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CNAプロジェクト        ―We don't fit. We break.―

    あらすじ

    北海道・札幌を舞台に、型にはまらない音楽ユニット「Crazy Noisy Angels(CNA)」が活動を始める。ボーカルのアンナ、ダンサーのユイ、ラップ&フラッグ担当のカナ。知名度ゼロの三人だったが、ひょんなことからYOSAKOIソーラン祭りへのゲスト出演が決定。右も左も分からないまま、楽曲制作、ダンス、衣装、旗、イベント準備に追われるドタバタの日々が始まる。笑いあり、感動あり、ときどき失敗。それでも「We don't fit. We break.」を合言葉に、自分たちらしいステージを目指して走り続ける。ダイアリー、4コマ漫画、オリジナルMVなど、物語と創作が連動しながら広がっていく、新しい形のエンターテインメントストーリー。

    CNAプロジェクト - Prologue -

    第1話「アンナデビュー翌日」

    昨日のことが、まだ夢みたい。

    ステージに立つ直前、
    あの白いライトが降りてきた瞬間、
    時間が止まった気がした。

    怖くなかったって言ったら嘘になる。
    でも、それよりもずっと――
    「やっとここまで来た」って気持ちの方が強かった。

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    拍手の音、
    光の粒、
    少し震えた指先。

    全部、ちゃんと覚えてる。

    花束をもらったとき、
    泣かないって決めてたのに、
    目が熱くなった。

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    うれしいって、
    あんなに静かで、あんなに強い感情なんだね。

    帰ってからも眠れなくて、
    ヘッドホン外せなかった。

    今日、鏡を見たら
    ちゃんと“アンナ”がそこにいた。

    でもまだ始まったばかり。

    もっと歌いたい。
    もっと強くなりたい。
    もっと光の中へ。

    昨日は“はじまり”。

    今日は――
    覚悟の日。

    アンナ

    第2話「アンナの覚悟」

    デビューしてから、時間の流れが少し変わった気がします。
    早いようで、ちゃんと重い。

    あの日のライトの眩しさも、
    ステージに立つ前の静かな緊張も、
    まだ鮮明に残っています。

    でも不思議と、
    もう戻りたいとは思わない。

    “準備中”だった頃は、
    どこかで守られていた気がする。
    今は、全部が自分の名前で動く。
    それが少し怖くて、少し誇らしい。

    まだ小さな一歩。
    でも、確実に前に出ている。

    私は、ここから強くなります。

    見ていてください。

    ― アンナ

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    第3話「スタジオ練習」

    あの日から、毎日が濃い。

    少しだけ不安もあったけど、
    スタジオに入った瞬間、
    全部音に溶けた。

    鏡越しに、
    もうひとつの影が動く。

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    揃えるわけじゃないのに、
    呼吸が合う。

    強いなって思う。

    私は声で前に出るけど、
    後ろから押してくれる動きがある。

    一人じゃないって、
    こういうことなんだね。

    充実してる。

    まだ荒い。
    まだ足りない。

    でも、ちゃんと進んでる。

    アンナ

    第4話「アンナのオフ」

    今日は久しぶりに、ちゃんとしたオフ。

    カフェに入って、
    提出期限が今週末の
    学校のレポート…できるかな…

    テーマは
    「パフォーマンスにおける“間”の演出効果」。

    アンナの実体験
    あの日のライトを思い出しながら…書いた。

    歌い出す前の、あの一瞬の静けさ。

    あれが一番、心臓がうるさい。
    次の瞬間爆発する光…

    いいレポートが書けた気がする。
    少しだけ達成感。

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    そのままピラティスへ。

    オフに激しい運動はしない。
    ゆっくり体のメンテナンス。

    体を伸ばして、呼吸を整えて、
    ちゃんと自分を感じる時間。

    余計なことを考えないで済む
    贅沢なひとり時間。

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    夜は友達とごはん。

    たくさん笑った。

    なんでもない話をして、
    なんでもない時間を過ごして。

    ひとりもいいけど、
    やっぱり仲間がいると力強い。

    たくさん共感できる時間を共有し、
    一緒に泣いたり笑ったり…

    満喫。

    本当に贅沢な時間。
    また明日から、ちゃんと走れる。

    アンナ

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    第5話「授業」

    今日は学校。

    “間”の授業。

    今日はあえて、
    声を出さない練習。

    無音の中で立つだけなのに、
    これが意外と怖い。

    声がないと…不安!
    でもその分、
    呼吸とか視線とか、
    全部がはっきりする。

    先生が言ってた。

    「間は止まることじゃない。
    エネルギーを溜めること」

    なるほどって思ったけど、
    やってみると難しい。笑

    静かなはずなのに、
    自分の心臓の音だけうるさい。

    でも、
    ほんの一瞬だけ
    空気が変わった気がした。

    あ、今だ。

    難しいけど、
    ちょっと楽しい。

    そんなにうまくはいかなかったけどね。笑

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    帰り道、公園でスケボーの音。

    カタン、って
    アスファルトに当たるあの音。

    子どもたちの真ん中で、
    あの人が普通にトリック決めてた。

    派手じゃないのに、
    ちゃんと難しいやつ。

    歓声。

    目を丸くして、
    「もう一回!」って囲まれてる。

    「さすがオリンピック候補。」

    って言ったら、

    「もう違う。」

    って。

    少しだけ間を置いてから。

    すぐ言い直さないところが、らしい。

    でも、
    できない子がいたら
    さりげなく横にしゃがんで、

    「今の、ここだけ直せばいけるよ。」

    って。

    声は静か。
    でも目はちゃんと見てる。

    自分のことは
    あんまり話さないのに、

    人のことはちゃんと見る。

    うまくいかない日もあるけど、

    なんか大丈夫な気がした。

    アンナ

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    第6話「ネイル」

    今日はネイル。

    いつものネイリストさんにお願いした。

    いつもかわいいネイルをしてくれるから、
    今日は「お任せ」で。

    「じゃ、アンナのイメージでやるね!」

    アンナのイメージ……
    なんだろ?

    アイドル?
    光?
    ステージ?

    考えてるうちに、日頃の練習の疲れからか、
    ちょっとうとうと……

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    「完成!」

    えっ…………

    親指に、
    まあまあ大きめの雷。

    しかも立体。
    しかも黄色。

    「今に見てな、落ちるから。」

    って。

    ……何が?

    全く意味が分からない。

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    でも、
    ライトの下で見たらちゃんと光ってる。

    角度を変えると、雷の縁がキラッて光る。

    しかも、
    よく見ると細かいラメが入ってる。

    ……こだわりすごい。

    「絶対そのうち落ちるから。」

    意味は分からないけど、
    本人はすごく自信ありげ。

    帰り道、
    コンビニのガラスに映った手を見た。

    ……やっぱり派手。

    でも。
    なんか、ちょっとだけ元気出る。
    悔しいけど、ちょっと好き(笑)

    不思議。

    ネイルってこういうものなのかな。

    まあいいや。

    しばらくこの雷と付き合ってみる。

    アンナ

    第7話「いつもの友達」

    今日のスタジオ練習。

    いつもの友達とダンスレッスン。

    さすが“元”オリンピック候補だけあって、
    動きはキレキレ。

    体の止め方とか、
    ターンの速さとか、
    …なんかもう、別次元。

    私はというと、

    …完全にオイテケボリ。

    同じ振りなのに、
    なんであんなに軽いの。笑

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    「コツある?」

    って聞いても、

    「見て。」

    だけ。

    やってみる。

    「もう一回。」

    それだけ。

    なかなかうまくいかない…
    ( ノД`)シクシク…

    でも、

    横にいると不思議と焦らない。

    できないところは、
    黙って何回でも合わせてくれる。

    言葉は少ないけど、
    背中で引っ張るタイプ。

    うまくいかなくても、
    ちゃんとついていこうって思える。

    心強いパートナー。

    アンナ

    第8話「ドライブ」

    今日はちょっとだけ
    ドライブに付き合った。

    赤い小さめのオープンカー。


    低めのシートに座ると、
    なんかレーシングカーみたい。

    本人は
    めちゃくちゃ楽しそうに
    風を浴びてる。

    走ってるだけで
    風がすごい。

    髪ぐちゃぐちゃ。

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    途中で、
    海の見える小高い丘に車を止めた。

    エンジン止めたら、
    今度はまた違う風。

    静かな風。

    髪がふわっと揺れて、
    空がすごく近い。

    ……

    (…絵になるね)

    恥ずかしくて
    本人には言わないけど。

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    帰る前に、
    コンビニでひと休み。

    ブラックコーヒーを
    買っていた。

    私は
    ホットカフェラテ。

    夜風に揺られながら、
    2人で今日を振り返った。

    そういえば、
    初ドライブだったね。

    風、気持ちよかった…

    そんな日でした。

    アンナ

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    第9話「橘さん」

    スタジオの外部講師、橘さん。

    ゴリマッチョだけど、
    すごく優しい人。

    不定期でスタジオに来ていて、
    オーナーのお気に入りらしい。

    素性はよくわからないけど、
    なぜか私のことをよく見てくれている。

    ちょっとお兄さんみたいな存在。

    レッスンが終わったあと、
    スタジオの外で少し立ち話をした。

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    「どう?」

    橘さんが聞く。

    「できてるのかできてないのか
     よくわかんないけど……楽しい」

    橘さんは少し笑って言った。

    「できてるよ」

    「ありがとう」

    少し間があって、
    橘さんが聞いた。

    「今後どうしていくの?」

    「……何も決まってない」

    そう答えると、
    橘さんは少し考えてから言った。

    「アンナ、ひとりでやっていくのって
     結構大変だと思うよ。」

    ……

    やっぱり、
    そう思うよね。

    私も
    なんとなくそう感じていた。

    すると橘さんが続けた。

    「ユニットっていう形もあるよ。」

    ユニット…

    想像してなかったから、
    最初は意味が分からなかった。

    「えっ?」

    「アンナは歌で、
    後ろで支えてくれる人がいたら安心じゃない?」

    「それはそうだけど…」

    橘さんが聞いた。

    「誰か心当たりない?」

    ドキッとした。

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    ピッタリな人が
    一人だけ…いる。

    でも、もし断られたら。

    正直、
    他にあてはない。

    ……

    ちょっとだけ
    怖くなった。

    そのとき橘さんが
    私の背中を軽く叩いた。

    「まぁ、聞くだけ聞いてみな。」

    橘さんが
    ふっと視線を向けた先。

    スタジオの奥で
    ひとりストレッチしている人。

    ……

    私も
    同じ方を見ていた。

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    第10話「ユニット?」

    レッスンが終わって、
    スタジオの奥に…いた。

    ストレッチしている。

    声をかけるタイミングを
    ずっと探していたけど、

    結局
    普通に声をかけた。

    「ユイ」

    ユイが顔を上げる。

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    「ん?」

    何て言えばいいんだろう、
    一瞬戸惑った。

    でも
    言うしかない。

    「もしよかったら、一緒にやらない?」

    「え?」

    「その…ユニット」

    少しだけ沈黙。

    ユイは
    一瞬だけ戸惑った顔をした。

    やっぱりダメかも。

    そう思った瞬間。

    ユイが笑った。

    「もちろんいいよ!」

    その言葉を聞いた瞬間、

    全身の力が
    一気に抜けた。

    私はそのまま
    床にへたり込んだ。

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    ユイが笑う。

    「頼りないぞ、リーダー!」

    「だって…」

    言葉が続かない。

    視界が
    少しぼやけた。

    ……涙が出そうだった。

    第11話「新メンバー ユイ」

    はじめましてユイです。

    アンナに誘われるがままに、
    一緒にやるって約束しちゃいました。

    ユニット、だって。

    私に何ができるかな?
    ―――――――――――—————
    アンナは幼馴染。

    小さい頃から
    ずっと妹みたいに思ってた。

    かわいいんだよ、あいつ。

    でもね、
    かわいいだけじゃない。

    ちょっと不思議な雰囲気がある。

    気づいたら
    自然と人が集まってくる。

    そんな不思議な魅力がある。
    ――――――――――—————
    あるときアンナが
    真剣な顔で言ってきた。

    「アイドルになりたい」

    びっくりしたけど、
    その時から私は

    アンナのファン第1号(笑)

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    私はというと
    ずっと運動ばっかりやってきた。

    スノーボード
    ハーフパイプ。

    4年前の北京は
    実力不足。

    そして今年の
    ミラノ・コルティナ。

    人生をかけて挑んだ。

    でも――

    選考されなかった。

    そして私の競技人生は
    ここで終わった。

    ……

    目標がなくなった…

    とりあえず体を動かすと、
    何も考えなくて済む。

    そんな毎日…

    (ちゃんとしなきゃな)



    そんな時に
    アンナが声をかけてきた。

    「一緒にやらない?」

    意味が分からなかった。

    (私がアイドル?)

    なんでだろう。

    理由はよく分からないけど、

    アンナのためになれるなら
    そんな気持ちで、つい

    「もちろんいいよ!」

    って言っちゃった(笑)。

    私に何ができるかわかんないけど、
    何の目標もない私を
    もう一度動かしてくれた。

    第2の人生を
    アンナにかけるのも

    悪くないんじゃないかと思う。

    第12話「ユイのダンス」

    スタジオ練習

    今日はスタジオ。

    ユイも一緒。

    ユイは
    ダンスなんてやったことないって言ってたけど、

    私は前から
    何度か見ている。

    やっぱり
    すごい。

    体の動きが
    自然なんだよね。

    リズムの取り方も
    変に考えてない感じ。

    アスリートって
    こういうものなのかなって思う。

    私は
    そんなことを考えながら見ていた。

    橘さんも
    腕を組んで見ている。

    橘さんは
    ユイのことを知っている。

    元オリンピック候補。

    スノーボード
    ハーフパイプ。

    身体能力が高いのは
    最初から分かっていたみたい。

    でも――

    今日は
    少し様子が違った。

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    途中で橘さんが言った。

    「ユイ」

    「ダンスやってた?」

    ユイは
    首を振る。

    「いや、全然」

    橘さんは
    少しだけ笑った。

    「嘘だろ」

    そして

    「テンポがいい」

    「指先の動きが
     素人じゃない」

    私は
    ちょっと驚いた。

    そこまで見てるんだ。

    橘さんは
    スタジオの鏡を見ながら言った。

    「少しやれば」

    「ダンスだけで食っていける」

    私は思った。

    やっぱり。

    ユイは
    すごい。

    でも――

    橘さんは
    少し考えている顔をしていた。

    「面白くなるな」

    そう言ったあと

    橘さんは
    小さく続けた。

    「ただ…」

    「もう一人欲しいな」

    第13話「橘の独り言」

    もう一人。

    誰を入れるか。

    ユニットを作るなら
    三人は欲しい。

    アンナとユイ。
    この二人はいい。

    ただ――
    あと一人が決まらない。

    いろいろ考えてみる。

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    清楚系。
    いかにもアイドル、
    って感じの子。
    ……違うな。

    お笑い担当。
    場を回すタイプ。
    それもなんか違う。

    音楽系。
    歌や楽器が強いタイプ。
    悪くないけどしっくりこない。

    活発なダンス路線。
    ユイと並べてパフォーマンスを強くする。
    それも悪くない。

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    でも――

    どれもピンとこない。

    俺が欲しいのは
    多分そういうのじゃない。

    もっと

    空気をかき回すようなやつ。

    予定を壊してくるやつ。

    少し破天荒なくらいでいい。

    それでいて

    ビジュアルもいい。
    身体能力も高い。

    ……

    そんなの
    いるわけないか。

    でも

    もう一人は
    慎重に選ばないといけない。

    せっかく
    いい流れができてる。

    この流れを
    ちゃんと形にしたい。

    あと一人。

    ……

    いないかな。

    第14話「ユイ改造計画」

    今日はユイとお茶。

    というか
    ユイ改造計画(笑)

    ユイってさ、

    ずっとスポーツばっかりで
    オシャレとか全然気にしてこなかったらしい。

    服とか見ても

    「これ動きやすい?」

    まずそこ。

    いや、そこじゃない(笑)

    だから今日は

    オシャレ講座。

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    スケスケトップス当ててみたり
    短いスカート当ててみたり

    そのたびに

    ユイの顔が
    どんどん困っていく。

    それが面白くて

    ちょっと遊んでた(笑)

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    ユイが泣きそうなので、
    ちょっと休憩でカフェへ

    疲れた顔のユイ。
    ブラックコーヒーで一息ついたところ

    私の手を見て
    「それ、かわいい!」

    稲妻のデザイン。

    ちょっと派手だけど
    私は結構気に入ってる。
    アンナ
    「でしょ?」
    ユイ
    「なかなかそのネイルは見ないよね」
    アンナ
    「ネイリストの友達にやってもらった」

    そして言った。
    アンナ
    「ちょっと変わってるけど、腕は確か」
    ユイ
    「私もかわいいネイルの挑戦したいな」
    アンナ
    「うん!紹介する!」
    「ちょっとクセあるけどさ…面白いよ?」

    ユイは
    その時は、軽く聞き流してた…

    第15話「ネイリスト ≪カナ≫」

    後日。

    ユイを連れて
    ネイルサロンへ。

    ユイはネットで色々調べてきたらしく
    カナにスマホ見せながら
    「こんな感じとか」
    「こんなのもいい」
    「これもいいな」

    完全に浮かれてる

    いろいろ言ってたけど

    カナはニコニコして

    「うんうん」

    って言いながら…

    多分
    半分くらい聞いてない。

    そして最後に一言。

    「あたしに任せて!」

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    ユイが
    「う、うん…」
    って顔してる。

    私は小声で言った。
    「大丈夫…多分」

    そして。

    「はーい完成!」

    「えっ………」

    しばし沈黙

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    それもそのはず
    ユイの爪は見事に真っ黒…

    「これ?……」

    完全に固まってる。

    カナが言う。

    「黒が似合う人って、

    絶対かっこいいから!」

    そうだけど…

    でもよく見ると

    親指にだけ
    細い渦巻のモチーフ。

    細かい。

    めちゃくちゃ細かい。

    ユイが

    「……」

    「……」

    「かっこいいかも」

    って言った。

    カナはどや顔。

    「だから言ったじゃん。」

    そのあと。

    ユイはずっと
    自分の爪を見てた。

    帰り道も。

    信号待ちでも。

    電車の窓でも。

    ……

    なんだかんだで、
    気に入ってるみたい。

    紹介してよかった…のかな?(笑)。

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    第16話「ユイの変化」

    スタジオ帰り。

    ユイとお茶して帰るのが
    最近の日課になりつつある。

    ユニットの話は
    正直、何も進んでない。

    でも

    橘さんに任せておけば
    いいか…

    なんて

    ちょっと吞気に考えてる。

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    ユイは最近

    すごく笑うようになってきた。

    あの時のこと

    少しは
    乗り越えたかな。

    だとしたら

    私も
    少しはいいことしたのかも。

    ……だったらいいな。

    ユイは最近

    オシャレにも
    結構熱心。

    自撮りしたり

    スマホの着せ替えアプリで
    色を合わせたり
    組み合わせを考えたり。

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    でも

    結局最後は

    黒。

    やっぱり
    黒に落ち着くんだけど(笑)

    まだまだ
    これからだね。

    今は

    充実した毎日。

    でも

    現状に満足したら
    前には進めない。

    もっと
    高みを目指すために。

    あと

    もう一人。

    第17話「ア・タ・シ」

    今日はお休み。

    朝の弱いアンナは
    起きたらもうお日様かんかん…

    見にいこうと思ってた映画、
    ギリギリ間に合いそう!

    急いで準備して
    行ってきます。

    すっごく良かった!

    めちゃくちゃ泣いた

    事故物件ゾク 恐い間取り(笑)。


    映画館を出て
    まだ余韻に浸りながら歩いていたら

    あれ?

    ……ユイ?

    見たことないくらい
    おしゃれしてる。

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    思わず

    「ユイー!」

    ユイがびっくりして振り向く。

    「アンナ、どうしてここに…」

    ちょっと
    恥ずかしそう。

    なんか

    いつもと違って
    大人っぽいユイ。

    でも

    ちょっと
    似合ってるかも。

    立ち話していると

    急に

    「アンナ、ユイ!」

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    え?

    誰?

    奇抜なスタイルで
    一瞬わからなかったけど

    「カナ!」

    カナが笑う。

    「何してんの?」

    「立ち話してるなら
    そこの喫茶店行かない?」

    「美味しいクレープあるよ!」

    ユイと顔を見合わせて

    「行こう!」(笑)

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    喫茶店。

    クレープを食べながら

    私は聞いた。

    「カナは何してたの?」

    カナは平然と答える。

    「ただの食べ歩きだよー」

    「まだ3軒目」

    「……」

    ユイと
    顔を見合わせた。

    「そういえば2人は何してるの?」

    カナが聞く。

    ユイが答える。

    「ユニットの最後の一人
    探してる」

    カナ

    「へー」

    「あたし
    心当たりあるかもー」

    ユイと私は

    「誰?どんな子?いくつ?」

    思わず
    食い気味。

    カナ

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    「ア・タ・シ」

    「………」

    しばし沈黙。

    ユイが言った。

    「何やるか、わかってんの?」

    カナは

    ナポリタンをほおばりながら

    普通に言った。

    「わかんないけど」

    「楽しそうだから」

    画像

    私は思わず言った。

    「そんなに簡単なことじゃないよ」

    ユイも続く。

    「練習だってきついし」

    「歌も踊りもだよ」

    「運動したことある?」

    「休みだってほとんどないよ」

    矢継ぎ早に

    ちょっと諦めさせるつもりで
    説明する。

    でも

    カナは

    ナポリタンをほおばりながら

    「大丈夫だよー、あたしは」

    ……。

    ユイと目が合う。

    (アンナ、どうするの?)

    (わかんないけど…)

    (1回連れて行ってみる?)

    (そしたら諦めるよ、きっと)

    私はカナに言った。

    「わかった」

    「じゃ、まずは研究生ね」

    「できそうなら続ければいいし」

    カナは

    にこっと笑って言った。

    「はーい」

    まさかカナが
    やりたいなんて…

    でも

    無理だよね、絶対。

    第18話「カナ初練習」

    今日はカナが初めて
    スタジオに来る日。

    ……とはいっても
    正直、あんまり本気にしてなかった。

    この前だって
    「楽しそうだから」
    って感じだったし。

    きっと今日も
    軽いノリで来て

    ちょっと見て
    やっぱ無理かもーって
    帰るんじゃないかなって。

    ユイもたぶん
    同じこと思ってる。

    スタジオの入口で待っていると
    遠くからこっちに歩いてくる人影。

    ……え。

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    ピンクのTシャツに
    黒の短パン。
    そしてサングラス。

    どう見ても遊びに来た人。

    私は思わず
    ユイに小声で言った。
    「……ねえ、あれ本当にカナ?」

    ユイも真顔で
    「たぶん」
    って。

    近づいてきたカナは
    いつもの調子で手をあげた。

    「おはよー」

    いやいや。
    その格好で“おはよー”じゃないのよ。

    私はちょっと笑いそうになったけど
    なるべく真面目に言った。

    「ここ遊びに来る場所じゃないからね?」

    するとカナは
    「わかってるよー」
    って言いながら
    サングラスを外した。

    ……ほんとにわかってるのかな。

    スタジオに入って準備を始める。

    ユイはストレッチ。
    私は音の確認。

    でもカナは
    鏡の前で
    自分を見ながら一言。

    「このスタジオ、盛れるね」

    私は思わず
    振り返った。

    「盛れるとかじゃなくて!」

    ユイはもう
    こめかみ押さえてる。

    「アンナ、たぶん今日長いよ」
    そんな予感しかしない。

    画像

    とりあえず基礎の動きから。

    まずは経験者ならだれでもできる
    簡単なステップ。

    ……のはずだったんだけど。

    カナ、
    余裕でできてる。

    「え?」

    私とユイ、同時に止まる。

    ユイが小さくつぶやく。
    「……今の、合ってたよね?」

    もう一回やってもらう。

    やっぱりできてる。

    それもちゃんとリズムに合ってる。

    私はちょっとだけ
    嫌な予感がした。

    次は上級レベルの少し難しいステップ。

    普通はここでつまずくところ。

    ……のはずなのに。

    カナ、
    普通にできる…
    どころか

    アレンジ入れてきた。

    「……なに?」

    ユイが完全に固まる。

    カナは楽しそうに
    くるっと回って
    最後に軽くポーズ。

    画像

    スタジオが

    一瞬、静かになる。

    みんなポカーン。

    カナだけ
    めちゃくちゃ楽しそう。

    ユイは
    なぜかちょっと悔しそう。

    私は思わず言った。

    「カナ、すごい!」

    「……やってたの?」

    するとカナは
    首をかしげて

    「何を?」

    ……。

    私は言葉に詰まる。

    ユイも無言。

    カナは普通に
    「なんか体動かすの好きだから
    適当にやってるだけだよー」

    って笑ってる。

    いや、
    “適当”のレベルじゃない。

    私はユイと目を合わせる。
    (これ、どうする?)

    ユイは小さく
    (知らない)
    って顔をした。

    さっきまで
    すぐ諦めると思ってたのに。
    なんか全然違う。

    この子ちょっと変。

    でも——

    なんか面白い。

    第19話「橘の決断」

    今日のスタジオは
    ちょっと空気が違った。

    原因はユイ。

    カナの動きを見てから
    明らかにスイッチ入ってる。

    「もう一回」
    「そこ違う」
    「もっとこう」

    いつもより言葉も動きも強い。

    カナはというと
    それを楽しそうにマネしてる。

    真似して
    ちょっと崩して
    また笑ってる。

    それを見て
    ユイがさらにムキになる。

    「違うって言ってるでしょ」
    「だからこう!」
    どんどんヒートアップ。

    でもカナは全然引かない。
    むしろ楽しそう。

    画像

    そのやり取りを
    何回か繰り返していると——

    後ろで見ていた橘さんが
    小さくつぶやいた。

    「……この子だ」

    私は思わず振り返る。

    「え?」

    橘さんは
    すぐに私を呼んだ。
    「アンナ、ちょっと来い」

    少し離れたところで
    真剣な顔。

    「この子にしよう」

    「え?」

    思わず聞き返す。
    「本気で言ってる?」

    橘さんは即答だった。
    「これ以上ないくらい本気だ」

    その目、
    ちょっと怖いくらい真剣で。

    ……なんだか
    すごく興奮してる。

    私は一瞬
    言葉が出なかった。

    とりあえず
    ヒートアップしてる
    2人を止める。

    「ちょっと待って!」

    ユイは息を切らしながら
    「まだできる」

    カナは
    「楽しいねこれ!」

    この温度差…(笑)。

    そのまま
    4人で簡単なミーティング。

    橘さんが
    まっすぐカナを見てこう言った。

    「カナ……って言ったっけ?」
    「正式に採用だ」

    画像

    ……。

    一瞬、静まる。

    私とユイは同時に言った。
    「いきなり?」
    「ほんとに大丈夫なの?」

    だってまだ数回しか会ってない。
    練習も始めたばかり。

    なのに——

    カナは満面の笑みで
    「やったー!」

    ……。

    この温度差…

    ユイが小さくつぶやく。
    「軽ぅ……」

    でも橘さんは一切ブレない。

    「俺がイメージしてた子だ」
    「間違いなく最終ピースだ」
    「絶対に逃したくない」

    その言葉に
    私は少しだけ黙った。

    ユイも何も言わない。

    ……正直
    まだ不安。

    でも
    さっきの2人を見てたら
    なんとなくわかる。

    カナが入ると
    何かが変わる。

    空気もスピードも
    全部。

    私は小さくうなずいた。
    「……わかった」

    ユイも少しだけ考えてから
    「……私もいい」

    って。

    こうして
    私たちのユニットは
    3人になった。

    ……たぶん
    ここから全部変わる。

    第20話「新メンバー カナ」

    カナだよ。

    ユニットメンバーになっちゃった。
    立候補したんだけどね(笑)

    1回目の練習で即採用。
    タチバナサンだっけ?
    見る目あるよねー(笑)

    あたしとアンナの出会いは、
    アンナがあたしの店にネイルしに来たの。

    どこの誰か知らないけど、
    あたしを紹介してくれたんだって!

    で、アンナ見た瞬間、

    あ、これヤバいなって思った(笑)

    画像

    だってこの子、
    普通じゃないオーラ出てるんだもん。

    なんていうか、
    奥にある魅力が
    隠しきれてない感じ(笑)

    あたし、すぐ決めた。

    この子と友達になるって。

    だから初回だけ半額にしちゃった(笑)

    ※普段はしないから、今から来てもダメだよ(笑)

    アンナはネイル気に入ってくれたみたいで、
    ちょこちょこ来るようになってさ。

    あたしもご飯誘ったりして、
    一緒にクレープ食べに行ったりしてね。

    アンナ、甘いものには目がないんだって(笑)

    そんな時に、
    ユニットメンバー募集してるって聞いて。

    あたししかいないじゃんって思った(笑)

    何やるか?

    正直、何にも知らない。

    でもさ、

    アンナと一緒なら
    なんでもいいかなって思ったんだよね。

    これから楽しくなるよ!

    画像

    そういえばタチバナサン?
    ゴリラみたいだよね。
    チャンゴリって呼ぶことにする(笑)

    ユイはさ、
    なんか真面目っていうか、
    ちょっと怖い(笑)

    でもね、
    ちゃんと見捨てないで教えてくれる。

    服、黒ばっかりだから
    今度プロデュースしてあげよう。

    でも黒似合うって、
    かっこいいよね。

    ところであたし、何やるんだろ?

    まだなんにも聞いてないし、
    決まってないっぽい(笑)

    これから作っていくなんて、
    楽しすぎじゃん!

    第21話「ユニット名決定」- Prologue 最終回 -

    練習が終わったあと。
    橘さんに呼ばれた。
    「ちょっと時間ある?」

    珍しく少しだけ柔らかい声。

    向かった先は
    ——あの喫茶店。

    「……ここ、また来たね」
    カナが言う。
    私は思わず笑った。
    「そういえば最初に会ったのここだね」
    ユイも小さくうなずく。

    画像

    席について注文して。

    ちょっとだけ
    落ち着いたところで
    橘さんが口を開いた。
    「今日は一つ決める」

    私たちは顔を見合わせる。
    「何を?」

    橘さんはまっすぐ言った。
    「ユニット名だ」

    ……。

    一瞬

    空気が止まる。

    ユニット名。

    それって
    本当に始まるってこと。

    カナがすぐに
    「いいね!」
    って前のめり。

    ユイは少しだけ考えて
    「ちゃんとしたのにしよう」
    って。

    私は
    ちょっとだけ緊張しながら
    「……どんなのがいいんだろう」
    ってつぶやいた。

    画像

    橘さんは少しだけ笑って
    「それを今から決めるんだよ」

    テーブルの上に
    ナプキンとペンが置かれる。

    なんだかすごく
    ワクワクしてきた。

    ここから
    “私たち”が始まる。

    最初に口を開いたのは
    やっぱりカナ。

    「はい!」
    「“もぐもぐスターズ”!」

    ……。

    ユイ
    「却下」
    「早くない!?」

    カナは止まらない。
    「じゃあ“激辛ファイターズ”!」
    「なんで辛いの」
    「さっきのクレープ美味しかったから」

    理由が軽い。

    私は笑いながらも
    「もっとこう……続けられる名前」
    って言う。

    カナは腕を組んで
    「じゃあ……“キラキラ無限大”!」

    ユイ
    「それはちょっと……」

    カナ
    「えーいいじゃん!」
    そのやり取りに
    少しずつ空気が和む。

    ユイが真面目な顔で言う。
    「ちゃんと意味がある方がいい」
    「コンセプトとか」

    私は

    2人を見ながら考える。

    明るくて
    自由で
    でも
    ちゃんと芯があって。

    その時——

    橘さんが静かに言った。

    画像

    「3人で1言ずつ決めたらどうだ」

    ……。

    私たちは一瞬止まる。

    カナがすぐに反応する
    「いいねそれ!」

    ユイも少し考えて
    「……悪くないね」

    私は2人の顔を見る。
    ……うん。
    その方が、私たちらしい。

    カナがペンを取る。
    「じゃあ、あたしからね」
    迷いもなく書いた。

    「CRAZY」

    予想外のことに私は思わず絶句

    カナは笑う。
    「普通じゃないってこと」
    「まずはインパクト」

    ……。

    ユイが小さくつぶやく。
    「うん、いいと思う」

    次は私がペンを持つ。

    私は
    最初から考えていた文字を書く

    「ANGELS」

    カナが言う。
    「アンナらしいね」

    ユイも納得してる顔

    「CRAZY ANGELS」
    響きがいい

    でも、まだユイがいる

    少しだけ考えてから
    静かに書いた。

    「CRAZY NOISY ANGELS」

    一瞬体に電気が走った気がした

    言葉がぴったりはまる。

    カナが笑う。
    「これ、いいじゃん」

    ユイは何も言わないけど
    少しだけ口元が緩んでる。

    私はナプキンに書かれた文字を見つめる。

    CRAZY

    NOISY

    ANGELS

    バラバラなのにちゃんと一つになってる。

    まるで私たちみたいに。

    橘さんが
    静かにペンを取る。

    3つの言葉を一つにつなげて
    少しだけ整えた。

    CRAZY NØISY ANGELS

    Oに棒が入る。
    少しだけ違和感。

    でもそれがいい。

    私は思った。

    これが私たちの名前。

    まだ何者でもない。

    でも——

    ここから
    何かになる。

    カナが言う。
    「かっこいいじゃん!」

    ユイも小さく
    「……うん」

    って。

    私はナプキンを見ながら
    少しだけ笑った。

    「よろしくね」

    私たちの名前。

    店を出ると
    夜の空気が少し冷たかった。

    でも胸の奥は
    少しだけ熱い。

    まだ何も始まってないけど。
    でも
    確実に何かが始まった。

    CRAZY NØISY ANGELS— Begin.
    ――Prologue Complete.

    To be continued...
    Next:Season 1
    We’ll be back soon… please stay tuned.


    CNAプロジェクト - season 1 - Episode 0

    【CNA INTERVIEW】

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    インタビュアー:
    「さて、メンバーが揃い、いよいよシーズン1が始まろうとしています。
    ただ、視聴者の皆さまにとっては、まだ“?”が多い状態かと思います。

    本日は、せっかく3人に集まっていただいていますので、
    いろいろとお話を伺っていきたいと思います。

    ――よろしいでしょうか?」

    アンナ:「はーい✨」
    ユイ:「いつでもどうぞ」
    カナ:「イエーイ!待ってました!」

    Q. まず、CNAでのそれぞれの役割を教えてください

    アンナ:「私はメインボーカルです。
    歌で、ちゃんと伝えられるように頑張ってます」
    ユイ:「パフォーマンス。
    運動系は得意。動きで魅せるのが役目」
    カナ:「あたしは……?
    まだ決まってないかもー」
    ユイ:「何しに来てるんだか」
    カナ:「いやでも事実じゃない?(笑)」
    アンナ:「これからこれから。
    まだ始まってもいないから✨」

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    Q. 3人の出会い・結成のきっかけは?

    アンナ:「ユイは幼馴染。
    近からず遠からず、って感じだったよね」
    ユイ:「私はアンナの夢を応援してた。
    …誘われた時は、正直うれしかったよ」
    アンナ:「カナとはネイルだよね!
    面白い人だなとは思ってたけど、
    まさか一緒にやることになるとは思ってなかったな」
    ユイ:「悔しいけど、ネイルは気に入った(笑)」
    カナ:「一緒にやる運命だったんだよ。
    ……しらんけど(笑)」
    アンナ:「……うん、そうかも」

    Q. お互いの第一印象は?

    アンナ:「ユイはお姉ちゃんみたいな感じかな。
    昔から頼りになるしね✨
    カナは……最初からテンション高くて、
    最初から自由だった(笑)」
    ユイ:「アンナは昔から不思議な雰囲気。
    気づいたら人が集まってくる。
    ……天性のアイドル気質ってやつ。
    カナは……変な奴。
    今もそれは変わんないな」
    カナ:「アンナは会った瞬間、“シビレた”(笑)
    なんかこう、ビビッときた感じ?
    ユイはちょっと怖かったけど……
    今はそうでもないかな」
    ユイ:「“今は”ってなんだよ」
    カナ:「いや、今は優しいじゃん(笑)」
    アンナ:「え、どういう意味?電気発してた?(笑)」

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    Q. これからやってみたいことは?

    アンナ:「まずは、しっかり活動すること。
    たくさんの人に伝えられたら最高です✨」
    ユイ:「できるだけデカいステージ。
    やるからには、中途半端なのは興味ない」
    カナ:「やーっぱ東京ドームでしょ!
    あと海外。ニューヨークとかロスとか」
    ユイ:「アメリカばっかじゃん。ノリで言うな」
    カナ:「いやでも行けそうじゃない?(笑)」
    アンナ:「ふふっ……でも、いつか行けたらいいね✨」

    Q. みんなにとってCNAとは?

    アンナ:「うまく言葉にするのは難しいけど……
    それぞれの夢をかなえる“箱”みたいなものかな。
    方向は違っても、行き先は同じ……そんな場所✨」
    ユイ:「やり直しの人生……かな。
    綺麗ごとだけじゃないけど、
    もう一度、ちゃんと熱くなれる場所。
    ……嫌いじゃない。この感じ。」
    カナ:「え?まだ何も決まってなくない?(笑)
    でもさ、楽しいことは間違いない。
    あたしの勘が、そう言ってるから。」
    ユイ:「お前な……」
    カナ:「いいじゃん、そういうのも(笑)」
    アンナ:「ふふっ……それもCNAっぽいよね☺️」

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    Q. 最後に一言お願いします

    アンナ:
    「やっとスタートラインに立てました。
    あたたかく見守ってもらえたら、うれしいです✨
    これから、応援よろしくお願いしまーす!」

    ユイ:
    「まだどうなるかはわかんないけど……
    ……後悔はさせない。
    ついてきて。」

    カナ:
    「日本一……いや、世界一……いや、宇宙一になるから!
    まぁ、とりあえず見といてよ(笑)」

    ユイ:
    「さすがに志がデカすぎる!」

    アンナ:
    「ふふっ……これぞカナだね(笑)
    こんな3人だけど、これからも応援よろしくね✨」

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    CNAプロジェクト - season 1- Episode 1

    【ファン1号?】

    スタジオのすみっこに、
    いつもいる子がいる。

    大きなリュックを背負って、
    ノートをぎゅっと抱えて。

    ずっとこっちを見てる。

    ……いや、
    ほとんどアンナを見てる。

    練習生だろうか。
    でも、一緒に練習したことはない。

    不思議な子。
    ……でも、ちょっと嬉しい。

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    練習の合間。

    アンナが、ふっとその子の方に歩いていった。

    「いつも見てくれてるね。ありがとう」

    その瞬間。

    その子の顔が、一気に赤くなって――

    そのまま、走っていった。


    「……大丈夫か?今の」

    ユイが、少しだけ警戒した顔で言う。

    「うん。見てくれてるんだもん。
    お礼くらい言わないと」

    アンナは、いつも通り。

    カナはそれを見て、くすっと笑う。

    「そうそう。ファンは大切にしないとね」

    アンナ・ユイ「「ファン?」」

    二人が同時に止まる。


    「……そういえば」

    「CNAのファンって、まだいないよね」

    「さっきの子……」

    「ファン1号じゃない?」

    「応援してくれてるのかな?」

    「……わかんないなら、聞けばいいじゃん」

    カナがいつものノリで言う。


    そして、次の日。

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    「ねーね」

    いきなりだった。

    カナが、その子に声をかける。

    「CNAのファン?」

    その子はビクッとして、
    一歩下がる。

    しばらく黙って――

    聞こえるか聞こえないかくらいの声で、

    「……はい」

    「やったー!」

    カナが満面の笑みで言う。

    「じゃ、ファン1号だね!」

    「名前なんて言うの?」

    少し間があって。

    「……ニーナ……です」

    「ニーナ!」

    「これからもよろしくね!」

    カナが手を振る。

    ニーナは、こくん、と小さくうなずく。

    顔はまだ真っ赤のまま。

    アンナが、やさしく笑う。

    「ニーナ、ありがとう」


    そのあと。

    ニーナはまた、いつもの場所に戻る。

    大きなノートをぎゅっと抱えて。

    静かに、CNAを見つめていた。

    でもそのページの中は――

    きっと、

    ほとんどアンナで埋まってる。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 2

    【はじめて、近く】※ニーナの目線

    今日も、行った。
    いつもの場所。

    スタジオの、すみっこ。
    見るだけでいいと思ってた。

    それで、十分だった。

    でも、昨日――

    話しかけられた。

    「ありがとう」

    って言われた。

    あれから、
    ちょっとだけ、世界が違う。

    アンナを見てるのは、同じなのに…

    距離は変わってないのに、
    でも、前より近い気がする。

    ……おかしい。

    はじめて思った。
    “近くで見たい。”

    画像

    【アンナ】

    ・声がやさしい
    ・目が合うと、ちゃんと笑う
    ・思ってたより、あたたかい

    (ページをめくる)

    ・高音、少し揺れても戻す
    ・最後は必ず合わせる
    ・たぶん、周りを見てる

    (少しだけ余白)

    ・今日の笑顔
     →いつもよりやわらかい

    ……保存。

    画像

    知らなかった。

    ずっと見てたのに
    知らなかった。

    (ノートを閉じる)

    ユイは、やっぱり鋭い。
    ときどき、こっちを見る。
    たぶん、気づいてる。

    カナは、近い。
    距離が、近い。
    今日も、びっくりした。

    でも、
    嫌じゃなかった。

    名前を呼ばれた。
    「ニーナ」

    ……保存。

    帰り道。

    少しだけ、考えた。

    もし、
    ほんの少しだけでも――
    近づいたら。

    (ペンが止まる)

    ……まだ、無理。

    でも、
    また行く。

    次は、
    もう少しだけ。

    近く。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 3

    【ダテメガネの由来】

    カナだよ。
    あたしの名前が面白い?

    ダテメガネ。
    ……かっこよくない?
    (よくはないよね、うん。笑)

    なんでダテメガネかって?
    ちゃんと理由あるんだから!

    あたし、昔から目めちゃくちゃ良かったんだけど、
    メガネかけてる子にちょっと憧れてたんだよね。

    なんかさ、知的っぽくてよくない?

    で、気づいたら
    度の入ってないメガネばっか集めてた(笑)

    サングラスも好きだし、
    丸い大きいのも、
    小さい鼻眼鏡も…

    そのうち、周りも
    「あ、カナ=メガネ」
    みたいな感じになっててさ。
    勝手にくれたりして、どんどん増えていった(笑)。

    画像

    ……で、ここからが本題。

    あたし食べるの大好きじゃん?
    ある日、友達に
    「いっぱい食べていいイベントあるんだけど行く?」
    って誘われて、
    そりゃ行くよね。即OK。

    で、会場行ったらさ、
    なんかゼッケン付けさせられて、
    座らされて、
    「よーいドン」で、みんなめっちゃ食べ始めて。

    よくわかんないけど、
    あたしもめっちゃ食べた。

    そしたらさ、
    なんか知らないけど
    いつの間にかテレビ出てたんだよね。
    (それって…元祖!大食い王決定戦じゃない?)

    で、その日も普通に気分でメガネかけてたんだけど、
    司会の人がさ、あたし見て一言。

    「ダテメガネ?
    ダテメガネちゃんだね!」

    って。
    勝手にあだ名つけられてた(笑)

    あたしはさ、
    「ダテマサムネみたいでかっこいいじゃん!」
    って思って、普通に気に入ってた。

    画像

    結局最後は、
    めっちゃ食べるギャルには勝てなかったんだけど、
    楽しかったし、満足したー。

    そのあとさ、
    テレビに出たせいで、
    あんまりしたない人からも
    「ダテメガネちゃん」
    って呼ばれるようになってて(笑)。

    別に意味はないんだけどさ、
    なんかそのままでいいかなって思ってる。

    それに、
    メガネかけてると落ち着くんだよね!

    ちなみに、“あの時”のメガネ、まだ持ってるよ。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 4

    【ユイのデジタルアレルギー】

    ユイです。

    ……なんか、タイトル変じゃない?
    アレルギーって。(笑)

    別に体に出るわけじゃないからね。

    ただ、好きじゃないだけ。

    スマホとか、アプリとか、
    電子決済とか、ChatGPTとか、
    よくわかんない機能とか……無理。

    ああいうの、どうして信用できるの?

    お金払ってないんだよ?
    なんか、お店の人に
    申し訳ないって思わない?
    (いや、現金の方が申しわけない!って言われたけどさ(笑))

    便利なのはわかるけど。
    なんでもかんでも
    データにするの、好きじゃない。

    位置情報とか、履歴とか、
    お願いしてないのに
    勝手に残ってる感じ。

    誰かに見られてるみたいで……
    気持ち悪くない?

    画像

    この前もさ、
    アンナに「これ使えば楽だよ」って
    アプリ勧められて、

    一応、入れてみたんだけど。

    起動した瞬間に、
    「位置情報を許可しますか?」って出て。

    ……は?

    なんで知らないやつに
    今どこにいるか教えなきゃいけないの?

    無理。閉じた。

    この前なんて、
    「トラッキングを許可しますか?」だよ?

    トラ?なにそれ。動物?

    進まないから電源切った。

    (おいおい……)

    画像

    スマホなんて必要ない。
    電話でじゅうぶん。

    街中でスマホ見ながら歩いてて、
    危ないったらありゃしない。

    (歩きスマホはやめましょう)

    だから、基本は紙。

    スケジュールも手書きだし、
    メモもノート。

    連絡も、できれば直接話したい。

    ……まぁ、それだと困ることもあるけど。

    でもさ、

    目で見て、
    自分で書いたほうが、
    ちゃんと残る気がするんだよね。

    練習だって、データとかいらない。
    必要なのは、根性だけ。

    アンナは
    「ユイらしいね」って笑ってた。

    ……バカにしてる感じじゃなかったから、
    まあいいけど。

    あたしはあたしのやり方でいく。

    それだけ。

    ……たぶん、これからも変わらない。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 5

    【アンナの朝】

    アンナです。

    わたしね、
    早く寝ても、早起きできるわけじゃないんだ。

    ちゃんと寝てるはずなのに。
    なんでだろう。

    この前もさ、
    一応、時間には間に合ったんだけど、
    頭が、全然間に合ってなくて。

    ぼーっとしたままスタジオ入って、
    ユイに「顔死んでる」って言われた。

    ……たしかに。(笑)


    休みの日なんてね、
    一日中寝てたこともあるよ。

    気づいたら夜で、
    「え、今日なにしたっけ?」って。

    はい、寝てました。(笑)

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    でもね、
    寝てるときってさ、
    すごく安心するんだよね。

    なにも考えなくていいし、
    なにも失敗しないし。

    たぶん、わたし
    寝てる時間が一番幸せなんだと思う。

    だから、

    起きなきゃいけないとき、ちょっと怖い。(笑)

    目覚まし鳴って、
    「起きなきゃ」って思ってるのに、

    体はいうこと聞かない。

    もうちょっとだけ、いい?

    ……「ダメ!」

    目覚ましが、無理やり起こしてくる。

    でもね、

    わたしの中の頑固が、抵抗する。

    そのまま寝たらダメなのも、わかってる。

    目覚まし VS アンナの頑固。

    たまに、アンナが勝つ。(笑)

    ほとんどは、目覚ましの判定勝ちで、
    ギリギリで起きて、
    ギリギリで準備して、
    ギリギリで間に合う。(笑)

    ……負けるな、目覚まし。

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    寝坊したときも、
    意外と冷静なんだよ。

    「あ、やっちゃったな」って。(笑)

    焦るより先に、
    「どうやったら怒られないか」考えてる。

    今までね、
    ちゃんと怒られたことはないんだけど。

    周りが優しいのもあるし、
    たぶん、

    「アンナだからね」って、
    ちょっと諦められてるのかも。(笑)

    ……それはそれで、よくないよね。

    甘えないように、反省します。

    ……でも、

    明日ちゃんと起きれるかは、
    別な話。(笑)

    わたしはわたしのペースで、
    ちゃんとやっていこうと思います。

    ゆっくりでも、

    ちゃんと前に進んでるから。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 6

    【同じテーブル】

    最近、ニーナがよくスタジオにいる。

    前より少しだけ、近くで見るようになった。

    カナとはもう普通に話してるし、
    わたしとも、ちょっとずつ。
    でもユイだけは、まだ少し距離があるみたい。

    ——今日も、そんな感じだった。

    練習のあと。
    汗だくのユイの近くに、ニーナが来て。

    何も言わずに、タオルを差し出した。

    ユイ、ちょっとだけ固まって、
    一瞬だけ、ニーナの方を見て、

    ……受け取った。

    それから、小さい声で。
    「……ありがとぅ…」
    って。

    目は、あんまり合わせないまま。

    ニーナも、何も言わなかったけど。
    少しだけ、空気がやわらいだ気がした。

    今日、ちょっとだけ、
    距離が縮まった気がする。

    画像

    練習の帰り。

    なんとなく、いつものカフェに行こうってなって、
    ……ついでに、ニーナも誘ってみた。

    一瞬だけ戸惑ってたけど、
    そのまま、静かにうなずいた。

    注文。

    わたしはクレープ。
    ユイはブラックコーヒー。
    カナは——他人丼、大盛り。

    ニーナは、コーラ。

    カナ、さっそく他人丼ほおばりながら。
    「ニーナ、いくつなの?」
    「……16です」
    「高校生?」
    「はい」
    「なんか部活やってないの?」

    少しだけ間があって。

    「……一応……イラスト部」

    カナ、ちょっとだけ笑ってた。
    「へぇ、似合うじゃん」

    一瞬間があってから、
    コーラ、一口飲んだあと、
    ニーナが、ぽつっと言った。

    「……こういうの、初めてです」

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    「え、カフェ?」

    カナが聞き返す。

    「……誰かと、帰りに、寄るの」

    そのまま、またコーラ飲んで。
    何事もなかったみたいに、静かにしてる。

    ちょっとだけ。
    空気が止まった。

    ユイも、カナも、わたしも。
    一瞬だけ、何も言えなくて。

    でも。
    さっきより少しだけ。
    このテーブルが、ちゃんと“同じ場所”になった気がした。

    また、誘ってみようかな。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 7

    【ウチのお姉ちゃん】

    ウチはコトネ。
    この春、小4になった。

    この肩にいるの?

    リスザルの
    「モッキー」。

    ウチの友達。

    いつも一緒にいるんだー。

    ……あ、
    前に学校に連れて行ったら、

    めちゃくちゃ先生に怒られた。

    だから今は、
    学校だけ一人で行ってる。

    ちょっと寂しい。

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    ウチ、お姉ちゃんいるんだけど、
    最近、なんか忙しそう。

    前はもっと家にいた気がするのに、
    最近は夜になると、

    「スタジオ行ってくるー」

    って出かけてく。

    しかも帰ってきても、
    イヤホンつけたまま歌ってたりする。

    もしかして……

    彼氏できた?

    この前、
    なんかゴリラみたいな人と、
    ずっと話し込んでたし。

    ……まぁ、
    別にいいんだけどさ(笑)。

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    なんか音楽ユニット(?)
    やってるらしいよ。

    学校で、

    「CNAって知ってる?」
    って聞いたら、

    「TikTokで見た!」
    って言われた。

    お姉ちゃん、
    そこで歌ったり踊ったりしてるんだって。

    なんか不思議。

    家だと普通なのに。

    朝弱いし。
    すぐ寝るし。
    アイス勝手に食べるし…

    この前なんか、
    冷蔵庫開けながら、

    「……なんで来たんだっけ?」
    って、
    すぐ閉めてた。

    で、
    普通に部屋戻ってったあと、

    「お茶だった!」
    って戻ってきてた。

    普通、それ忘れる?笑


    あと、
    TikTokだと
    めちゃくちゃカッコつけてるのに、

    家だと、
    カップ焼きそばのお湯切る前に、
    普通にソース入れてた。

    完成してから気づいて、
    ソース味のスープ焼きそば、
    泣きながら食べてた。

    この前は急に、

    「コトネって犬っぽいよね」
    って言ってきた。

    「どこが?」
    って聞いたら、

    答えないで、
    どっか行った。

    なんだったの?あれ。

    あと、
    イヤホンつけて歩いてる時、
    たまに急に止まる。

    でもこの前、
    ノリノリで振り向いた瞬間、
    壁にぶつかってた。

    あれ、地味に痛いよ!

    大丈夫かな、
    お姉ちゃん。笑

    画像

    でも優しい。

    怒ってるの、
    見たことない。

    たぶん、
    怒るの嫌いなんだと思う。

    お母さんも忙しいから、
    小さい頃から、
    お姉ちゃんがウチの面倒見てくれてた。

    ご飯作ったり。
    迎え来たり。
    宿題見たり。

    お父さん?

    ウチが産まれた時には、
    もういなかった。

    事故で死んじゃったんだって。

    だからウチは、
    お父さんを知らないし、
    欲しいとも思わない。

    でも、
    お姉ちゃんは違うと思う。

    お父さん、
    どんな人だったか。

    今度、
    聞いてみようっと。
    ――――――――――――――――――――――――――――――
    最近のお姉ちゃんは、
    疲れて帰ってきても、
    なんか楽しそう。

    CNAって、
    楽しいみたい。

    お姉ちゃんが楽しければ、
    それでいいんだけど。

    アンナ「コトネー!」

    画像

    あっ!

    お姉ちゃんに呼ばれたから、
    行くね!

    ウチは、
    こんなお姉ちゃんが大好き。❤

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 8

    【YOSAKOIソーラン】

    カナ「ねぇアンナ、今度ネイル予約入ったお客さん、YOSAKOI出るんだって」

    アンナ「えっ、いいな」

    ユイ「あー、YOSAKOIね。もうそろそろそんな季節だな」

    カナ「でね、衣装に合わせて、LEDっぽい感じにしたいらしくてさ」

    ユイ「カナそういうの得意そう」

    カナ「アタシは得意というか、好きだよね、そういうの」

    アンナ「……ねぇ」

    ユイ「ん?」

    アンナ「うちらも出たくない?」

    少し静かになる。

    カナ「出たい」

    ユイ「即答だね」

    カナ「だって絶対楽しそうじゃん」

    アンナ「ね! ライブっぽいし!」

    ユイ「でも、ああいうのって事前準備かなり必要なんじゃない?」

    カナがスマホを取り出す。

    数秒後。

    カナ「あ、終わってる」

    アンナ「えっ」

    カナ「参加申し込み、2月28日締切」

    ユイ「早っ」

    アンナ「……ま、そうだよね」

    でも。
    思ったより空気は沈まなかった。

    アンナ「じゃ、来年は?」

    カナ「いいね」

    ユイ「今からなら準備できそうだしね」

    カナ「CNAでYOSAKOIとか絶対面白い」

    アンナ「絶対普通にはやらないよね」

    カナ「当たり前じゃん⚡」

    アンナ「宣伝にもなりそうだし」

    ユイ「盛り上がりすごそう」

    カナ「じゃ、来年の申し込み期限には間に合うようにしよう」

    3人「おー!」

    画像

    ——数日後。

    スタジオ。

    ユイはストレッチ。
    アンナはソファでアイスを食べている。

    そこへ。
    カナが、分厚い封筒を持って入ってきた。
    でも、様子がおかしい。

    アンナ「……どうしたの?」

    カナ「いや、これ何?」

    ユイ「手紙?」

    カナ「手紙は手紙なんだけど、内容が……」

    アンナ「え?」

    カナが封筒を差し出す。

    【ゲストパフォーマー出演依頼】

    2人「…………は?」

    差出人。
    『YOSAKOIソーラン祭り実行委員会』

    アンナ「え!?!?!?」

    ユイ「ちょっと待って、“本物”じゃん」

    カナ「だから言ってるじゃん。あたしも意味わかんないって」

    ユイ「いや絶対なんかあるでしょ!」

    ――――――――――――――――――――――――――――――

    カナ「……あっ」

    アンナ「ん?」

    カナ「もしかして、あれかも」

    ユイ「なに?」

    カナ「ちょっとLINEしてみる」

    画像

    ——数分後。

    カナ「あーーーやっぱり!!」

    アンナ・ユイ「なになに!?」

    カナ「あのさ、この前ネイルしたお客さんいたじゃん」

    ユイ「あー、YOSAKOI出る人?」

    カナ「そういえばその人、実行委員会側に彼氏いるって言ってたんだよね」

    アンナ「えぇ!?」

    カナ「で、施術中に“うちらも出たかったんだよねー”って話したら」

    アンナ「うんうん!」

    カナ「“一緒に出たいよねー!”って、めっちゃ盛り上がったんだよね」

    ユイ「それで?」

    カナ「お客さんが、“ゲストで出れるように掛け合ってみる”って言ってて」

    ユイ「うん」

    カナ「てっきり冗談だと思ってたんだけど…
    彼氏さん、CNA知ってたらしい」

    アンナ「えっ」

    カナ「MVとかHPとか見てて」

    ユイ「えぇ」

    カナ「XもTikTokもフォローしてて」

    アンナ「嘘でしょ」

    カナ「LINEスタンプも買ってくれてる人だったらしい」

    2人「そんな偶然ある!?」

    カナ「その強運は、アンナだよ。絶対」

    アンナ「漫画じゃん」

    カナ「お願いしたわけじゃないよ?」

    ユイ「余計怖いって」

    画像

    ——こうして。

    とんでもない偶然から、
    YOSAKOI参加が決定したCNA。

    開催まで、あと1か月。

    何から始めればいいのか。
    どこまで仕上げられるのか。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 9

    【YOSAKOIソーラン祭り実行委員会へ①】

    アンナ「ねぇ、服装どうする?」

    ユイ「今日?」

    アンナ「うん。YOSAKOIの挨拶行く時」

    ユイ「普段着でいいんじゃない?」

    アンナ「えー、でもなんか“ちゃんとしてる感”必要じゃない?」

    カナ「じゃあステージ衣装で行く?」

    アンナ「いやいやいや!」

    ユイ「昼間の札幌をあの格好で歩くの?」

    アンナ「無理無理!」

    カナ「アンナなら意外といけそう」

    アンナ「絶対目立つって!」

    ユイ「もう目立ってるけどね」

    アンナ「それとこれとは違うの!」

    そんな会話をしながら。
    3人は、地下鉄を降りて歩いていた。

    画像

    今日は——
    YOSAKOIソーラン祭り実行委員会へ行く日。

    ゲスト出演。
    まだ実感なんて無い。

    でも。
    封書は本物だった。
    実行委員会との打ち合わせも、本当に決まっていた。

    アンナ「……なんか緊張してきた」

    ユイ「今さら?」

    アンナ「だって、大きいイベントだよ?」

    普段なら。
    どんな場所でも割と平気なアンナ。
    でも今日は、少し違った。

    そして——

    ユイも静かだった。

    世界大会。
    大舞台。
    勝負の空気。

    ユイは昔から、そういう場所を見てきた。

    だからこそ分かる。
    このイベントが、“遊びの延長”ではないことを。

    その時。
    後ろから声がした。

    カナ「皆の衆、準備はいいか⚡」

    アンナ「うわっ、びっくりした!」

    ユイ「……なんで1人だけいつも通りなの?」

    カナはいつものテンションだった。

    いつもの歩き方。
    いつものニヤニヤ。
    いつものマイペース。

    カナ「だって楽しそうじゃん」

    アンナ「それはそうだけど!」

    カナ「緊張しても始まんないって」

    ユイは少し呆れた顔をした。

    でも——
    すぐに笑った。

    ユイ「……なんか、お陰でほぐれたわ(笑)」

    カナ「でしょ?」

    アンナ「その謎の安心感なんなの……」

    そして3人は。
    “本物のYOSAKOI”へ向かって歩き出した。

    ――――――――――――――――――――――――――――――

    アンナ「ねー……ホントに大丈夫かな?」

    ユイ「なにが?」

    アンナ「間違えて送ってきたとかじゃないよね?」

    ユイ「アンナは心配性だなー」

    ユイは少し笑いながら言った。

    ユイ「リーダーなんだから、もっと堂々としなよ!」

    アンナ「えぇー……」

    その時。
    カナが急に真顔になった。

    カナ「……それよりさ」

    空気が変わる。
    アンナとユイも、つられて真面目な顔になる。

    カナ「大事な話がある」

    アンナ「えっ」

    ユイ「なに?」

    カナはゆっくり2人を見た。
    そして——

    カナ「お腹空いた…」

    数秒沈黙。

    アンナ「それぇ!?」

    ユイ「空気返して(笑)」

    カナ「だって、このままだと絶対途中でお腹鳴る」

    アンナ「いや、まぁ……ちょっと空いたけど」

    ユイ「さっきまであんな真面目な空気だったのに」

    カナ「じゃ、マック寄ろう⚡」

    ユイ「時間ある?」

    カナ「たぶん!」

    ユイ「その“たぶん”怖いんだよなぁ……」

    ——結果。

    余裕を持って出てきたはずなのに、
    YOSAKOIソーラン祭り実行委員会に着いたのは、時間ギリギリ…

    原因はもちろん——
    マックの前から動かないカナ。

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    アンナ「“ポテトだけ”って言ってたよね?」

    カナ「ポテトは飲み物だから」

    ユイ「新理論やめて」

    でも。
    不思議と、それで良かった。
    緊張はすっかりほぐれていた。

    “イベント”じゃなく、
    いつもの3人に戻っていた。

    アンナ「でもさ、ホントすごいよね」

    ユイ「うん」

    アンナ「まさかYOSAKOI側と打ち合わせする日が来るなんて」

    カナ「人生って、たまに意味わかんないよね⚡」

    ユイ「カナが言うと説得力ないな」

    カナ「ひどっ」

    ――――――――――――――――――――――――――――――

    オーロラタウンを歩く3人。

    観光客。
    買い物帰りの人。
    地下街特有の少し涼しい空気。

    そんな中でも、CNAはやっぱり少しだけ目立っていた。

    アンナ「なんか、変な感じ」

    ユイ「地下街歩いてるだけなのに?」

    アンナ「いや、これから“YOSAKOI側”と会うんだよ?」

    カナ「“YOSAKOI側”って言い方(笑)」

    アンナ「だって緊張するんだもん!」

    そしてついに、
    YOSAKOIソーラン祭り実行委員会へ。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 10

    【YOSAKOIソーラン祭り実行委員会へ②】

    ドアを開ける。

    中には、数人のスタッフ。
    そして、1人の男性が立ち上がった。

    「こんにちは。初めまして」
    「YOSAKOIソーラン祭り実行委員の久保田といいます」

    アンナ「星音アンナです」
    ユイ「篠宮ユイです」
    カナ「カナでーす⚡」

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    軽く挨拶を交わし、席につく。
    少しだけ緊張した空気。

    ……だったのだが。

    久保田さんが、ふっと笑った。

    久保田「……ホンモノだったんですね(笑)」

    3人「えっ?」

    久保田「いや、冗談です(笑)」
    「でも、いつもネットで見てる方たちなので……なんか不思議で」

    アンナ「えぇ……」

    ユイも少し驚いた顔をしている。

    久保田「アンナさんがデビューした時から、ずっと見てて……」
    「ダイアリーも4コマ漫画も欠かさず見てますし」
    「MVも全部チェックしてます」
    「最近の“Silent Noise”もすごく良くて——」

    急に始まった熱弁。

    アンナは完全に戸惑っていた。

    アンナ「あ、ありがとうございます……?」

    ユイ「……詳しいですね」

    その時。

    隣で突然、

    カナ「……誰推し?」

    アンナ「ちょっ!?」

    ユイ「聞く!?」

    久保田さん、固まる。
    数秒沈黙。

    久保田「えっ……」
    「(小声で)アンナさん……」

    アンナ「えぇぇぇ!?」

    久保田「いやっ、違っ、違わないんですけど!」
    「もちろん全員応援してます!!」

    慌ててフォローする久保田さん。

    カナ「はい、アンナ推し確定⚡」

    ユイ「決定しましたね(笑)」

    アンナ「なんで公開処刑みたいになってるの!?」

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    久保田さんは、顔を真っ赤にしたまま咳払いをした。
    そして、慌てるように仕事モードへ切り替える。

    久保田「え、えーっと……失礼しました」
    「では、改めまして……」

    空気が少しだけ整う。
    でも、さっきの“誰推し?”のダメージはまだ残っていた。

    久保田「CNAさんは、YOSAKOI参加は初めてだと思いますが……何かご用意されていますか?」

    アンナ「あっ……」

    アンナは少し困ったように笑った。

    アンナ「お恥ずかしいんですが……」
    「私たち、お手紙いただくまでは、本当に出られるなんて思ってなかったので」
    「全部これからになります」

    数秒沈黙。
    そして。

    久保田「……そうですよね(笑)」

    アンナ「すいません…」

    久保田「でも大丈夫です」
    「こちらで用意できるものもありますし」
    「足りないものがあれば、遠慮なく言ってください」

    アンナ「ありがとうございます!」

    ユイも少し安心したような顔をした。

    その横で——

    カナ「でもさ」

    久保田「はい?」

    カナ「あたしたち、“何が必要か”も分かんないかも(笑)」

    一瞬静まり返る。

    そして。

    久保田さんが吹き出した。

    久保田「ははっ……!確かにそうですよね(笑)」

    ユイ「すみません、本当に初心者で……」

    久保田「いや、全然それでいいんです。逆に面白いです」
    「普通、こういうオファーって、ある程度準備してる方が多いので」

    アンナ「私たち、“え?本当に?”から始まったので……」

    カナ「まだ半分ドッキリだと思ってるし⚡」

    ありがたいことに。
    実行委員会は、全面的に協力してくれることになった。

    地方車。
    音源。
    進行。
    参加導線。

    必要なものを、一つずつ説明してくれる。

    でも。
    3人はまだ、どこか現実感が無かった。

    アンナ「なんか……」

    ユイ「うん」

    アンナ「すごい扱いされてない?」

    カナ「ちょっと気持ちよくなってきた⚡」

    ユイ「調子乗るの早いって(笑)」

    ――――――――――――――――――――――――――――――

    カナ「ちょっと聞いてもいいですかぁ?」

    久保田「はい、なんでしょうか」

    カナ「あたしたち、型にはまったことするの好きじゃなくてぇ」
    「せっかく色々用意してもらっても、
    たぶん普通にはやらないんですぅ⚡」

    ユイ「あ、先に謝っとこうか(笑)」

    アンナ「いや、まだ何もしてないから!」

    カナ「だからぁ——」
    「壊しちゃってもいいですかぁ?」

    アンナ「もちろん物を壊す意味じゃないですよ!?」

    ユイ「“普通”にやるのが苦手なんです(笑)」

    少しだけ。

    本当に少しだけ、
    空気が止まった。

    でも。
    久保田さんは、
    困った顔をするどころか——
    ふっと笑った。

    久保田「……それは、重々承知しています」

    3人「え?」

    久保田「むしろ、“何かしてくれそうだから”声をかけた部分もあります」

    カナ「おぉ〜⚡」

    久保田「CNAさんなら、壊しながらも、
    ちゃんと素敵なステージにしてくれる」
    「そう信じていますので」
    「——心置きなく、壊してください」

    一瞬。

    3人とも、
    言葉が止まった。

    そして——

    カナ「やったーーー!!交渉成立⚡」

    アンナ「あー良かった!」

    ユイ「久保田さん、今ちょっと覚悟決めた顔してたよ(笑)」

    画像

    こうして。

    CNAのYOSAKOI2026——
    『壊していい?』
    が、本当に始まった。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 11

    【準備…間に合う?】

    夢みたいな時間のあとには、
    ちゃんと現実が来る。

    アンナ「あと、1ヶ月もないんだけど……」
    「何からやればいいかすら分かんないよぉ……」

    ユイ「とりあえず、やること全部書き出す」
    「止まったら終わるからな」

    カナ「楽しめばいいってこと⚡」
    「あたし達らしく!」

    ユイ「呑気すぎるって!」
    「まだ曲すら無いんだよ!?」

    カナ「あ、それなら大丈夫〜」

    アンナ・ユイ「?」

    カナ「もう手配済みだから⚡」

    アンナ・ユイ「はぁ!?」

    カナ「ほら、前に言ったじゃん?」
    「あたしのお客さん、
    有名チームのYOSAKOI曲作ってるって〜」

    アンナ・ユイ「聞いてない!!」

    カナ「そうだっけ?ま、いっか」
    「もうお願いしてるし⚡」
    「もちろん、“普通にしないでください”って(笑)」

    アンナ「…………」

    ユイ「勝手に話進んでる……」

    カナ「詩はアンナが書けばいいし〜」
    「ラップはもうできてるし〜」

    アンナ「え、いつの間に?」

    カナ「振付は橘さんにお願いすればいいし」
    「でもどうせユイ、
    勝手にアレンジして
    好き放題踊るんでしょ?(笑)」

    ユイ「……まぁ、それはそう」

    アンナ「それだけじゃないよ!」
    「衣装とか、演出とか、地方車とか……!」

    カナ「だーいじょうぶ⚡」

    「お客さんにスタイリストさんいるし〜」
    「演出家もいるし〜」

    アンナ・ユイ「カナの人脈、怖……」

    カナ「人徳って言って⚡」

    画像

    何故か。

    本当に何故か——

    全部が、漫画みたいに
    とんとん拍子で進み始めた。

    曲。
    衣装。
    演出。
    地方車。

    カナ「あ、ネイルは任せて!」

    普通なら、
    何ヶ月も前から準備するようなものが、

    「え、もう決まったの?」

    の連続で動いていく。

    そして届いたデモ音源。

    再生した瞬間——

    アンナ「……やば」

    ユイ「……かっこよ……」

    カナ「イメージ通り!⚡」

    重低音。

    和の空気。

    でも、
    ただのYOSAKOIじゃない。

    途中で入るラップ。
    急に静かになる“間”。
    そして、
    全部をぶち抜くみたいなサビ。

    まさに。
    CNAだった。

    ―――――――――――――――――――――――――

    アンナは、
    そこから毎日ほとんど寝ていなかった。

    ノート。
    スマホ。
    紙切れ。

    思いついた言葉を、
    ひたすら書き殴る。

    アンナ「なんか違う……」
    「もっと、“壊したい”のに……」

    気づけば外が明るくなっている。

    それでも。
    アンナの目は、
    少しずつ本気になっていった。

    その横では——

    カナが、
    どこから持ってきたのか分からない
    巨大な「CNA旗」を振り回していた。

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    ユイ「いや待って!?
    それ何!?」

    カナ「ふっふっふ⚡」

    アンナ「でっっっっっか!?」

    カナ「特注♡」

    ユイ「誰に頼んだの!?」

    カナ「お客さん⚡」

    ユイ「また!?!?」

    しかも。
    やたらクオリティが高い。

    黒とネオンピンクを基調にした巨大旗。
    中央には、
    雷マーク入りの『CNA』。
    しかもLED付き。

    アンナ「なんで光るの!?」

    カナ「光ったほうがテンション上がるじゃん⚡」

    ユイ「YOSAKOIってそういう競技だっけ……」

    でも。
    その旗が回った瞬間。

    3人とも、
    一瞬だけ言葉を失った。

    ——かっこよかった。

    アンナ「……これ」
    「ほんとに、出るんだね」

    ユイ「今さら?」

    カナ「もう止まれないよぉ⚡」

    気づけば。

    CNAの夏は、
    本当に動き出していた。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 12

    【本番に向けて】

    ——出れる。

    その“めど”は、ついた。

    結局。
    一番強かったのは——

    「得意な人に任せる」

    作戦だった。(笑)

    曲。
    振付。
    衣装。
    演出。
    地方車。

    分からないことを、
    無理に自分たちだけで抱えない。

    出来る人に頼る。

    それが、
    一番効率良かった。(笑)

    私は歌。

    ユイはダンス。

    カナは——

    ……冷やかし?(笑)

    カナ「盛り上げ役!⚡」

    でも。

    それぞれ、
    ちゃんと本番に向けて動いてる。

    私たちの出番は3回。

    初日はオープニングステージ。

    そして、
    あと2回はパレード。

    しかも。

    それだけじゃなかった。

    トークショー。
    サイン会。
    握手会。

    ……誰か来るの?(笑)

    アンナ「え、ほんとにやるの!?」

    ユイ「“誰も並ばなかったらどうする会議”しとく?」

    カナ「最悪、あたしが5回並ぶ⚡」

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    なんだか。

    有名人ゲストみたいな扱いに、
    まだ全然慣れない。

    私たち、
    そんな立派な感じじゃないよぉ……。

    でも。

    正直。
    気分は悪くない。(笑)

    そして何より——

    これは、
    千載一遇のチャンスだと思う。

    こんな機会、
    普通は来ない。

    だから。
    やれるだけやる。
    中途半端だけは嫌だ。

    アンナ「どうせ出るなら——」

    ユイ「うん」

    アンナ「誰よりも目立ちたい!」

    カナ「きたきた⚡」

    ユイ「アンナ、こういう時だけ急に主人公感出すよね(笑)」

    でも。

    3人とも、
    たぶん同じことを思ってた。

    せっかく壊すなら。

    誰にも忘れられないくらい、
    派手にやろうって。

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    地方車も、
    かなりキラキラ仕様になるらしい。

    夜、
    LEDが光ったら絶対やばい。

    私、
    地方車の上で歌えるの、
    楽しみすぎる!

    アンナ「絶対テンション上がるよね!?」

    ユイ「アンナ、たぶん一番はしゃぐな」

    カナ「もう想像だけで騒いでる⚡」

    ちなみに。

    カナは最近、
    巨大旗を回す練習ばっかりしてる。

    ……でも。

    どう見ても、
    遊んでるようにしか見えない。(笑)

    カナ「違うし⚡」
    「これは正式な練習だし⚡」

    ユイ「いや、絶対途中から楽しくなってるでしょ」

    アンナ「しかも無駄に上手くなってるし(笑)」

    最初はフラフラだったのに。

    今では、
    普通に風が巻き起こる。

    しかも本人、
    ちょっと気持ち良さそう。

    カナ「フフフ……⚡」
    「風を支配してる感じする⚡」

    ユイ「何その能力者みたいなの(笑)」

    でも。

    こうやって笑ってる時間も含めて、

    もう、
    “CNAのYOSAKOI”が始まってる気がした。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 13

    【小さな応援隊】

    アンナがスタジオで練習していると——

    「お姉ちゃーん!」

    アンナ「……コトネ?」

    コトネ「へぇ〜」
    「ここで練習してるんだぁ」

    「意外と狭いんだねー」

    アンナ「余計なこと言うんじゃないの!」
    「……って、モッキーも来てるんだ!?」

    コトネ「あったりまえじゃん!」
    「モッキーとはいつも一緒!」

    カナ「え、アンナの妹!?」
    「小学生!?」
    「しかも肩におさるさんいるぅ〜」
    「かわいーー⚡」

    ユイ「…………」

    ※ユイは動物が苦手です

    コトネ「お姉ちゃん、YOSAKOI出るんだって?」
    「なんで教えてくれないの?」
    「うち、友達から聞いたんだけど!」

    アンナ「……なんか恥ずかしいじゃん」

    コトネ「お姉ちゃん、相変わらずだね(笑)」

    その瞬間——

    カナ「いったぁぁぁい!!」
    「ちょ、ピアス引っ張らないでぇぇ!!⚡」

    モッキー「ウキキキキ!」

    コトネ「あー」
    「モッキー、雷きらいだもんねー」

    カナ「本物の雷じゃないって!!」

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    モッキー「……ウッキ?」

    カナ「眼鏡も取らないでぇぇ!!」

    コトネ「珍しいね」
    「モッキー、カナちゃん好きそうなのに(笑)」

    カナ「早くどうにかしてぇぇぇ⚡」

    コトネ「モッキー、おいで」
    「いたずらしたら、もう連れてきてもらえなくなるよ?」

    すると。

    さっきまで暴れていたモッキーは、
    びっくりするくらい素直に戻っていった。

    アンナ「……言うこと聞くんだ」

    コトネ「まぁ、家族だからねー」

    ユイは——

    終始、
    少し離れた場所から様子を見ていた。

    コトネ「それで?」
    「いつ出るの?」
    「どこの会場?」
    「どこのチーム?」
    「いつ決まったの?」

    矢継ぎ早に質問してくるコトネ。

    アンナ「え、えっと……」
    「急に決まったの」
    「ゲストパフォーマーとして……」

    コトネ「げすとぉ?」
    「なにそれ?」

    アンナ「えっと……」
    「お姉ちゃんたち、頑張ってたから」
    「ちゃんと見てくれる人がいたってこと!」

    カナ「うんうん⚡」
    「貴重なファンがね〜」

    コトネ「そうなんだ!」
    「よかったね!」

    アンナ「えへへ……」

    コトネ「ところで——」
    「うちは出れないの?」

    アンナ「えっ」
    「そ、それは無理じゃないかなぁ……」
    「…大人になったらね?」

    コトネ「お姉ちゃんって大人なの?」

    アンナ「え」

    空気が止まる。

    アンナ「い、いや!
    18歳から成人だから……!」
    「一応、大人……だよ?」

    コトネ「でもさ」
    「18歳でも子供っぽい人いるよ?」
    「それでも大人なの?」

    アンナ「…………」
    アンナ「う、うーん……」

    「たぶん……?」
    「年齢で分けるなら……大人……?」

    コトネ「ふーん」
    「でもYOSAKOIって、
    18歳じゃなくても出れるよね?」

    アンナ「そ、それはそうだけど……!」

    カナ「コトネちゃん、強い⚡」

    ユイ「アンナが完全に押されてる(笑)」

    コトネは、
    ただ疑問を聞いてるだけなのに。

    なぜか。

    アンナだけが、
    どんどん追い詰められていた。(笑)

    アンナ「うぅ……」

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    コトネ「……まぁ」
    「別にいいんだけどね?」

    アンナ「え?」

    コトネ「うち、
    応援したい!」

    すると。

    スタジオの隅で、
    ずっと静かに見ていたニーナが、
    小さくうなずいた。

    ニーナ「……わたしもです」

    アンナ「えっ」

    ニーナ「私も……」
    「応援、したいです……!」

    コトネ「だよねっ!」

    ニーナ「はいっ!」

    急に意気投合する2人。

    ユイ「なんか増えた(笑)」

    カナ「しかもアンナ推し増えた⚡」

    アンナ「やめてその言い方!」

    コトネ「だって、お姉ちゃん」
    「なんか本気っぽいし!」

    「ユイちゃんも」
    「カナちゃんも」
    「なんか楽しそう!」

    「うち、
    ちゃんと応援する!」

    ニーナ「わたしも……」

    「ちゃんと、
    最初から見てたいです」

    少しだけ。

    空気が静かになる。

    でも次の瞬間——

    コトネ「じゃあ応援隊だね!」

    ニーナ「お、応援隊……!」

    コトネ「CNAハチマキ作る!」

    カナ「いいじゃーん⚡」

    ユイ「普通に嬉しいな、それ」

    コトネ「あと、うちわもいるよね!」

    ニーナ「ペンライトも……!」

    コトネ「法被もほしい!」

    ニーナ「コール表も必要です……!」

    ユイ「ニーナだけ急に本格的(笑)」

    その横で。

    モッキーは、
    勝手に紙をぐしゃぐしゃにしていた。

    コトネ「あっ!」

    「モッキーも応援するって!」

    ユイ「いや絶対違う(笑)」

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    でも。

    その騒がしさが、
    なんだか嬉しかった。

    気づけば。

    CNAには、
    小さな“小さな応援隊”ができていた。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 14

    【人助け】

    ある晴れた朝。

    日課の散歩していたユイの前を、小さな犬が勢いよく走っていった。

    その後ろを、小さな子供が泣きながら追いかけている。

    「まってぇぇぇ!」

    ユイ「……あっ」

    犬はそのまま道路の方へ走っていく。

    ユイ「危な――」

    次の瞬間。

    ユイが一気に走り出した。

    子供「えっ!?」

    一瞬の出来事だった。
    ユイは子犬を抱きかかえた。
    そして1回転して道路に出ることなく着地。

    ユイは犬をしっかり抱えたまま戻ってきた。

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    子供「すごい……」

    ユイ「……ちゃんと持ってないとダメ」

    子供「う、うん……!」

    犬「わふっ」

    ユイ「……まだ赤ちゃんかな!?元気すぎ」

    その日の夕方。

    郵便局へ切手を買いに来たユイ。

    すると、ATMの前でおばあちゃんが何度もうろうろしていた。
    カードを入れては止まり、また戻る。
    見るからに困っている。

    ユイ「……どうしたの?」

    おばあちゃん「あら、ごめんなさいねぇ。この機械、難しくて……」

    ユイ「ATM?」

    おばあちゃん「振込したいんだけど、やり方がわからなくて……」

    ユイ「うーん……(私も振込はよくわかんない)」

    ユイ「ちょっと待ってて」

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    ユイは窓口にいる男性局員に声をかけた。

    ユイ「すいません」

    局員「はい?」

    ユイ「おばあちゃん、
    振り込みのやり方わかんなくて困ってるみたいで」

    おばあちゃん、振り込み…
    このワードで局員が急に緊張した。

    局員「おばあちゃん、誰に振込むんですか?」

    おばあちゃん「警察から電話来て、口座が犯罪に使われてるからすぐに現金を…」

    局員「ダメです、それ、詐欺です」

    数分後。

    郵便局の中が少し騒がしくなっていた。

    おばあちゃん「ありがとうねぇ……」

    ユイ「……いや、私は局員さん呼んだだけだから(やり方わかんなかっただけだし)」

    局員「いえ、本当に助かりました」

    ユイ「あっ……はい」

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    ――次の日

    アンナ「ユイ、振り込め詐欺を阻止したんだって!」
    カナ「すごいじゃん!」
    ユイ「いや……別に」

    アンナ「ユイ、昔から困ってる人を見ると放っておけないもんね」

    ユイ「普通だろ、それ」

    ユイは恥ずかしそうにしたけど、少しうれしそうでもあった。

    カナ「あたしも困ったら助けてねー」と、ちゃかす

    ユイ「あんたは自分で何とかしなさい!」

    CNAは今日も騒がしかった。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 15

    【おばあちゃん】

    振り込め詐欺阻止事件の数日後、
    スタジオの前に見たこともない高級車

    アンナ「アメリカの大統領が来た?」
    カナ「チューきんぺーかもよ」

    見るからにSPの囲まれたドアから出てきたのは…

    ユイ「おばあちゃん!」

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    付き人「ユイ様ですね」

    ユイ「……様?」

    カナ「ユイ、国家機密だった⚡」
    アンナ「違うと思うよ!?」

    カナ「じゃ、まさかとは思ってたけど…」
    「ユイって宇宙人だったの?」

    ユイ「それはカナだろ!」

    付き人「我が藤堂グループの会長をお助けいただいた件につきまして、本日はお礼に――」

    ユイ「会長?おばあちゃん?」
    「いやいやいや!勘弁して!
    私、何もしたつもりないって!」

    アンナ「ユイ、完全にパニック(笑)」

    カナ「やっぱ宇宙人だった⚡」

    ユイ「違うって!」

    おばあちゃん「ごめんねぇ。この人たち、すぐ大げさにするんだよ」

    ユイ「いや、ちょっと威圧感すごい……」

    黒服SPがずらりと並ぶ。

    カナ「ラスボスの登場シーンじゃない?これ(笑)。」

    おばあちゃん「みんな、下がってなさい。もう帰っていいよ」

    付き人「しかし――」

    おばあちゃん「いいから帰れ」

    付き人「……承知しました」

    全員が一斉に頭を下げた。

    ユイ「怖っ」

    アンナ「なんか映画みたい……」

    カナ「裏組織だよ、絶対⚡」

    おばあちゃん「はっはっは、そう見えるかもねぇ(笑)」

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    おばあちゃんは近くのベンチに腰を下ろした。

    おばあちゃん「ふぅ……やっと静かになった」

    ユイ「いや、全然静かじゃないけど」

    アンナ「おばあちゃん、会長さんなんだね」

    おばあちゃん「今は隠居した年寄りだよ」

    ユイ「その年寄りがSP連れて歩いてるんだけど」

    おばあちゃん「私だって好きで連れてるわけじゃないんだよ」

    アンナ「大変なんだねぇ」

    おばあちゃんは少し笑った。

    おばあちゃん「今日はお礼も言いたかったけどね」

    ユイ「だから私は何もしてないって」

    おばあちゃん「それでも助かったのは事実だよ」

    ユイ「……そう」

    少しだけ照れくさそうに視線をそらす。

    おばあちゃん「それにね」

    ユイ「?」

    おばあちゃん「久しぶりに面白い子に会えたからねぇ」

    カナ「わかる!」

    ユイ「なんでカナが答えるの」

    おばあちゃん「ユイちゃん」

    ユイ「なに?」

    おばあちゃん「年寄りの話し相手になってくれないかい?」

    ユイ「……えっ?」

    おばあちゃん「今度、お茶でもどうだい?」

    ユイ「私は構わないけど……」

    隣を見ると、アンナとカナが期待した目でおもいっきり見ている。

    ユイ「……この2人も来る気でいるけどいい?」

    おばあちゃん「もちろん大歓迎よ!」

    ユイ「あと、あの人たちは置いてきて」

    おばあちゃん「あぁ、それは私もそうしたい(笑)」

    遠くで待機していたSPたちが少しざわついた。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 16

    【お茶会】

    YOSAKOIの準備に追われる毎日。

    そんな中、おばあちゃんとのお茶会の日がやってきた。

    言われた場所に向かうと――

    ユイ「……でかい」

    目の前には高級ホテル。

    ユイ「場違いじゃ……」

    アンナ「すごーい!」

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    カナ「床がピカピカ⚡」

    恐る恐る中へ入ると、ロビーでおばあちゃんが手を振っていた。

    おばあちゃん「おーい!」

    ユイ「おばあちゃん……」

    おばあちゃん「お気に召さなかったかい?」

    ユイ「いや、そういう問題じゃなくて」

    おばあちゃん「うちの系列ホテルだから気にしないで」

    ユイ「余計気になるんだけど」

    ※SPを置いてくる代わりに、系列ホテルならという条件で周囲を説得したらしい。

    カナ「すっごーーーい!テンション上がるぅ⚡」

    アンナ「なんかドラマみたい!」

    ホテルマン「お待ちしておりました。こちらへどうぞ」

    案内されたのは最上階の個室だった。

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    大きな窓から街並みが一望できる。

    ユイ「落ち着かない……」

    おばあちゃん「私は落ち着くよ」

    ユイ「そりゃそうだろ」

    スタッフ「ご注文はお決まりでしょうか?」

    ユイ「コーヒー。ブラックで」

    アンナ「この【プリンアラモード】って食べてみたい!」

    カナ「お腹すいたー!ハンバーグ(大)⚡」

    おばあちゃん「いつものティをお願い」

    スタッフ「かしこまりました」

    しばらくして料理が運ばれてきた。

    緊張していた3人だったが、
    料理が並ぶにつれて少しずつ普段の空気に戻っていく。
    ※カナは最初から普段通りだった。

    おばあちゃん「ユイちゃんはオリンピック候補だったんだって?」

    ユイ「やめてよ、おばあちゃん」

    少し照れながらコーヒーを飲む。

    ユイ「もう終わった話だよ」
    「今はこれ(CNA)一本だし」

    おばあちゃん「その一本気なところがいいねぇ」

    カナ「おばあちゃん、浮気したことある?」

    アンナ「ちょ、ちょっと!?」

    ユイ「いきなり何言って…」

    おばあちゃん「そりゃあるよ」

    ユイ「あるんかい!」

    アンナ「あるんだ!?」

    おばあちゃん「昔はモテたからねぇ」

    おばあちゃんは紅茶をひと口飲んだ。

    おばあちゃん「ユイちゃんほどじゃないけど」

    ユイ「私はモテたことない!」

    アンナ「自分で気付いてないだけなんだけどね(笑)」

    おばあちゃん「ユイちゃんみたいな子はねぇ」
    「周りが放っておかないんだよ」

    ユイ「そんなことないって」

    アンナ「あると思うなぁ」

    カナ「ある⚡」

    そんな他愛もない話で盛り上がった。

    楽しい時間はあっという間だった。

    おばあちゃん「今日はありがとねぇ」

    ユイ「こちらこそ、ごちそうさま」

    アンナ「プリンおいしかった~!」

    カナ「楽しかったねー⚡」

    おばあちゃん「また誘ってもいいかい?」

    ユイ「もちろん!」

    カナ「3人でね!⚡」

    おばあちゃん「もちろん(笑)」

    みんなで笑いながらホテルを出る。

    すると、ホテルの入口付近で待機していたSPたちが一斉に姿勢を正した。

    ユイ「やっぱりいた」

    おばあちゃん「ごめんよぉ」
    「どうしてもって聞かなくてねぇ」

    ユイ「いいよ」
    「ゆっくり話できたしね」

    アンナ「おばあちゃんも楽しかったでしょ?」

    おばあちゃん「うん、とっても楽しかったよ」

    カナ「また遊ぼう!⚡」

    おばあちゃん「ありがとねぇ」

    そう言って、おばあちゃんは少し嬉しそうに笑った。

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    黒塗りの車が静かに走り出す。

    その姿が見えなくなるまで、3人は手を振っていた。

    こうして、少し不思議なお茶会は終わった。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 17

    【お見合い?】

    あれから、おばあちゃんとは頻繁に遊びに行くようになった。

    打ちっぱなし。
    映画。
    そして、またお茶会。

    気付けば、年齢差なんて忘れるくらい仲良くなっていた。
    もう完全に友達だった。

    画像

    その日も、いつもの喫茶店。

    おばあちゃん
    「ユイちゃん」

    ユイ
    「なに?」

    おばあちゃん
    「うちの孫に会ってみないかい?」

    ユイ
    「お孫さん?」
    「なんで?」

    アンナ
    「もしかして……」

    カナ
    「お見合い💖」

    ユイ
    「はぁ?」

    おばあちゃん
    「まぁ、そんなようなもんかもしれないねぇ」

    ユイ
    「おばあちゃん!?」

    アンナ
    「どんな人なの?」

    おばあちゃん
    「真面目な子だよ」

    カナ
    「つまんなそう⚡」

    ユイ
    「失礼だな」

    おばあちゃん
    「うちのグループの社長候補でもあるねぇ」

    アンナ
    「えぇぇ!?」

    カナ
    「アタシが会いたい💰💰💰(笑)」

    ユイ
    「私は興味ないかなぁ…」

    全員
    「早っ!」

    ユイ
    「私はお金持ちだからって、そういうのじゃないから」
    「肩書とか別にどうでもいいし」

    アンナ
    「でも会わないで決めつけるのもどうかな?」

    ユイ
    「いや……」

    カナ
    「会ったら意外と❤️❤️かもよ⚡」
    ニヤニヤしている。

    ユイ
    「あんた達は楽しんでるだけだろ!」

    アンナ
    「ユイを思って言ってるんだよ~」

    カナ
    「そうそう」(メシうま⚡)

    ユイ
    「絶対違う」

    画像

    おばあちゃん
    「もちろん嫌なら断っていいんだよ」

    ユイ
    「断ってもいい?」

    おばあちゃん
    「もちろん」

    ユイ
    「……」

    アンナとカナが期待した目で見ている。

    ユイ
    「会うだけなら」

    アンナ
    「やったー!」

    カナ「成立⚡」

    ユイ
    「成立してない!」

    おばあちゃんは満足そうに紅茶を飲んだ。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 18

    【初対面】

    約束の日。

    待ち合わせ場所は藤堂グループ系列のホテルだった。

    ユイは少し早く到着し、ロビーで待っていた。

    その時。

    遠くから聞き覚えのあるエンジン音。

    ユイ
    (あの音は……)

    颯爽と現れたのは、シルバーのポルシェ911カレラGTSカブリオレ。

    ユイ
    (おいでなすった)

    画像

    ロビーに入ってきた爽やかな青年が軽く会釈した。

    蓮
    「神宮寺蓮です」
    「ユイさんですね?」

    ユイ
    「あっ、はい」

    こうして二人は最上階の特別室へ案内された。

    神宮寺蓮。

    藤堂華子の娘の一人息子。

    次期経営陣候補。

    だが本人は、このお見合いにまったく乗り気ではなかった。

    肩書。
    資産。
    将来性。

    そんなものに惹かれて近づいてくる人には、もううんざりしていた。

    今日だって、おばあちゃんに逆らえなかっただけだった。

    スタッフ「ご注文は?」

    ユイ「コーヒー。ブラックで」

    蓮「僕も同じものを」

    沈黙。

    蓮「そうそう、ユイさん」
    「スノーボードでオリンピック候補だったんですって?」

    ユイ「あー、昔の話ね」
    「今はもうキッパリ辞めてる」

    蓮「そうなんですね」

    再び沈黙。

    蓮(何を考えてるのか全く読めない……)

    蓮「聞きたいこととかありませんか?」

    ユイ「車……」

    蓮「え?」

    ユイ「ポルシェ911カレラGTSカブリオレ」
    「4WD?」

    蓮「Carrera4です」

    ユイ「やっぱり」

    少し頷く。

    ユイ「カッコいいけど、私の好みではないかな」

    蓮「そ、そうですか……」
    (普通は褒められるんだけど……)

    蓮「ユイさんは何に?」

    ユイ「124スパイダー」

    蓮「えっ?」
    「外に停まってる赤の左ハンドルの?」

    ユイ「詳しいじゃん」
    「ヨーロッパの大会行った時に一目惚れして買っちゃった」
    「だから左ハンドル」

    蓮「珍しい車だと思って見惚れました」

    ユイ「でしょ?(笑)」

    そこからユイは人が変わったように語り始めた。

    ユイ
    「コーナー入る時にヒールアンドトゥでシフトダウンして、
    クリップ手前でブレーキ抜いたら、
    タックインと慣性でテールがスライドしていくから、
    軽くカウンター当てながら出口に向かって、
    アクセルコントロールしてトラクションかけていく。
    うまく行った時は最高の気分」

    画像

    蓮
    (何者なんだ、この人……)

    さらに。

    ユイ
    「コルシカ島なら走ったことあるよ」

    蓮
    「コルシカ島?」

    ユイ
    「知ってる?ラリーの。
    道狭くてヒリヒリする(笑)」

    蓮
    「笑えないです……」

    ユイ
    「楽しかったな~♬」

    蓮
    (やっぱりこの人、変だ……)

    だが。

    気付けば蓮の心臓は少しだけ速くなっていた。

    予想外すぎた。

    今まで会った誰とも違う。

    そして――

    ユイ
    「ねぇ……」

    蓮
    「はい?」

    ユイ
    「御曹司って大変じゃない?」

    蓮
    「え?」

    ユイ
    「周りに気を遣われて」
    「本音もなかなか言えなくて」
    「SPに囲まれて」
    「自由もなくて」

    少し考える。

    ユイ
    「私は無理だなぁ」

    蓮
    「……」

    ユイ
    「気を使うのも」
    「気を使われるのも好きじゃない」
    「ましてや自由を奪われるのが一番嫌」

    蓮
    「……」

    今まで、

    羨ましい。

    すごい。

    憧れます。

    そう言われたことは数え切れない。

    でも、

    『私は無理』

    と言われたのは初めてだった。

    ユイ
    「私も昔は期待されてたから」
    「でも期待に応えられなくて」
    「もうあそこには戻りたくない」

    少し笑う。

    ユイ
    「今が一番、自分らしい」

    蓮
    「……」

    ユイ
    「アンナには感謝しかないしね」

    その瞬間。

    蓮は初めて思った。

    この人は、

    肩書を見ていない。

    資産も見ていない。

    ただ一人の人間として自分を見ている。

    それが不思議だった。

    そして――

    心地よかった。

    蓮
    「……羨ましいです」

    ユイ
    「え?」

    蓮
    「いえ」

    ユイ
    「変なの」

    蓮は思う。

    (この人は、何者なんだろう)

    こうして、お見合いは終わった。

    少なくとも。

    ユイにとっては。

    だが蓮にとっては、

    何かが始まってしまったようだった。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 19

    【勘違い】

    翌日。

    スタジオ。

    YOSAKOIの練習をしていたはずだった。

    はずだったのだが――

    アンナ
    「御曹司どうだった?」

    カナ
    「どうするか決めた?⚡」

    ニヤニヤしている。

    ユイ
    「どうするもこうするも……」
    「たぶん気に入られなかったと思うよ」

    画像

    アンナ
    「えっ?」

    カナ
    「なんで?」

    ユイ
    「車の話ばっかりだったし」
    「私ばっかり話してたし」
    「つまんなそうに聞いてたかな」

    アンナ
    「あちゃー……」

    カナ
    「ユイ、やらかしたね⚡」

    ユイ
    「私はそれでいい」
    「最初から乗り気じゃなかったし」

    カナ
    「あーあ」
    「一生楽して生きていけるチャンスだったのに⚡」

    ユイ
    「人を宝くじみたいに言うな」

    アンナ
    「でもホントにいいの?」

    ユイ
    「うるさいなぁ」
    「だから最初から興味なかったんだって」

    少し考える。

    ユイ
    「じゃあさ」
    「私抜けたら、2人でCNAやるの?」

    アンナ
    「えっ!?」

    カナ
    「それは困る⚡」

    アンナ
    「別に抜けなくてもいいじゃん」

    ユイ
    「私は2つを同時進行は無理」
    「やっぱり今のままがいいじゃない」
    「最初から何もなかったって思えばいいの」

    立ち上がる。

    ユイ
    「寄り道してたらYOSAKOI間に合わなくなるよ!」

    アンナ
    「あっ、そうだった!」

    カナ
    「完全に忘れてた⚡」

    その時。

    ガラッ。

    スタジオのドアが開いた。

    画像

    おばあちゃん
    「お邪魔するよー」

    アンナ
    「あっ、おばあちゃん!」

    ユイ
    「どうしたの?」

    おばあちゃん
    「いやねぇ」
    「蓮がユイちゃんのこと、たいそう気に入ったみたいで」

    ユイ「???」
    「は?どゆこと???」

    おばあちゃん
    「昨日帰ってから興奮気味に話してたよ」

    アンナ
    「えぇぇぇ!?」

    カナ
    「続報きた⚡」

    おばあちゃん
    「『あんな素敵な人は他にいない』だって」

    ユイ
    「は?」
    「誰かと間違えてるんじゃ…」

    おばあちゃん
    「『今まで会ったことがない』とも言ってたねぇ」

    ユイ
    「は???」

    アンナ
    「復活!!」

    カナ
    「CNA継続決定⚡」

    ユイ
    「だから誰かと間違えてるって!」

    おばあちゃん
    「いやぁ」
    「間違えてないと思うよ?」

    ユイ
    「いや絶対間違えてる」

    カナ
    「車の話しかしてないのに?⚡」

    ユイ
    「そう!」

    アンナ
    「それで気に入られることあるんだ……」

    ユイ
    「ない!」

    おばあちゃん
    「あるみたいだねぇ」

    おばあちゃんは楽しそうに笑った。

    ユイだけが状況を理解できていなかった。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 20

    【決断!】

    アンナ
    「で、どうするの?」

    ユイ
    「だから何回も言ってるけど」
    「私は最初から今もなお、興味がない」

    カナ
    「もったいなーい⚡」

    アンナ
    「蓮さん、いい人だったんでしょ?」

    ユイ
    「そりゃ、めっちゃいい人だったよ」
    「ルックスもいいし、背も高いし……」

    アンナ
    「じゃあなんで?」

    ユイ
    「なんでって……」

    少し考える。

    ユイ
    「今のままがいいからかな」

    カナ
    「現状維持宣言!
    意識高そうで低い回答⚡」

    ユイ
    「ほっとけ」

    画像

    カナ
    「じゃあ私が誘惑しちゃおっかな⚡」
    ニヤニヤしている。

    アンナ
    「カナ!?」

    ユイ「お金や肩書目当てならやめたほうがいい」
    「そういうの絶対嫌いだと思う」

    カナ
    「うーん……」

    少し考える。

    カナ
    「やめとこう⚡」

    ユイ
    「結局それ目当てかい!(笑)」

    全員が笑った。

    そこへ――

    おばあちゃんがコーヒーを飲みながら口を開く。

    おばあちゃん
    「それは残念だねぇ」
    「すぐ決める必要はないけど、本当にいいのかい?」

    ユイ
    「うん」

    即答だった。

    ユイ
    「私、肩書とか必要ないし」
    「堅苦しいのも苦手だし」
    「同時進行は無理だし」
    「今が一番充実してるし」

    アンナ
    「ユイらしいね」

    カナ
    「ファイナルアンサー⚡」

    ユイ
    「最初からファイナルアンサーだよ!」

    カナ
    「意味わかんなーい⚡」

    ユイ
    「なんでだよ!」

    おばあちゃん
    「はっはっは(笑)」

    こうして話は終わった。
    少なくともユイの中では。


    そして日常に戻った。

    YOSAKOIの練習。

    曲作り。
    いつものスタジオ。
    何も変わらない。

    ――はずだった。

    変わったことが一つだけある。
    それは…

    画像

    ガラッ。

    蓮
    「こんにちは」
    「また見に来ちゃいました」

    アンナ
    「あっ、蓮さん!」

    カナ
    「また来た⚡」

    ユイ
    「暇人なの?」

    蓮
    「差し入れ持ってきただけです」
    そう言って、ビニール袋を持ち上げる。

    アンナ
    「わー!ありがとうございます!」

    カナ「そんなわけないじゃーん」
    「お目当ては…」
    ニヤニヤしながらユイを見る

    ユイ
    「違うから」

    カナ「またまた〜⚡」

    蓮
    「違いますよ」
    「僕が応援してるのはーー
    『CNA』です!」

    アンナ
    「ありがとうございます!」

    ユイ
    「そっちかよ」

    カナ
    「イェーイ。
    みんな幸せだね⚡」


    変わったこと。
    それは――

    『蓮がCNAの大ファンになったこと』

    だけだった。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 21

    【本番前夜】

    ユイのお見合い事件(?)も無事落ち着き、
    気がつけば――
    YOSAKOI本番は明日だった。

    カナのお客さんたちの協力もあり、
    準備は順調に進んでいた。
    ……突貫工事だったけれど。

    それでもアンナは落ち着かなかった。
    (まだ何かやることがある気がする……)

    ユイは黙々と本番のシミュレーション中。

    振付。
    立ち位置。
    移動経路。

    頭の中で何度も繰り返している。

    そして。

    カナは――

    いない。
    どこ?

    その時だった。

    カナ
    「おはよう、皆の衆ー!⚡」
    突然の大声。

    アンナ
    「うわっ!」

    ユイ
    「びっくりした……」

    大きな袋を抱えたカナが登場。

    画像

    アンナ
    「なにそれ?」

    カナ
    「ふっふっふ⚡」

    得意げに袋を開く。

    カナ
    「明日の衣装できたよ〜!」

    アンナ
    「えっ!?」

    ユイ
    「マジで?」

    カナ
    「ほら!」
    「2人の分もある⚡」

    取り出された衣装を見て、

    アンナとユイは固まった。

    アンナ
    「……すごい」

    ユイ
    「……派手!」

    カナ
    「目立つよねー」
    「さっ!」
    「着替えて着替えて⚡」

    数分後。
    カーテンが開く。

    3人は衣装姿で並んでいた。

    アンナ
    「これ……」

    ユイ
    「マジかぁ……」

    カナ
    「めちゃいいじゃん!⚡」

    アンナとユイは顔を見合わせる。

    確かに派手だった。

    でも――

    アンナ
    「……カッコいい」

    ユイ
    「悔しいけど」
    「カッコいいな」

    カナ
    「でしょー!?⚡」

    そして――

    カナ
    「じゃ、行くよ!⚡」

    アンナ
    「え?」

    ユイ
    「どこに?」

    カナ
    「えっ?」

    心底不思議そうな顔をする。

    カナ
    「美容室に決まってんじゃん⚡」

    アンナ
    「美容室?」

    ユイ
    「まだ何かやるの?」

    カナ
    「何かやるの?じゃないよ⚡」

    カナは2人を指差した。

    カナ
    「そのまま出るつもり?」

    アンナ
    「……」

    ユイ
    「……」

    カナ
    「衣装だけで完成するわけないじゃん⚡」
    「編み込み!」
    「カラー!」
    「ヘアアクセ!」
    「全部やるよ⚡」

    アンナ
    「あ……」

    ユイ
    「あっ」

    そうだった。

    カナ
    「本番は明日だよ?⚡」
    「最高に楽しまなきゃ!」

    アンナ
    「うわぁ……」

    ユイ
    「まだ終わってなかった……」

    カナ
    「むしろこれから⚡」

    そう言うとカナは2人の背中を押した。

    カナ
    「さあ行くぞー⚡」

    アンナ
    「待って待って!」

    そして数時間後。

    編み込み。
    カラー。
    ヘアアクセサリー。

    すべてが完成した。

    鏡の前には――
    明日のステージに立つ、
    CNAの3人がいた。

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    アンナは鏡の中の自分を見つめる。

    数か月前まで、ただの趣味だった。

    歌も。
    曲も。
    ダイアリーも。
    全部。

    まさかYOSAKOIのステージに立つなんて、
    思ってもいなかった。

    カナは満足そうにうなずく。

    カナ
    「完璧⚡」

    アンナ
    「そうかな……」

    ユイ
    「派手すぎる気もするけど」

    カナ
    「明日になったら分かる⚡」

    そう言って笑った。

    アンナはもう一度鏡を見る。

    そこにいたのは、
    いつもの3人だった。

    でも、
    少しだけ違って見えた。

    明日はいよいよ本番。

    CNAとしての初ステージ。

    誰もまだ知らない。
    この日が、
    3人にとって特別な一日になることを。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 22

    【オープニングステージ】

    YOSAKOIソーラン祭り当日。

    ついにこの日がやってきた。
    大通公園には朝から屋台が並び、
    祭りの準備が進んでいた。

    アンナ
    「本当に始まるんだね」

    ユイ
    「お祭り感出てきたね」

    カナ
    「まずは食べよ⚡」

    アンナ「早っ!でも、そうだね」

    ユイ「まずは雰囲気を楽しもうか」

    画像

    アンナ
    「久保田さん、おはようございます」

    久保田さん
    「おはようございます」
    「今日からですが、よろしくお願いします」

    アンナ
    「こちらこそよろしくお願いします」

    久保田さんは3人の姿を見ると、少し安心したように笑った。

    久保田さん
    「準備はどうですか?」
    「時間が短かったので心配していましたが……」

    カナ
    「全然大丈夫!完璧です!⚡」

    ユイ
    「完璧ではないだろー」

    カナ
    「細かいことは気にしなーい⚡」

    久保田さん
    「ははは(笑)」
    「でも、CNAさんなら大丈夫だと思います」
    「思う存分暴れてくださいね」

    アンナ
    「ありがとうございます」

    ユイ
    「感謝します」

    カナ
    「あたしたちもそのつもりでーす⚡」

    久保田さんの温かい言葉もあり、
    少しだけ普段通りになってきた。

    ※カナは最初から普段通りなのは言うまでもない

    しかし――

    時間が経つにつれ、
    会場の雰囲気は少しずつ変わっていった。

    法被姿の踊り子たち。
    準備を進めるスタッフ。
    リハーサルを行う参加チーム。

    大通公園西8丁目会場は、
    すっかり祭りの空気に包まれていた。

    その中で、
    CNAの3人は少しだけ目立っていた。

    なにしろ――
    3人しかいない。

    近くを通りかかった他チームの踊り子たちが、
    ちらりとこちらを見る。

    「誰?」
    「ゲスト?」
    「アイドル?」
    「3人で出るの?」

    そんな声も聞こえてくる。

    アンナ
    「なんか注目されてるね」

    ユイ
    「いいんだか悪いんだか」

    カナ
    「注目されるために来たんだから!⚡」
    「だって目立ってなんぼだよ⚡」

    ユイ
    「それもそうだな」

    すると、
    近くを通った他チームの若い踊り子が小声で言った。

    「ゲストのCNAだよね?」
    「SNSで見たー!」
    「本物だー!」

    アンナ
    「えっ?」

    カナ
    「ほらね⚡」

    ユイ
    「見てくれてる人、
    本当にいたんだ」

    少しだけ緊張がほぐれた。

    すると今度は、
    別の踊り子が少し遠慮がちに声をかけてきた。

    「あの……」
    「写真、一緒に撮ってもらっていいですか?」

    アンナ
    「えっ!?もちろんです!」

    カナ
    「撮ろ撮ろー⚡」

    ユイ
    「私たちでいいの?」

    画像

    気づけば、
    何人かの踊り子たちが集まっていた。

    「応援してます!」
    「今日楽しみにしてました!」
    「頑張ってください!」

    中には握手を求める人までいる。

    アンナ
    「ありがとうございます!」

    カナ
    「最高じゃーん⚡」

    ユイ
    「なんか調子狂うな」

    でも、
    悪い気分ではなかった。

    誰も自分たちのことなんて知らない。
    そう思っていた。

    だけど、
    ちゃんと見てくれている人がいた。
    応援してくれている人がいた。

    それだけで十分だった。

    そして――

    スタッフ
    「CNAさん、まもなくです!」

    アンナ
    「行こう」

    ユイ
    「うん」

    カナ
    「ぶっ壊すよー⚡」

    3人は顔を見合わせる。
    少し前まであった緊張は、
    もうどこかへ消えていた。

    そして――
    CNAの初ステージが始まった。

    画像
    画像
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    気が付けば、
    あっという間に終わっていた。

    アンナ
    「初ステージ、終わったね……」

    ユイ
    「最高だった」

    カナ
    「楽しー!!⚡」

    観客の歓声。
    ステージのライト。
    初めて見る景色。

    全部があっという間だった。

    アンナ
    「なんか夢みたいだった」

    ユイ
    「思ったより緊張しなかったな」

    カナ
    「だから言ったじゃん⚡」
    「楽しいって⚡」

    アンナは思わず笑った。

    大成功だったかどうかは分からない。

    でも――

    3人とも、
    思いきり楽しめた。
    それだけは間違いなかった。

    こうして、
    CNAの初ステージは幕を閉じた。

    しかし、
    本当のお祭りはまだ始まったばかりである。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 23

    【想像以上】

    昨日のオープニングステージの余韻が残る中、
    YOSAKOI2日目を迎えた。

    今日のCNAは、
    大通西10丁目会場でのトークショー。

    開始1時間前。
    会場に到着した3人は、
    予想以上の人の多さに驚いていた。

    アンナ
    「人、多くない?」

    ユイ
    「多いね」

    アンナ
    「まぁ……私たち目当てではないと思うけど」

    ユイ
    「お祭りだしね」

    カナ
    「あたし、お客さん呼んどいたー⚡」

    アンナ
    「呼んだの!?」

    ユイ
    「何人?」

    カナ
    「知らない⚡」

    ユイ
    「知らないのかよ」

    開始時間が近づくにつれ、
    会場にはさらに人が集まってくる。
    アンナは少しだけ緊張していた。

    歌うのは慣れている。
    でも、
    人前で話すのはまた別だった。

    そして――

    司会の地元テレビ局アナウンサーが紹介を始めた。

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    アナウンサー
    「本日のゲストは――」
    「昨日のオープニングステージで
    素晴らしいパフォーマンスを披露してくれた!」
    「CNAの皆さんです!」

    会場からまばらな拍手が起こる。

    アンナ
    「はじめまして」
    「CNAです。よろしくお願いします」

    ユイ
    「名前だけでも覚えて帰ってもらえたら嬉しいです」

    カナ
    「あっ!!」
    「テレビで見てる人だー!⚡」
    会場から笑い声。

    アナウンサーも思わず笑う。

    アナウンサー
    「今日は私が司会なんですが(笑)」

    また笑いが起きた。

    アナウンサー
    「それではまだ知らない方もいるかと思いますので、
    自己紹介とユニットにおける役割をそれぞれお願いします。」

    アンナ
    「星音アンナです。メインボーカルです。
    皆さんの前で歌うことは、小さい頃からの夢でした。
    私の歌で北海道を盛り上げていきたいです」

    ユイ
    「篠宮ユイです。パフォーマンス担当です。
    体を動かすことが好きです。」

    カナ
    「カナでーす。
    役割は…」

    ユイ
    「冷やかしだろ」
    ニヤニヤしながら

    カナ
    「ちがーう!盛り上げ役かな?」
    会場盛り上がる
    (「カナ―!」声援も)

    カナ
    「とにかく、あたしがいないとCNAは成立しないんだよー!」

    アナウンサー
    「カナさん、かなり個性的ですね(笑)。」

    カナ
    「誉め言葉として受け取っておくー」
    会場爆笑

    アナウンサー
    「アンナさん、ユイさんは大変そうですけど…(笑)」
    会場からも笑い声が起こる。

    アナウンサー
    「CNAとは、一言で言うとどんなユニットですか?」

    アンナ
    「We don't fit. We break. が合言葉です」
    「型にはまらない自由な表現を目指しています」

    アナウンサー
    「昨日のステージも、まさにそんなパワーを感じました」
    「3人だけとは思えない迫力でしたね」

    アンナ
    「ありがとうございます」

    ユイ
    「楽しんでもらえたなら嬉しいです」

    会場から拍手。

    カナ
    「まだまだこんなもんじゃないからねー⚡」
    会場爆笑。

    アナウンサー
    「事前にいただいた質問です」
    「CNA――Crazy Noisy Angelsという名前ですが、かなりインパクトがありますよね」
    「どうしてこの名前になったのでしょうか?」

    アンナ
    「3人で話し合って決めました」
    「普通のアイドルグループとは少し違うことをやりたかったんです」

    アナウンサー
    「なるほど」
    「ユイさんはいかがですか?」

    ユイ
    「普通じゃつまらないよねって話はしてました」
    「型にはまらないことをやりたいっていう思いは、最初からありました」

    アナウンサー
    「たしかに昨日のステージからも伝わってきました」
    「カナさんはどうですか?」

    カナ
    「あたしはどちらかと言うとAngel側かな⚡」

    一瞬の沈黙。

    ユイ
    「いや」
    「完全にCrazy Noisy担当だろ」
    会場爆笑。

    カナ
    「えー!?⚡」

    アンナ
    「うん、それは私もそう思う(笑)」

    カナ
    「ひどーい⚡」

    会場から拍手と笑い声が起こった。

    ユイ
    「いや、自分で決めた名前だろ!(笑)」
    会場爆笑。

    アナウンサー
    「まさに“名は体を表す”ですね(笑)」
    会場拍手。

    アナウンサー
    「それでは次の質問に…」

    カナ
    「しつもーん!⚡」

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    アナウンサー
    「えっ?」
    「なんでしょう?」

    カナ
    「この放送って何時から?何チャン?⚡」

    会場
    「???」

    カナ
    「録画頼むの忘れちゃって⚡」
    会場大爆笑。

    アナウンサー
    「えっと……」
    「後で調べておきますね(笑)」

    カナ
    「やったー⚡」
    「弟に録画お願いしなくっちゃ⚡」

    ユイ
    「今する話か?」

    アンナ
    「ご、ごめんなさい(笑)」

    アナウンサー
    「カナさん、本当に自由ですね(笑)」

    アンナ
    「なんかすいません……」

    ユイ
    (やっちまった……)

    アナウンサー
    「いや、楽しいので全然問題ありません(笑)。」
    会場拍手。

    アナウンサーは手に持っていた進行表を見る。
    そして苦笑した。

    アナウンサー
    「こんなトークショーは前代未聞です(笑)」
    会場爆笑。

    アナウンサー
    「もう台本はいりません」
    「好きにしゃべってください」
    会場大拍手。

    カナ
    「そう来なくっちゃ⚡」

    ユイ
    「お前が言うな!(笑)」

    アンナ
    「予定通りいかなくてすいません(笑)」
    「カナはいつもこんな感じなんです」

    アナウンサー
    「それは大変ですね(笑)」

    ユイ
    「はい、毎日です」
    会場大爆笑。

    この後も、

    カナは自由にしゃべり続け、
    アンナがフォローし、
    ユイがツッコミを入れる。

    気が付けば、
    会場は大盛り上がりだった。

    アナウンサーも満足そうだったが――

    アナウンサー
    「もうそろそろ……」
    「時間が……(笑)」

    会場から笑い声が起こる。

    アンナ
    「本日はありがとうございました!」

    ユイ
    「これからもCNAをよろしくお願いします」

    カナ
    「まだ話せるよー!⚡」

    ユイ
    「もう終わり!」

    アンナ
    「すいません、終わります(笑)」

    2人はカナを引きずるようにしてステージを後にした。

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    会場からは大きな拍手。
    そして笑い声。

    こうして、
    CNA初のトークショーは幕を閉じた。

    しかし――

    会場のざわめきは、
    しばらく収まりそうになかった。

    「あの子面白かったね」
    「自由すぎる(笑)」
    「また見たい」

    そんな声があちこちから聞こえてくる。

    その理由は――
    まぎれもなくカナだった。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 24

    【握手会とサイン会】

    今日は握手会。

    正直、
    3人とも少し不安だった。

    (誰も並ばなかったらどうしよう…)

    そんな心配もあった。

    しかし――

    その不安は、
    開始時間のかなり前に解消された。

    会場には、

    人。

    人。

    人。

    アンナ
    「えっ……」

    ユイ
    「多くない?」

    カナ
    「多いね⚡」

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    アンナの列は、
    ほとんどが男性。
    年齢層も比較的高めだった。

    ユイの列は、
    子供と女性ばかり。
    子供のお母さんもいるが、
    単身で来ている女性もかなりいる。

    そして――
    カナの列。

    派手な若い男女が、
    長蛇の列を作っていた。

    アンナ
    「なんで?」

    ユイ
    「なんでだろう」

    カナ
    「全員お客さんだわ⚡」

    ユイ
    「違うだろ」

    アンナ
    「絶対違う(笑)」

    3人は顔を見合わせた。

    昨日のトークショー。
    思い当たるのは、
    あれしかない。

    アンナ
    「もしかして……」

    ユイ
    「昨日?」

    カナ
    「やっぱりあたしのおかげだね⚡」

    ユイ
    「そこは否定できないのが悔しい」

    アンナ
    「ちょっとだけね(笑)」

    3人は唖然としながら、
    目の前の光景を見つめていた。

    スタッフ
    「それでは握手会を開始します!」

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    最初に列が動き出す。

    アンナ
    「ありがとうございます!」
    「来てくれて嬉しいです!」

    ユイ
    「ありがとうございます」
    「楽しんでいってくださいね」

    カナ
    「ネイル予約は半年待ちでーす⚡」

    ユイ
    「何の案内だよ」
    会場爆笑。

    握手会は終始和やかに進んだ。

    「ステージ最高でした!」
    「トークショー楽しかったです」
    「応援してます!」
    「また来ます!」

    そんな言葉を直接もらうたびに、
    3人の表情も自然と柔らかくなる。

    そして――
    サイン会。

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    初めて書くサイン。
    最初は戸惑っていた3人だったが、
    気が付けば夢中になっていた。

    アンナは一人ひとり丁寧に。

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    ユイは照れながらも真剣に。

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    カナは、
    サイン以外の何かまで書こうとしていた。

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    ユイ
    「長い」

    カナ
    「サービス⚡」

    アンナ
    「後ろつかえてるよ(笑)」

    こうして、
    握手会とサイン会は大盛況のうちに終了した。

    アンナ
    「なんか……」

    ユイ
    「うん」

    アンナ
    「応援してくれる人、本当にいるんだね」

    ユイ
    「だね」

    カナ
    「だから言ったじゃん⚡」

    3人は少しだけ誇らしい気持ちで会場を後にした。

    そして、
    いよいよ明日は――
    YOSAKOIパレード本番である。

    CNAプロジェクト - season 1- Episode 25

    【パレード】

    私たちの出番は2回。

    すすきの会場と、
    大通会場。

    いよいよYOSAKOIのメインイベントだった。

    待機場所には、
    各チームの踊り子たちが集まっている。

    法被姿。
    揃いの衣装。
    緊張した表情。
    楽しそうな笑顔。

    空気は独特だった。

    そんな中、
    他チームの踊り子たちが声をかけてくる。

    「昨日見ました!」
    「ステージ良かったです!」
    「トークショー最高でした」
    「写真お願いしてもいいですか?」

    中には握手を求めてくる人もいた。

    しかし、
    それは有名人だからではない。

    同じステージに立つ者同士。
    同じ演者としての会話だった。

    アンナ
    「ありがとうございます」

    ユイ
    「頑張りましょう」

    踊り子たちと話しているうちに、
    少しずつ緊張がほぐれていく。

    いや――
    テンションが上がってきた。
    ※カナは最初から上がっている

    カナ
    「最高じゃーん⚡」

    アンナ
    「カナはずっと最高だね(笑)」

    ユイ
    「平常運転だな」

    遠くから音楽が聞こえる。
    歓声も聞こえる。

    前のチームが演舞を終えたのだろう。

    そして――
    スタッフが声をかける。

    「CNAさん、お願いします!」

    来た。

    アンナの鼓動が大きくなる。
    ユイは軽く肩を回した。
    カナは旗を握り直す。

    その時だった。

    「お姉ちゃーーーん!!」
    聞き慣れた声が響く。

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    アンナ
    「あっ!」

    沿道には、
    法被姿のコトネ。
    肩には小さな法被を着たモッキー。

    さらに、
    ニーナ。
    華子会長。
    蓮の姿もあった。

    コトネ
    「頑張れーーー!!」

    モッキー
    「キーッ!」

    華子
    「楽しんでおいで!」

    蓮
    「応援してます!」

    ニーナは何も言わず、
    大きく手を振った。

    アンナは思わず笑う。
    ユイも小さく笑った。
    カナ
    「応援隊きたー⚡」

    アンナ
    「みんな来てくれたんだ」

    ユイ
    「これは頑張るしかないな」

    アンナは2人を見る。

    そして、
    少しだけ笑った。

    アンナ
    「行こう!」

    ユイ
    「よっしゃ!」

    カナ
    「たのしもー!⚡」

    3人は駆け出した。
    歓声の待つパレードへ。

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    演舞中――

    3人は、

    他に例えることのできない感情を感じていた。

    緊張。
    興奮。
    達成感。
    感謝。

    どの言葉も少し違う。

    ただ一つだけ確かなことがある。

    “楽しかった。”

    そして――
    演舞は終わった。

    3人は肩で息をしていた。

    しかし、
    誰も喋らない。

    しばらくの間、
    ただ余韻に浸っていた。

    聞こえてくる歓声。
    拍手。

    そして、
    少しずつ落ち着いていく鼓動。

    やがて、
    アンナが静かに口を開いた。

    アンナ
    「私たち……やり切ったね」

    ユイ
    「うん」
    「すごかった」

    カナ
    「ヤバいね⚡」
    「クセになりそう⚡」

    3人は顔を見合わせ、
    思わず笑った。

    最終日を前に、
    CNAとしての初めてのYOSAKOI演舞は終わった。

    明日はファイナル。
    大賞が決まる。
    もう緊張しなくていい。

    明日は一人の観客として、
    思い切り楽しもう。

    そう思っていた。

    【CNA版 YOSAKOI2026『壊していい?』MVはこちら】


    CNAプロジェクト - season 1- Episode 26

    【ファイナル】

    YOSAKOIソーラン祭り最終日。

    昨日までの熱気が嘘のように、
    3人には穏やかな時間が流れていた。

    CNAは今日は出演者ではない。

    一人の観客として、
    ファイナルステージを見に来ていた。

    アンナ
    「なんか不思議だね」

    ユイ
    「昨日まで出てたからな」

    カナ
    「まだまだ出たかったなー⚡」

    会場には各チームの踊り子たち。

    観客たち。

    そして、
    昨日まで一緒に祭りを作っていた人たちが集まっていた。

    そこへ――
    聞き慣れた声が響く。

    コトネ
    「お姉ちゃーーーん!」

    アンナ
    「あっ!コトネ!」

    コトネ
    「来たよー!」

    アンナ
    「それにモッキーも!」

    法被姿のコトネ。
    肩には小さな法被を着たモッキー。

    さらに、
    ニーナ。
    華子会長。
    蓮もいる。

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    華子
    「今日は応援じゃなくて観戦だよ」

    蓮
    「昨日は最高でした」

    ユイ
    「お前、本当に来るな」

    蓮
    「当然です」

    カナ
    「皆勤賞だね⚡」

    みんなが笑った。

    そして――

    「楽しんでるか?」

    突然聞こえた声に、
    3人は同時に振り返った。

    アンナ
    「橘さん!?」

    ユイ
    「久しぶり!」

    カナ
    「生きてたー⚡」

    橘
    「勝手に殺すな」

    アンナ
    「最近、何してたんですか?」

    橘
    「会社の決算で忙しかったんだよ!」

    ユイ
    「リアルだな」

    橘
    「俺も仕事してんだよ」

    カナ
    「ずっと?」

    橘
    「ずっとだ」
    橘は小さくため息をつく。

    そして――

    橘
    「でもお陰様で片付いた」

    アンナ
    「えっ?」

    橘
    「これからはお前らに付き合える」

    カナ
    「やったー⚡」

    ユイ
    「本当?大丈夫?」

    橘
    「いや、大丈夫じゃないかもな」
    全員爆笑。

    そこへ、
    久保田さんがやってきた。

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    久保田さん
    「皆さん楽しんでますか?」

    アンナ
    「はい!久保田さん、本当にありがとうございました」

    ユイ
    「久保田さんのおかげで完全に楽しめました」

    カナ
    「来年もでたーい⚡」

    久保田さん
    「それはこちらからお願いしたいです(笑)」

    アンナ
    「本当にありがとうございました」

    久保田さん
    「こちらこそありがとうございました」

    少し間を置いて、
    久保田さんは笑った。

    久保田さん
    「私は、最初からファンでしたから」
    「皆さんを呼んで正解でした」
    「スケジュール的にも無理を言ったんで、
    ちょっとドキドキしていましたが」

    ユイ
    「カナのおかげで何とか間に合いました」

    カナ
    「それほどでも……あるけどねー⚡」
    一同爆笑。

    アンナ
    「本当にありがとうございました」
    「私たち、少し自信がつきました」

    ユイ
    「何もかも想像以上で……」
    「今は少しホッとしています」

    カナ
    「そう?」
    「あたしは想定内かな⚡」

    ユイ
    「カナ基準では考えていないんで……」
    また笑いが起こる。

    そして――
    ファイナルステージ。

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    歓声。
    拍手。
    涙。
    優勝チームの発表。

    どのチームも輝いて見えた。

    アンナ
    「すごいね……」

    ユイ
    「レベル高いな」

    カナ
    「楽しそう⚡」

    アンナ
    「来年……」
    「私たちどうしてるんだろう」

    カナ
    「えっ?」
    「来年も当然出るよ!⚡」

    ユイ
    「さすがに3人じゃ無理だろ」

    カナ
    「集めればいいじゃーん⚡」

    橘
    「最低でも30人だな」

    アンナ
    「30人……」

    カナ
    「100人くらいいけるっしょ⚡」

    橘
    「話を聞け!」
    みんなが笑った。

    こうして、
    CNA初めてのYOSAKOIは終わった。

    でも――
    終わったのは今年だけ。

    来年は、
    ゲストではなく。
    参加チームとして。

    もっと派手に。
    もっと自由に。
    もっとCNAらしく。

    CNAの次の季節は、
    もう始まっていた。

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    CNAプロジェクト - 番外編-

    【運営代表スペシャルインタビュー】

    インタビュアー:さて今回は、CNAプロジェクトの運営代表、Bosotto Studioさんにお越しいただきました。

    Bosotto:こんにちは。CNAを知ってもらうために、自作自演でインタビューを受けてみます。
    ま、そこは触れない方向でお願いします(笑)。

    インタビュアー:いや、もう触れてます。

    Bosotto:先に処理しておこうかと。

    インタビュアー:なるほど。
    それでは本日は、Q&A形式で、CNAについて色々お聞きしていきます。

    Bosotto:はい。
    答えられる範囲で、だいたい全部答えます。

    ――――――――――――――――――――――――――――――——
    Q:まず、CNAの名前の由来を教えてください。

    A:特に深い意味はありません(笑)。
    いろいろ考えた結果、“CRAZY NØISY ANGELS” が一番しっくり来ました。

    「騒がしい」「常識にハマらない」「でもどこか愛嬌がある」みたいな、CNAの世界観をそのまま名前にしたかったので。

    あと、“NØISY” がかなり悩みました。※ポイントは”Ø”です。
    いろいろな単語も試しましたが、最終的に行きついたのがNØISYです。
    略称の “CNA” も語感が良かったので、そのまま採用しました。

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    Q:運営はどうやってるんですか?

    A:すべて一人でやっています。
    基本、思い付きです(笑)。

    思い付いたら「ちょっとやってみよう」で手を出すので、気付いたらコンテンツが増えすぎて、だんだん制御不能になってきています(笑)。

    最初はLINEスタンプから始まりました。
    その後、ストーリーをダイアリー形式で始めて、HPを作って、ミニキャラを作って、4コマ漫画を作って、曲を作って、動画まで作り始めて……。

    Q:かなり増えてますね……。

    A:増えました(笑)。

    しかも、半年前まではAIとほぼ無縁だったんです。
    なので、自分でも「なんでこんなことになってるんだろう」と思っています(笑)。

    ただ、世界観だけは崩したくないんですよね。

    なので、今はまだ誰かに任せられる状態ではないと思っています。
    細かい空気感とか、「ちょっとズラす感じ」とか、そういう部分がCNAの大事なところなので。

    あと、何より……これでまだ収入がありません(笑)。

    Q:そこ大事ですね(笑)。

    A:でも、地道に続けていけば、いつかは何かにつながる気はしています。
    たぶんCNAって、“急に完成する”タイプじゃなくて、少しずつ育っていくプロジェクトなんだと思います。

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    Q:普段は何をしてるんですか?

    A:普通の会社員です。
    ひょんなことからAIに出会って、そのままハマってしまいました(笑)。

    Q:AIだと簡単に作れそうですね。

    A:よくそう思われるんですが、実際は全然そんなことないですね。

    むしろ、「どう使うか」の方がかなり難しいです。
    例えばChatGPTって、基本的に否定をしないんですよ。
    なので、間違った方向に進んでいても、共感してくれるので、そのまま話が進んでしまうことがあります。

    だから、自分自身が常に第三者目線で「これ本当に面白いか?」とか「CNAっぽいか?」を冷静に判断しないといけません。

    あと、AIの文章って、どうしても少し固かったり、綺麗すぎたりするので、セリフやコメント、歌詞はそのまま使うことの方が少ないです。

    普通に間違えますし(笑)。

    なので、自分の中では「ChatGPTは仕事のパートナー」みたいな感覚です。

    他のAIも、それぞれクオリティや再現性がかなり違います。
    得意なものも苦手なものもあるので、「これは曲向き」「これは画像向き」みたいに取捨選択しながら工夫しています。

    曲作りも、イメージ通りになるまでかなり大変です。
    プロンプトを修正して、歌詞を直して、また生成して……の繰り返しですね。

    最後は、ある意味“生成ガチャ”なので、納得いくものが出るまで、多い時は何十回も作り直しています(笑)。

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    Q:画像生成はどうやっているんですか?

    A:画像生成は、かなり再現性を重視しています。
    なので、基本的には毎回ベース画像を添付して生成しています。
    それをやらないと、本当に普通に「誰?」ってなります(笑)。

    Q:そんなに変わるんですか?

    A:変わります(笑)。

    ChatGPTは、顔と名前を一致させるのがあまり得意じゃないみたいで、こちらが「アンナが」「ユイが」って指示しても、普通に間違えます。
    「いや、それカナだろ!」みたいなことが結構あります(笑)。

    最初はかなりイライラしていました。

    Q:まぁ、なりますよね(笑)。

    A:でも、最近は「ちゃんと指示しなかった自分が悪い」という考えに変わりました(笑)。
    AIって、何となく伝わるだろうと思って使うと、全然違うものが出てくるんですよ。

    逆に、細かく丁寧に条件を作ると、かなりイメージに近づいていくので、最近は「AIを使う」というより、「AIと調整する」感覚に近いですね。

    あと、何度やってもイメージ通りにならないときは、その日の作業はきっぱりやめます(笑)。

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    Q:時間、足りなくないですか?

    A:圧倒的に足りないですね(笑)。
    今まで完全に思い付きで動いていたので、「今日はこれをやる」「曜日ごとに作業を分ける」みたいなスケジュール管理が全然できていません。
    頭では、「ちゃんと管理した方がいい」って分かってるんですけどね(笑)。

    特に曲作りを始めると危険です。

    Q:危険(笑)。

    A:はい。
    「ちょっとだけ修正しよう」と思って触り始めたら、気付いたら1日終わってます(笑)。
    しかも、プロンプトを少し変えるだけで曲の雰囲気が全然変わるので、だんだん止まらなくなるんですよ。
    「今の惜しい!」
    「もう1回!」
    「サビだけ完璧!」
    みたいなのを延々やっています(笑)。

    ―――――――――――――――――――――――――――――――――
    Q:なぜ曲を作ろうと思ったんですか?

    A:CNAの世界観を伝えるうえで、音楽ってすごく大きいと思ったからです。
    もちろん、本当はダイアリーや4コマ、キャラクター設定も全部含めてCNAなんですけど、文字だけだと、どうしても読む側にエネルギーが必要なんですよね。

    その点、曲って数分で空気感を伝えられるというか、「あ、この世界こういう感じなんだ」って直感的に入ってきやすい気がしています。
    なので、自分の中では、音楽は“入口”に近い感覚ですね。

    ダイアリーから入る人もいるし、4コマから入る人もいるし、MVから入る人もいる。
    入口が増えるほど、CNAの世界に入りやすくなるのかなと思っています。

    あと……。

    Q:あと?

    A:いつかAdoさんとか、有名な方がカバーしてくれないかなって夢見ています(笑)。

    インタビュアー:急にスケール大きいですね(笑)。

    A:そのくらい出来はいいと思っています。
    ま、カバーは夢ですけど…(笑)。

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    Q:アンナの歌のイメージはありますか?

    A:あります。
    アンナって、見た目だけ見ると、わりと“かわいらしいアイドル”系に見えると思うんですよ。
    でも、歌のイメージは結構本格派です。

    例えば、雰囲気としては 宇多田ヒカル さんみたいな空気感だったり、表現力や感情の爆発力は Ado さんみたいなイメージにしています。
    あと、ステージに立った時の熱量とか、「歌で空気を持っていく感じ」は LiSA さんの雰囲気に近いですね(笑)。

    Q:かなり強いですね……。

    A:「かわいいだけ」だとつまんなくないですか?
    普段はちょっと抜けてたり、不思議だったりするんですけど、歌った瞬間に空気が変わる、みたいな主人公にしたいと思っています。

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    Q:お気に入りのキャラクターはいますか?

    A:カナですね。

    Q:やっぱり(笑)。

    A:あの“奇想天外さ”を表現するのがすごく楽しいんですよ。

    ただ、カナって狙いすぎると一気に魅力が半減するんです。
    「変なこと言わせよう」と意識した瞬間、急にわざとらしくなるので、その微妙な空気感の調整が本当に難しいですね。

    Q:かなり感覚的なんですね。

    A:そうですね。
    カナって、根っからの自由人なんですよ。

    天才肌ではあるんですけど、本人にあまりこだわりがない。
    好きなことにしか興味がないし、普通の人にはたぶん理解不能です(笑)。
    でも、そのズレ方が、なぜか魅力的に見えるキャラにしたいと思っています。

    あと、すごく重要なのが、「カナはアンナを崇拝している」という部分ですね。

    Q:そこ大事なんですね。

    A:大事です。

    CNAって、中心はあくまでアンナなんですよ。
    カナがどれだけ強烈でも、ユイがどれだけ万能でも、主人公はアンナ。
    そこだけは絶対に崩さないようにしています。

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――
    Q:アンナって、どんな主人公なんですか?

    A:アンナって、実は“分かりやすい最強キャラ”ではないんです。

    特別な才能があるわけでもない。
    ビジュアルが飛び抜けているわけでもない。

    でも、とにかく包容力が異常なんですよ。

    怒らない。
    否定しない。
    ケンカしない。

    この3つは、アンナだけじゃなくて、CNA全体の大事なルールになっています。

    Q:世界観の根本なんですね。

    A:はい。
    もちろん、ふざけたり、変な方向に行ったり、カオスになることはあります(笑)。
    でも、「誰かを強く否定する」とか、「攻撃する笑い」みたいな方向には絶対にしたくないんです。
    CNAって、“うまく言葉にできない人でも、なんとなく居ていい空気”を作りたいんですよね。

    だから、アンナは中心に立って引っ張るタイプというより、「いるだけで周りを受け入れてしまう主人公」に近いと思っています。

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    Q:他にもこだわりはありますか?

    A:あります。

    まず、「頑張りすぎない」ですね。

    Q:意外ですね。

    A:もちろん、努力を否定したいわけではないんです。
    でも、「夢に向かって一直線!」みたいな熱血の空気にはしたくなくて。

    あと、CNAって、あまり“明確な目標”を設定していないんですよ。
    「武道館!」とか「世界進出!」とか、そういう分かりやすいゴールを中心にした物語ではないというか。
    その時その時で、「なんか面白そう」「やってみたい」で動いていく感じですね。

    Q:かなり自由ですね。

    A:なので、「普通にやらない」はかなり意識しています。

    王道アイドルっぽいことをやってると思ったら、急に音頭始めたり、4コマやったり、変な空気になったり(笑)。

    ただ、勘違いされたくないのは、「社会への反抗」がテーマではないんですよ。
    社会批判をしたいわけではないです。
    “壊す”というより、「常識に縛られなくていいんじゃない?」に近いですね。

    時代も価値観もどんどん変わっていくので、「昔こうだったから」ではなく、常にアップデートしていこう、みたいな空気感は大事にしています。

    ―――――――――――――――――――――――――――――――――
    Q:CNAで、一番大事にしたいことは何ですか?

    A:見ている人、聞いている人が、自然と楽しくなる空気ですね。

    無理に熱くさせるというより、「なんかよく分からないけど元気出るな」とか、「ちょっとテンション上がるな」くらいの感覚を大事にしたいと思っています。

    CNAって、世界観はかなり自由なんですけど、根本にはずっと“楽しさ”があります。
    だから、見ていて疲れるものにはしたくないんですよ。

    ふざけてるように見えても、ちゃんと音楽や映像は本気で作る。
    でも、本気になりすぎて苦しくはならない。

    そのバランスは、かなり意識しています。

    あと、目指している雰囲気はテレビアニメの「サザエさん」みたいな空気です。

    誰かが特別すごいことをするわけじゃなくて、それぞれが自然体でいて、そのやり取りを見ているだけでなんだか楽しい。

    アンナも、ユイも、カナも、完璧なアイドルではありません。
    失敗もするし、変なことも言うし、たまには話が脱線します(笑)。

    でも、それがいいと思っています。

    CNAは「憧れの存在」というより、「気づいたら隣にいる存在」でありたいんです。

    たぶん、「頑張れ!」より、「一緒に遊ぼうよ」に近いのかもしれません(笑)。

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    Q:これからCNAはどこに向かっていくんですか?

    A:前からずっと考えているのが、“視聴者参加型コンテンツ”ですね。

    ただ見るだけじゃなくて、「CNAの世界に入ってみませんか?」みたいな形をやりたいんです。

    例えば、ダイアリーや4コマに登場してみたり。
    カナと絡んでみたいとか、アンナの後ろで踊ってみたいとか、バックバンドをやってみたいとか。

    本当に、どんな形でもいいんですよ。

    Q:かなり自由ですね。

    A:CNAって、完成された作品を一方的に見せるというより、“みんなで少しずつ世界を広げていく”感覚に近いんです。

    だから、見てくれている人たちにも、「ファン」というより、“世界観の一員”になってほしいと思っています。
    そのうち、何かしら募集も始めると思います。
    今、一番やりたいことはそれかもしれませんね。

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――

    Q:ファンの皆さんへ一言お願いします。

    A:今、把握しているファンはニーナとうちの子供だけですが(笑)、これからCNAを知ってくれる方へ一言。

    CNAの世界は、まだ始まったばかりです。

    正直、これからどうなっていくのか、私自身もまだ分かっていません。
    でも、それも含めて面白いと思っています。

    CNAって、完成された作品を見てもらうというより、みんなで少しずつ育てていくコンテンツにしたいんですよね。

    なので、見てくれるだけでも嬉しいですし、コメントしたり、アイデアをくれたり、何かしらの形でどんどん参加してもらえたらありがたいです。

    ダイアリーでも、4コマでも、MVでも、何でも構いません。
    「ちょっと関わってみたいな」くらいの軽い気持ちでも嬉しいです。

    あと、一緒に運営してくれる方も募集しています(笑)。

    今のところ給料は出せません(笑)。

    ただ、「この世界観好きかも」と思ってくれた方や、話し相手になってくれる方がいるだけでも、かなり励みになります。

    一緒にゆるく、でも本気で、CNAを盛り上げていけたら嬉しいです。

    今後とも、よろしくお願いします。

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    #創作大賞2026 #エンタメ原作部門


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