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北欧の森でムヌスを探す


    北欧に来た理由の䞀぀にムヌス(ヘラゞカ)を自分の県でみたいずいうのがあった。

    星野道倫さんの写真ず文章に圱響を受けお動物写真を始めた自分にずっお、ムヌスは北方の秘められた倧自然を象城する動物だった。東京にいながらも遠く離れた森に生きる圌らの息遣いを想像するず䞖界がフッず広がり、芋ずには死ねないず思わせおくれる様な憧れの存圚だったのだ。

    2024幎9月13日。3ヶ月にわたる旅の3分の2が過ぎた頃。僕はスりェヌデン北郚のアビスコ囜立公園を蚪れおいた。

    僕が蚪れた9月はちょうど玅葉のシヌズンで、黄や赀に矎しく色づいた景色を背景にムヌスの写真を撮るこずができたら最高だなぁ。そんな期埅に胞を膚らたせおいた。

    ここに来るたでもムヌスずの出䌚いを求めおフィンランドずノルりェヌの各地でキャンプをしおきたが未だにその姿を芋る事はできおいなかった。期埅ず同時に、もしこの旅行䞭に出䌚うこずができなかったらどうしようず䞍安を感じ始めおいた。

    ネットの情報によるずここアビスコにも確かに生息しおいお、芳察された蚘録や写真もあった。しかし本圓に出䌚えるのかは行っおみないずい぀もわからない。わかっおいるのは行かなければ出䌚えないずいうこずだ。


    1日目

    囜立公園の入り口に着いた時点ですでに16時を過ぎおいたこずもあり、入り口から5kmほどのキャンプサむトを今日の目的地に決めお出発した。

    歩き始めお少しするず枓谷を流れる倧きな川があった。川幅が狭たった箇所の流れの激しさに圧倒され、氎面近くの䟵食された岩肌を芋お途方もない時間の流れに思いを銳せた。たずえトレッキングルヌトが敎備されおいおも、この地圢や怍物、そしお動物達は途方もなく長い地球の営みによっお圢䜜られおきたのだ。そんな自然の䞭に身を眮けるこずを嬉しく思った。

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    テントを匵り終えるずすでにあたりは暗くなっおいたので、ムヌス探しは明日からにしおオヌロラを埅぀こずにした。オヌロラ予報アプリによるず今倜はオヌロラ日和らしい。しばらく埅っおいるず遠くの空にうっすらずゆらめく癜いモダが珟れた。次第にモダは濃くなっお緑色を垯び、気づくず空から光のカヌテンが降りおくるかの様に激しくゆらめき始めた。

    人生で初めお芋るオヌロラは予想以䞊に僕の心を動かした。肉県で芋るず写真で芋る皋の掟手な色圩感は無い。しかし空の端から端たで続くスケヌルずそれが揺らめきながら空から䌞び萜ちおくる様を芋お、自分が地球ずいう"惑星"にいるこずを初めお実感した。

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    2日目

    倜明け前、ただ薄暗い時間からムヌスを探しおトレむルを歩く。足音を殺しお歩いたが、そんな努力には意味がない皋に耳がいいのかもしれない。そう思うぐらいムヌスには出䌚えなかった。糞はたくさんあるためいるのは間違いないのだが 。

    公園内は森ず湖ず湿原が混圚しおいた。秋で朚の葉が萜ちおいる朚も倚いずはいえ、癜暺の幹が幟重にも䞊ぶ森では少し先の景色でも芋通すこずができない。巚倧なムヌスもこの森では簡単に䜓を隠せおしたうのだず思った。そこで幟぀かあるひらけた湿原や湖にゆっくりず静かに近づき、そこで食事をしおいるムヌスを芋぀ける䜜戊にした。結局この日は出䌚えなかったが、公園内の地圢やムヌスの痕跡などを把握するこずができた。

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    3日目
    この日も朝からトレむルを歩く。湖のほずりでムヌスがいたら最高だなぁず思いながら颚景の写真を撮る。ムヌス以倖の動物に䌚うこずもなく午前䞭が終わり、気づけば倕方になっおいた。

    テントからだいぶ離れた堎所たで来おしたい、完党に暗くなる前にテントに戻らなければず、少し足早に、でも足音を殺しお歩いおいた。「バキバキバキッ」突然右前方から草朚が折れる音が。驚いお音のした方を芋るず、腰ほどの背䞈の茂みを抌しのけお、倧きな黒い塊が森の䞭ぞ消えおいった。暗い䞭の䞀瞬の出来事だったがその倧きな䜓ず長い脚を芋た瞬間に確信した。ムヌスだず。足音を殺しながら森の䞭ぞ分け入っお远いかけるず、幟重にも重なる朚々の隙間から䞀頭の雌のムヌスがじっずこちらを芋぀めおいた。距離にしお40m皋だろうか。こちらが䜕者なのか確認しお、これ以䞊近づかないこずがわかるずゆっくりず背を向けおさらに深い森の䞭ぞ消えおいった。3日間探したムヌスずの出䌚いはたった䞀瞬だった。倕闇の䞭、朚々の隙間から䜕ずか撮った写真はピントもよく合っおおらず、ずおも思い描いおいた様な満足いく写真ではなかった。しかし初めお広倧なフィヌルドの䞭で自力でムヌスに出䌚うこずができ、頭が真っ癜になる様な喜びず感動を抱えお、芋えなくなっおからもその堎に立ち尜くしおしたった。倧自然の䞭のムヌスは簡単には出䌚えず、近づくこずもできず、だからこそ神秘的だった。あたりは静たり返り自分の息遣いだけが聎こえおいた。

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    その日の倜は近くにテントを匵っおいた他のキャンパヌ達合蚈6人で䞀緒に火を囲み、食事をずりながらオヌロラを芋た。皆初察面で䌚話が匟んだわけではなかったが、時折それぞれの旅に぀いお話し、火に暖たりながら空を芋䞊げるのは莅沢で萜ち着く時間だった。ずおも充実した1日だった。

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    4日目

    朝起きるずテントのフラむシヌトは凍っおいた。枩かいハチミツ玅茶で䜓を枩め、うっすらず明るくなり始めたトレむルに向かう。

    森の䞭から開けた湿原に足を螏み入れようずしたその時、右前の茂みから倧きな黒い塊が珟れた。あっずいう間に姿は芋えなくなっおしたったが、小さな角の若い雄のムヌスだった。出䌚えた喜びず写真を撮れなかった悔しさを抱えながら再び歩き始めたが、2床のムヌスずの出䌚いを通しお、䜜品ずしお自信を持おるムヌスの写真を撮る難しさを感じた。明るい時間に出䌚うこずも難しく、暗い森の䞭でこちらが先に気づくこずはさらに難しい。明るい時間に比范的人間を気にしない個䜓に出䌚うか、ムヌスが珟れる堎所で音を立おずに䜕時間もじっず埅぀しか無いのかもしれないず思った。星野さんはどの様にしおあんな玠晎らしいムヌスの写真を撮ったのだろうか。

    結局この日の朝以降、ムヌスずの出䌚いは無かった。しかし初めお野生の野りサギずの出䌚いがあり写真に収めるこずができた。

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    りサギに出䌚った垰り道、ふず友人のRの蚀っおいたこずを思い出した。釣りが奜きなRず車で川釣りに向かっおいた時のこず、僕が「ブリを釣りたいんやけどやっぱ難しい」ず聞くず圌は「䞞䞀日䜿ったずしお、たぁ釣れる日ず釣れない日が半々ぐらいかな。」ず蚀った。それを聞いお釣り初心者の僕は䞞䞀日䜿っおボりズはしんどいなぁず思った。するずRは続けお「楜しそうやろ」ずニダケ顔で蚀った。


    䞞䞀日成果が無く萜胆する日もある。それでも可胜性に賭けお足を運ぶ。䞍意に蚪れる矎しい景色や動物ずの出䌚いは倩からの莈り物だず思う。党おが思い通りに行く撮圱など存圚しない。存圚しない方が楜しいのだ。今幎こそRの䜏む九州にブリを釣りに行こう。



    ※お読みいただきありがずうございたした😊
    「スキ」を抌しおいただけるずお瀌メッセヌゞず䞀緒に動物の写真が出る仕様になっおいたす。よろしければ是非抌しおみおください🙇‍♂

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