メインコンテンツへスキップ

──渇きは、星の下。

    ──人が渇きを覚えるのはひとえに「潤いが足りないとき」だろう。純然たる水に始まり友との関わり、俗に言う推しからの供給、果ては知識欲や愛などという明確な答えのないものまで様々だ。

    人は潤いが無ければ生きていけない。否、生きていけないというのは語弊がある。人は潤いが無いと途端に無味乾燥な人間になる。そんなことをつらつらと語った僕は何ゆえ渇いているのだろうという顔をしたそこの君。

    何を隠そう僕は、物事を作り上げる欲に渇いている。

    幼少期に紙に書きなぐっていた頭のうちに始まり、電子媒体が栄えるようになってからは他者の反応に一喜一憂していた頃もあった。ハートが灯ると心の中を意欲が掻き立てていく。もっと、もっと欲しいと急き立てる。

    だが、それは本質的に「自分が描きたいもの」なのか。

    本当にその意欲は「心のうちを表したい」ものなのか。

    他者に迎合するうちに、人は流行にながされる。心のうちの「好き」に根ざして物事を作り上げられる人間はどんどん数を減らしていく。悪とは言わない、悪とは言わない。それもまた生き方を満喫している証。日々の潤いを友とともに追い求めている証。

    ただ、電子の海から離れて一人きり。
    空っぽの状態で星を眺めているときに。

    幼い頃の自分は何を原動力に物事を作り上げていただろうかと考えると、途端、思考に靄がかかってかすむ。

    僕が一番大事にしていたものは、何だっただろう。
    思い出せない、思い出せない。
    渇いた喉が細くあえぐ。
    視界が音を立てて端から崩れていく。

    だから僕は、ここでたまたま足を止めた君に問おうと思う。

    「君の好きは、どんな色でどんな形をしているんだい?」

     
     
    ──隙間にひとかけらの星を。 散文、独白、思いの丈のまま。