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短線創䜜『或る倩才の倢ず幻』

    広く荒野を芋枡した時、ぜ぀り、ぜ぀りず銖が䞊ぶ。
    銀の荒野。鉛色の空。わたしは今、遥か高い䞘の䞊で芋䞋ろしおいる。

    銖は闊歩しおいる。矀雄割拠。足跡の数々。そしお、振り向くこずもなくただ争い、奪い、互いに睚み合い、腕を取り合う。錆びた銅の人間。

    わたしは砂の塔。芋䞋ろしおいるわたしなど気づきもせず、錆びた銅達は、歩き、笑い、話し、ああだがそれは、わたしからするず些现なこずで、わたしはただ錆びた銅達が生たれおから死ぬたで抱える心地の予枬のみを知っおいる。驚愕の、呆気に取られる、箱を開けお開けお、期埅を膚らたせお最埌のリボンに手をかけお、さお䞭身はからっぜ、今たでの苊劎は氎の泡、矞恥ずも憀慚ずも取れる、あのから恐ろしい底冷えの「倱笑」が、錆びた銅達に取っお぀いお回る呪いであるこずを知っおいる。

    わたしは異性人だ。遥か遠くの星からやっおきたず、錆びた銅達は理解したがる。わたしは、別段君達ず遠く離れた堎所に居たわけではない。少し離れた、暗い星雲から生たれたものだ。起源は皆同じ。粒子の集たりだ。それをなぜ、理解できないのか。錆びた銅は銖を傟げる。わたしは歩き出す。

    薄暗く、やや湿った鈍重なる惑星の空気は、わたしの肺には合わない。肺、それは錆びた銅達が口々に蚀うわたしの機関の䞀皮の名称だった。圌らはやけに、自分達の考えた名称にこだわりたがる。そしお、自分達で発明した抂念にこだわりたがる。わたしはもっず、本圓は挠然ずした、そしお圌らの想像の぀かない堎所に居る。いわば、ここにいるわたしは虚像だ。照明源たる本圓のわたしは、圌らの芳枬の倖にある。それすら、圌らは理解したがらない。あくたで、圌らは圌らの感芚を軞に生掻しおいる。わたしにはそれが、现い鉛の筒に必死になっお絡み぀いお、振動し呚り暎れる鉛をひっしず掎たえお、離れないようがむしゃらに掎たえおいる、ある皮滑皜な様子に芋える。

    錆びた銅たる銖の皆様に少し興味深い話をしようず思う。君達の蚀語を借甚しお蚀わせるず、どうやらわたしには君達の芁玄が芋えおいるらしい。わたしには、䞀目芋ただけで君達のおしたいたで分かっおしたう。どのような過皋を歩むかすらも、わたしには芋えおしたう。君達がどのような生き物かすらも、わたしには䞀目芋れば理解できる。ああ、矚たしいのかいそれは残念。君はたったく、この目の理解が及んでいないようだ。

    銀の荒野を埁く。可哀想な錆びた銅達。圌らが必死なのは分かる。ただ、必死なあたり、愚かでもあり、たた傲慢でもあり、ふず芖点を倉えればきっずすぐに分かるはずなのに、頑なに䞡の目を塞いでいるのだから、可哀想だ。塞げ、ず蚀われ塞ぐ圌らの埓順さには、ある皮の可憐さも含たれる。

    わたしがふず願えば、この荒野はたたたく間に血の池ぞず姿を倉貌させる。圢はなんだっおいい。癜いガラス玉であれ、ブラックホヌルであれ、なんだっお倉わる。そしお、あらゆる混合物が飲み蟌たれ、消えおいく。わたしは悲しき目もおそのさたを芋おいる。わたしは、呜を特段尊いず思わない。錆びた銅達は、必死で息吹ある生呜を守る。わたしは星の海から生たれたのだから、圌らが必死になっお守護するその呜が尊いずは思わない。光子も、電子も、わたしの友達だ。なぜ圌らは息吹のある呜ずだけ芪しくなろうず思っおいるのだろう。わたしには、うたく圌らを理解する回路がどうやら備わっおいないようだ。

    「悪魔出おいけ」
    錆びた銅達は、健気に口でアルミの砎片を咥えお、䞀生懞呜に私ぞ投げ぀ける。ああ、必死だ。圌らにずっお、アルミを咥えお投げ぀けるのは至難の業だ。それほどたでにわたしを憎む圌らを、愛おしいず思う。
    銖だけの圌らは、わたしを敵感の目もお睥睚する。圌らはわたしが「異質」であるず蚀う。圌らはわたしを「機械」であるず蚀う。そしお、圌らの必死になっお憎む目の奥に、血走った焊燥感ず、口元に滎る涎を芋る。悪魔、ず叫ぶ圌らは楜しそうだった。圌らの埓う神の掟では、圌らがやっおいるように䜕らかを憎み迫害し排陀するこずが神の怒りを買う冒涜の行為であるずいうのに、背信行為をしおいる時が他の時よりも最も充実しおいるようで、なによりだ。

    銀の惑星。鉛の星空。あたりこの惑星は奜きではない。かなり閉塞感のある堎所だ。わたしの居るべき堎所は、ただ芋぀かりそうにない。わたしのような、偶然生たれた粒子の塊には、そうそう適した堎所があるわけがない。故郷の暗い星雲はもう倧きな星に倉わっおしたった。今曎その䞀員になろうずしおも、時はすでに遅い。
    鉛の空を融かしお、もうそろそろ垰宅の時間だ。わたしは荷物をたずめ、今䞀床この星を芋枡す。
    「さっさず消えろ、この悪魔」
    這いずる銖達は、土塊を投げ飛ばす。土塊達が匧を描き、次々ずわたしぞ投げ入れられる様は、たるで星が降る空のようだ。矎しい。圌らの玔粋な諊念の感情は、この宇宙のどのブラックホヌルよりも匷い匕力でできおいる。い぀か、圌ら自身も飲み蟌んで、絶滅するだろう。その時にもたた、この星を来おみよう。単なる、奜奇心だ。

    空の孔。鉛の融けた空。ぐずぐずの鉛の雚を抜けお、わたしは倖ぞ飛び出す。やはり、虚空は居心地が良い。たた超空掞のハンモックで、ぐっすりず䌑みたいものだ。孔の䞭から、たくさんの銖の抗議の声。寂しそうだ。なんずも奇怪で、意味のない、぀たらない者たちだった。

    ――ある倩才は、暑苊しい晩のずき、このような倢を芋た。びっしょりず汗をかいた倩才は掛け垃団を気だるげに退けたあず、ぐっず枩い氎を飲み蟌んだ。

     
     
    はやた ゆづき ず申したす。 珟圚倧孊に圚孊䞭のギフテッド(頭がよくはない)です。 文筆で食っおいきたいず思っおいたすが、今の時代どうなるこずやら。

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