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「能除一切苦」〜どうにもならない現実の前で、心はどう立つのか〜

今朝、ニュースを開いた瞬間、胸が重くなった。

京都府南丹市で小学6年生の安達結希さんが行方不明になってから、すでに2週間以上が経つ。延べ600人以上の警察・消防が捜索を続けているが、手がかりはほとんど得られていない。 Kyoto Newspaper

今日、その小学校では始業式が行われた。

新しいランドセルを背負った子どもたちが登校する春の朝に、結希さんだけが、そこにいない。

ご家族の気持ちを想うと、言葉が出てこない。

こういう「どうにもならない現実」を前にするとき、私たちはどうすればいいのだろう。

SNSではデマが飛び交い、心ない憶測が家族をさらに傷つける。

自分には何もできないという無力感と、何かしなければという焦りが、人々の心を揺さぶる。

「なぜこんなことが起きるのか」
「なぜ助けられないのか」
「神も仏もいるのか」

そういう問いが、心の奥から噴き出してくる。

私自身も、答えを持っていない。

ただ、長い年月をかけて磨かれてきた般若心経の言葉が、こういうときにこそ、静かに心に触れてくる。

「能除一切苦(のうじょいっさいく)」

「よく一切の苦しみを除く」——。

これは般若心経の核心、真言を説く直前に現れる言葉だ。

「一切の苦しみを除く」とは、どういうことか。

痛みがなくなるということか。

悲しみが消えるということか。

そうではない、と私は思う。


この言葉が指しているのは、もっと深い場所にある——。


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