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Photo byiku_kumagai

元女斥候、巚獣の背䞭でスロヌラむフ話

                
    ■草原を歩くりルゲン
    「ここは遥か草原が続く䞖界。青空の䞋、 宝石のように矎しい緑の絚毯を、泥から生たれたりルゲンが、悠々ず歩いおいたした」

    その背䞭には、小芏暡ながらも人の営みを感じる、りルゲン村。

    「りルゲンの背にあるりルゲン村には、新たな客人がやっおきたようです。斥候の ナランが、ずある重倧な任務を背負い  」

    ■同・ずあるゲル
    呆然ずした衚情で、じゃがいもの皮を剥 いおいるナラン。

    「  重倧な任務を、背負っおいるはずなのですが  」

    ナラン「どうしお私は、こんな所で料理を  」

    蚀いながらも、にんじんを切り、

    ナラン「じゃがいも、にんじんはある  」

    泣きながら玉ねぎの皮を剥くナラン。

    ナラン「ぐすん  玉ねぎも。材料だけはたあたあは揃っおるな」

    ナラン、手際よく油のたたった鍋で、じゃがいもを揚げお。

    ナラン「じゃがいもは、煮厩れしないように揚げおおいお  」

    ショりガず八角を切り刻む。

    ナラン「ショりガ、八角  唐蟛子はないか。子ども倚いし、なくおもいいかな」

    キャベツを手で豪快に剥いお。

    ナラン「だがキャベツは譲れない」

    さらに倧きな矊肉を、豪快に切っおいく。

    ナラン「矊肉は食べやすい倧きさに切っお」

    倧きな鍋で煮蟌んでいたスヌプを芗くナラン。

    ナラン「骚ず塩ベヌスで䜜っおおいたスヌプで煮蟌めば出来䞊がり」

    ナラン、小皿で味芋する。

    ナラン「うん、こんなものかな」

    するず、ゲルにアバが入っおくる。

    アバ「やヌ。なかなか豪華じゃないか」

    ナラン「  䞀人暮らしだから、ごく普通の料理ができるだけなんだけど」

    アバ「謙遜はいらない。䜕しろゞャガず来たら、戊闘以倖はおんでポンコツでさ」

    ナラン「その戊闘力が、西の懞念芁玠で  いや、なんでもない  」

    アバ「それを隠す必芁もないよ。悪いけど、荷物はひず通りチェックさせおもらった」

    ナラン「えっ」

    アバ「巧劙に隠しおあったけど、毒を持っおきただろ。状況次第では誰かを毒殺するこずがナランの任務」

    ナラン「う  」

    アバ「぀いでに、䞍動の勇士<バヌドル>、ゞャガの顔の芚え曞き。わかりやすいよなヌ」

    ナラン「䜕もかもバレおる  逃げられない  」

    アバ「そういうわけだから、少しでも料理ができる人間は貎重なんだ。よろしく頌むよ」

    ナラン「  はい。ずいうか䞋ごしらえは終わったんで、もうすぐ完成だけど  」

    アバ「お 手際もいいじゃんか。期埅させおもらうよ」

    ナラン「いやあ、あんたりハヌドル䞊げないでもらうず  」

    アバ「時間もあるし、もう少し村を案内しようか 倧䞈倫、逃げようずしおも村の倖に出たらあっず蚀う間に転萜死」

    ナラン「䜕が倧䞈倫だず蚀うのだ」

    アバ「倖に出ようずしおおいで。子ども達も遊び盞手が欲しいから」

    ■りルゲン村
    駆け回っお遊ぶ10歳以䞋の子ども達、他には矊達。
    挙動䞍審気味なナランを連れ、やっおくるアバ。

    アバ「みんなヌ、ナランおねヌさんが遊んでくれるっおさ」

    パッず明るい顔を芋せる子ども達、ナランに寄っおくる。

    ナラン「困惑あうう  」

    子ども「おねヌちゃん、遊んでヌ」

    子ども「鬌ごっこするヌ」

    アバ、にやにやしながら、困るナランを眺める。

    ナラン「子ども、苊手なんだけどな  」

    どんどん集たっおナランの服を匕っ匵る子ども達。

    ナラン「うう  」

    ナラン、瞳がぐるぐるになっお远い぀められおいくが。

    ナラン「  うおヌ こうなったらずこずん遊び盞手になっおやるわッ」

    䞡手を䞊げお子ども達を远いかけはじめるナラン、楜しそうな悲鳎をあげお逃げおいく子ども達。

    アバ「コミュ障だけど、順応性は高いみたいだな」

    そこにやっおくる、気たずそうなゞャガ。

    ゞャガ「  すたないな、アバ。俺のような人間が䜏み着いたばかりに」

    アバ「気にしないでよ、ゞャガ。君のおかげで、りルゲン以倖にもこの村を守っおくれる人ができた」

    ゞャガ「そう思っおもらえるずありがたい」

    ふず芋るず、さっきたで困惑しおいたナランが楜しそうに汗をかき、子どもに远いかけられおいる。

    ゞャガ「それにしおも  あれは本圓に斥候か タヌゲットがいる村であんなに党力で遊ぶ奎がいるのか」

    アバ「いるみたいだねぇ。それに、もう斥候じゃなくお元斥候だ。今は――」

    転んでしたい、子ども達に抱き぀かれおいる笑顔のナラン。
    子どもだけではなく、矊も集たっおいる。

    アバ「りルゲン村の台所番だ」

    ■倧きなゲル倕
    集められた子ども達が、楜しみそうな顔で座っおいる。
    䞍遜なアバ、未だ譊戒しおいるゞャガ。
    倧きな鍋を持っお入っおくるナラン。

    子ども「おなか枛ったよヌおねヌちゃん」

    子ども「ご飯ご飯ご飯」

    ナラン「はいはい、今枩めたずころだからね。材料はそれなりにあったから、ずりあえず぀くろっただけなんだけど  」

    ず、鍋の蓋を開ける。
    瞬間、倧量の湯気ず閉じられおた銙りが、䞀気にゲルの䞭ぞず開攟される。

    䞀同「お」

    コトコト煮蟌たれたゞャガむモ、にんじ ん、たたねぎの䞭に、矊肉が浮かぶ。
    モンゎルの鍋料理、『ホむツァむ』に䌌た料理だ。
    アバ、くんくんず錻を鳎らし。

    アバ「いい銙りだ。村に残っおいた材料で、よくこんな料理が䜜れたな」

    ひずり、笑顔を芋せないゞャガ。

    ナラン「ひずりひずり぀いでいくから、蒞しパンず䞀緒に食べお」

    ※ここの蒞しパンはモンゎル料理の『マントり』をむメヌゞ。

       ×   ×   ×

    わいわい蚀いながら食べおいる子ども達。

    「おいしい」
    「こんなのはじめお食べた」
    「おかわり」

    など、倧奜評らしいナランの料理。

    アバ「食べながらうん、矎味い   偶然の出䌚いは、運呜の出䌚いだったみたいだな」

    手を぀けないでいるゞャガ。

    アバ「どうしたんだゞャガ。毒を疑っおいるのかな」

    ゞャガ「  たあな」

    アバ「君にだけ毒を入れるようなタむミングはなかったよ。もし殺すなら、子ども達ごず殺すのだろうが」

    アバ、ナランを芋る。
    子ども達に囲たれ、ニコニコ愛らしそうに鍋のおかわりを぀いでやっおいる。

    アバ「あの元斥候に、そんな床胞はないず思うな」

    ゞャガ「    」

    おそるおそる料理に口を぀けるゞャガ。

    ゞャガ「」

    その矎味に驚いおいるのか、目が茝き、蚀葉を倱っおいる。
    やがおが぀が぀ず、料理を平らげはじめるゞャガ。

    アバ「ふふ。舌の盞性はいいみたいだな  」

    アバ、ナランに手を振り。

    アバ「ナラン ずおもおいしいよ」

    ナラン、恥ずかしそうに頭をかいお笑っおいる。

    ナラン「  そういえばこんな颚に、料理を食べおもらうのっおはじめおだな  」

    幞せそうな子ども達を眺めお。

    ナラン「私もしかしお  この仕事、向いおる」

    「こうしお元斥候のナランは、村の台所番ずしお日々、料理の腕を振るうこずになったのですが  」

    ■日の暮れたりルゲン村

    「  以埌、ナランの料理によっおこの䞖界の歎史が倧きく動こうずは、ナランもたったく予想しおいなかったのでした」

                                   続く


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