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妖怪、オオムカデ現る?!

どうも。


KONGです。

これは、小学1〜2年生の、まだ"魔法"みたいな何かが世界中にあると信じていた頃の、少し不思議な思い出話。

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KONGには、おばあちゃんがいた。


そのおばあちゃんの家は、どこか特別だった。


やること自体は大したことじゃない。


虫を捕まえて、動物の気配を探して、追いかけて、日が暮れたら夕飯の買い出しについていく。


ただそれだけのことが、なぜか全部"イベント"になる場所だった。


何より、おばあちゃん自身が"特別"だった。


おばけや妖怪の話にやけに詳しくて、さらには動物や虫と会話ができる。


今思えば、偶然や勘で説明できることばかりかもしれない。



でも当時のKONG少年には、それを疑う余地なんてなかった。


むしろ、どっぷり信じていた。

(当時は筋斗雲にも乗れていただろう。)

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ある日のこと。

KONGは近くの広場で捕まえたトンボを、誇らしげにカゴに入れて持ち帰った。


「こげな狭いところに入れて、可哀想じゃろ?」


おばあちゃんはそう言っていたが


「明日逃がすけぇ!今日は連れて帰るんよ!」

と、KONGはヒーロー気取りで言い張った。


するとおばあちゃんは、

「夜になったら、オオムカデさんが怒って来るかもしれんで」


と、さらっと不穏なことを言う。


オオムカデが人型なのか、
ドアノブを礼儀正しく捻って入ってくるのか、
姿すら知らない妖怪に怯える事なく、その時のKONGにとっては、"トンボを持ち帰った自分"の方が重要で


「オオムカデ?そんなの捕まえてやる」


と、笑い飛ばしていた。

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その夜。


大人たちは食卓で楽しそうにお酒を飲んでいる。


今みたいにYouTubeやタブレットもなく、食事を終えた子どもにとっては、かなりの"暇タイム"だった。


あるのは"時間"と"床"。


ゴロゴロするのにも飽きて、ふと思い出す。


「あ!トンボ!!」


KONGは玄関に置いたカゴを見に行く。


だが。。


静かだった。


さっきまでバタバタ、バチバチ、していたはずなのに、音が一切しない。


嫌な予感がする。


暗い玄関の電気を、恐る恐るつける。


(カチッ。)


そして見えたのは


ほんの少し開いたフタ。


そして、空っぽのカゴ。


「逃げたぁ!!!」


KONGは急いで食卓へダッシュし、家族に報告する。


が、

おばあちゃんは沢庵をポリポリかじりながら、
低い声でこう言った。


「ほらみぃ……オオムカデさんが来るで…」


姿も知らないオオムカデにも恐怖を覚えたが、


家の中で自由に飛び回るトンボも、なかなか怖い。


KONGは、

「今から逃がすけぇ!一緒に探して!」


と半泣きで頼むと、

おばあちゃんは相変わらず沢庵をコリコリしながら、


「2階に行ってみぃ。トンボさん、そこにおるって言いよったわ」


『言いよったわ』って誰が。


後出しでそれ言うなら、言われた瞬間に教えてほしい。


ツッコミどころは満載だったが、当時のKONGにそんな余裕はない。



階段を駆け上がり、部屋を見回す。


(ッッッ!!)


いた。


カーテンにピタリと張り付いているトンボ。


「ホンマや……」


当たりすぎて、ちょっと引いた。


KONGは忍び足で近づき、そっと窓を開ける。


夜の風が一気に流れ込み、
巨大な掃除機で吸われたかのように、
カーテンがふわっと外へ膨らむ。


次の瞬間
トンボは、まるで見えない何かに吸い込まれたように、ふっと消えた。


一件落着。


……のはずだった。

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翌朝。


台所から聞こえる生活音で目が覚める。



カチャカチャという音が、妙に安心感をくれる。


ぼんやりしながら台所へ向かうと、


おばあちゃんがコンロに向かって話しかけていた。


「そんな所におったら、じいさんにやられるで」


『誰と喋っとるんじゃろう…』


近づいて覗き込んだら、


見つけた。


ムカデ。


しかも、なかなかのサイズ感。


図鑑でしか見ないような、立派なムカデ。


THE   MUKADE!!!


「やばい。」



昨晩の"オオムカデさん"が頭をよぎる。


やはり怒ってたのか。



仲間が来たのか。



ばあちゃん、刺されるんじゃないか。


するとおばあちゃんは、KONGをちらりと見て言った。


「オオムカデさんの子供が、家を見に来とるで」


昨日で終わっていなかった。


そして、おばあちゃんはムカデに向かって、まるで道案内でもするように言う。


「廊下を真っ直ぐ行きんさい。右に小さい穴があるで」


すると。


ムカデは、魔法にかかったかのように、その通りに動いた。


迷いもせず、スルスルとコンロの壁を蔦って、スーッと廊下へ進み、言われた方向へ消えていった。



KONG、完全に固まる。


おばあちゃんは、何事もなかったかのように一言。


「オオムカデさんはもう来んやろ。命は大切にせな」


その背中は、妙に頼もしく見えた。


そしてKONG少年は思った。


この人、ほんとに話せる。


少なくとも、ムカデとトンボとは…。

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こうして、
大人になったKONGも、妖怪や幽霊の話が好きになったのでした。


それでは!



また!

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