
【恋綴り】 無邪気な悪魔(7)
予期せぬ出来事
由香は少し嬉しそうに、
繋いだ手を揺らしながら
私の部屋へと向かう。
鍵を開け、2LDKの部屋に
案内する。
「ゴウさんらしくてシンプルで
素敵なお部屋ですね!
少し探検してもいいですか?」
そう言い残し、由香は隣の部屋へ姿を消した。
「ビール、それともなにか作ろうか」
隣の部屋から顔を覗かせた
由香が、
「ビールでお願いします。」
と舌を出す。
ビールを渡しながら、
「あんな昔の歌、よく知ってたね」
と笑ってみせる。
「母がいつも口ずさんでたから、
自然に覚えちゃいました」
その言葉を聞いて苦笑いの私。
「きっと、君のお母さんと
私同年代だと思うけど、
本当に私でいいの……。」
「年齢は関係ないですよ。
好きになった人がたまたま
[おじん]だっただけだもん」
本棚に向かい、指でタイトルを
なぞり、呟くように声にした
由香を後ろから優しく
抱きしめる。
「シャワー、使うなら先にどうぞ。バスタオルは洗面所のドレッサーの一番上ね……」
耳元でささやくと、
一瞬、由香の躰に力が入ったのが伝わってくる。
「じゃあ、シャワー借りますね」
作り笑いの由香がバスルームに足を運ぶ。
バスタオルを巻いて出てきた
由香に顔を向けると、
「そんなに見ないでください。
恥ずかしいじゃないですか、
あたし、胸ないし」
そう言うと、
ベッドルームへ
逃げ込んだ。
私も軽くシャワーをつかい、
ベッドルームに
移動すると由香はすでに、
ベッドに潜り込んでいた。
横に入ろうとタオルケットに
手を掛けると、
一瞬、ピクッと身構えたのが
伝わってくる。
「今ならまだ間に合うよ、
やめようか?」
由香は小刻みに顔を横に振る。
タオルケットを肌けると
慌てて両腕で胸を隠す。
「君の全てを受け入れるから
隠さず全部、さらけ出して、
気持ちの整理が
出来てからでよいから」
と、ゆっくりと唇を重ねる。
唇は由香の唇を離れ、
目尻や頬、耳、うなじ、
由香の輪郭をなぞる……。
緊張が解けはじめたのか、
覚悟が決まったのか、
次第に隠した胸から
両腕がほどけてゆく。
確かにお世辞にも
大きいとは言い難いが、
釣鐘型に整った胸が露になる。
その胸に唇を移すと、
「あんっ」
小さく声も漏らし、由香はピクッとだけ反応をみせる。
全身に指を滑らせて
タオルケットの中に
手を入れると、
由香の下半身は
すでに女になっていた。
タオルケットをすべて肌け
スラリと伸びた脚を立て、
由香に体を重ねてゆく。
優しく抱きしめ、
ひとつになろうと
抱きしめる腕に、
ゆっくり力を込めてゆく。
唇を合わせ、ひとつになる。
「あっ!痛いっ……。」
まさか思いつつも、
「もしかして君、はじめてなの。」
由香は小さく頷く。
「言ってくれたらよかったのに、
痛かったよね。
ホント、ごめんね。」
「だってゴウさん、
お子ちゃまには
興味ないって言うから…。」
「ゴメン、悪かった。
もう、お子ちゃま扱いはしない
だから、
今日はここまでにしよう。
時間をかけてゆっくり
女になればいいから」
由香の眼から涙がこぼれ、
笑顔で小さく頷いた。
後ろから由香を優しく抱きしめ、長い一日が、夜の静寂にとける。
8話に続く……。https://note.com/ghost00022863/n/nfc146696ad09