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ゴルフを始めようとした、きっかけ

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    病院の体育館倉庫


    リハビリの途中だった。

    何もかもが思うようにいかず、
    焦りと、諦めと、どうしようもない苛立ちに飲み込まれていた頃。

    ふと、リハビリセンターの体育館倉庫の隅に、
    埃をかぶったゴルフクラブが置かれているのを見つけた。

    「こんなところに、ゴルフクラブがあるんだ。」

    特別、ゴルフが好きだったわけじゃない。
    それでも、なぜか、その一本のクラブに惹かれるものがあった。

    ――ちょっと、振ってみようかな。

    軽い気持ちだった。

    でも、その「ちょっと」の一振りが、
    すべての始まりだった。


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    最初は、まともに振ることすらできなかった。

    一振りするたびに、握力がなくなり、
    身体中が悲鳴を上げた。

    それでも、降り続けた。

    「できない」と思うことは、いくらでもできた。
    でも、「できるかもしれない」という小さな火種だけは、消したくなかった。

    リハビリの延長ではない。
    ただの気晴らしでもない。

    あの日、埃まみれの倉庫で手に取った一本のクラブが、
    私に「挑戦すること」をもう一度教えてくれた。


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    結婚式を半年後に控えた27歳で事故に遭い、 身体の自由を失いました。 それでも私は、 「人生はナイスショットより挽回ショット」 だと思っています。 障害、再起、ゴルフを通して、「普通」や「前提」を静かに問い直しています。

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