「是諸法空相」〜巨大地震注意のなか、「すべては空の姿」という言葉が心に灯すもの〜
今朝、ニュースを開いた瞬間、胸の奥がひんやりした。
4月20日、東北沖で発生したマグニチュード7.7の地震から3日。
気象庁は北海道から千葉までの182自治体に「巨大地震注意」の特別警報を継続している。
「今後、さらに強い揺れが起きるおそれがある」
——その一文が、日常の中に異物のように居座り続けている。
田中さん(42歳・仙台在住)は、夜になると枕元にスニーカーを置いて眠るようになった。
窓ガラスを養生テープで補強し、水を買い足し、子どもに「グラッときたら机の下」と繰り返し教えている。
備えは万全のはずなのに、夜中に震度2の揺れで目が覚めると、心臓が早鐘を打つ。
「もう、何も信じられない」 そう呟いて、暗い天井を見つめている自分がいた。
地面は、揺るがないものだと思っていた。
家は、壊れないものだと思っていた。
明日は、当たり前に来るものだと思っていた。
でもある朝、それらすべてが「仮のもの」だったと気づく瞬間が、人生にはある。
そのとき、私たちの足元を支えてくれるのは、いったい何なのだろう。
般若心経は、その問いに、ひと呼吸おいた静けさで応える。
「是諸法空相(ぜしょほうくうそう)」
「これらすべての存在は、空の姿をしている」——。
「空相(くうそう)」——空の姿。
固定したものは、もともと、どこにもなかった。
揺るがないように見えていた大地さえ、本当は、変わり続けていた。
これは絶望の言葉なのか。
それとも、もっと深い場所で、私たちを支える智慧なのか——。
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