コングのグルメ〜第12話〜
KONGのスマホが震えた。
(ピッ)
『明日の夜から朝にかけて最低気温10°ぐらいらしいです。
パーカーとか上着があった方がいいかもしれません。』
「ほう。」
そのメッセージを読み、すかさず返信をする。
(ピッ)
『ありがとう。
炬燵も準備しときます。』
速攻既読が付き"スタンプ"と呼ばれている機能で『また明日。』と送られ、KONGはスマホを置き台所に向かう。
「さてさて。」
早朝に市場で仕入れた【豚の塊】。
コレを【赤身】と【コリコリした部分】に包丁と食用バサミで切り分ける。
切り落とした"コリコリ"した部分は、袋に入れて【みりん】【酒】【ニンニク】【焼肉のタレ】につけて揉みほぐす。
「ふう。」
仕込みも終わり、一緒に暮らしいる亀(材木座)に一言。
「俺、明日キャンプに行くんだ。」
翌朝、
仲間の車が到着し、機材を積み込みキャンプ場へ向かう。
ノリノリな音楽で進む車内で相棒が口を開く、
「あ。残念なお知らせがあります。」
むむ。
このタイミングでの"残念なお知らせ"は『財布を忘れた』や『この先渋滞している』等に決まっている。
さぁ来い。
どんなお知らせも笑顔で受け止めてやる。
「今回のキャンプ場は、シャワールームがないんす。」
ほう。
そうきたか。
むしろそれはキャンプって感じで良いじゃないか。
KONGは
「そこまで残念じゃないんやけど…
俺は野生の姿で冬眠をすればいいんだな?」
と、返答すると
「それは最も避けたいので、、
車で10分走ったら銭湯があるので、テントの設営が終わったら一旦移動しましょう。」
THE.全く問題無thing。
むしろ、キャンプに来てシャワーではなく銭湯に入れるなんて、贅沢なキャンププランとしか思わなかったので、
「全く問題無いじゃないか。」
と、えなりかずき混じりに返答した。
すると相棒が
今までのキャンプの話をする。
車でガチガチに固まった体を自然の中で伸ばし、暑い日差しの下でテントとタープを張っる。
ひんやりしたタープの日陰で椅子に座り、"キンキン"に冷えたsomethingを"プシュッ"としたくなると力強く唱える。
確かに…。
あのタイミングでの"プシュッ"は、
『砂漠で飲む"アクエリアス"』
『辛口カレーを食べた後のコップ一杯の水』
『RPGのボス戦後のセーブポイント』
なんだか、たまら無く残念な気がして来た。
「確かに…それは残念だ…」
まだまだキャンプでは知らない事がある。
KONGはキャンプ場に着いていないのに『キャンプレベル』が3ぐらい上がった気がしたのであった。
キャンプ場に付き、キャンプスペースに車を乗り入れ、KONGが背伸びをしている間に、相棒は太陽と地面と睨めっこ。
まるでゴルフでも始めるかのようだ。
あほズラでKONGは、
「木が生い茂った場所の方がプライベート感があって良いじゃん?」
と、伝えるが、
「今の時間で太陽があの位置なので、おそらく朝方はここまでしか太陽が入らないんです。」
ふむ。
相棒は効率よく快適に過ごす方法を手取り足取り教えてくれる。
どうやら、
朝方は夜露でテントがビチャビチャになるので、タオルで水分を拭き取ってから出発までに乾かせる位置を考えているらしい。
さらに、
テントの下にグランドシート、
テント内の床にも厚手のシートを引くらしいので、
多少の凸凹は気にならないぐらいにはなるが、傾斜はどうしようも無く、少しの傾斜でも朝起きたらずり落ちてしまっている事があるらしいのだ。
(なるほど。)
KONGは朝起きた時、重力に逆らえなかったオッサン二人がテントの端っこに"ピタッ"と寝ていた状態を想像する……。
……。
非常にキツイ。
濡れたタイトジーンズを履くぐらいキツイ。
(履いたことないけど)
自然で寝るキャンプ奥が深い。
関心しながらKONGが蝶々を追い回している間に、設営位置が決まりKONGの出番が到来。
今回は『タープ』ではなく『シェルター』と言う基地と、寝床の『テント』を作るらしい。
言われるがままに手を動かし、あれよあれよと、シェルターが完成。

デカい。
これがテントでもいいんじゃないか?
と思うぐらいデカい。
程よく汗もかき、椅子を置きそのままの流れで寝床のテントも完成させる。

良い汗をかいた。
そして、椅子に腰を掛ける…。

「本来はここで、もう"プシュッ"としてますね。」
おいおい。
相棒。
それは言いっこ無しだぜ。
相棒はクーラーボックスから、ノンアルコールビールを出して渡してくる。
「気分だけでも。」
なんて準備が良いヤツなんだ。
一息ついて、夕飯の機材を準備をした後、

KONG達は銭湯でひと暴れをしてくるのだった。
いい感じに日が沈んだ頃にKONG達は再び基地に到着し、さっそく前日市場で調達して来た食材を焼き始める。
冷凍のまま持って来た【マグロのかま】


数分後には完全に日も落ち、
じっくり焼き上げた【カマ】を口に運ぶ。
(パクリ)
「美味い。」
かなり焦げて見えるがが、表面が受け皿のようになっており、しっかり内側まで火が通っている。
炭火。
恐るべし。
そこにアルコールを流し込む。
(グビグビ)
「ウッッッホ…」
自然と出てしまった"ウッホ"は、自然に包まれて反射的に出てしまったものなのか、自分がKONG故なのかは誰にもわからない。
ただ、身体中の細胞がそうさせたのは間違いない。
コレぞキャンプ。
そして昨日切り分けた【豚肉のハラミ】

コレは口の中の油分をアルコールで流さないといけなくなるほど酒がグイグイ進む。
危険だ。
続いて【蛤】

コレは…。
うん。
フライパンでやればよかった。
それも経験だ。
最後に昨日から味付けをして来た【オリジナルのコリコリ】

アルミに包んだ【コリコリ】をチビチビ食べながら座ってゆっくり食べながら話をする。
相棒が秋に行ったキャンプでは
『朝方4時から鳥と虫の大合唱にうなされ目が覚めたが、今になってはもう一度アレを体験したい。』
と、まるで何処ぞのラーメンのような禁断症状が出ている事を語っている。

キャンプって素晴らしい。
しかし、KONGには何かが足りなかった。
そうだ。

【蒲焼きさん太郎】
コイツが無いと終われない。
こうして…。
夜も更けていき、
大自然の中で眠ったKONGは、
目が覚めると30センチ程ずり落ちた位置から発見されるのでした。

ありがとう大自然。
それでは!
また!
