『深夜2時、コンビニ店員は宇宙人だった』
『宇宙人が深夜のコンビニで働いていた』
近所のコンビニに、宇宙人がいる。
深夜2時になると、必ずレジに立っている。
名前は「田中」。
名札にも、そう書いてある。
ただ、どう見ても田中ではない。
肌は青いし、目は三つある。
しかも、たまに宙に浮いている。
でも誰も何も言わない。
「袋いりますか?」
普通に聞いてくるからだ。
ある夜、僕は勇気を出して聞いた。
「田中さんって……宇宙人ですよね?」
田中さんの三つの目が、一斉に僕を見た。
「……なぜ、そう思います?」
「いや、青いし」
「はい」
「目、三つあるし」
「はい」
「浮いてますよね?」
「これは腰痛対策です」
なるほど。
いや、なるほどじゃない。
「地球には何しに来たんですか?」
田中さんは少し考えてから答えた。
「調査です」
やっぱり。
「何を調べてるんですか?」
田中さんはレジの横を指さした。
ホットスナックのケースだった。
「地球人は、なぜ深夜2時に唐揚げを買うのか」
僕は黙った。
右手には、唐揚げ。
左手には、プリン。
田中さんは小さな端末に何かを入力した。
「本日、47例目です」
その瞬間、僕は気づいた。
調査されているのは地球ではない。
深夜の僕たちだ。
