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秋とKONGとロボ姉さん

どうも。



KONGです。



ようやく秋らしい日が顔を出し、
朝と夜の気温が過ごしやすくなってきたこの頃。



そんな時期に行われる恒例行事。



『衣替え』




長袖を出さずに多少の寒さを耐え忍ぶか…。
Tシャツを封印して暑さを耐え忍ぶか…。


KONGからすれば『衣替え』も一つのイベントになってしまうのであった。



(ガッ…ガ、ガッ……)


ドコかが歪んでいるのか、思い通りに動いてくれないタンスの引き出しを引っ張り、
"長袖のシャツ""パーカー""トレーナー"を床に広げる。



『いらっしゃいませぇ。』



と、言いたくなるフリーマーケットのような広げ方だ。



『こんなの着てたなぁ。』

『コレ、結局去年一回も着てないやん…。』

『お前は!もうずっと着ているから今年は負担を減らしてやんねぇと!!』



服を見ながら独り言が増える。



今まで何度も『衣替え』をやってきたが、なかなか気が進まないのは、愛着があるが残念なくらいボロボロになっている服を"捨てる 捨てない"の天秤にかけ、悩んでしまう事にカロリーを消費して疲れてしまうからなのだろうか。



案の定KONGは手に取った服を


『もうコレ着ないんじゃないか…?』

『これ以上服が増えたらどうしよう…』


と、今年も買うかもしれない服の予想を立てながら、限られた収納スペースに服を納める作業を進めていくのであった。



ふと、



昔の思い出が蘇る。


それは寮生活を送っていた時。



古着を袋いっぱいに買ったウキウキ気分での帰り道で、偶然、寮長とすれ違い


「オメー服ばっかり買ってなにすんだ?!

バカなのか?

服なんて、去年着なかったヤツは今年も着る事ねぇんだから、結局は3枚あればいいだろ!」

と、

ただ道端で挨拶をしてすれ違うだけのシチュエーションで、いきなり"ハートにドロップキック"を喰らった事を思い出す。



(ふぅ…。)


寮長は年中『山下清』のような白いランニングで外を出歩き、冬場にはDUNLOPのトレーナーの上に腹巻きとマフラーで徘徊。

確かに年中通して3パターンぐらいで過ごしていた。



実に潔くカッコいい姿ではあるが、まだその境地に達するには少し早い気がするので、来年のKONGに期待することにした。



数十分後。


厳正な審査の末、
今年のKONGと行動を共にする"秋"と"冬"の服をタンスに納めたKONG。



(終わった…。)


疲労感はあるが、これからの生活を左右する作業だったと思うと、疲労感よりも高揚感に包まれている。



『これからのシーズンが楽しみだ!』



と、鏡に写った自分に拳を合わせたくなるが、
鏡に写った自分は『キングダム』の"函谷関の戦い"で、武器を持たされ3日間眠れなかった"蕞(さい)"の民ぐらい疲弊しており、突き出した拳は静かにおろされた。



そしてKONGは思い立ったかのように立ち上がり、窓から顔を出して外の気温を確認する。



「ふむふむ。」


数日前の暑さを忘れてしまう程に過ごしやすい気温。


「今ならいける。」


今夜。

KONGは"長袖シャツ"いや"ロンティー"と呼ばせていただこうか。

コイツに袖を通し、『何故去年着なかったのか』を確かめる冒険に出る。



「よし。」


ササッと服に腕を通して玄関を飛び出す。


(てくてく)


(てくてく)


不思議なもんだ。


普段着ない服に変えただけで、何故こんなにも心が躍るのだろうか。



『俺、実は滅多に着ない服を着て歩いてるんだぜ?

しかも、長袖だぜ?』



誰もいない夜道でドヤ顔のKONGがコンビニまで散歩する。



フレッシュな気持ちが自然と背筋も"ピン"と伸びて気持ちが良い方向に進んでいく気がしている。



ビバ衣替え。



こうして10分程歩きコンビニに到着したKONG。


店内に入ると少し汗ばんで来ているのが自分でもわかる。


無識に、袖に手を当て…腕を捲ろうとすると…


(おや?)



袖口が細い上に、伸縮性が全然無い事に気付く。


(あわわわわわわ!!)


店内に入って歩調も減り、心地よい風も当たらなくなってしまった体内は溜め込んだ熱を汗で調整しようとしている。


思い出した。


『この服は…腕捲りが出来なかった故に一回しか着なかったんだ…』



KONGにとって腕捲りとは、体温調節をする為の大切な行動。


それが出来ないとなると、常夏のシベリアンハスキー状態。


外は涼しい過ごしやすい気候なのに、
店内には1人だけ大量に汗をかいているゴリラが一頭。


ここに来て唯一の遭遇者(レジの店員さん)と目が合ってしまったが…
KONGは既に、水に濡れたアンパンマンのようになっていた…。



遭遇者(店員さん)の脳内が手に取るように想像出来る。

【東京のコンビニでゴリラと遭遇】


遭遇者の証言。


『ヤツに長袖はまだ早い。』


……。

肩を落としながら、急いで会計をするKONGだが…。


そんなKONGに、優しい女性の声が耳に届く…。



……。


『クーポンガ、ハッコウサレマシタ🎵』



ありがとうロボ姉さん。



こうして…。


家に着き、無駄に洗濯物を増やしたKONGが


『羽織る長袖一枚ぐらい出して過ごせばいいじゃない?』


その事に気付くのは、衣替えを始めて2時間近くかかった後であったとさ。



それでは!



また! 

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