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幸せは探すものじゃなかったと気づいた夜




    昨夜私は気づいた。
    幸せは探すものじゃなかったって。


    気づいたきっかけは祖母。


    私の中の祖母の思い出。

    亡くなった母の代わりに
    私たち3人兄妹を育ててくれた祖母。


    私たちが一人前になるまで
    たくさんの愛情で育ててくれた。


    それぞれ反抗期もあったりしたので
    大変な時期もあったろう。


    そんな中でも
    祖母は庭の花や木々も大切に育て
    飼っている小鳥に話しかけ
    時々やってくる猫を
    「おいで」と迎えていた。



    特別なことは何もなく
    いつもの日々の繰り返し。



    あの頃の私は、
    それが「幸せな暮らし」だなんて
    考えたこともなかった。

    ⟡.·*.··············································⟡.·*.



    祖母は若くして夫を亡くし、
    女手ひとつで娘を育てた。


    夫が亡くなったのは
    娘が生まれて
    たった3ヶ月の時だったので、
    今ならありえないような苦労も
    たくさんしながら必死で育てた。


    そして
    その大切な娘も
    三十八歳という若さで亡くなった。

    祖母は長年、娘の看病をしていた。


    どれほど深い悲しみだったのか
    今の私には少しだけ想像できるが、
    本当の悲しみは本人にしか知りえない。


    ⟡.·*.··············································⟡.·*.


    それでも祖母は
    毎日を静かに暮らしていた。


    庭の植物を愛し
    鳥や猫を愛し
    季節を感じながら生きていた。



    今になって思う。


    祖母は、
    悲しみが消えたから
    笑っていたのではなかった。

    悲しみを抱えたまま、
    目の前にある小さな命を愛して
    一瞬一瞬を丁寧に生きていた。


    だから笑顔が多かったんだ。


    ⟡.·*.··············································⟡.·*.


    そして、
    私は最近
    そんな祖母の生き様に
    強く惹かれるようになっている。


    どうしてだろう?と思っていたけれど
    なんとなくわかってきた。



    私が祖母の暮らしを通して憧れていたのは、
    木々に囲まれた庭でも
    大きな家でもなくて
    世界をどう見て生きるか、
    どう受けとめて生きるかという
    生き方そのものなんだ。



    ⟡.·*.··············································⟡.·*.


    今日も何気ない一日を過ごした。


    家で絵を描き
    好きなドラマを観て
    息子と少し話して
    大切な人と夕飯を食べ
    台風に備えてスーパーで少し食品を買い
    帰宅後はお風呂に入り
    またドラマを観た…

    それだけの一日。



    でも、お風呂から上がった時に
    自然に言葉がこぼれた。

    「あぁ、幸せだぁ…」

    その時 気づいた。



    幸せは
    大きな出来事の中にあるわけじゃない。

    成功の先にあるものでも、
    何かを手に入れた先にあるものでもない。

    暮らしの中に最初からあるんだ。



    私は今まで幸せを探していたのかもしれない。

    でも、本当は探す必要なんてなかった。

    そこにあったから。




    祖母はそれを知っていたのかな。


    花を見て
    鳥の声を聞いて
    猫を撫でて
    今日という一日を生きていた。



    幸せとは、
    見つけるものではなく
    気づくものだったんだ。




    もしかしたら私は
    祖母から何より大切なものを受け取っていたのかもしれない。  


    それは
    幸せを感じる心。

    長い年月をかけて、
    その種がようやく芽を出したのかもしれない。

    だから最近
    「ありがとう」という言葉が
    自然にあふれてくるのかな。


    今日という一日に、
    私のそばにいてくれる人たちに、
    こうして生きていることに……。


    ⟡.·*.··············································⟡.·*.


    今、空のどこかで
    祖母が微笑みながら言ってくれている気がする。

    「やっと気づいたね。」

    幸せは、未来に待っているご褒美ではなかった。
    毎日の暮らしの中に確かに存在していた。


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    絵描きです。人生もう終わるかも、という経験を経て今は楽しく生きています。自分の経験から学んだ心の在り方を綴ります。「生きてさえいればなんとかなる!」 絵描きは2016年から宇宙におまかせの描き方(記事内の絵)

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