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独学CCNA完全攻略講座第9回:DR/BDR選出とHSRPで理解する冗長化の考え方

    第9回では、出題項目3.4・3.5にあたる「シングルエリアOSPFv2」と「ファーストホップ冗長化プロトコル(FHRP)」を扱います。前回のスタティックルーティングに続き、今回は動的にルーティングテーブルを構築する仕組みと、デフォルトゲートウェイを冗長化する仕組みを整理します。

    OSPFは「ネイバーになれるかどうか」が最初の関門

    OSPFの設定でつまずく最大のポイントは、コマンドの構文そのものよりも「なぜルータ同士がネイバー関係を確立できないのか」という原因の切り分けです。ネイバー関係が確立できなければ、その先の経路交換は一切行われません。

    ネイバー確立を最初に理解すべき理由

    OSPFはネイバーとの間でHelloパケットをやり取りし、いくつかの条件が一致して初めてネイバー関係を確立します。この条件を理解していないと、設定はできていても実際には経路が交換されていない、という状態に気づけません。まずはネイバーになるための条件を押さえ、その後で経路交換やDR/BDRの選出といった話に進みます。

    OSPFのネイバー確立(具体例)

    出題項目3.4では、シングルエリアOSPFv2の設定・確認が問われます。

    • ネイバー関係: OSPFルータ同士は、Helloパケットのやり取りを通じてネイバー関係を確立します。ネイバーになるためには、Hello/Deadインターバルの値、エリア番号、認証設定などが一致している必要があります。Helloインターバルのデフォルトは、ブロードキャストネットワークとポイントツーポイントネットワークで10秒、Deadインターバルはその4倍の40秒です。

    • フルアジャセンシー: ネイバー関係が確立しただけでは、経路情報(LSA)の交換までは行われません。経路情報を実際に交換し合う関係を「フルアジャセンシー」と呼びます。ネットワークタイプによっては、すべてのネイバー同士がフルアジャセンシーになるとは限らない点に注意が必要です(次のDR/BDRの説明を参照)。

    • ポイントツーポイント: 2台のルータが1対1で直接接続されるネットワークタイプです。このタイプではDR/BDRの選出は行われず、ネイバー同士がそのままフルアジャセンシーになります。

    • ブロードキャスト(DR/BDR選出): イーサネットのように複数のルータが同じセグメントを共有するネットワークタイプでは、全ルータ同士がフルアジャセンシーを組むとやり取りが煩雑になるため、代表となる指定ルータ(DR)とバックアップ指定ルータ(BDR)を選出します。DR・BDR以外のルータ同士(DROTHER同士)はネイバー関係(2-WAY状態)にはなりますが、フルアジャセンシーは組まず、各ルータはDR・BDRとのみフルアジャセンシーを組みます。選出は、OSPFプライオリティが最も高いルータが優先され(デフォルトのプライオリティは1、範囲は0〜255で、0に設定するとDR/BDRには選出されなくなります)、プライオリティが同じ場合はルータIDが最も高いルータが優先されます。

    • ルータID: OSPFプロセスを一意に識別するIDです。手動で設定していない場合、ループバックインターフェースの中で最も高いIPアドレスが、ループバックがなければ物理インターフェースの中で最も高いIPアドレスが自動的に選ばれます。

    ファーストホップ冗長化プロトコル(FHRP)の目的

    出題項目3.5では、FHRPの目的と概念が問われます。通常、ホスト(PCなど)はデフォルトゲートウェイとして1台のルータのIPアドレスを設定します。そのルータが故障すると、ホストは外部のネットワークと通信できなくなってしまいます。FHRPは、複数のルータで1つの仮想IPアドレス(および仮想MACアドレス)を共有し、ホストからは常に1台の仮想的なルータと通信しているように見せることで、実際のルータが切り替わってもホスト側の設定を変更せずに済むようにする仕組みです。

    代表的なFHRPには、次のものがあります。

    • HSRP(Hot Standby Router Protocol): Cisco独自のプロトコルです。ルータは「アクティブ」と「スタンバイ」の役割に分かれ、アクティブルータが仮想IP宛の通信を処理します。デフォルトのHelloタイマーは3秒、ホールドタイマーは10秒です。仮想MACアドレスは、デフォルトで使われるHSRPバージョン1では`0000.0c07.acXX`(XXはグループ番号を16進数で表したもの)という形式になります。グループ数を256以上(0〜4095)扱えるHSRPバージョン2では`0000.0c9f.fXXX`という異なる形式になるため、バージョンによって仮想MACの形式が変わる点に注意してください。

    • VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol): 標準規格のプロトコルで、HSRPの「アクティブ/スタンバイ」に相当する役割を「マスター/バックアップ」と呼びます。

    • GLBP(Gateway Load Balancing Protocol): Cisco独自のプロトコルで、HSRPやVRRPと異なり、複数のルータに通信の負荷を分散させることができます。

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    OSPFとFHRPの状態を確認する手順

    手順1: OSPFネイバーの状態を確認する

    `show ip ospf neighbor`で、期待するルータとネイバー関係(状態が`FULL`になっているか)を確認します。

    手順2: DR/BDRの選出結果を確認する

    同じコマンドの出力で、ブロードキャストネットワーク上でどのルータがDR・BDRになっているかを確認します。

    手順3: ルータIDを確認する

    `show ip ospf`または`show ip protocols`で、そのルータのルータIDが意図した値になっているかを確認します。

    手順4: FHRPの状態を確認する

    HSRPであれば`show standby brief`で、どのルータがアクティブ・スタンバイになっているか、仮想IPアドレスは何かを確認します。

    学習を進める上での注意点

    OSPFのネイバーが確立しない場合、まずHello/Deadインターバルとエリア番号が両ルータで一致しているかを確認するのが定石です。この2点は特に見落としやすく、片方だけ値を変更してしまった結果ネイバーが確立しない、というトラブルが実務でもよく発生します。

    まとめ

    出題3.4・3.5では、OSPFのネイバーアジャセンシーの条件、ポイントツーポイントとブロードキャストにおけるDR/BDR選出の違い、ルータIDの決定ルール、そしてHSRP、VRRP、GLBPによるデフォルトゲートウェイの冗長化を扱いました。これでIP Connectivityドメイン(配点25%)の主要な出題項目を確認したことになります。次回は配点10%の「IP Services」ドメインを、NAT・DHCP・DNS・NTPなどまとめて解説します。

    今日からできること

    1. OSPFネイバーになるための条件を書き出す: Hello/Deadインターバル、エリア番号など、ネイバーになるために一致していなければならない条件を書き出してみましょう。

    2. DR/BDR選出のルールを整理する: プライオリティとルータIDのどちらが優先されるか、優先順位を整理してみましょう。

    3. HSRPとVRRPの違いを表にまとめる:ベンダー依存かどうか、役割の呼び方(アクティブ/スタンバイ vs マスター/バックアップ)の違いを表にまとめてみましょう。

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    ITインフラエンジニア。 AIを活用した記事制作や学習効率化について発信しています。 現在はAI Editor Platformを開発し、 信頼できる情報源を基に技術記事を自動生成する仕組みを構築しています。 CCNA・Python・生成AIについて日々勉強中です。

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