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オトジェニック・ジョン・コルトレーン「My Favorite things」

    最近は忙しく精神的な余裕もなく、テレビをまったく観ていない。家族が観ているテレビを横目で見るていどである。
    最近、むかしのミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック(1965年、米国、ロバート・ワイズ監督)がテレビで放送されたようで、録画をとって家族がくり返し観ている。
    私も10代のときに観た記憶があったが、細かなストーリーは忘れていた。しかし家族が観ている横で断片的に観ているうちにだんだん思い出してきた。
    あらためてすごいと思ったのは、劇中の音楽である。ミュージカル映画だから当然なのだが、劇中で流れる歌ひとつひとつが、どれも名作なのである。

    とりわけ有名なのは、「私のお気に入り」である。ある時期から、JRの京都キャンペーンにも使われ、この国でもすっかりおなじみの曲である。つまりいまでも『サウンド・オブ・ミュージック』の音楽は、この国の音楽シーンに強い影響を与えているのだ。
    私は40年前の高校生だった頃、吹奏楽部に属していたが、この「私のお気に入り」は、ジャズに詳しい友人に教えてもらったジョン・コルトレーンの「My Favorite Things」から入ったクチである。この曲が好きで、これが『サウンド・オブ・ミュージック』の中の1曲だと知ったのは、むしろその後のことである。

    その後、実際に高校の吹奏楽の定期演奏会で『サウンド・オブ・ミュージック』のメドレーを演奏した。どれも名曲だけに、飽きさせない構成で、いまでもそのときの演奏がすごく楽しかったことを思い出す。
    私は懐かしくなり、『サウンド・オブ・ミュージック』メドレーの吹奏楽編曲版を動画サイトで探して聴くことにした。とくに「私のお気に入り」はメドレーの中でどんな風に使われていたのかな、とか、いろいろと思い出したいことがあった。
    ところが実際に吹奏楽用に編曲されたメドレーを聴くと、メドレーの中に「私のお気に入り」が入っていない。しかしたしかに、当時の私たちが演奏したのは、このメドレーなのだ。私の記憶はちょっと混乱した。
    だがその問題はすぐに解決した。「私のお気に入り」はメドレーとは別に、単体で吹奏楽バージョンが存在していたのである。そういえば、これもまた演奏したことがあることを思い出した。
    いま聴き直すと、「私のお気に入り」の吹奏楽バージョンは、かなりジャズ要素が強い。ジョン・コルトレーンの影響なのだろう、この曲はむしろジャズのスタンダードナンバーとして定着していたのである。

    「サウンド・オブ・ミュージック・メドレー」と「私のお気に入り」の動画を見て、私は懐かしさのあまり涙が止まらなかった。いまはもう吹奏楽からすっかり離れてしまったが、もし叶うものなら、この2曲を演奏するためだけに、もういちど吹奏楽に復帰したい。

     
     
    本と映画と音楽についての過去・現在・未来。書ける範囲のことを書いていきます。

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