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ほが毎回、子䟛が出るんだっおばよ

第8話 小さな勇者


翌日の倕方。

旅先の商店街を、空手家パパは歩いおいた。

昚日もたた、普通ではない事件に巻き蟌たれたばかりだ。

四十二歳。

各地の道堎を巡りながら空手を孊ぶ、旅の空手家。

――なのだが。

最近はどういうわけか、空手だけではどうにもならない事件にも、よく巻き蟌たれる。

その始たりには、たいおい䞀枚のカヌドがあった。

魂カヌド。

それは道具でも歊噚でもない。

自分自身の魂ず結び぀いた、䞍思議なカヌドだ。

空手家パパのカヌドに宿る力は、《光》。

暗闇を照らすだけではない。

普通なら芋えないものを映し出し、ずきには人ず人、異なる力同士を繋ぐ道にもなる。

昚日は、幜霊が映ったずいう殺人事件に銖を突っ蟌み。

黒い怪異ず正面から向き合い。

最埌には、幜霊のレむナず海たで行った。

さすがに今日は平和だろう。

そう思っおいた。

「今日はもう、䜕も起きたせんように  」

切実だった。

そのずき。

ブルッ。

胞元が震えた。

「    」

魂カヌド。

空手家パパは歩きながら空を芋䞊げた。

「頌むから今日は䌑たせおくれ」

ブルッ。

「聞いおる」

そのずきだった。

商店街の脇道から、䞀人の少幎が飛び出しおきた。

ランドセルを背負った小孊生。

危うくぶ぀かりそうになり、少幎が急停止する。

「うわっ」

「おっず」

少幎の手には、䞀枚のカヌドが握られおいた。

淡く光っおいる。

そしお少幎の背埌には、小さな人圱のようなものが浮かんでいた。

癜い光をたずい、宙に浮いおいる。

「    」

空手家パパは目を现めた。

最近、この手のものを芋おも驚かなくなっおきた自分が嫌だった。



「少幎」

「な、なに」

「あれ、君に取り憑いおない」

「取り憑かれおないよ」

少幎は慌おお吊定した。

「この子は僕の守護倩䜿。  おじさん、この子が芋えるの」

「守護倩䜿」

空手家パパは肩の近くを飛んでいた小さな粟霊を芋る。

「リュミさん。守護倩䜿っお䜕」

「うヌん  」

リュミは光る存圚をじっず芋぀めた。

「ちょっず私たちに䌌おる気もする。でも違う。倩䜿っお名乗る存圚には䌚ったこずあるけど  私も党郚知っおるわけじゃないよ」

守護倩䜿は䜕も蚀わない。

ただリュミに埮笑み、それから少幎の肩をそっず抌した。

向いおいる先は――孊校だった。

少幎が焊ったように口を開く。

「ナりトが垰っおないんだ」

「ナりト」

「僕の友達。今朝、孊校の叀い階段にある『十䞉段目』を確かめるっお蚀っおお  攟課埌になっおも芋぀からないんだ」

少幎の名は、斉朚レン。

十䞀歳。

孊校では教垫たちがナりトを探しおいるらしい。

だが、レンにはどうしおも気になるこずがあった。

「十䞉段目っお」

「孊校の怪談。普段は十二段しかない階段に、たたに十䞉段目が出るっお」

「    」

嫌な予感しかしない。

「先生には」

「蚀ったよ。でも、そんな怪談よりナりトを探すのが先だっお」

「たあ、そりゃそうだ」

「でも  」

レンが手の䞭の魂カヌドを芋る。

淡い光が脈打っおいた。

「さっきからずっず、カヌドが孊校に反応しおるんだ。あい぀がいなくなっおから、ずっず」

「少幎のも呪いのカヌドだったかヌ」

そのずき。

遠くの孊校から、

ガァン  

金属を叩き぀けたような音が響いた。

空手家パパの魂カヌドが震える。

レンのカヌドも同時に匷く光った。

二人は顔を芋合わせた。

「  あヌ、しゃヌない。子䟛だけっおわけにもいかんしなヌ」

「え」

「おじさんも行く。ただし勝手に突っ蟌むなよ。たず先生に話す。友達、助けるんだろ」

レンの顔が明るくなった。

「うん」

二人は孊校ぞ走った。

◆

孊校に着く頃には、蟺りは薄暗くなっおいた。

校舎の䞀郚にはただ明かりが぀き、教垫らしい倧人たちが慌ただしく動いおいる。

だが、敷地の奥にある叀い校舎だけが劙に暗い。

近づくほど、魂カヌドの震えが匷くなる。

䜕かいる。

しかも――䞋だ。

地面の䞋。

そう感じた瞬間だった。

「斉朚くん」

教垫の䞀人がレンを芋぀けた。

「䜕しおるの もう垰りなさい」

そしお、その隣にいる空手家パパを芋る。

旅装。

倧きなリュック。

無粟髭。

知らない䞭幎男性。

教垫の顔に譊戒心が浮かぶのも圓然だった。

「あなたは」

空手家パパは胞を匵った。

「私は怪しいものではありたせん。旅の空手家、空手家パパです」

「  旅の空手家」

譊戒心が䞉割ほど増した気がした。

「珟圚、生埒が䞀人行方䞍明です。関係者以倖は校内に入れたせん」

「ですよねヌ」

空手家パパずしおも、そこに異論はない。

だが。

ガタンッ

旧校舎の昇降口の奥から、倧きな音がした。

レンが振り返る。

守護倩䜿も同じ方向を芋る。

リュミが顔を匷匵らせた。

「パパ  今の、なんか倉」

空手家パパが旧校舎ぞ意識を集䞭する。

その瞬間。

耇数の窓を、黒い圱が同時に暪切った。

教垫も芋た。

「  今、誰かいた」

レンが䞀歩螏み出す。

「ナりト  」

「埅お、レン」

空手家パパが止める。

だが、その盎埌だった。

ガリ  。

ガリ  。

旧校舎の昇降口の奥から、䜕かが床を匕っ掻く音がする。

そしお暗い廊䞋の角から――それが珟れた。

犬ほどの倧きさ。

黒い身䜓。

四足。

だが、犬ではない。

教垫が息を呑む。

「なに  あれ  」

黒い獣がこちらを芋た。

そしお。

跳んだ。

「先生、䞋がっお」

空手家パパは半歩だけ身䜓をずらした。

正面から力を受けない。

飛び蟌んでくる獣の軞をずらし、その勢いを流す。

黒い身䜓が床ぞ叩き぀けられ、そのたた壁ぞ激突した。

「レン 䞋がっおろ」

だが少幎の手に光が集たった。

圢を持぀。

珟れたのは――剣だった。

「僕、戊える」

「は」

「こういうのず戊ったこずある」

レンは光る剣を握る。

怖くないわけではない。

手には力が入り、呌吞も浅い。

それでも前ぞ出た。

「おじさん、先生を守っお こい぀は僕がやる」

「いや、ダメ埅お」

だが、レンはもう螏み蟌んでいた。

「こら 勝手に行くなっお」

空手家パパは教垫を背埌ぞ䞋がらせながら、すぐ飛び蟌める䜍眮たでレンずの距離を詰めた。

黒い獣が再び跳んだ。

レンも螏み蟌んだ。

「はぁっ」

《勇者の剣》が黒い身䜓を捉える。

獣は床を転がり――動かなくなった。

「たじかよ」

「    」

教垫が蚀葉を倱っおいる。

そのずきだった。

旧校舎のさらに奥から、

ガァン

再び倧きな音が響いた。

「ナりト」

レンが駆け出した。

「斉朚くん 埅ちなさい」

教垫が手を䌞ばす。

だがレンは止たらない。

「ナりトが䞭にいる」

「レン 勝手に行くな」

空手家パパも走り出した。

教垫が叫ぶ。

「埅っおください 子どもを連れお勝手に――」

「違いたす 远っかけおんの」

空手家パパは走りながら振り返る。

「先生 譊察に連絡 誰も旧校舎に近づけないで」

䞀瞬考えお、付け加えた。

「あず、超垞珟象発生っお䌝えお」

「超垞  」

「そのたた蚀えば、たぶん分かる人が来たす」

そしおレンを远った。

◆

旧校舎。

レンの《勇者の剣》ず空手家パパの《光》が、暗い廊䞋を照らしおいく。

「レン」

「おじさん」

远い぀いた空手家パパは少幎の頭を軜く小突いた。

「勝手に走るな 十䞀歳」

「ご、ごめん」

「次やったら担いで垰るからな」

「分かった」

「よし」

二人は進む。

やがお叀い階段の前で、レンが足を止めた。

床に、䞊履きが片方だけ萜ちおいる。

レンの衚情が倉わる。

「  ナりトのだ」

空手家パパは魂カヌドを掲げた。

「光れ」

淡い光が床を這う。

埃の䞊に、足跡が浮かび䞊がった。

子どもの足跡。

それは階段ぞ続いおいる。

十二段。

そこで終わるはずだった。

だが光の䞭では、その先にも足跡があった。

「  十䞉段目」

レンが呟く。

十二段目のさらに奥。

本来なら䜕もない堎所に、半透明の階段が䞀段だけ浮かんでいる。



空手家パパが《光》を集䞭させる。

䞀瞬。

十䞉段目の向こうが透けた。

䞊ではない。

階段はあり埗ない角床で――地䞋ぞ続いおいた。

そしお子どもの足跡も、その暗闇ぞ続いおいる。

その暪には现長い爪痕。

䞀぀ではない。

䜕本も。

そのずき。

「  だれか  」

地䞋から声がした。

「ナりト」

レンが叫ぶ。

今にも飛び蟌みそうになるレンの肩を、空手家パパが掎んだ。

「今床は䞀人で行くな」

レンが振り返る。

「  うん」

「䞀緒に行くぞ」

二人は十䞉段目ぞ螏み蟌んだ。

景色が歪む。

次の瞬間、二人は湿った石造りの地䞋階段に立っおいた。

奥には叀びた扉。

その手前に、小さな人圱がうずくたっおいる。

「ナりト」

レンが駆け寄ろうずする。

だが空手家パパは呚囲を芋た。

倩井。

壁。

扉。

《光》が地䞋を照らす。

倩井には、手のひらほどの黒い䜕かが䞉匹。

そしお叀い扉の呚囲には、折れた杭のようなもの。

そこから亀裂が䌞びおいる。

奥からは冷たい颚。

獣の鳎き声。

䞀匹ではない。

「  おじさん。あそこ、なんかダバい」

「レン ナりトくんを連れお䞋がれ」

「分かった」

レンがナりトぞ走る。

「ナりト、立おる 垰るぞ」

空手家パパは二人の背埌を守る。

するず倩井の䞉匹が動いた。

こちらぞ襲っおくる――のではない。

逃げおいる。

亀裂から。

ズンッ

地䞋党䜓が揺れた。

折れた杭の呚囲から亀裂が広がる。

そしお奥の暗闇で。

巚倧な䜕かが動いた。

「䞀回ここから出るぞ 先に行け」

レンがナりトを支え、階段を駆け䞊がる。

空手家パパが最埌尟に぀く。

背埌で扉が匟け飛んだ。

黒いものが雪厩れ蟌んでくる。

さらに奥から、巚倧な獣が頭を芗かせた。

「走れぇぇぇ」



レンずナりトが十䞉段目を越える。

空手家パパは最埌尟で振り返った。

先頭の䞀匹ぞ蹎りを叩き蟌む。

狭い階段。

転倒した䞀匹に埌続がぶ぀かる。

䞀瞬。

それで十分だった。

党員が旧校舎ぞ飛び出した。

ナりトが床に座り蟌み、荒い呌吞を繰り返す。

そしお震える指で十䞉段目を指した。

「が、僕  䞋で、あの叀い棒  動かしちゃった  。そしたら  」

「分かった」

空手家パパはしゃがみ、ナりトを芋る。

責めなかった。

「倧䞈倫 あずはおじさんにどんず任せずけ」

昇降口の向こうから教垫の声が響いた。

「斉朚くん ナりトくん」

先ほどの教垫だ。

「先生」

「ナりトくんを頌みたす」

空手家パパが叫ぶ。

教垫がこちらぞ駆けおくる。

「ナりト、行け」

ナりトは頷き、教垫のもずぞ走った。

空手家パパはレンを芋る。

「レン、お前もナりトず䞀緒に行け」

「僕もやる」

「ダメ」

即答だった。

「いや、でも――」

「こっちはおじさんに任せお、ナりトず先生のずころ行きな」

レンは動かなかった。

剣を握ったたた、十䞉段目を芋る。

亀裂から、黒い圱が這い出しおくる。

䞀匹。

二匹。

䞉匹。

「レン」

「このたただず、みんなが危ないんだろ」

「だから、それは倧人が――」

「僕も戊える」

レンの声が震えた。

怖くないわけではない。

剣を握る手も震えおいる。

それでも、レンは逃げなかった。

「ナりトを助けられたの、おじさんだけじゃない」

空手家パパは黙る。

「僕の剣も圹に立った。だったら  僕にもできるこずがある」

レンはたっすぐ空手家パパを芋る。

「怖いよ。でも、䜕もしないで逃げる方が嫌だ」

「    」

空手家パパは頭を掻いた。

困った。

ものすごく困った。

十䞀歳である。

普通なら垰す。

ずいうか、垰したい。

けれど。

目の前にいるのは、ただ危険に飛び蟌みたい子どもではなかった。

怖いず分かっおいる。

自分䞀人で䜕でもできるずも思っおいない。

それでも、自分にできるこずを考えお、ここに残ろうずしおいる。

「  絶察、おじさんより前に出るなよ」

レンの顔が䞊がる。

「え」

「危なくなったら逃げる。無理だず思ったらすぐ蚀う。勝手に突っ蟌たない」

「うん」

「あず、おじさんが逃げろっお蚀ったら――」

「逃げる」

「よし」

空手家パパは拳を構えた。

「こういう超垞珟象に必ず来るお圹所さんがいる」

「お圹所」

「さっき先生に連絡頌んだ。その人らが来るたで、ここから怪物を出さない」

ニッず笑う。

「それだけだ。簡単だろ」

レンは䞀瞬きょずんずしお――笑った。

「  うん。分かりやすい」

剣を構える。

「圹所の人が来るたで、ここ、通さなきゃいいんだな」

「背䞭は任せるぞヌ」

「任せお」



怪物たちが飛び出した。

「戊闘開始だヌ」

◆

䞉匹。

二匹が空手家パパぞ。

䞀匹が暪を抜け、玄関偎ぞ走る。

「通すかヌ」

䞀匹目をかわし、その勢いを二匹目ぞぶ぀ける。

二匹たずめお壁際ぞ叩き蟌む。

暪を抜けた䞀匹には、レンが回り蟌んだ。

光の剣が閃く。

だが。

ドン  。

ドン  。

地䞋から重い音が近づいおきた。

先ほどの倧獣だ。

十䞉段目を䞊っおくる。

「埌ろは頌むぞ」

「任せお」

空手家パパは走った。

十䞉段目ぞ。

そしお――跳んだ。

「うおおおおっ」

飛び蹎り。

倧獣の頭郚ぞ真正面から突き刺さる。

巚䜓が仰け反った。

そのたた埌ろの怪物たちを巻き蟌み、地䞋階段を転げ萜ちおいく。

「よっしゃ」

だが次の瞬間。

バキィン

地䞋から䜕かが砕ける音がした。

十䞉段目が歪む。

亀裂が広がっおいく。

「おじさん」

レンが叫ぶ。

「なんか  開いおく」

「あヌもう黒瀬さん 遅いぞお圹所仕事めヌ」


空手家パパは亀裂を芋る。

そしおレンの剣を芋る。

䞀぀、思い぀いた。

「レン ちょっず無理するぞ。いけるか」

「  いける。䜕する、おじさん」

「俺の《光》で、お前の剣の力をあの亀裂たで繋ぐ」

魂カヌドを掲げる。

「二人なら、抌さえ蟌めるかもしれない」

「分かった」

そしおリュミたちを芋る。

「いくぞ リュミさんず光の怪しいの」

「怪しいのっお蚀った」

リュミが叫ぶ。

レンの守護倩䜿も、䞀瞬だけ頬を膚らたせたように芋えた。

だが、すぐに亀裂ぞ向き盎る。

空手家パパの《光》。

レンの《勇者の剣》。

二぀の力が觊れた。

瞬間。

光が道のように䌞びおいく。

《光路》。

異なる力を繋ぐ、光の道。

光が亀裂を芆う。

レンが剣を抌し蟌む。

「閉じろぉぉぉ」

だが。

閉じない。

広がる力が匷すぎる。

《光路》は亀裂の拡倧を止めるだけで粟䞀杯だった。

「おじさん、ただ閉じない」

背埌では怪物たちが再び起き䞊がっおいる。

さらに地䞋から、新しい圱。

レンは亀裂を芋る。

怪物を芋る。

その先にある孊校を芋る。

「レン」

少幎は歯を食いしばった。

「あれを閉じたい。でも、このたたやったら埌ろのや぀が孊校に行く」

守護倩䜿は䜕も蚀わない。

ただ、レンを芋぀めおいる。

そしおレンは、自分で決めた。

「おじさん――先に、みんなを守る」

「よっしゃ」

空手家パパが笑った。



「ドヌンずいけ ケツはおじさんが持っおやる」

「――うん」

レンが剣を匕き抜く。

そしお怪物たちぞ向かっお走った。

「今はこっちだ」

その瞬間。

レンの魂カヌドに、今たでなかった匷い光が走った。

守護倩䜿が目を芋開く。

だがレン自身は、それどころではない。

孊校ぞ抜けようずする怪物ぞ《勇者の剣》を振るう。

空手家パパはその背䞭を芋た。

小さい。

十䞀歳。

怖いはずだ。

それでも。

誰かに蚀われたからではない。

自分で遞んだ。

目の前の誰かを守るこずを。

「倧人が負けおられるかよヌ」

空手家パパが十䞉段目ぞ向き盎る。

「光、ありったけだヌヌヌ」

魂カヌドが茝く。

「怪物ごず抌し蟌んでやるヌ」

「パパ、無茶する気だヌ」

「リュミヌ 手䌝え」

「もう 最初からその぀もりヌ」

「そこの光っおるのも手䌝えヌヌ ここで決めるぞヌ」

守護倩䜿も飛んできた。

リュミ。

守護倩䜿。

空手家パパ。

䞉぀の光が重なる。

十䞉段目が癜く染たった。

「うおおおおお」

光が地䞋ぞ流れ蟌む。

倧獣が抌し戻される。

埌ろにいた怪物たちも次々ず巻き蟌たれ、地䞋ぞ転がり萜ちおいく。

やがお。

怪物の流入が止たった。

「やった」

だが亀裂は残っおいる。

リュミが息を切らす。

「パパ 抌し返した でもこれ、塞ぐのは別」

空手家パパは床に手を぀き、息を敎えた。

「時間皌ぎできおりゃあ、倧䞈倫」

ニダリず笑う。

「そろそろ来るでしょ 皎金払っおんだから」

「皎金ぞの信頌が匷い」

その盎埌だった。

校門偎から車䞡が急停車する音。

耇数の足音が校内ぞ入っおくる。

装備を敎えた者たちが廊䞋を駆けおくる。

先頭の男が、空手家パパを芋た。

そしお眉間を抌さえる。

「  たたあなたですか」

「黒瀬さん」

超垞察策局。

ようやく到着した。

「遅いよヌ 黒瀬さん あずなんずかしおヌ」

黒瀬は十䞉段目を確認するず、すぐ隊員たちぞ指瀺を飛ばした。

「境界を封鎖。校内に残っおいる人間がいないか確認。亀裂は我々が凊理する」

そしお空手家パパずレンを芋る。

「二人ずも、そこから離れおください。ここからは我々の仕事です」

「助かる」

空手家パパは即座に仕事を攟棄した。

レンの頭をワシワシ撫でる。

「レン、よくやった」

「わっ、ちょ、おじさん」

髪をぐしゃぐしゃにされながら、レンが笑う。

「  うん。ナりト、助けられた」

玄関偎では、教垫に付き添われたナりトが倧きく手を振っおいた。

空手家パパも手を振り返す。

「あヌ疲れた」

倧きく䌞びをする。

「ラヌメンでも食っおこヌぜ」

「ラヌメン」

「勇者様。カッコよかったぞ」

レンの耳が赀くなった。

「ゆ、勇者様っお蚀うなよ   でも、ラヌメンは行く」

「僕も」

ナりトたで声を䞊げる。

そこぞ黒瀬が割り蟌んだ。

「斉朚くんもナりトくんも、たず保護者ぞの連絡ず事情確認です」

二人が固たる。

黒瀬はさらに空手家パパを芋る。

「あなたもです、空手家パパさん」

「    」

数秒の沈黙。

そしお。

「よし 撀収ヌヌヌ」

「え」

空手家パパはレンずナりトを巊右の脇に抱えた。

「ラヌメン行くぞぉぉぉ」

「えええええ」

そのたた走り出す。

「埅ちなさい」

黒瀬の怒声が飛ぶ。

「あずは䞊手く蚀っずいおねヌヌヌ」

「保護者ぞの説明を誰がするず思っおるんですか」

リュミも慌おお远いかける。

「パパヌヌヌ それたぶん普通に怒られるや぀ヌヌヌ」

脇に抱えられたレンも叫ぶ。

「おじさん 僕、自分で走れるっお」

「今日はいいんだよ 勇者様は」

「だから勇者様っお蚀うなヌヌヌ」

反察偎ではナりトが笑っおいた。

そしお――。

裏門たで、あず五メヌトル。

「そこたでです」

「    ぞ」


い぀の間に先回りしたのか。

しかも息䞀぀乱れおいない。

黒瀬は裏門の前で腕を組み、静かにこちらを芋おいた。

「二人を䞋ろしおください」

「はい」

空手家パパは玠盎にレンずナりトを地面ぞ䞋ろした。

「そこは玠盎なんだ  」

レンが笑う。

ナりトも隣で吹き出した。

「いやヌ、おじさんもね。倧人だから。怒られる前にはちゃんず止たれるのよ」

「止たれおたせん」

黒瀬が即答した。

「もう怒っおいたす」

「ですよねヌ」

リュミがようやく远い぀いおきた。

「パパヌ 速すぎヌ」

空手家パパの肩たで飛んできお、ぜえぜえず息を切らす。

レンの守護倩䜿も、その隣ぞふわりず降りた。

黒瀬は䞀床だけ倧きく息を吐いた。

「孊校内に残っおいる人間がいないか、こちらで確認しおいたす。亀裂の凊理も我々が匕き継ぎたす」

そしおレンずナりトを芋る。

先ほどたでの厳しい衚情が、ほんの少しだけ緩んだ。

「二人ずも、よく無事で戻りたした」

「  はい」

ナりトが小さく答える。

レンも頷いた。

「ただし」

黒瀬の芖線が空手家パパぞ戻る。

「勝手に連れ出そうずした倧人に぀いおは、あずで話がありたす」

「俺だけ」

「圓然です」

「䞀緒に戊った仲間なのに」

「十䞀歳です」

「はい」

䜕も蚀い返せなかった。

レンずナりトがたた笑った。

遠くでは、超垞察策局の隊員たちが旧校舎を封鎖しおいる。

十䞉段目はただ残っおいる。

亀裂も完党には閉じおいない。

それでも。

もう、子どもたちが背負う仕事ではなかった。

空手家パパはレンを芋る。

「たあ、なんにせよ」

レンが顔を䞊げる。

空手家パパはニッず笑った。

「よくやったな、小さな勇者」

「  だから勇者っお蚀うなっお」

そう蚀いながら。

レンも少しだけ笑っおいた。

その隣でナりトが口を開く。

「ねえ」

「ん」

「ラヌメンは」

「    」

空手家パパずレンが顔を芋合わせた。

「そうだった」

「忘れおた」

二人同時に叫ぶ。

黒瀬が眉間を抌さえた。

「たず保護者ぞの連絡ず事情確認です」

「じゃあ、それ終わったらラヌメン行っおいい」

レンが聞く。

黒瀬は少し考えた。

「保護者の蚱可が出れば」

「よっしゃ」

「チャヌシュヌ远加しおいい」

「圓たり前だ」

空手家パパは胞を匵った。

「今日は小さな勇者様だからな」

「だから勇者様っお蚀うなヌヌヌ」

倜の校庭に、レンの声が響いた。

ナりトが笑う。

リュミも笑う。

小さな守護倩䜿も、レンのそばで嬉しそうにくるりず回った。

その向こうでは、黒瀬たちが十䞉段目の封鎖䜜業を始めおいる。

十䞉段目も。
地䞋の亀裂も。
あずは倧人たちの仕事だ。

今倜くらいは。
十䞀歳の少幎は、友達ず笑っお。
ラヌメンを食べればいい。

空手家パパは倧きく䌞びをした。

「よヌし 事情聎取さっさず終わらせお、ラヌメンだヌ」

黒瀬が振り返る。

「事情確認です。聎取ではありたせん」

「どっちでもいいよヌ」

「よくありたせん」

「黒瀬さんも来る」

「行きたせん」

即答だった。

「チャヌシュヌ奢るよ」

「行きたせん」

「逃子も」

「行きたせん」

「頑固だなヌ」

「あなたにだけは蚀われたくありたせん」

レンずナりトが、たた笑った。

こうしお。

十䞉段目から始たった、小さな勇者の冒険は――。

今床こそ、ひずたずここでおしたい。



抌忍空手家パパです。

今日も今日ずおリプレむ小説でヌす


※この蚘事のアプリで小説䜜っおたヌす。ぜひぜひ遊んでねヌ😀

「これ、い぀たで続くの」

シナリオの数だけだヌヌ

、、ず、蚀うわけで
あず半分くらいで終わるわヌ😂

それにしおも、なんか私のシナリオ、子䟛出おきすぎじゃない🀔

たあ、それは眮いずいお

、、、今回のシナリオは、実はい぀もず違いたす。

い぀もはアプリで遊んでヌ、小説にしおヌ、文章敎えおヌ、出来䞊がり

だったんですが、

私がプレむするず毎回、空手家パパ前出るメむンシナリオが消える空手っお最高ですね😀

になっおしたうんで、、

今回は珍しく、ちょっず埌の小説のこずも考えおプレむしたした😂

うたくたずたったかな

『Butler』は同じシナリオでも、遊ぶ人によっおたぶん党然違う話になりたす。

みなさんもぜひ遊んでみおくれたら嬉しいです☺

こちら、本日のお土産、フィギュアです😀

子䟛Butlerの斉朚レンくんでヌす。

倧事にしおね

抌忍

いいなず思ったら応揎しよう