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命の尊さ

    小学4年生。

    いつも隣に並ぶ男の子がいた。
    おとなしくて、とても優しい。
    はにかむ笑顔。

    小柄な彼は、背の順が一番前。
    私も同じ。
    先頭だから、何でも一番目に行う。
    やり方がわからない時は、彼と相談しながら。

    彼は、いつも隣にいてくれた。


    予期せぬ事が起きる。
    遠足が近づいたある日、彼が 交通事故 。

    翌日、彼は学校を休む。

    次の日も、休む。

    そして、遠足の日がきた。
    出発前 皆は楽しみで、うかれていた。

    担任だけが知っていた。
    彼は危篤。

    遠足から帰ると、担任と学級委員が神妙な顔で話をしている。

    もしかして、、、

    運動場の片隅に私のクラスだけ、集められた。
    担任が話し始める、、、

    〇〇君は、亡くなりました。

    楽しかった遠足が、突如、悲しみに。


    翌日、葬儀へ参列する為
    集会所まで、二列に並んで歩いて行った。
    隣に、彼はいない。 とても怖かった。


    会場に着くと、学級委員の女の子が、参列者の前でお別れの言葉を話していた。
    〇〇君から命の尊さを学びました、今まで有難うございました。

    すすり泣く声、、、恐る 恐る 彼を見た。 
    とても穏やかで、笑っていた。


    学校への帰り道、みんな頭を下げて歩いた。
    誰も、何も話さなかった。

    教室に入った瞬間、クラスのみんなが
    一斉に 泣き崩れた。


    しばらくして 先生が、授業を始めようとした。
    その瞬間、いつも元気な男の子が、小さな声でぽつりと言った。

    「先生、ごめん。
     おれ、今 勉強する気になれん!」

    皆んなの気持ちを、 言葉にしてくれた。


    あれから40年。

    今も、時折思い出す。

    皆に合わせて、とても優しかった彼。

    彼の夢って なんだったんだろう?

    もっといろんな話をしたかったなぁ。


    事故の後、現場に横断歩道が設置された。
    その場所を通るたびに、思い出す。
    隣りにいてくれたのは、当たり前じゃなかった。


    彼が教えてくれたこと
    命の尊さ
    今、この瞬間を大切に生きて

                                                伊賀みゆき



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    書き手、氷河期世代。子どもの頃の家庭環境や生きづらさ、いくつもの別れを経て気づいた「人は何歳からでも変われる」という想いを胸に、noteで愛着・癒し・家族・空手・50代の生き方を綴っています。作家として本を出版する夢に向かって、今日も一文字ずつ書いています。

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