすくすと笑い出してしまった
    「父さん、ヴァイオリンを習っているのは2階に住む妹ですよ。わたしはヴァイオリンのニスの香りにも愛着はありませんもの。
    メイドにあとで話を取り継いでくださいね。」
    父の不穏な表情は少し軽くはなっていたが、灰色の様なそのでしゃばりは変わらず仕舞いで、部屋を出ていった。

    わたしはふとそこで眠気に苛まれた。
    くらくらもして来るものだから、
    これはいかんとベッドルームに移動することにした。
    ベッドルームには確か鎮痛剤があるはずであった
    一歩一歩がフラッとするものだから、ゆっくりとしか進めない感じである

    ようやくベッドルームに辿り着くと
    そこにはメイドがいた。メイドに至急大きめのグラスいっぱいの水を用意する様に催促して
    やっぱり大きな音を立ててでていくメイドは今日はやけにあっさりした感じであった。

    「うなされて居ましたよ。」
    少し低めの声が聞こえる

    ぼんやりとしか見えない視界が薄れていった。
    これはなんだろうと思う間もなく、次目を開けるとメイドがコップ一杯の水を持ち突っ立って拍子抜けた顔をこちらに見せて居た。
    その驚きと隠しきれないあどけなさは少し笑うことに適して居たけど、表情がこわばるほどの
    鈍痛が体中をめぐっていた。
    メイドがいう
    「どなたかの香水の匂いがするどなたかのですね。」
    「そのお。誰でしたっけ、短めの襟足の」

    わたしはそれを聞いて口に含んだ少しの水を吹き出してしまった
    「あらいけないこと!」といいメイドは部屋を出ていきリネン室に向かった

    わたしは鎮痛剤が効いたらしいもあり
    部屋を背伸びしながら見渡した。
    確かに香水の若干の香りがしていた。
    もう一度反対方向から見渡すと見逃せないものを見つけた。わたしはそそくさと立ち歩き
    それを拾い上げてふふ。と笑みをこぼさずにはいられなかった。

    宛名塩野カズ 便り名遠藤直侯
    『君のことを考えている間は自由だ。』
    そう書かれたラブレターである
    わたしは必至めいて
    それ以外の文を探してみたが、目の視力が急に落ちてきて、見えなくなったので、そのラブレターをベッドの小脇に置きふとうたた寝をすることにした。

    わたしの名前は塩野カズ。そうだ。

     
     
     
    アマチュアのフォトグラファーです。 イラストの領域は保留中。

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