新年に乾杯〜そして完敗〜
新年が明け、今年のKONGの正月はまるでヨギボーのように柔らかい時間が流れていった。
実は、去年、一昨年、KONGは困りながら正月をすごしていた。
その反動からなのだろうか…
今年は気づけば何も考えずに食べ物を食べ、横になり、完全にリラックスモードだった。
「こんなにゆっくりしていていいのか?」
と思いながらも、目の前に広がる料理に手を伸ばす。
しばらく食べ続け、気づけばうとうとしている。
「こんな贅沢なことしていていいのか?」
と自問自答しながらまた寝転がる。
そんな贅沢な4日間を過ごしたらKONGがどうなるか?
まぁ、想像できるだろう。
こんな生活をしていたら、体はどんどん"丸く"なっていくに決まっている。

さらに、トイレットペーパーを補充し忘れた状態で使い切ってしまい、在庫がトイレの棚の上にある最悪な状況だが、悪態をつく事もなく
「あわてんぼうさんですねぇ」
と、立ち上がれるほど"心"まで丸くなっている。
だが3日目からは、
さすがに『これはヤバい!』と思い、
外の公園へと足を運び、
走ったり、鉄棒にぶら下がったり、腕立て伏せをしてみたりしていたのだが…

驚くべきことに体重はしっかり3キロ増えてしまっている。
つまり、KONGは一日約1キロペースで着実に体重を増やしていたわけだ。
それなのに、なぜか不思議と体の重さを感じない。
「運動しているからか?」
と思ったりもしたが、実際には寝転がっている時間の方が圧倒的に多い。
体の重さを感じないのは、単純に重力に逆らう時間が少なかったからだろう。
もしかしたら、心の重さすら感じていないのかもしれない。
たまに口が寂しくなると、"むにゃむにゃ"と何かをつぶやきながら、お菓子を口に運んでしまう。
お察しの通り、その"むにゃむにゃ"の消費カロリーはゼロ。
むしろ手が勝手に口に食べ物を運ぶ"自動運転モード"が搭載されている為、カロリーはプラスになる…。
『こんなに食べて、動かずにいたらどうなるんだろう?』
と不安もよぎるが、心のどこかで
『まぁ、いっか』と思ってしまう自分がいる。
KONGは、4日間を楽しみながら、ついに自分が丸くなる原因が、リラックスしすぎたことだということをゆるく理解したのだ。
そして迎えた今年最初のゴミ捨ての日。
静かに、しかし確実に戦いの幕開けを告げていた。
ゴミ捨て場に近づいた瞬間、KONGは気配を察知する。
いる。
間違いない。
「待ってました!」
そんな無言の歓声が聞こえてきそうなほど、カラスたちは整列し、誇らしげにこちらを見下ろしていた。
まるで彼らにも年末に"2026カレンダー(カラス用)"が配布されていたかのようだ。
【本日:ゴミ捨て初日】と赤丸がついているに違いない。
だが、
正月を越え、心が丸くなったKONGは慈愛に満ちた目線をカラスたちへ送る。
『今年はお互い丸く生きような』
そんな気持ちだった。
――その時だ。
ピチョン。
軽やかで、しかし確実な音。
それは運命の水滴だった。

つま先に、被弾。
あと一歩…踏み出していたら……。
想像するのもおぞましい惨劇が確実に起きていた。
そう考えると、これはセーフか?
いや、正月判定であっても限りなく"セーフ寄りのアウト"である。
ここでKONGは冷静に分析する。
(年末年始で、体重は3キロ増。
つまり…地上におけるKONGの"占有面積"は拡大している…
すなわち、マトが大きくなっている…)
これは、増量していなければ当たらなかった距離。
これは、去年のKONGなら回避できた未来。
そう、すべては増量の代償。
『なんてこった…。』
ナメック星のベジータ様のようにワナワナし始めている。
さっきまで丸かった心はどこへ行ったのか。
怒りに燃えたKONGは、首がもげそうなほどの勢いで頭上を睨みつける。
だが、カラスはもういない。
完全なる敗北。
こうして。
ようやく正月ボケから解放され、
KONGの心は元に戻るが、
体重はすぐには戻らない事を知ったKONGの一年が幕を開けのであった。

今年もよろしくお願いします。
それでは!!
また!
