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言葉履歴(詩) げん

    高細玄一(げん)

    言葉履歴

    藤沢で生まれた
    ミッション系の幼稚園
    オルガンを弾く棚田先生
    僕は4歳
    制服で通う
    美しい先生のオルガンを真似て
    ぶぶぶーと鍵盤を叩いていた
    甘い音色と記憶

    4歳で大阪に引っ越した
    大阪の幼稚園は狭い園庭
    記憶はそれしかない
    大人になってから関西弁でませんねって言われたが
    関西弁という言葉はない
    ただ怖かった
    登園拒否を起こした

    大学は京都だった
    柔らかくて ゆっくり
    大阪の言葉 和泉弁のトゲトゲしさから解放された
    祭りで ほいっとほいっと
    肩と足がずれて
    思いっきり肩を擦りむいて
    下宿の大家さんに焼肉奢ってもらって嬉しかった
    先斗町通を歩いて 白粉の匂いが
    京都だった 
    貧乏学生
    一度だけ 織工さんの女性に恋をした
    お互い お互いのことを知ろうとして別々になってしまったけれど
     
    横浜に来た
    京都弁はすぐ忘れた
    今 茅ヶ崎に住んでいる
    振り出しに戻って
    イントネーションのない
    標準語を喋っている

    げん 2020.5.

    自己紹介風の詩

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    第1詩集「声をあげずに泣く人よ」2022年6月第2「もぎ取られた言葉」2023年10月コールサック社より刊行 2025年4月「87歳のかわいい探偵は88歳になりました」をしろねこ社より刊行 https://x.gd/ft8m9 「詩集の店」店主

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