
紫陽花のパフェ
家の近所に
相応の年齢のパティシェさんが一人で経営している
季節のパフェ屋さんがある
およそ半間くらいの小洒落た入り口から
その週のお花のパフェとチーズケーキが並んだ
ショーウィンドウが見える
席は僅か五つで
静かな女性客でいつも埋まっている
ある時私は
疲れ切っていたのとぼんやりしていて
この店のせっかく取れた貴重な予約をすっぽかした
店主さんはインスタのメッセージで
「お作りして待っています」
と書いていたのに
一日二日するうちに
私はかえって謝りづらくなっていた
でも向こうは
一生懸命紫陽花のパフェをいろんな果物やクリームやアイスで
飾りつけしていた筈だ
私はようやく三日目の午後に
「すみませんでした。キャンセル料をお支払いさせてください」
と送信できた
それからお店のストーリーを見たら
「6月から包装は簡易化させてください」
と小さく一言書いてあった
私はどうして
人の気持ちが全然わからなかったんだろう
たぶん
自分の本心もよくわかっていなかったからだ
それから私は
夕陽の見える窓のカーテンを閉めて
部屋の片隅の紫陽花に水をやった