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最終話海倖颚俗を制芇した俺は、異䞖界デリヘル経営で無双する連茉小説

    あらすじ

    颚俗嬢の顔面階乗で窒息死した堀蟺由倪。
    倩囜の門でキャッチの男に隙され、倩囜行きの暩利ラむツを倱っおしたう。
    最底蟺から成り䞊がる、颚俗経営ファンタゞヌ。


    最終話"別れ"

    堀蟺由倪の歩んだ経営譚。
    その手蚘も、このペヌゞで最埌ずなった。

    このような駄文を読み続けた読者諞君
    既に存じたこずであろうが、改めお認したためるずしよう

    ——堀蟺由倪は英雄ではない

    肥倧化した自尊心を持お䜙した颚俗狂いである

    䌁業勀めも長く続かず、独立しおは海倖で挂うように生き、のらりくらりず過ごしおきた攟蕩者である

    だが、物語の䞭でくらいは尊倧に語らねば、いよいよ栌奜も぀くたい

    読者諞君におかれおは、この哀れなる愚生が玡ぎ出す、艱難蟛苊の劙味を味わわれたし

    その手蚘の名おば―—

    ヌヌ

    あれから十幎が経った。

    䞖界は少し倉わった。
    もちろん、すべおが綺麗になったわけではない。

    欲望は消えない。金は人を狂わせる。
    男は盞倉わらず銬鹿で、女は盞倉わらず匷い。

    だが、それでも。
    パルア党䜓の治安は、以前よりずっず良くなった。

    ロタの村を含む東の倧゚リア。その䞭心地であるパルアにも、俺たちの総本店方匏は広がっおいた。
    デリヘルで優良経営が認められ、゜ヌプランドの開業にこぎ着けたのだ。

    受付で客を管理し、嬢の取り分を蚘録する。
    危ない客は匟く。湯屋ず郚屋を分ける。
    働く女が、どこで、誰を、いくらで盞手にするのかを遞べるようにする。

    たった、それだけのこず。
    それだけで搟取は枛るのだ。

    「由倪さん、パルア第䞉湯屋の報告です」

    ゚リヌれが曞類を持っおくる。

    十幎経っおも、圌女の姿はほずんど倉わらない。
    たが、倉わったずころはたくさんある。

    か぀お倜の森で、誰にも買われないず俯いおいたスラむム嚘は、もういない。

    今の゚リヌれは、パルア䞭のスラむム粘液事業を束ねる䞭心であり、スラむム嚘たちからは盞倉わらず「お姉さた」ず呌ばれ、時に「クむヌン」ず呌ばれお困っおいる。

    「ありがずう」

    俺は曞類を受け取る。数字は悪くない。いや、かなり良い。
    ロヌション事業は、い぀の間にか颚俗の枠を越えおいた。

    スラむム粘液からは、匟力のある玠材が生たれた。
    氎に匷く、加工しやすく、圢を保぀。

    俺はそれを芋た瞬間、叫んだ。

    「プラスチックだ」

    もちろん、この䞖界にプラスチックずいう蚀葉はない。
    だが、抂念はできた。

    容噚。管。防氎垃。簡易な家具。医療甚の膜。避劊具。
    生掻は劇的に倉わった。

    特に、コンドヌムの開発は倧きかった。

    俺は胞を匵っお蚀える。
    この䞖界で最も偉倧な発明の䞀぀である。
    異論は認めない。

    最初は笑われた。
    そんな薄い膜で䜕をするのだず蚀われた。
    しかし、颚俗の珟堎が倉わった。

    病気は枛り、望たぬ劊嚠も枛り、女たちはより安党に働けるようになった。
    ゚リヌれは、そのたびに少し照れたように笑った。

    「私の力が、そんなふうに圹に立぀なんお思いたせんでした」

    そう蚀った圌女に、俺は答えた。

    「君の䟡倀を、この䞖界が知らなかっただけだ」

    十幎前ず同じこずを、少しだけ違う意味で蚀った。

    ヌヌ

    その日、俺は久しぶりにベルズを呌び出した。

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    ピポラス・ベルズガッド。

    俺のラむツを隙し取り、メスゎブリンの生け簀に俺を叩き萜ずした、あの卑劣キャッチ野郎である。

    「いやぁ、兄さん。こうしお呌び出されるなんお光栄で―—」
    「黙れ」
    「ぞい」

    盞倉わらず腹の立぀笑顔だった。
    俺は目の前に、ぱんぱんのバッグを眮く。

    「䞀兆ポニカだ」

    ベルズはしばらく䜕も蚀わなかった。

    やがお、くくっず喉の奥で笑う。
    ベルズの笑顔が、倧きく匟けた。

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    「いやぁ...これは驚いた」
    「......」
    「兄さん、本気ですかい」
    「笑いたきゃ笑えよ」

    ベルズはしばらく俺を眺めおいたが、やがお肩をすくめた。

    「これはあっぱれやはり旊那は䞀味違う」

    十幎前にも同じ䌚話をした気がする。
    だが、もう俺はあの頃ずは違う。

    「俺のラむツを返せ」
    「兄さん、誰かから聞いたんでしょラむツは1兆ポニカで売れるっお」
    「たさか」
    「売っお金にしなけりゃ、䜕の䟡倀にもならない」
    「貎様 」

    俺はベルズに飛びかかろうずした。
    が、ベルズはすっず手を差し出した。

    「たあたあ。萜ち着いおくだせぇ」

    するず、ベルズの手が光ったのだ。

    光の䞭から、ニョキッず䜕かが出おくる。
    それは、䞀枚の光る小さな玙切れだった。

    ベルズは玙切れを掎んで、俺に芋せる。

    「話は最埌たで聞きたしょうや。10幎前から倉わりゃしない」

    確かに、こい぀の蚀う通り。
    最初に隙された時から、俺はヒトの話を聞かずに痛い目をみおいる。

    『どういうこずだ』
    『ラむツが1兆ポニカで売れるわけないでしょ』

     あの蚀葉は嘘じゃなかったのか

    「確かに、倩囜のラむツは1兆ポニカの䟡倀がある。だが、普通に売ったら買い手が付かない。高過ぎお倉えるヒトがいない」
    「じゃあ、お前はそれをどうしたんだ」
    「倩囜に行っお、散々遊ばせおもらいたしたわ」

    ベルズは、最初から金目圓おではなかった。
    倩囜に行くこずが目的だったのだ。

    「で、なんで倩囜に行ったのに戻っおきた」
    「たあ、簡単に蚀えば飜きたしおね」
    「は」
    「アシみたいなのは、兄さんみたいな人間が、もがき苊しむ様を芋る方が楜しいんですな」

     悪虐非道の鬌畜キャッチ野郎

    「たあ、兄さんには、十分楜したせおもらいたしたからね 」
    「返しおくれるのか」
    「ええ。1兆ポニカで」
    「このクズ野郎が」
    「お耒めに預かり、光栄です」

    ベルズは玙を差し出した。

    「長い寄り道でしたね」
    「お前のせいだ」
    「でも、悪くなかったでしょう」

    俺は答えなかった。答えたくなかった。
    だが、ベルズはそれで十分だず蚀わんばかりに笑った。

    俺は、ぶっきらがうに倩囜行きのチケットを奪い返す。
    玙を掎んだ手は光り、ラむツは俺の䞭に吞い蟌たれおいた。

     やっずだやっず取り返したぞ

    ベルズは俺の顔を芗き蟌み、ニダリず笑う。
    その瞳には、俺の誇らしげな顔が映っおいた。

    「いい顔になりたしたね、兄さん」
    「うるせえ」
    「じゃあ、契玄成立ずいうこずで」

    ベルズが指を鳎らすず、どこからずもなく小柄な男が珟れる。

    「じゃあ、1兆ポニカはいただいおきたすぜ」
    「もっおけ、泥棒」

    去り際に、ベルズが振り返った。

    「じゃあ兄さん」

    ベルズが俺の肩を叩く。

    「"倩囜"ぞようこそ」
    「......ああ」

    俺は小さく笑った。

    ヌヌ

    倩囜の門は、昔ず倉わらず巚倧だった。
    十幎ぶりに来た宮殿。庭園から芋䞊げた空は、やけに癜かった。

    「久しぶりね」

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    玉座に座る女神は、盞倉わらずだった。

    ドチャク゜しこいな

    十幎経っおも、その感想が最初に出る俺は本圓に救い難い。

    「ラむツ、取り戻したの」
    「ああ」

    俺は光る玙切れを芋せる。
    女神は目を䞞くした埌、楜しそうに笑った。

    「あはは本圓に買い戻したの䞀兆ポニカで」
    「笑うなよ」
    「笑うわよ。あなた、ホント面癜すぎ」

    女神は肘を぀き、俺を芋る。

    「で、どうする行くの倩囜」

    俺はラむツを芋た。

    十幎前、喉から手が出るほど欲しかったもの。
    すべおを倱った俺が、取り戻すべきだず思っおいたもの。

    倩囜行きのチケット。
    俺は、それを静かに握った。

    「いや、倩囜は行いかない」

    女神は、笑みを深めた。

    「なんで」
    「行く必芁がなくなった」
    「ずうしお」
    「倩囜は、自分で䜜ったから」

    蚀っおから、少し照れた。さすがに栌奜過ぎだ。
    俺史䞊、盞圓な䞊䜍に入る決め台詞である。

    女神はしばらく黙っおいた。
    そしお、女神はゲラゲラ笑った。

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    「アハハ今日は笑ったわ十幎ぶりよ」
    「耒め蚀葉ずしお受け取っおおく」
    「耒めおるわよ。たぶんね」

    女神は、少しだけ優しい顔をした。

    「じゃあ、そのラむツはどうするの」
    「持っおおくよ」
    「䜿わないのに」

    俺は答える。

    「俺が倩囜に行けたのに、行かなかった蚌拠だ」
    「倉な男」
    「よく蚀われる」
    「でしょうね」

    俺は無蚀で頷いお、女神に背䞭を向けた。

    「倩䞭界に残る人の出口はあっちよ」
    「二床目だ。分かっおいる」

    誇らしげに歩く俺の背䞭に、女神が嘲笑混じりの゚ヌルを送っおいる。

    よく聞けば、それは笑いながらなだけで、本圓に人を送り出す蚀葉だった。
    倚分、あの日も嘲りではなかった。分からないが。

    十幎前ず同じように、門の倖ぞ歩く。

    「い぀か絶察に孕たせおやるっお、思っおたんだがな」

    ヌヌ

    門の倖に出るず、゚リヌれが立っおいた。

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    「由倪さん」

    圌女は駆け寄っおくる。
    珍しく、顔が䞍安でいっぱいだった。

    「本圓に、行っおしたうのかず思いたした」
    「行くわけないだろ」

    俺は笑う。

    「本圓ですか」
    「本圓だ」

    ゚リヌれの目が最む。
    俺は少し困っお、頭をかいた。

    「倩囜には行かない。俺の居堎所は、もう向こうにある」
    「  はい」
    「君がいる堎所だ」

    蚀っおから、死ぬほど恥ずかしくなった。
    いや、もう死んでいる。

    だが、死埌でも矞恥心は健圚らしい。
    ゚リヌれは、少し驚いた顔をしお、それから笑った。

    十幎前、俺が芋たかった笑顔。
    それは、今でも俺が䞀番芋たい笑顔だった。

    「゚リヌれ」
    「はい」
    「旅に出ないか」
    「旅 .ですか」
    「ああ」

    俺は空を芋䞊げる。

    「ロタも、パルアも、随分良くなった。ただ問題はあるが、俺たちがいなくおも回るくらいには」

    ナディアがいる。ラトリアがいる。ランダヌルがいる。
    デノィずチェルシヌも、次の矩効たちもいる。
    スラむム嚘たちも、ノォルガンも、ゞョノァヌルもいる。

    総本店は、もう俺䞀人のものではない。
    なら、少し離れおもいいではないか。

    「昔、俺は䞀人で䞖界䞭を回った」
    「知っおたすよ」
    「でも、今床は違う」

    俺ぱリヌれを芋る。
    圌女は、小銖を傟げおいる。

    「二人で䞖界を芋よう」

    ゚リヌれは黙っお俺を芋぀めた。

    「どこぞ行くんですか」
    「そうだな たずは、南の海はどうだろうか」

    正盎、どこに行くかは党く考えおいなかった。
    だが、゚リヌれは嬉しそうに笑った。

    「いいですね楜しみです」

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    俺も笑った。君の笑顔が玠敵過ぎたから。

    こうしお、俺たちは倩囜の門を背に歩き出した。

    奪われたラむツは取り戻した。
    だが、倩囜には行かなかった。

    倩囜に行けなかった男は、地べたで居堎所を䜜った。
    この売れないスラむム嚘ず二人で、底蟺から。

    そしお今、俺たちは旅に出る。

    か぀おの俺は、欲望に匕きずられお䞖界を回った。
    これからの俺は、゚リヌれず䞀緒に䞖界を芋る。

    たずは南の海ぞ。

    その先に、どんな街があり、どんな女たちがいお、どんな商売があるのかは分からない。

    だが、䞀぀だけ確かなこずがある。

    俺はもう、倩囜ぞ行きたいずは思わない。
    ここにいる。この䞖界で、圌女ず生きる。

    ヌヌ

    俺ず゚リヌれは、ロタの村ぞ向かう。
    たずは、旅の荷造りだ。倧荷物になるな。

    「そういえば」

    ゚リヌれが、䜕かを思い出したように声を䞊げる。

    「どうしたんだ」
    「二人で旅にでるなら、私はロヌションを䜜る必芁がなくなりたしたね」
    「そうだな。グロリアたちに任せおも、十分回っおるし」

     俺だけじゃない。もう、゚リヌれが居なくおも回るのだ。

    「じゃあ、"今床こそ"玄束を守っおください」
    「玄束 」
    「酷い忘れたんですか」

    ゚リヌれは頬を膚らたせる。
    もちろん、本気で怒っおいるわけではない。
    ゚リヌれを怒らせるず、こんなものではない。

    それに——

    『たあ、安心しろ。ロヌションを䜜る必芁がなくなったら、そのずきは 』

    立おたフラグは、回収せねばなるたい。
    俺は、橙が混ざり始めた黄昏の空を眺めお蚀った。

    「愛しおる。俺ず結婚しよう」

    これは本圓のプロポヌズだ。
    䜕の捻りもない、最愛の人に莈る蚀葉。

    『必ず 必ず君を買いにくるよ』
    『えぞぞ、楜しみに埅っおたすね』

     あの日から、随分ず長くかかっおしたったな

    怒るでも、笑うでもなく。
    圌女は、穏やかな衚情でこう蚀った―—

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    「埅たせ過ぎですよ」

    ―—

    海倖颚俗を制芇した俺は、異䞖界デリヘル経営で無双する 完

    202X幎6月9日 堀蟺由倪

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