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Photo byfuwafuwa_kumo

紫陽花のパフェ

    家の近所に
    相応の年齢のパティシェさんが一人で経営している
    季節のパフェ屋さんがある
    およそ半間くらいの小洒落た入り口から
    その週のお花のパフェとチーズケーキが並んだ
    ショーウィンドウが見える
    席は僅か五つで
    静かな女性客でいつも埋まっている
    ある時私は
    疲れ切っていたのとぼんやりしていて
    この店のせっかく取れた貴重な予約をすっぽかした
    店主さんはインスタのメッセージで
    「お作りして待っています」
    と書いていたのに
    一日二日するうちに
    私はかえって謝りづらくなっていた
    でも向こうは
    一生懸命紫陽花のパフェをいろんな果物やクリームやアイスで
    飾りつけしていた筈だ
    私はようやく三日目の午後に
    「すみませんでした。キャンセル料をお支払いさせてください」
    と送信できた
    それからお店のストーリーを見たら
    「6月から包装は簡易化させてください」
    と小さく一言書いてあった
    私はどうして
    人の気持ちが全然わからなかったんだろう
    たぶん
    自分の本心もよくわかっていなかったからだ
    それから私は
    夕陽の見える窓のカーテンを閉めて
    部屋の片隅の紫陽花に水をやった






     
    12年間の引きこもりから脱出し、詩作へ小説へと疾走した半生を経て、現在は自分を愛し慈しむセカンドライフを歩んでいます。早朝散歩の記録や日々の暮らし、言葉にまつわるあれこれをつづります。 [日本現代詩人会会員/日本文藝家協会会員]

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