
実家の猫のかわいい話
猫を飼ったことがある人なら、きっとわかるはずです。あの、なんとも言えない理不尽さが。毎日自由で幸せそう……。そしてめっちゃかわいいんです!!
猫という名の謎生物
実家には、2匹の猫がいました。チョコとラテです。どちらも男の子でした。
チョコは人見知りで、自分からは絶対に寄ってきません。でも触りに行くと、なすがまま。されるがままで、攻撃してくることもありません。
ラテは人懐っこくて、愛嬌たっぷり。ただし、気分屋です。嫌なことをされると、容赦なく猫パンチが飛んできます。
正反対の2匹が、実家という小さな世界で、それぞれの王国を作っていました。
呼んでも来ません。来てほしくない時だけ来るんです。
猫あるあるの中でも、これは殿堂入りだと思います。名前を呼んでも絶対来ないのに、忙しい時だけ来る問題です。
テスト前夜、参考書を広げた瞬間。ラテが、当然のように机の上に乗ってきます。
ノートの上。参考書の上。ペンケースの上。全部、自分の指定席とでも思っているようでした。
「もーラテ、私勉強したいの」と言っても、びくともしません。強く言えば猫パンチが来そうなので、強くも言えませんでした。
気づいたら参考書はラテで見えなくなっていて、ラテを撫でる時間が始まっていました。ラテは満足そうに目を細めます。こっちは試験勉強したいのに、でもかわいい。だから、すべて許せてしまいます。
あと、猫ってなんであんなに隠れるのが上手なんでしょうか。ある日、家の中でチョコとラテが見当たらなくなりました。「チョコー!ラテー!」と大声で呼びながら、部屋中を探し回ります。
いません。どこにもいません。まさか外に出た?と焦り始めたその時。
洗濯機の上の棚に置いてあった、かごの中。2匹が、揃って爆睡していました。
しかも、目が合っています。目が合っているのに、一切動きません。「呼ばれてないです」という顔で、またうとうとし始めました。あの「知らんぷり力」には、今でも感服しています。
そしてチョコには、もう一つ特技がありました。脱走です(;゚ロ゚)
ドアの隙間を見つけるたびに、するりと外へ消えていきます。最初は焦って追いかけました。
でも、捕まえようとした瞬間のチョコが、別の生き物になります。シャーシャー言いながら、爪も牙も全力で使ってきます。「外の俺に触れるな」という意志が、全身から伝わってきました。
それからは、逃げたらほっておくことにしました。数時間後、駐車場をのぞいてみると。
日当たりのいい場所で、チョコがひなたぼっこをしていました。目を細めて、風に当たりながら、完全に満足した顔で。
脱走して、ひなたぼっこして、ちゃんと戻ってくる。それがチョコのスタイルでした。なんか、ちょっとかわいすぎるけど、車にひかれるかもと思って心配になります。もちろん戻ってきたチョコには、シャワーの刑に処しますけどね……かわいそう(;。;)あ、優しく洗うだけですよ?
警察官になるタイミングで実家を出て、チョコとラテとは一緒に暮らせなくなりました。
帰省するたびに2匹を探して、変わらず気まぐれで、変わらず自由で……それがなんだかほっとします。
猫って、こっちの事情なんか気にしないところが、逆にいいんですよね。悩んでいても、ひなたぼっこ。忙しくても、かごで爆睡。
そのくらい自由でいいんだよ、と言ってもらえている気がします。
猫がいた人なら、この感じ、きっとわかってもらえるはずです。
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