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Photo bydress_hasamiyaki

私たちは友達だったらしい

    ラむオンは蚀った。
    “バファリンの半分は優しさでできおいる”ず。

    バファリンが半分だず蚀うのなら、圌女は䞀䜓䜕割優しさでできおいるんだろう。

    99.9%陀菌は信じられないが、圌女が99.9%優しさで出来おいるず蚀われたら私は信じる。

    そのぐらい優しい人に、私は出逢えた。

    *

    長男が昌寝をしなくなった歳の頃、平日は芪子でほが毎日公園に通っおいた。

    「今床〇〇ちゃん達ず雛祭りのお祝いするんだけど、良かったら来おくれない」

    声をかけおくれたのは、長男ず同玚生のちゃんのママだった。

    「来ない」でもなく「どう」でもなく、「来おくれない」ず蚀う誘い方が、人ずの距離感が絶劙な圌女らしい蚀い回しだなず思った。

    もっず圌女達ず仲良くなりたいず思っおいたし、嚘のいない我が家には無瞁だず思っおいた雛祭りを味わえるずの事で、喜んで参加した。

    雛祭り䌚には、Mちゃん芪子ず仲良しの芪子が組来おいお、皆私も公園で話した事のあるメンバヌだった。

    その日は皆で持ち寄ったお菓子ず、お昌はちゃんママが䜜っおくれた特補ちらし寿叞を食べた。

    「この家の子になりたい」
    のちにちゃんママの手料理を食べるたび、私が口癖のように蚀うほど、圌女は料理䞊手だった。

    ただマスク着甚が日垞だった幎。
    私は緊匵しおいた。“食事をするマスクを取る”ずいうこず。ここにいる芪子達にはただ玠顔を芋せた事がなかったのだ。

    私の頭の䞭は、
    〚マスクを取るタむミングっおい぀だ〛
    〚母芪ずしおちょうどいい振る舞いっおどんなだ〛
    ほがこの぀が出おは消え出おは消え、脳内は皮類しかいない超むヌゞヌぷよぷよ状態だった。

    しかし、そんな䞍安も杞憂だった。
    開始分皋床で、頭の䞭のぷよは自動的に党消しされた。

    その日を境に私達はほが毎日䞀緒に過ごすようになった。 

    皆で暑い日も寒い日も公園に通い、お互いの家に行き来し、倫の出匵や飲み䌚が重なる日は朝の公園から晩ご飯たで䞀緒にいた。
    コロナで子䟛むベントは軒䞊み䞭止になったが、自分達で蚈画しお、お花芋、ハロりィン、クリスマスを楜しんだ。

    むメヌゞだけの“ママ友”ずいう存圚にビビり散らしおいた私だが、幞運なこずに私が出逢えたママ達は、ずおも優しく居心地の良い人達だった。

    初めおの育児に毎日いっぱいいっぱいで䜙裕のなかった私に、“明日も公園に行けば誰かいる”ずいう最匷のお守りができた。

    *

    決しお芁領のいいタむプではない私は、育児に絶賛苊戊䞭だったため、〚もう私に人目は無理だろう〛ず思っおいた。

    い぀ものように皆でМちゃんの家に集たっおいるず、“人目どうするか問題”が話題にあがった。

    その堎にいたママは名。
    児のベテランママ名を陀き、残り名は皆児の母だった。

    私達は“実家は遠方で倫は激務”ずいう共通点があり、皆キャパオヌバヌずいう理由で人目は諊めモヌドだった。

    「皆で育おたらいいんだよ」
    ちゃんママが蚀った。
    圌女は色々あっお、人目を授かる事はもうない。
    けれど皆の人目を埅ち望んでくれた。

    結局ちゃんママ以倖の私を含む名は、その埌人目を劊嚠➀出産し、兄匟揃っお同玚生ずなった。

    幌皚園の行事や係で䞋の子を連れおいけない時はちゃんママが率先しお預かっおくれたし、次男達がグズグズしおいるずヒョむッず持ち䞊げ抱っこで寝かせおくれた。

    宣蚀通り圌女は䞀緒に子䟛達を育おおくれた。

    *

    私がただ次男劊嚠䞭の頃、長男の心が䞍安定になった事があった。
    劊嚠初期は悪阻で、埌期になるず私のお腹が倧きくなり、思うように遊んであげられぬたた“兄になる日”だけが近づいおいた事が原因だったず思う。

    そんな自分ではどうにもできない倧きな䞍安を抱えた小さな長男に察し、私は優しくなれず、我が子の事を“可愛くない”ず思っおしたった。

    劊嚠も出産も奇跡だ。

    望んでも手にできない人もいる䞭で、私は望み通り子育おをしお、さらに第子の劊嚠も継続できた。

    党郚自分の望んだ通りなのに、愛しおいる我が子にどうしおも優しくできない。
    〚私は䜕か倧切なものが欠萜した人間なのでは〛
    〚芪になっおはいけなかったのかもしれない。〛
    自分で自分が信じられなくなった。


    「長男くん預かるから、どっか人で出かけおきたらどう」

    心配したちゃんママ達が声をかけおくれた。
    私は圌女達のお蚀葉に甘えお、人で近くの喫茶店に行った。

    目的地にすぐ着けた。
    ケヌキをゆっくり食べられた。
    熱々のコヌヒヌが飲めた。

    真っすぐ歩かない子䟛を匕っ匵る事もなく、ケヌキを奪われる事もなく、熱い飲み物を飲もうずした瞬間に膝に乗られお前が芋えなくなる事もなく、ゆっくりできた。
    䞀方で、い぀も䞀緒にいる長男がそばにいない事にずっず違和感を芚え、私の心は゜ワ゜ワしおいた。

    時間ほどしお長男が埅぀友人宅に戻った。

    「おかえり〜。ゆっくりできた」ず皆に聞かれ、喫茶店で食べたメニュヌや久しぶりに熱々のコヌヒヌを最埌たで飲めた事、倧人人で歩くずすぐに目的地たで行けた事を報告した。
    「分かる分かる」ず皆笑顔で頷いお、ただただ聞いおくれた。

    あの時間の倖出を、私は今でも忘れられない。



    月日。雛祭り。
    圌女にい぀もの公園で声をかけおもらい、䞀緒に遊ぶようになっおから今日で䞞幎経った。

    子䟛達を幌皚園に送り出し、ちゃんママず私ず次男の人で日出かけた。

    お昌はフヌドコヌトで、それぞれ奜きな物を遞んだ。
    ちゃんママは嬉しそうに、子䟛がいない時間のマックを噛みしめおいた。それを目の前で芋おいた次男が、圌女のポテトを奪おうずしおいた。それに気づいた圌女は「倧䞈倫だよ。そう思っおポテトサむズにしおあるから。」ず蚀っお、笑顔でポテトを奪われおいた。

    「皆が頑匵っお人目産んでくれたから、私も沢山赀ちゃん抱っこできお、嬉しかったな」
    次男を芋぀めながら、圌女はポテトを奪われ続けおいた。

    “圌女は99.9%優しさで出来おいる”

    *

    今週末、ちゃん家族が転勀で匕越す。

    今日家に行くず、先週ペチャンコで届いた段ボヌルに荷物が沢山入っおいお、郚屋分段ボヌルでいっぱいになっおいた。

    私はそれを芋ただけで、もう泣きそうだった。

    少し前に長男の芪友くんのママずちゃんママで、私の運転で買い物ずランチに出かけた。
    車内のラゞオで束たか子さんの“明日、春が来たら”が流れた。「束たか子いいよね〜」ず蚀う話から、奜きなドラマの話、今公開䞭の芳たい映画の話をした。

    「ママ友っお子䟛の話しかしないず思っおたけど、私達それ以倖の話も党然するよね」

    私達は䞋の名前で呌び合うし、幎霢もバラバラだけどタメ口で話す。

    「もうさ、私達っお“ママ友”じゃなくお“友”なんじゃない」

    「ほんずだね」

    人の意芋は䞀臎した。

    *

    もうすぐこの街から友達がいなくなる。

    もう「うちに来なよ〜」ず蚀う事も蚀われる事もなくなっおしたう。

    転勀族の倚いこの街に来お、友達を芋送るのは回目だ。

    回目でも党く慣れない。寂しい。

    幎間毎日䌚っおいたのに、芋送る数週間前にやっず友達だず気づいた私達。


    〚♪明日〜春が来たら〜君に〜逢いに行こう〜〛

    頭の䞭の束たか子が、ずっずそこだけ歌っおいる。

    ただ芋送っおもいないのに、私はもう友達に逢いたい。




    *2025/3/10 远蚘*

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    井 ちゃんずしおるっお思われたい児の母 転勀族 | 長男歳❀次男歳 | ほが無職 2025/2/27 おふずんマン号 就任

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