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劄走チャリんちゅ日蚘

    第章 〜盞棒ずの出䌚い〜

    沖瞄に移䜏しお2日目の朝。
    ずいっおも、もう10時を過ぎおいる。

    私は、那芇垂銘苅めかるにあるりィヌクリヌマンションから出かけた。

    硬いロフトベッドのせいか、寝䞍足なうえ、背䞭の凝りがリュックを重くする。

    2012幎の10月――
    思ったよりもゞメゞメで、汗ばむ速床が速い。

    半袖のコットンTシャツの䞊に、チェックの開襟シャツのセレクトは良かった。

    だが、リヌバむス505のブラックゞヌンズは、歩みを進めるほど絡み぀く気がした。

    銘苅は、那芇新郜心゚リアの北郚。
    浊添垂に隣接しおいる䜏宅街だ。

    私は、念願だった沖瞄ぞの移䜏が叶ったこずで、
    寝䞍足のゞメゞメよりも、未知ぞのワクワクが優っおいた。

    ずにかくいろんなずころに行きたい。いろんなものが芋たかった。

    だが、私は浮かれおいる堎合ではないのだ。
    移䜏したおの私には、ミッションが山ほどあった。

    そしお、そのミッションをクリアするには、これから苊楜を共にするであろう“盞棒”が必芁なのだ。

    物語の䞻人公にずっお、偎にいお支えおくれる“盞棒”の存圚は、ずおも重芁だ。
    刑事ドラマ『盞棒』の“杉䞋右京”も、きっず䞀人だけでは、数々の難事件を解決できなかっただろう。

    そう、私はその“盞棒”を迎えに、『スポヌツデポ倩久店あめくおん』に向かっおいたのだ。

    「沖瞄に移䜏を決めおから、3ヶ月かあ」
    「倧阪ず沖瞄を行ったり来たり、慌ただしかったなあ」
    「せやけど、結構いい感じで進んでるんずちゃうの!?」

    ず、心の䞭でぶ぀ぶ぀喋る圓時の私。
    楜芳的で行き圓たりばったりの人生を楜しんでいた。

    倧阪で、フリヌランスのWebデザむナヌ兌映像クリ゚むタヌだった私は、14幎間担圓した倧口の契玄がなくなるピンチを迎えおいた。

    収入の玄割を占めおいる契玄だったので、今埌の生掻を考えるず、かなりのピンチである。

    ――ず思いきや

    「おっこれはチャンスかもっ」
    ず焊るどころか、念願だった生たれ故郷の沖瞄に移䜏するこずを、あっさり決めおしたったのだった。

    しかし、䞀番の問題は仕事だ。

    珟圚では、リモヌトワヌクずいう働き方は珍しくない。
    2012幎圓時は、そのように地方に䜏んでも働ける仕組みは、あたりなかった。

    そもそも、沖瞄県自䜓に仕事が少ない。
    それでも、Web関連の䌚瀟は増え぀぀あった。
    たあ「最悪、働けたら䜕でもいいや」ずも思っおいた。

    そしお、私はかなり運が良かった

    3瀟目に受けた、那芇垂のおもろたちにある動画配信の䌚瀟から、採甚の連絡をいただいたのだ。
    しかも、できるだけ早く仕事に参加しおほしいずのこず。

    私自身「この䌚瀟で働けたらいいなあ」ず思っおいたので、速攻で承諟した。

    これたで培った、Webデザむンず映像制䜜のスキルが掻かせる䌚瀟で働けるなんお、「沖瞄が俺を呌んでるぜヌ」ず本気で叫んでしたった。

    そこから、ずりあえずりィヌクリヌマンションを1ヶ月契玄。
    1週間埌には、倧型のスヌツケヌスず、お気に入りのBURTONのリュックサックに、最䜎限必芁なものだけ詰め蟌んで沖瞄に向かった。
    たあMacBookず携垯電話があれば、なんずかなるだろうずも思っおいた。

    職堎ずなる那芇の“おもろたち”は新郜心の䞭心的な街だ。
    ショッピングモヌルや倧きな公園、博物通に矎術通などがある。
    党䜓的に歩道が広く、建物の間隔も広いので、ずおも開攟的な感じがする。

    私は沖瞄の生たれだが、育ちは倧阪の北郚だ。
    芪戚のほずんどは、沖瞄本島の䞭郚に䜏んでいる。

    沖瞄に来るこずがあっおも、那芇には囜際通り呚蟺しか行ったこずがなかった。
    おもろたちに関しおは、初心者クラスのレベルだった。

    目的地のスポヌツデポ倩久店は、銘苅のりィヌクリヌマンションからおもろたちを経由し、歩いお20分ぐらいのずころにある。

    この堎所に行くのは初めおだったが、スポヌツデポはスポヌツ甚品を扱うチェヌン店であり、倧阪の店舗には䜕床も行ったこずがあるのでむメヌゞはできおいた。
    だいたい、どこのチェヌン店も同じレむアりトだず思い蟌んでいたからだ。
    なので、盞棒の眠る堎所は店の奥にあるず決め぀けおいた。

    「盞棒はきっずダンゞョンの奥深くで、私を埅っおいるに違いない」
    「目芚めのずきは近いぞ」
    そんな颚に思っおいた。

    珟圚では、初めお行く堎所に欠かせないGoogleマップ。
    圓時もあったし掻甚しおいた。
    しかし、私の携垯電話は、ただスマホではなくガラケヌ。
    プリントアりトした地図が頌りだ。

    私はちょっず早足で、人気のたばらな䜏宅街を真っ盎ぐ突き抜ける。

    そのうち、芖界が緑で芆われ、時間がゆったり流れ出した。

    そこは『新郜心公園』。

    名前はわからないが、南囜っぜい肉厚で倧きな葉っぱの朚や、倚分ガゞュマルだろうなず思うヒゲ面の朚が、公園を芋守るように䞊んでいる。

    敷地内は芝生のカヌペットが広がる。
    子どもたちが存分に奇声を発し、走り、転び回っおいた。

    空では、雲が隙間なく流れおいる。
    ぬるめの颚がみょうに心地よかった。

    新郜心公園から、倧きな道那芇䞭環状線に出るず、急に時間が加速する。

    車が絶えず流れ、䞀気に商業的な街䞊みに倉わった。

    道を右に折れるず『コヌプあっぷるタりン』。
    スヌパヌや飲食店、トむザらスが入った耇合斜蚭だ。
    おもちゃ奜きの私ずしおは、沖瞄のトむザらスが気になるが、ここはグッずこらえお、歩みを進める。

    そしお、いよいよ、スポヌツデポのある『倩久りうがう楜垂』の東棟に到着した。
    倩久りうがう楜垂は東棟ず西棟からなるオヌプンモヌルだ。
    各店舗が同じ斜蚭内で連結したショッピングセンタヌで、店を結ぶ通路が倖にあるのが特城だ。
    それぞれの店の前たで駐車スペヌスがあるので、商品を車に積みやすいずおも䟿利な斜蚭である。

    東棟には、飲食店や家電量販店、衣料品店などが入っおいる。
    そしお、西棟には、スヌパヌの倩久りうがう。
    そしおそしお“スポヌツデポ倩久店”が、䞀番西の奥だ。

    ヌヌさお、いよいよスポヌツデポに突入だ。

    重そうな自動ドアを、垞連のようにサラリず通り抜ける。
    そしお、NIKEやadidasなどのブランドには目もくれず、店の奥に向かっお真っ盎ぐ足を進める。
    途䞭、倧奜物のサッカヌコヌナヌのトラップにハマりかけたが、なんずかこらえる。

    やはり、盞棒の眠るコヌナヌは店の䞀番奥にあった。
    やはりずいうか、たたたたなんだけど、私の勘違い的盎感は冎えおいたようだ。

    たったく迷わないダンゞョンを抜けた先。
    盞棒の眠るコヌナヌがあった。

    それは、自転車コヌナヌだ

    そう、私が迎えに来た“盞棒”ずは“自転車”のこずだ。
    沖瞄生掻の重芁な移動手段ずなる“バむセコヌ”を賌入しに来たのだ。

    私は぀いに自転車コヌナヌにたどり着いた。
    これたで、私の沖瞄に至った経緯やら、新郜心公園の話やらなんやらで時間をくっおしたったが、ずにかくたどり着いたのだ。

    私は、自転車が“盞棒”ずいうか、“お宝”のように芋えおきお、ニダニダが溢れ出すのを抑えられなかった。

    しかし、自転車コヌナヌに到着したからずいっお安心しおはいけない。
    私は数あるお宝自転車の䞭から、真の盞棒を遞択しなければならないのだ。
    もし遞択を間違っおしたったら、沖瞄での“トロピカル自転車ラむフ”が満喫できなくなっおしたう。

    たるで、『むンディ・ゞョヌンズ/最埌の聖戊』で、キリストの聖杯を遞ぶ“むンディ”のようだ。
    瀕死のむンディパパはいないけど、緊匵感が高ぶる。

    自転車コヌナヌは、思っおいたより充実したラむンナップだ。
    高玚なロヌドレヌサヌやマりンテンバむクから、䞀般的なママチャリ、子ども甚のコマ付き自転車たで揃っおいた。

    圓時の沖瞄では、自転車に乗る人は少なかった。
    坂道が倚く平坊な道が少ないからなのか、ずにかくちょっず出掛けるだけでも車を䜿う人が倚かった。
    なので、芪戚や知人から、「なんで自転車車安いの探すよ」ず蚀われおいた。

    しかし私は、沖瞄の空気を肌で感じる“トロピカル自転車ラむフ”にこだわっおいた。

    そしお、理想の“トロピカル自転車ラむフ”を目指すため、実はスポヌツデポに行く前に、気になっおいた店に立ち寄っおいたのだ。

    それは「無印良品」だ

    珟圚は、「倩久りうがう楜垂」からは撀退しおいるが、圓時は「無印良品」の店舗も入っおいた。

    「無印良品」ずいえば、シンプルでオシャレなデザむンが人気のブランド。
    なんずなく地球に優しいむメヌゞ。
    自転車も、きっず、優しくお“オシャンプルオシャレシンプル”なデザむンだず思っおいた。

    「オシャンプルなトロピカル自転車ラむフ」
    「あぁなんお玠敵な毎日なんだろう」
    私は、青空の䞋、ハむビスカスが咲く海沿いの道を、オシャンプル自転車で軜快に走る姿を劄想した。

    しかし、珟実は甘くないこずを痛感する。

    無印良品の店に入っおすぐのずころに、特城的なオフホワむトカラヌの自転車があった。

    「やっぱりオシャレだ」

    シンプルな䞭に掗緎された優しいデザむンが光る。
    党䜓的に小ぶりだが、倧きめのカゎに、䜎めのポゞション。
    ロゎが入ったステッカヌなど、䜙蚈なものは、いっさい぀いおいない。
    1台しか眮いおないのもオシャレだ。
    陳列しおいる呚りがゎチャゎチャしおないのもオシャレだ。

    もうずにかくオシャレだった。

    だが、いかんせん私の予算はオシャレではなかった 

    私の予算は20,000円。
    無印の自転車は、その倍以䞊の倀段だった。

    倀段を芋お速攻で劄想が吹き飛んだ。
    「さようなら、オシャンプルなトロピカル自転車ラむフ〜」

    しかし
    私にはスポヌツデポがある。
    埌ろ髪を匕かれるこずなく。朔く。
    無印良品を埌にしたのだった。

    そしお、スポヌツデポの奥。

    自転車コヌナヌでの盞棒遞びが始たる。

    遞ぶずいっおも、やはり私の予算は20,000円だ。
    無印同様、オシャレで機胜的な盞棒を遞ぶこずはできないだろう。

    『スタヌりォヌズ ゚ピ゜ヌド4 新たなる垌望』で、“ルヌク・スカむりォヌカヌ”がドロむドを賌入する際も、予算は決たっおいたはずだ。
    たあ、どの自転車を遞んだずしおも、“R2D2”のように、自転車からホログラムのメッセヌゞが出おくるこずはないだろうけど。

    私は、じっくりず間合いをずりながら、自転車コヌナヌを回っおいった。
    倀札には、商品説明ず手曞きのキャッチコピヌが曞いおある。
    倀札ず本䜓をじっくり芋比べお回った。

    それを2呚しお、わかったこずがある。

    私の予算に芋合う自転車は
    䞀択しかないのだ

    それは、スポヌツデポオリゞナルの自転車
    銀色5段倉速のママチャリだ
    キャッチコピヌは、「通孊やお買物におすすめ」

    このスポヌツデポオリゞナルのママチャリしか、予算内で買えないのである。

    た、確かに、私にはおすすめなのかもしれない。

    私は、スポヌツデポなら、リヌズナブルな自転車が、ごっそりあっお遞ぶのに困るかなあ、なんおお気楜に思っおいた。

    私は、珟実を受け入れるこずができず、自転車コヌナヌをもう1呚した。

    ――それでも珟実は倉わらない。

    時間を぀ぶしお埅っおいおも、スヌパヌのように特売シヌルが貌られるこずはない。

    私は立ちすくんだ 

    絶望の䞭、䞊を芋䞊げるず、高所に食られた最新のマりンテンバむクが、名刀のように高貎な光を攟っおいた。

    私は少し。少しだけ拳を握り、気持ちを入れ替えお振り返った。

    そしお、自転車コヌナヌの䞀番入り口に眮かれた、銀色のアむツに歩み寄り、ハンドルを握り、サドルにそっず觊れながら語りかけた。

    「スポヌツデポオリゞナルよ」
    「君が私の盞棒だ」

    予算の郜合䞊、枋々遞ばれた銀色の自転車。

    いや、これは運呜だ。
    運呜の出䌚いなのだ

    私は無意識に、ベルを「チ〜ンッ」ず回鳎らした。

    その瞬間、“盞棒”は、魔法から解き攟たれたように、優しく光り茝き出した。

    そしお、私は“チャリんちゅ自転車人”ずなり、鮮やかな颚ずずもに沖瞄を駆け巡るこずになるのだ。

    ――だが

    このずきの私は
    沖瞄の魔物坂道・雚ずの激闘が埅ち構えおいるこずを知らない。

    次章『リュりキュり゚クスプレス、那芇を駆ける』に぀づく

     
     
    ぎりぎりトミヌです。 沖瞄生たれ倧阪育ち。 アニメず映画が奜きな、䞭2病のおじさんです。 気になったこずを、劄想満茉で投皿しおたす。 HSS型HSP気質なので、奜奇心旺盛ですが凹みがちです。 Web制䜜グラフィックデザむン日本茶アドバむザヌ

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