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『かたどに䜏む 小さな犏の神 ふくたる』👹🍙

    えみたん䜜

    むかしから、その家には
    ひず぀の蚀い䌝えがありたした。

    「かたどには、鬌が䜏んでいる」

    だから子どもたちは、
    暗いかたどの䞭をのぞくのが
    ちょっぎり怖かったのです。

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    でも——

    本圓は、鬌ではありたせん。

    かたどの奥に䜏んでいたのは、
    手のひらほどの小さな犏の神。

    名前は、

    ふくたる。

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    赀い顔。

    ちいさな角。

    がさがさの髪。

    どう芋おも鬌なのですが  

    「鬌じゃないぞ
    わしは、由緒正しき犏の神じゃ」

    本人はそう蚀い匵っおいたす。

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    でも、ふくたるは
    誰にでも芋えるわけではありたせん。

    その家で、

    誰かを心から倧切にしおいる人にだけ、
    ふくたるの姿が芋えるのです。

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    今、ふくたるを芋るこずができるのは、
    この家のおばあちゃんだけ。

    朝になるず、おばあちゃんは
    かたどに火を入れたす。

    パチパチ、パチパチ。

    するず——

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    「ばあちゃん
    今日の朝ごはんは䜕じゃ」

    かたどの奥から、
    小さな赀い顔が

    ひょこっ。

    「おはよう、ふくたる。
    今日も早いねぇ」

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    「腹が枛っお目が芚めた」

    「犏の神が食いしん坊でどうするの」

    おばあちゃんは笑いながら、
    炊きたおのご飯を握りたした。

    ふくたる専甚の
    小さなおにぎりです。

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    「ほら、ふくたる」

    「埅っずった」

    ぱくっ

    「うたヌヌヌヌい」

    「朝から声が倧きいねぇ」

    ふたりの䞀日は、
    い぀もこんなふうに始たりたした。

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    ある日、
    おばあちゃんの孫が遊びに来たした。

    おばあちゃんがい぀ものように、

    「ふくたる、今日は鮭だよ」

    ず蚀うず——

    「おばあちゃん。
    誰ず話しおるの」

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    「ふくたるだよ」

    「ふくたる」

    「かたどに䜏んでいる、
    小さな犏の神」

    孫は、おそるおそる
    かたどをのぞきたした。


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    「誰もいないよ」

    「ここじゃここ」

    孫の目の前で、
    ふくたるは飛んだり跳ねたり。

    「おヌい
    わしはここじゃぞヌ」

    でも、孫には芋えたせん。


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    ふくたるは、しょんがり。

    「なんで、わしが芋えんのじゃ  」

    おばあちゃんは笑いたした。

    「い぀か芋える日が
    来るかもしれないよ」

    「い぀じゃ」

    「さあねぇ」

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    そんなある日の倕方。

    おばあちゃんが瞁偎に座っお、
    がんやり空を芋おいたした。

    い぀もなら錻歌を歌っおいるのに、
    今日は静かです。

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    ふくたるは隣に座りたした。

    「ばあちゃん。どうした」

    「ちょっずね。

    もう䌚えない倧切な人のこずを
    思い出しおいたんだよ」

    おばあちゃんの目が、
    少しだけ寂しそうに芋えたした。

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    ふくたるは慌おたした。

    わしは犏の神じゃ

    ばあちゃんを
    笑わせなくおは

    「ばあちゃん
    よヌく芋おおれ」


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    頭にお怀をのせお螊りたした。

    お玉を持っお歌いたした。

    くるっず回っお——

    ドテッ

    灰の䞭ぞ、たっさかさた。

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    ふくたるの顔は
    すすだらけ。

    それでも、おばあちゃんは
    笑いたせん。

    「おかしいなぁ  」

    ふくたるは、ずうずう
    う぀むいおしたいたした。

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    「わしは犏の神なのに  

    ばあちゃんひずりも
    笑わせられん  」

    するず、おばあちゃんは
    ふくたるの頭を
    そっず撫でたした。

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    「ふくたる。

    悲しい日はね、
    無理に笑わなくおもいいんだよ」

    「え」

    「泣きたいずきは、
    泣いおいいんだよ」

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    「誰かがそばにいおくれるだけで、
    それで十分な日もあるんだよ」

    ふくたるは䜕も蚀わず、

    おばあちゃんの隣に
    ちょこんず座りたした。

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    ふたりは倕焌けを芋たした。

    䜕も話さず、

    ただ䞀緒に。

    しばらくするず——

    「  ばあちゃん」

    「なあに」

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    「腹枛った」

    「    」

    おばあちゃんは、

    「ふふっ」

    ず笑いたした。

    「笑った」

    「あなたが食いしん坊すぎるからだよ」

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    その倜。

    ふたりで食べた
    小さなおにぎりは、

    い぀もより少しだけ
    おいしく感じたした。

    そしお、かたどの火も——

    ぜっ。

    い぀もより優しく揺れおいたした。

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    それから、
    䜕幎もの月日が流れたした。

    おばあちゃんの髪は
    すっかり癜くなり、

    歩く速さも
    少しず぀ゆっくりになりたした。

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    ある日、ふくたるが聞きたした。

    「ばあちゃん」

    「なあに」

    「ばあちゃんがいなくなったら  

    誰がわしず
    話しおくれるんじゃ」

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    おばあちゃんは
    ふくたるを芋぀めお、

    優しく笑いたした。

    「倧䞈倫。

    い぀かきっず、
    あなたが芋える子が来るよ」

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    「本圓か」

    「本圓」

    「明日」

    「もっず先」

    「来週」

    「もっずもっず先」

    「そんなに埅おん」

    おばあちゃんは笑いたした。

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    「ふくたる。

    埅っおいる時間もね、
    人生の䞀郚なんだよ」

    そしお季節が巡りたした。

    春。

    倏。

    秋。

    冬。

    たた、春。

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    やがお——

    「おはよう、ふくたる」

    そう蚀っおくれる
    おばあちゃんの姿は、

    その家から
    なくなりたした。

    かたどの前は、
    静かになりたした。

    小さなおにぎりもありたせん。

    ふくたるは、
    ひずりで埅ちたした。

    「ばあちゃん  

    ほんずに誰か来るのか」

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    かたどの前は、
    静かになりたした。

    小さなおにぎりもありたせん。

    ふくたるは、
    ひずりで埅ちたした。

    「ばあちゃん  

    ほんずに誰か来るのか」


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    それでも、ふくたるは埅ちたした。

    そしお、ある春の日。

    長い間静かだった家に、

    ガラガラガラ——。

    玄関の開く音ず、
    楜しそうな声が響きたした。

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    おばあちゃんの孫の家族が、
    この家で暮らすこずになったのです。

    その䞭に、
    小さな女の子がいたした。

    女の子は家の䞭を探怜しお——

    叀いかたどを芋぀けたした。

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    「ここ、なあに」

    「ひいおばあちゃんがね、
    ここでご飯を炊いおいたのよ」

    女の子は、

    「ぞぇ〜」

    ず蚀いながら、
    そっずかたどをのぞき蟌みたした。

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    暗いかたどの奥。

    そこには——

    小さな赀い鬌が
    ぜ぀んず座っおいたした。

    女の子は銖をかしげお、

    「こんにちは。

    あなた、だあれ」

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    ふくたるは動けたせんでした。

    「  わしが、芋えるのか」

    「うん」

    「ほんずうに」

    「うん」

    ふくたるの目から、
    倧きな涙がぜろり。

    そしお笑いたした。

    「  埅っずったぞ」

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    その日から、
    かたどのある家には
    たた笑い声が戻りたした。

    「ふくたるヌ
    おにぎりだよヌ」

    「埅っずったぞヌ」

    誰かを倧切にした気持ちは、
    目には芋えなくおも、
    次の誰かぞ受け継がれおいく。

    今日も叀いかたどの奥では、

    小さな犏が、

    ぜっ、ぜっ、ぜっ。

    家いっぱいに
    灯っおいたす。

    🌌 おしたい 🌌

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    🌌あずがき🌌
    今回は片桐みかんさんのお題から
    お話を䜜らせお頂きたした。

    可愛いお話が出来たした。
    ありがずうございたす。

    こんな赀鬌さんがいたら
    嬉しいなぁっお思いながら
    曞きたした。

    わくわく笑顔で
    happyを匕き寄せよう💕

    最埌たで読んでくださり
    ありがずうございたした😊

    絵本䜜りず日々の蚘録も
    ぀ぶやいおいこうかなず思いたす。

    看護ず絵本。

    圢は違っおも
    『誰かの心を枩めたい』
    ずいう想いは䞀぀です。

    あなたの応揎が、
    新しい物語の皮になりたす。
    コメント、奜き❀励みになりたす。



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