メインコンテンツへスキップ
見出し画像
Photo bylimber_otter768

可愛い子には、接客業をさせよ。   私が接客業で知った「人間」の正体

    私に子どもができたら、学生のうちに一度は
    接客業のアルバイトをしてほしいと思っている。

    と言ったら
    接客業は、人付き合いが上手になる仕事だから?
    という声が聞こえてきそうである。

    まあ確かに、挨拶が自然にできるようになる人もいるし、
    以前よりはっきり話せるようになる人もいるかもしれない。

    ただ、私は違うと思っている。
    接客業をするのは人付き合いのためでも、お金を稼ぐためでもない。
    人間という生き物を知るためだ。

    もちろん、接客業が向いていない人もいる。
    私も向いてない人であった。
    初出勤の日の緊張は、もう一度やりたいとは思わない。
    もう一度接客業をしたいと思わない。

    それでも、「やってよかったか?」と聞かれたら、
    迷わず「はい」と答える。
    それくらい、私の人との向き合い方を変えた経験だった。

    自分の周りが世界のすべてだった。

    接客業を始める前の私にとって、世の中とは自分の周りの人たちだった。

    学校の友人、部活の仲間、家族。気の合う人と過ごし、
    価値観の近い人と笑う。
    たまに反りが合わない人もいるが、それでも会話くらいはできる。

    自分の知っている世界が、そのまま普通の社会なのだと思っていた。

    「普通」が壊れた瞬間

    接客業は、私の「普通」をあっさり壊した。

    「ありがとう」と笑顔で帰る人がいると思ったら、
    店員が触った商品を汚いものかのようにサッと取り上げる人がいる。
    忙しいのに「頑張ってね」と声をかけてくれる人もいれば、
    自分に落ち度があるのに、「お前のせい!」と怒鳴る人もいる。
    こちらが失敗をしたときに、笑って許してくれる人もいれば、
    「無能!」「ごみ!」といった言葉を浴びせる人もいた。

    衝撃だった。

    私はそれまで、「店員に怒鳴る人」は
    テレビの中だけの存在だと思っていた。
    少なくとも、自分の生活圏にはいなかった。

    だから、目の前で当たり前のように怒鳴る人を見たとき、
    「本当にいるんだ」と妙な衝撃を受けた。

    世の中には、本当にいろいろな人がいて、
    自分の知っている世界というのがこんなにも小さいのだと知った。
    そんな当たり前のことを、私は接客業をして初めて実感した。

    スキル以上に得られた力

    接客業は、コミュニケーション能力が上がる仕事だと言われる。

    けれど、私が得たのはもっと地味で根源的な力だった。

    「人は自分の思い通りにならない」
    「自分には想像つかない世界がある」

    その事実を、ただ受け入れる力である。

    「心の許容量」の変化

    それから不思議なことが起きた。

    以前なら、町で大声を出している人を見るとちょっと怖かった。
    「なぜあんな人がいるんだろう」と考え込み、
    その場から逃げたくなっていた。

    でも今は違う。
    「ああ、そういう人もいるよな。」
    そう思える。

    決して慣れたわけではないし、好きになったわけでもない。

    ただ、「世の中には一定数そういう人がいる」と知っているだけで、
    必要以上に心を乱されなくなった。

    簡単にいうと心の許容量が増えたように感じた。

    「ありがとう」が持つ魔法

    接客業を始める前の私は、人付き合いが得意な人間ではなかった。
    知り合いとだけ仲良くしていればいいと思っていたし、
    それで十分だと思っていた。

    店員さんに「ありがとうございました」と言うこともなければ、
    飲食店で「ごちそうさまでした」と口にすることもなかった。
    知らない人に声をかけるなんて、
    それだけで緊張してしまうような人間だった。

    でも、店員という立場になって気づいた。
    「ありがとうございます。」

    たった数文字なのに、
    忙しさや理不尽な出来事でささくれ立った気持ちが、
    一瞬で報われ、心がふっと軽くなることを知った。

    それは、暗闇の中で小さな明かりを見つけたような感覚だった。

    だから今は、コンビニでも、飲食店でも、
    かつての自分が見つけた「明かり」を渡すように、

    自然と
    「ありがとうございました」
    「ごちそうさまでした」と言うようになった。

    知らない人に話しかけることは、今でも得意ではない。
    それでも、店員さんに一言声をかけることだけは、
    昔よりずっと自然にできるようになった。

    まとめ

    接客業は、人のいろいろな顔を見せてくれただけではない。
    私自身の、人との向き合い方まで変えてしまった。

    優しい人もいる。
    理不尽な人もいる。
    自分と価値観がまるで違う人もいる。

    その全員を変えることはできない。
    だからこそ、
    自分がどう受け止めるかどう対処するのかを考えるようになる。

    また、自分が嬉しかった言葉は、誰かにも返したいと思うようになった。

    これは教科書には載っていない。

    親も先生も教えてはくれるかもしれないが、
    本当の意味では経験しないと身につかない。

    私は接客業で、仕事より先に人間を教わった。

    だから、「可愛い子には接客業をさせよ」と思う。

    理不尽な思いをさせたいわけではない。
    苦労を美徳だと言いたいわけでもない。
    人を信じられなくなってほしいわけでも、
    世の中は厳しいと脅したいわけでもない。

    むしろ逆だ。
    優しい人は本当に優しいこと。
    理不尽な人は、自分の世界の外にもいること。
    そして、そのどちらも特別ではなく、同じ社会で生きていること。

    それを若いうちに知っている人は、人に期待しすぎず、
    人を恐れすぎずに生きていける気がする。

    接客業は、商品の売り方を教えてくれる仕事ではない。
    人との向き合い方を教えてくれる仕事なのだと思う。

    「ありがとう」の重みも、「ごめんなさい」の大切さも、
    自分が誰かにしてもらって初めて知る。

    だから私は
    自分の子には、一度は接客業を経験してほしいと思う。


     
     
    中学まで非モテ、陰キャ、オタク、チー牛で女子と話したのは1年前?みたいな状態でした。だが、彼女が欲しくて高校で人生を変えました。オタクや陰キャ気質は捨てず、清潔感と行動で恋愛に勝った経験を発信。チー牛でも恋愛戦争は戦えます。 知りたい人はフォロー、応援よろしくお願いいたします。

    あなたへのおすすめ