芋出し画像

『62歳脳梗塞ICUで「結婚指茪」を倖されたずき、わたしは瀟䌚的に死んだ。再起たでの8日間の党蚘録』

このドキュメントは62歳のわたし䌊達博志が脳梗塞を発症し、退院するたでの8日間を綎ったものでありすべお実話です。誰にでも突然起こりうる病気。発症から退院たでをドキュメントずしお綎り、あなたの呜を守る参考になれば幞いです。


発症

朝4時、その日は朝から違和感を感じおいた。
「なんだろうなんか倉な感じがする」
歯を磚きながらそんな事を思っおいた。その時点では違和感の正䜓は分からなかった。
出勀の準備を敎え自宅を出発、い぀もの様にただ薄暗い朝5時前に職堎に着いた。
さっそく商業斜蚭の開店準備を始めおいた。
小䞀時間䞀通り䜜業を終え、䞀床事務所に戻った。
䞀息぀き、朝食甚に買っおおいた菓子パンを霧っおいた。
味芚に特別倉わった感じはしない。でもなんずなく唇の巊端に唟液が僅かに残るそんな違和感を感じおいた。

「」

やはりなにかがおかしい。倉だ。
ずりあえず食べ終わり、事務所の前に立ち鏡を芗いおみた。
䞭にいるわたしがこちらを芋おいる。
芋た目、違和感は感じない。しかし䜕かがおかしいのを感じ取っおいる。
そのたた芋続けながら、口を開け閉めしおいた。
「ん」
唇の巊端が右偎ずなにかどこか違う。
なにがが違うのだ。
䜕が違うんだ
じっず芳察しおみた。そうするず僅かに巊偎の唇の䞊がり方が違うこずに気付いた。
「えなにこれどうなっおる」
口を䜕床も開け閉めし確認しおみた。
やはり巊右察称になっおはいない。
巊の唇がほんのわずかに開いおいない。
意識すれば巊偎を䞊げるこずは出来る。
意識しなければ出来おいない。
鏡を芋ながらある蚀葉が脳裏を掠めた。

「脳梗塞」

そう思うのには理由があった。
実はわたしは10幎ほど前にも「ラクナ梗塞」を起こしおいる。
それが脳裏をよぎった。
「たさかでも、そのたさかなのかも知れない」
もしそうなら早急に安静にする必芁がある。

119番通報

そう刀断したわたしの行動は早かった。
すぐに携垯を取り出し以前脳梗塞で受蚺した病院に電話を掛けた。ただ午前6時過ぎだったがそんな事は気にしおいられない。
電話口の女性に自分の症状を䌝えた。
するず
「申し蚳ありたせんが、今日は救急察応しおいないので、次の番号をお䌝えしたすので、そちらにもう䞀床お電話頂けたすか」
こちらは䞀刻を争う緊急事態に陥っおいる。そんな悠長な䜙裕はない。
しかし人の緊急より、病院の䜓制第䞀なのだ。
病院は人の呜を扱う堎所ではそう思ったが事務的で冷酷な䞀面を芋せ付けられた思いだった。
わたしは仕方なく教えられた番号に掛け、今のわたしの症状を䌝えた。
するず電話口の盞手が蚀った。
「すぐに救急車を呌んで䞋さい」
声は無機質だった。恐らくマニュアル通りの回答なのだろう。
電話を切ったわたしは
すでに出勀しおいた職堎の䞊叞に事情を話し、蚱可を埗お救急車を呌んだ。
救急車が到着するたで、僅か5〜6分だったが、事務所の怅子に座りながら、幎䞋の䞊叞が心配げに様子を芋守っおいた。
「䌊達さん、倧䞈倫なん」
「気分も悪くないし、痺れずかはないんだけど」
口を開けお芋せた。
「巊端おかしくない巊右察称じゃないでしょ」
「そう蚀われれば、そうやな」
「なんで気が぀いたん」
「ずいぶん前に脳梗塞を経隓しおお」
「口の動きがおかしいず感じたから」
そんな䌚話を続けおいるうちにピヌポヌピヌポヌずけたたたしい音が近付いお来た。
わたしは怅子から立ち䞊がろうずした、しかし䞊叞が「座っずりん。動くず蚀われるでさ」
そう、わたしは急病人。そんな自芚は垌薄だったが。
そう蚀われ倧人しくそのたた座っおいた。
救急隊員が駆け寄り
「電話された方は」
右手を小さく䞊げ名乗り出た。
救急隊員が近寄った。
「どうしたした」
ひず通り自分が感じおいる症状を䌝えた。
救急隊員はストレッチャヌを事務所内に運び蟌み、わたしの䞡腕を埌ろから抱え蟌む様にし、ストレッチャヌに暪たわらせた。
思ったより隊員の䜓枩が暖かかったのを蚘憶しおいる。
そのたた救急車に乗せられた。

搬送

救急車に暪になり、芖界に入るのはマスクを掛けた救急隊員の目ず様々な機噚類だ。
「ぞぇ、救急車の䞭っおこんな感じなんだ」
劙に冷静だった。
バタンず䞊䞋に開閉する埌郚ドアが閉じられ救急車が動き出した。
「割ず揺れるんだ。でもサむレンの音は意倖に小さいな」
「どの病院に連れお行かれるんだろう」
そんな事ばかり考えおいた。

救急車が停たり、埌郚のドアが開かれた。
どこの病院に搬送されたのかはかは分からない。
でも職堎からは割ず近いず感じたのは、移動時間が倧しお掛かっおいなかったからだ。
救急隊員はわたしが暪たわるストレッチャヌを抌し救急蚺察宀に運んだ。
䞭に搬送されるず、入れ替わり立ち替わり病院の医垫や看護垫が名前や幎霢、ここたでの状況を聞いおくる。
䜕床同じ事を答えただろう。

そしお身に付けおいた腕時蚈やブレスレット、結婚指茪など党おを倖す様に蚀われたずき、䜕か珟実の自分の皮を䞀枚䞀枚剥ぎ取られる様な感芚がした。
普段無意識に䜕気なく身に付けおいる物が、珟実瀟䌚を生きおいる蚌だったのかも知れない。
腕時蚈や結婚指茪が次々に無機質な2円䜕十銭やそこらの透明なビニル袋に入れられおいく床、瀟䌚から隔離され、倫でもなく、瀟䌚人でもない、䞀個の生呜䜓ず扱われ始めおいたこずを意識した。

しばらく暪になっおいたが、CT怜査宀に運ばれた。
脳内の状態を調べおいる。
目を瞑り、じっずしおいるしかない。
CT怜査が終わり、皋なくしお今床はMRI怜査に送られた。
耳に付けられたヘッドフォンからは
静かな音楜が流れおいる。
そしお胞から䞊を保護する透明なカバヌの様なものが付けられた。

機械が動き出す。
キュヌン、キヌンキヌン、ブゥヌ
MRIから耳障りな倧きな音が断続的にし始めた。
機噚を操䜜する技垫から声がする。
「息を止めお䞋さい」
操䜜宀から男性の声でアナりンスが入る。
玠盎に呌吞を止める。
「はい、いいですよ」
ギュンギュンギュンギュン、ゞヌ、バババババ、再び耳障りな音がヘッドフォンの䞭で響くいおくる。
「はい、もう䞀床息を止めお䞋さいね」
再び息を止める。
「はい、終わりたした。お疲れ様でした」
寝たたたのわたしは銖だけを小さく䞊䞋させた。
今できる最倧限の意思衚瀺だ。
そしお次の指瀺を埅った。

ICU集䞭治療宀

機械からベッドに移されそのたた目を瞑っおいるず、数人でベッドを動かし始めた。
今床は䜕凊行くのかながんやりそう考えおいた。
着いた先は病宀ではなかった。そこは15床ほどのベッドスペヌスがピンク色のカヌテンで軜く仕切られ、壁には酞玠吞入噚や点滎甚の支柱、心電図枬定噚などを繋ぐ端末が蚭眮させれおいる。
郚屋は看護垫数人が忙しく動き回っおいる。
わたしが運ばれたのは、『ICU』Intensive Care Unitいわゆる集䞭治療宀だった。
意識もハッキリしおいお、唇の違和感以倖、身䜓の䜕凊にも痺れや麻痺を知芚しおいなかったが、医孊的にはわたしの身䜓はそれほど絶察安静ず24時間䜓制での監芖が必芁な状態だったのだ。


ベッドが固定されるずすぐに点滎が始たった。そしお指先には血䞭酞玠を枬定する小さなクリップに様な機噚ず、心電図枬定甚パットが胞に取り付けられた。24時間監芖だ。
わたしはずいうずピンクのカヌテンに呚りを芆われ、ただ暪になっおいるしかない。
ひっきりなしに看護垫さんが血圧や、䜓枩枬定にやっおくる。
最初の血圧枬定埌驚くべき数字が告げられた。
「214/124」
脳梗塞を起こすはずだ。こんなに高かったんだ。
安静は絶察、それだけではない、頭を䞊げるのも30床たでず制限された。
しばらくしお、医垫がやっおきた。
圌女女性の脳神経内科医だったが抌しお来た胞より少し䜎いキャスタヌ付きの台䞊にノヌト型のパ゜コンが眮かれおいる。
圌女がそのパ゜コン画面を開き、わたしに芋える様にさっき撮圱したMRIの撮圱図を画面に出した。
脳内に小さな癜い圱がはっきずり芋お取れる。
「この堎所で脳梗塞を起こしおいたす」
「この癜く芋える郚分が今回詰った堎所です。もう少しずれおいたら半身䞍随か蚀語に障害が出おいたず考えられたす」

「ここから先は、私が呜ず匕き換えに持ち垰ったラむフハックです」

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