
常連育成こそが、これからの生き残り戦略である。
コロナ禍を経て、台風も地震も猛暑もある日本列島。
ある日ぽっかり交通が止まり、観光客がいなくなり、物流が滞る。
そんなとき、真っ先に消えるのは――
**「広域から集客していたビジネス」**だ。
・週末に都市部から人が来てくれると信じていたパン屋
・インスタでバズった観光地カフェ
・わざわざ予約してくれる遠方のラーメン店
それらは、非日常の経済に頼っていた。
つまり「来てくれたらラッキー」の商売。
だが、これから生き残るのは――
徒歩5分圏内の常連が「そこにあってくれ」と願う店だけである。
広域集客=ハイリスク経済
観光地型ビジネスは、交通と天気に左右される不安定業態だ。
誰かが車を出してくれないと成立しない。
話題が尽きたら人が来ない。
SNSの次のトレンドが来たら終わり。
それって、サーフボードの上で営業してるようなもので、
波がなければ商売もない。
常連客は、地面を踏んでやってくる
常連は近所に住んでいる。
もしくは近くで働いている。
生活の中で「なんとなく寄れる」場所として店が存在している。
「今日は疲れたからあそこで定食でも食うか」
「あそこの人参ドレッシング、意外とうまいんだよ」
「また来週来るね」
それはSNSで拡散されないが、生き延びる力がある。
常連育成は、実は最高のリスク分散
常連だけで月に10万円落としてくれる客が10人いれば、それだけで成り立つ。
逆に、1回きりの遠方客が100人来ても、翌月はゼロかもしれない。
「どちらの客を信用するか?」
それはもう答えが出ている。
しかも、常連は「紹介」もしてくれる。
「今度、娘も連れてくるわ」と言って、2人になる。
「近所の人が気になってるって」と3人になる。
この拡張性は、じつはじわじわ効いてくる。
どうやって「常連」を育てるか?
よく勘違いされるが、「常連育成=サービスを増やす」ではない。
大事なのは**“名前を覚えること”と“気にかけること”**だ。
・「あ、今日も来てくれたんですね」
・「この前おすすめしたカレー、どうでした?」
・「この時間に来るの珍しいですね」
それだけで、客は**「この店、自分のことを覚えてくれてる」と思う**。
そして、他の店では味わえない「居場所感」を持ち帰る。
「広げない勇気」が、強さになる時代
これからの時代は、「大きくする」より「小さく固める」ことが生き残りにつながる。
そのために、広域集客よりも、ローカル密着・常連重視の経営が求められる。
知らない100人より、覚えてる10人。
遠くのフォロワーより、近くの「いつもの」。
そんな店が、静かに、しかししぶとく生き残っていくのだ。
結論:常連とは、商売のセーフティネットである。
インフラが止まっても、交通が乱れても、SNSのアルゴリズムが変わっても、
常連は来る。
なぜなら、店と客の関係が「必要」ではなく「習慣」だからだ。
常連育成は、長くて地味な道かもしれない。
だがそれは、きっといちばん確実な「商売の免震構造」である。