「色不異空 空不異色」〜穀雨の朝、雨粒一つに宇宙が宿る理由〜
今日は「穀雨(こくう)」。
二十四節気のひとつ。春雨が百穀を潤し、田畑が種まきの好期を迎えるこの日から、季節は春の終わりへと向かっていく。
江戸時代の暦の解説書には「春雨降りて百穀を生化すればなり」と記されている。 Zatsuneta
窓を打つ雨音を聞きながら、出勤の準備をする人も多いだろう。
「あ、今日も雨か」と、少し気持ちが重くなる人もいるかもしれない。
傘を探して、洗濯物をしまって、靴が濡れることを覚悟して——。
でも、その雨粒の一つひとつが、今日も土の中に眠る種を、静かに揺り起こしている。
田中さん(46歳)は農家の息子だ。
子どもの頃、父親が「雨は恵みだ」と言っていた意味が、子どもの自分にはどうしても分からなかった。
大人になって都会に出て、雨は「迷惑なもの」になった。
でも父が亡くなった春、久しぶりに田舎に帰って畑を見たとき、雨上がりの土の匂いを嗅いで——突然、胸が震えた。
この雨が、種を育てる。
この土が、命を生む。そして自分も、この循環の中の一粒なのだと。
般若心経は、その循環の本質をこう語る。
「色不異空 空不異色(しきふいくう くうふいしき)」
「形あるものは空と異ならず、空は形と異ならない」——。
雨粒は、空(くう)から来て、形(色)になり、また空へ還る。
種は、土の空白の中に落ちて、命という形を持ち、また大地へ返る。
この往還の中に、宇宙の真理が宿っている——。
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般若心経の47の節を、毎日ひとつずつ。 難しい言葉は使いません。 ただ、今日の自分に届く言葉として。 あまかみこうと名乗っているワタク…
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