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GET WILD〜シティーボーイ〜


GWがやってきた。

大型連休に普段は行かない所に遊びに行く方々。


連休こそはと働く方々。


どちらも大切だ。


本日は東京に上京して迎えたGWの話。


さてさて。


緑豊かな山口県から東京という都会に移住したKONGは、このGWで"都会で初めて髪を切る"つまり『散髪』をすると決めていた。



田舎の床屋で育ったKONGが都会の美容室で髪をカットする。


その髪型で地元に帰ったもんなら

『おぉ!なんかカッコえぇな!』

『雰囲気かわっとるじゃん!』


等と言われるに違いない。


ちなみに、当時のKONGは携帯でホームページや店舗の情報を得る事が苦手だった為、
お店の情報を得るには店の前を歩いてチラ見して"雰囲気と値段"で決めるという原始的な方法しかなかったが、

KONGの住んでいた街には美容室や理容室が数多くあった為、数時間後にはシティーボーイに変身している姿を想像すれば街を練り歩くのもさほど苦ではなく、

むしろ、初デートに行くかのようにスキップも交えながらウキウキで髪をカットするお店探しを開始するのであった。

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散策を始めて数十分が経過。


看板の値段を見ては、チラリと店内を覗く。

入り口のガラスに書かれている値段を見ては、チラリと店内を覗く。

まるで大衆居酒屋を覗く殿方のように。


この行動を数店舗繰り返していると

ついに

『ここだ!!』



と、思えるお店を発見。


一息ついて、
健康診断で身長計に立つ学生のように背筋を伸ばして、ドアノブに手をかける。


が、


KONGには"雰囲気と値段"以外にも気にする実に面倒なポイントがあった事を思い出す。


それは…


髪をカットする方が『男』である事。


人一倍緊張しやすいKONGは、過去に女性にカットしてもらった時に緊張のあまり大量の汗をかき、


店「え?!暑いですか?」


K「はい。」


からの、


店「汗、すごい…。」


K「すみません。」


店「チョット……冷めるまで、待ちますね。」



と、放置をされるものの、店内も慌ただしくなりKONGの汗が引くのを待つ状況。



そんな店内で貴重な椅子を占領するのが申し訳なくなり、そのまま流してもらい退店した事があるのだ。



それからと言うもの髪を切る場所はかなり制限されていた。


せっかく見つけて入ろうとした店内は見るからに女性が多く、男性に当たる可能性が極めて低そうで、臆病風に吹かれたKONGは確認する事もなくソッと引き返すのだった。




「どうしたもんか…。」




やりたい髪型も決まっている。




シティーボーイへの道のりは険しさを増した。




トボトボと肩を落としながら歩いていると、
丁度そこに、お兄さんがタオルを店の前でパタパタさせている"THE床屋さん"のような、理髪店が目に入り込む。





値段も許容内であり、運命を感じてしまったKONGは迷わず、そこに飛び込んだ。



(ギィ…。)




「お!いらっしゃい!」





店長さんだろうか。




初めての入店なのに、過去にも来た事があるかのような優しい声がけ。




服装もなかなかナウイ感じでイケオジのような理容師さんが




「どうぞ!」


と、椅子を"クルリ"と回してくれる。




まるでマタドールのように鮮やかに"クルリ"と回した椅子に闘牛のように吸い込まれて"サッ"と座るKONG。




「どんな感じにしましょう?」



(ゴクリ…。

 言うんだ…。

 俺は今日からシティーボーイになるんだ。)





温め続けた呪文を理容師さんに伝える。





「ベッカムヘアでお願いします。」




(言ってしまった。)


※説明しよう!
 ベッカムヘアとは!
 一時期流行した髪型なのだ!
 簡単にいうと『ソフトモヒカン』である!



その呪文を聞いた理容師さんは


「お!
 いいねぇ!!」


(パンパン!)


軽く手を叩き、伝説のゴールキーパーのような堂々とした姿でKONGの椅子を後ろに倒す。


『俺に任せろ!』


と言わんばかりの安心感。


映画のジャイアンのような頼もしさ。


スムーズにシャンプーを終え、鏡越しに軽く微笑む伝説の理容師さん。


まるでテーブルクロス引きをするかのように、スマートにヘアカットエプロンをKONGにつける。


武器とも言えるハサミを"サッ"と取り、迷いなくKONGの前髪を"チョキン"。



慣れた手つきでさらに"チョキチョキ"。




無駄な動きが一切無い。




蝶のように舞っている。




バリカンも"ヴィーン"とKONGの側頭部を走らせる。




数十分後。




KONGの両肩を"ポン"と叩き、鏡越しにニヤリと微笑む。




KONGは鏡に映った自分を見つめる。





「孫悟飯です!

大きくなったら学者さんになりたいです!」



オカッパ頭の出来上がり。


(ドロップ持ったらせつ子じゃねぇか。)




途中から気になっていたんだ。





いつベッカム要素が加わるのか。




これには流石のKONGも伝える。




「ベッカムヘアってあのぉソフトモヒカンと言うか…」




すると理容師さんは




「あ!そっちの?!」

(もう一人のベッカム教えんかい!!)


こうして。




理容師さんは再びハサミを取り、失敗作の"宮城リョータ"もしくは"かいわれ大根"のような髪型に落ち着いたKONG。


『もう…これでいいや…』


と、ベッカムヘアの代わりに謎の"ワイルド"さをGETし、その理容室には8年間通う事になるのでした。


その後……
再度ベッカムヘアにチャレンジしたのだが……
顔面が終わっており……
ニ度とすることは無かったとさ。




めでたしめでたい。


それでは!



また!

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