「菩提薩婆訶」〜般若心経の最後の言葉が、この春の週末に教えてくれること〜
今日は土曜日。
全国各地で桜まつりやチューリップ祭り、マルシェが開かれている。
Iko-yo春の陽気の中、人々が外へ出て、花を愛で、誰かと笑い、ただそこにいる。
そんな何でもない週末の午後に、ふと思う。
「幸せって、なんだろう」と。
田中さん(40歳)は今朝、家族で公園に来た。
子どもが桜の花びらを追いかけている。妻が笑っている。
コンビニで買ったコーヒーがあたたかい。
「別に、特別なことは何もないな」と思った次の瞬間、
「でも——」と、何かが胸の奥でほどけていくような感覚があった。
あれ。もしかして、今、幸せなんじゃないか。
「幸せになりたい」と思い続けてきた。
もっとお金があれば。
もっと仕事がうまくいけば。
もっと痩せれば。
もっと認められれば。
「もっと」を積み重ねていくうちに、今ここにある「これ」が見えなくなっていた。
般若心経は、その最後の最後、262文字のしめくくりをこんな言葉で終える。
「菩提薩婆訶(ぼじそわか)」
「悟りよ、幸いあれ」——。
経典の最後に、こんなにも柔らかい言葉が来るとは、思わなかった人も多いのではないだろうか。
空の哲学を説き、一切の苦しみを超える智慧を語り——そのすべての果てに、「幸いあれ」という祈りがある。
これは、いったい誰への言葉なのか。
そしてこの言葉が、今日という日に、どんな意味を持つのか——。
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