スティックを忘れたドラマーの長い一日
どうも。
本厄を迎えたKONGです。
自分で言うのも照れてしまうが、なかなかどうして、立派な"厄の申し子"である。
願ってもない
厄界のセンター。
先日開催された『SAKANA&JAPAN FESTIVAL 2026 in 代々木公園』。
海の香りと福島の愛。
そこに音楽が入り混じる会場から、事件は起きた。
いや、事件"たち"と言った方が正しい。
簡単に伝えるとスティックを忘れてしまったのだ。
気づいたのは、着替える前。
いつものように腕時計を外そうとした瞬間だった。

KONGは腕時計をスティックケースに引っかける習慣がある。
その腕時計に手を伸ばした、その時。
「……あれ?」
脳内のKONG会議が始まる。
KONG A「そーいえばスティックケース、下ろした?」
KONG B「いや、見てない。」
KONG C「30分後サウンドチェックだぞ?」
KONG D「詰んだな。」
KONG E 「確認しないと。」
KONG F 「誰が行くんだ?」
KONG G「俺、今半裸。」
KONG H「お前行けよ。」
KONG I 「ほな、ワシが行かんといけんかぁ」
次の瞬間、KONGは着替えが途中のままステージ袖へダッシュする。
しかし…ない。
見事に、ない。
ドラマーからスティックを取ったら何が残る?
ただ腕を振り回す元気な人。
その姿は何としても避けねばならない。
幸い会場で出店している飲食店は多い。
菜箸はある。
"毛利元就"方式の『三本の矢』のようにして、輪ゴムで止めれば戦えるのではないか?
いやいや、あちらはあちらで常に戦場だ。
「菜箸を6本くださぁーい。」
この一言で失うGET BILL MONKEYSへの社会的信用は大きい。
楽器屋も近くにない。
走りながら和田さんに連絡し合流する。
すると和田さんは一言。
「戻ってください!走って近くのスタジオで買ってきます!」
ヒーローは突然現れる。
マントは無いが、確実に飛んでいた。

こうして本番にはスティックが間に合い、ライブは無事終了。
ーーめでたし。
では終わらないのが、本厄の本気。
「……あれ?腕時計は?」
消えていた。
探しても、探しても、出てこない。
スティックに気を取られ、腕時計はどこかへフェードアウトしていた。
KONGは肩を落とす。
その帰り道。
ギターのカワコウとキーボードのノロナオキが「太鼓の達人」をやりたいと言い、KONGも本が欲しかったので、全員の目的が果たされる大型ショッピングモールへ。
到着後は別行動をし、
KONGは欲しかった漫画を購入した後にベンチへ腰を下ろす。
その時、なぜか猛烈にドラムが叩きたくなり、翌朝のスタジオ予約を電話で入れる。
財布から会員証を取り出し――
無意識に財布をベンチへ置く。
ここはショッピングモール。
人、人、人。
『ここで個人情報言うの、まずいか?』
KONGの理性が働き、おもむろに立ち上がり、

歩きながら予約完了。
「……ふぅ。」
財布に会員証を戻そうとして…
「……ない。」
第二回・本日2度目の頭真っ白タイム。
小走りでベンチへ戻る。
しかし、そこにある予定の財布は既に奉納されていた。
「終わった……。」
その時。
腰をおろしたベンチの前の食事処で並んでいた男性が駆け寄ってくる。
「これですよね!?あなたのですよね!?
そうだと思います!!」
まぶしい。
後光が差している。
BGMにG線上のアリアが流れている。
「ありがとうございます……」
KONGは、ほぼ涙目で精一杯の感謝を伝えた。
なんて素敵な人なんだ。
なんて優しい国なんだ。
本厄vs優しい国
→優しい国の圧勝。
一安心したKONGは、太鼓の達人チームと合流し、自宅と倉庫へ向かう。
ドアノブを捻って倉庫を覗く。
しかし倉庫は…空っぽ。
出発前は『空っぽだから忘れ物はない』と思い込んでいたが、
イレギュラーであるはずのスティックケースがない。
あれは幻だったのか。
いや、確実に存在していた。
だが今はいない。
どこかで、ぽつんと佇んでいるのだろうか。
「KONG…私をライブに連れてって……」と。
現在も行方不明。
もはや、肩を落としすぎてリュックがケツまでずり落ちたまま帰宅。
玄関で靴を脱ぎ、暗示をかける。
「気持ちの切り替えだ。
風呂上がりに漫画読もう。」
……。
漫画。
車の中。
忘れた。
本日ラストのフィニッシュブロー。
こうしてKONGの一日は終わった。
スティックを忘れ、
腕時計を失い、
財布を一瞬手放し、
スティックケースを消失させ、
漫画を車に置き去りにした。
だが、財布は戻ってきた。
スティックも間に合った。
多くの優しさにも出会えた。
もしかすると本厄とは、
「お前、気をつけろよ?」
と、神様が軽く肩を叩いてくるイベントなのかもしれない。
………いや、たぶん違う。
ただの自己管理不足だ。
しかし。
何かのせいにすると、少しだけコメディになる。
小さい人間、KONG。
さぁ、本厄。
盛り上がってまいりました。
次は何を無くすのか。
方向感覚か?
理性か?
でもね?
何かを無くす度に、
KONGのnoteが物語として息を吹き込まれていくのです。
それでは!!
また!
