夫との日々|お雑煮が教えてくれた家族の味
夫とは普段から料理の話をすることが多いのですが、「この料理ってどこで知ったの?」と聞くと、「母が昔作ってたんだよ」など、”お母さん”が出てくることが多い気がします。
以前に、きぬかつぎを夫に作ってもらったことがありました。コロンとした小さな里芋を蒸して、塩を振って食べるというシンプルなお料理。
それがすごくおいしかったのですが、私はその料理を知らなかったので聞いてみると、昔よくお母さんが作ってくれて、おやつに2人で”もちょもちょ”食べていたんだそうです。
そっかぁ、お母さんとの思い出の味だったんだな。2人が並んできぬかつぎを食べているシーンが何となく浮かんできて、優しく消えていきました。
そんな話を聞く時、彼の味の原点はお母さんなんだと感じます。お母さんとの味の思い出があるって素敵なこと。
私はどうかしら?
自分に問いかけてみると、私も同じで、母の味でしっかり育ってきました。
大人になった今も、普段の献立を考えている時にふと、「お母さんの作っていたあのレシピが食べたい」と思うことがあります。
食べ慣れてきた味が染み付いているし、昔を思い出してほっとするからかもしれません。
母の味で育ってきた夫と私。
そんな2人が縁あって夫婦になった訳ですが、結婚してみて気付かされたのは、思いのほかお互いの味つけや、よく使う食材に違いがあることでした。
一番そのことを実感したのが、お正月料理の定番、お雑煮です。
同じ関東風のお汁なのに、味わいや入れる具材が少しずつ違う。
私の実家のお雑煮は本だしを活用したお汁。夫の実家は出汁を取るところからやっています。
中身の具は、私の実家は割と具沢山で、鶏肉、ほうれん草、里芋、大根、椎茸が入っています。さらに仕上げに、三つ葉、柚子の皮とかまぼこの千切りを散りばめる。
夫の実家は具が少なめでもっとシンプル。
彼と家族になって初めて過ごす年始に、お母さんにお雑煮を作ってもらいました。その時、ああこれが彼のお母さんの味なんだと思いました。
お雑煮をみんなで食べながら一緒に過ごして、私もこの家の一員になったんだなぁと、しみじみ感じられた瞬間がそこにはありました。
そんな風に、結婚当初はお互いの家庭の味を知って、一緒に楽しむことができる良さを感じていました。
じゃあ、今はどうだろう。ふと考えてみました。
今は、少しずつですが”新しい我が家の味”も出来つつあるように感じています。
「この料理だと、こんな味付けもいいかもね」「確かに!次はそれで作ってみよう」とか、会話の中から自分たちの好みの味や食べ方を探して、試してをやっています。
お互いの家庭の味を受け継ぎながら、そこからまた新しい我が家の味を育てていく。
そんな毎日を、なんだかとても幸せに感じています。