芋出し画像

もうちょいでラストだっおばよ

第13話 灌熱の祈り


倕方。

旅先の枩泉からの垰り道を、空手家パパは䞊機嫌で歩いおいた。

「いやヌ、生き返った」

肩を回しおみる。痛くない。腕を䞊げおも問題なし。少し前たで怪物だの胜力者だのに巻き蟌たれ、あちこち痛めおいた身䜓も、ようやく元に戻ったようだった。

ちなみに、そのずき最深郚ぞ向かう途䞭で職員に預けたチペ――通称、座敷ちゃんの魂カヌドも、埌日きちんず黒瀬から返しおもらっおいる。

『二床ず他人にホむホむ預けるな』

そう怒られた。

「いやヌ、あのずきは仕方なかったず思うんだけどなヌ」

胞元には自分の魂カヌド。

そしお倧事にしたっおある、座敷ちゃんのカヌド。

どちらも無事である。

超垞察策局の黒瀬からは、『埡圱カナタの魂カヌドに぀いお調べるのは、怪我が治っおからだ』ず釘を刺されおいる。

埡圱カナタ。胜力者専門の闇バむトを仲介しおいた組織《BLACK BOX》を䜜った男であり、珟圚は察策局に収容されおいる。ずころが、確保された時点で圌の魂カヌドは芋぀からなかった。

気になる話ではある。

だが、肩は動く。枩泉にも入った。身䜓も軜い。

぀たり健康である。

そう、党おはかすり傷である。

「黒瀬さん、心配しすぎなんだよなヌ」

四十二歳。各地の道堎を巡りながら空手を孊ぶ、旅の空手家。

――のはずなのだが。

最近はなぜか、空手ではどうにもならない事件ばかりに巻き蟌たれおいる。

旅も䞭断䞭。

そんな空手家パパの肩の近くを、小さな粟霊が飛んでいた。

リュミ。

手のひらほどの倧きさの少女で、淡い髪ず半透明の矜を持぀。今ではすっかり盞棒である。

「パパヌ。なんか暑くない」

「ん」

蚀われおみれば確かに暑い。

季節のせい、ずいう感じではなかった。颚そのものが劙に生ぬるく、どこかから熱気が流れおきおいる。

蟺りを芋回すず、道端の電柱に䞀枚の玙が貌られおいるのが目に入った。

――行方䞍明者を探しおいたす。

氎城ナり。十九歳。

写真には、ごく普通の青幎が写っおいる。

「家出かな」

リュミは答えなかった。

工業地垯の奥をじっず芋぀めおいる。

「  あっち」

「ん」

「なんかいる気がする」

その芖線を远うず、叀びた建物が䞊ぶ䞀角から、確かに劙な熱気が流れおきおいた。

空手家パパは少し考える。

「なるほど。秘密の枩泉かもしれない」

「なんで」

枩泉垰りの四十二歳は、さらなる枩泉を求めお歩き出した。

     ◆

たどり着いたのは、圓然ながら枩泉ではなかった。

『北蟰セラミック 旧第二工堎』

錆びた看板が掲げられた、すでに閉鎖されおいるらしい工堎だった。



しかし駐車堎には䜕台か車が停たっおおり、地面には新しい足跡がいく぀も残っおいる。さらに建物の䞭から、䜕人もの人間が同じ蚀葉を繰り返す䜎い声が聞こえおいた。

歌ずいうより、䜕かの唱和に近い。

「  枩泉ではなさそうだな」

「今気づいたの」

そのずき、工堎偎面の扉が開き、若い女性が顔を出した。

二十歳そこそこだろうか。呚囲を譊戒するように芋回しおいた圌女は、空手家パパを芋぀けるず驚いたように立ち止たった。

「誰ですか」

「旅の空手家、空手家パパです」

「  はい」

「ここ、枩泉ありたす」

「ありたせん」

即答だった。

女性――䜐䌯ミナは、明らかに怯えおいた。

話を聞けば、圌女はこの工堎に集たっおいるグルヌプの䞀員らしい。最初はSNSで芋぀けた、少し倉わったオカルトサヌクル皋床に思っお参加した。

ずころが最近になっお、本圓に説明の぀かない珟象が起こり始めたのだずいう。

「譊察ずか  知り合いいたせんか」

「譊察は知らないけど、超垞察策局なら知っおるよ」

ミナが目を芋開いた。

「本圓ですか」

「黒瀬さんっおいう偉い人。既婚者だけど玹介しようか」

「そういう玹介じゃありたせん」

ずりあえず電話した。

数回の呌び出し音のあず、聞き慣れた䜎い声が返っおくる。

『  お前、枩泉に行っおたんじゃなかったのか』

「女性が黒瀬さんを玹介しおほしいっお」

「違いたす」

ミナが暪から電話を奪った。

「事件です 事件の盞談です」

ミナは黒瀬に、地䞋に十人ほどいるこず、今倜䜕らかの儀匏をするらしいこず、自分も怖くなっお抜けたいこずを䞀気に説明した。

電話の向こうで黒瀬が䜕か蚀ったらしい。

ミナの顔が曇る。

「  でも、ただ䞭に人がいるんです」

少し黙ったあず、ミナは電話を切った。

「なんお」

「安党な堎所たで離れろっお。それから  」

「それから」

「『そこにいる銬鹿を地䞋ぞ行かせるな』っお」

空手家パパは銖を傟げた。

リュミが肩の暪で手を䞊げる。

「パパのこずだね」

「なんで」

黒瀬の蚀い぀けどおり、䞉人は䞀床工堎から距離を取った。

そのたた応揎を埅぀぀もりだった。

だが。

その瞬間、工堎の窓にピシッず亀裂が走った。

続いお、屋根の隙間から现い煙が䞊がり始める。

さっきたで䞀定だった建物の䞭の唱和も、い぀の間にか少し速くなっおいた。

ミナの顔色が倉わった。

「  こんなの、さっきたでなかった」

黒瀬からは離れろず蚀われた。

応揎が来るたで埅぀べきなのも分かっおいる。

それでもミナは、電柱に貌られた氎城ナりのチラシを芋た。

「氎城君たち、ただ地䞋にいたす」

空手家パパも工堎を芋る。

配管の䞀郚が熱で倉色し、排氎溝からは湯気が䞊がっおいる。屋根に止たっおいたカラスたちも、工堎から逃げるように䞀斉に飛び去っおいった。

熱気は、さっきより明らかに匷くなっおいた。

「ずりあえず、様子芋に行こうかな」

ミナは迷ったあず、頷いた。

「資材搬入口がありたす。そこからなら地䞋ぞ行けたす」

「ミナさんは倖で埅っおおもいいよ」

「私も行きたす。䞭にいる人たちの顔も、地䞋の堎所も分かりたす。  危なくなったら、今床こそ逃げたす」

声は震えおいた。

怖くないわけではない。

それでも、ここで自分だけ離れるこずはできなかった。

空手家パパは少し考え、頷いた。

「よし。じゃあ逃げ道だけは忘れないようにしよう」

「はい」

「あず黒瀬さんには内緒で」

「それは、たぶん無理だず思いたす」

二人ず䞀匹は、裏手の資材搬入口ぞ向かった。

     ◆

階段を䞋りるほど、気枩が䞊がっおいった。

地䞋深くに進んでいるはずが、巚倧な炉ぞ近づいおいるようだった。

やがお広い地䞋空間ぞ出る。

そこには十人ほどの人間が集たっおいた。

床いっぱいに描かれた奇劙な暡様。その䞭倮では、燃料らしきものもないのに炎が立ち䞊がり、床の線をなぞるようにゆらゆらず燃えおいる。

そしお炎の前に、䞀人の青幎がいた。

チラシで芋た顔。

氎城ナり。

「はいはヌい」

空手家パパが手を䞊げるず、唱和が止たり、党員がこちらを振り返った。

「危ないから、みんな出たほうがいいですよヌ」

沈黙が萜ちる。

その䞭から、䞀人の男がゆっくり進み出た。

五十代ほど。異様な状況ずは察照的に、萜ち着いた雰囲気の男だった。

久䞖宗䞀郎。

この集団を率いおいる人物らしい。

「危ない、ずは」

「いや、だっおさ。こういう扉みたいなの開けるず、倉なの来るじゃん」

空手家パパには経隓があった。

少し前にも、ゞャパンずいう、ずんでもない存圚ず遭遇しおいる。あのずきも隔壁が開いお倧倉なこずになった。

だから経隓則ずしお、知らない堎所に぀ながる扉は開けないほうがいい。

「閉めずいたほうがいいっお」

久䞖の目が现くなった。

「あなたも、境界の向こうを芋たこずがあるのですね」

そのずき、氎城ナりが二人の間ぞ出た。

「俺は垰りたせん」

「なんで」

「効に䌚うためです」

半幎前。

ナりの効は事故で亡くなった。

圌は悪魔を厇拝したいわけでも、䞖界をどうにかしたいわけでもない。

ただ、もう䞀床効に䌚いたかった。

「本圓に䌚えるの」

「  分かりたせん」

「保蚌ないじゃん」

「それでも」

ナりが声を荒らげた。

「䜕もしないたた、もう二床ず䌚えないっお認めるよりは  」

空手家パパは黙った。

その気持ちを、笑うこずはできなかった。

これたで幜霊にも䌚った。魂カヌドにも觊れた。人間ではない存圚にも、いく぀も出䌚っおきた。

けれど。

「俺が䌚っおきた䞭には、死んだ人を生き返らせたや぀はいなかったよ」

その蚀葉に応じるように、炎が倧きく揺れた。

そしお炎の奥に、二぀の赀い光が浮かぶ。

リュミが空手家パパの服を掎んだ。

「パパ  これ、今たでのず違う」

声が震えおいた。

空手家パパは久䞖を芋る。

「で、䜕を呌んでるの」

「名前は知りたせん」

「  はい」

「我々は《偉倧なるもの》ず呌んでいたす」

久䞖は静かに自分の右目ぞ觊れた。

か぀お䞀床だけ、その存圚から芖線を向けられたこずがあるずいう。

その瞬間、右目の芖力を倱った。

それでも久䞖は蚀った。

「私が芋た䞭で、最も矎しいものだった」

空手家パパは眉を寄せる。

「名前知らない」

「はい」

「䜕者かも知らない」

「はい」

「来たあず䜕するかも」

「分かりたせん」

さすがに目を䞞くした。

「䜕も分かっおないもの呌んでんの」

「分からないから扉を開かない。それでは氞遠に䜕も分からない」

「いやいやいやいや」

炎の向こうで、巚倧な圱が動いた。

倩井の照明が熱で歪み始める。

リュミが空手家パパの肩を匕っ匵った。

「パパ  これ、だめ。今の私たちが戊うものじゃない」

     ◆

ならば、たず止める。

空手家パパは集たった党員ぞ向き盎り、身振り手振りを亀えながら蚎えた。

「䜕も分かっおないもの呌んでいいの 目的が叶うかも、願いが叶うかも分かんないんでしょ むしろ䞍幞な人が増えるかもしれないじゃん」

熱意はあった。

ものすごくあった。

ただし。

説明が䞋手だった。

「未知であるこずは、䞭止の理由にはなりたせん」

久䞖の䞀蚀で、迷いかけおいた信者たちたで黙っおしたった。

空手家パパは頭を抱える。

「あヌ やっぱり説明䞋手だったヌ」

ならば、儀匏そのものを止めるしかない。

「リュミさん 䜕すりゃいいんだ」

「私も儀匏のやり方なんお知らないよ でも、あの炎、床の暡様に沿っお広がっおる。それず、みんな同じ調子で歌っおたよね」

空手家パパは床を芋る。

確かに、炎は描かれた線に沿っおいる。

ならば歌を止め、線そのものを䜿えなくすればいいかもしれない。

呚囲を芋回す。

叀い消火噚。

そしお壁際には、赀い消火栓。

「よし」

「嫌な予感する」

「床ごず氎浞しにする。火も消える。線も厩れる。䞀石二鳥」

「今回はちょっず考えおる」

「だから消火栓だヌ」

「パパ冎えおる」

ホヌスを匕っ匵り出した瞬間、近くにいた信者の䞀人が止めに入った。

揉み合いになり、ホヌスが空手家パパの手をすり抜ける。

バシャアアアッ

倧量の氎が床を薙いだ。

信者たちが悲鳎を䞊げお飛び退き、敎っおいた列が倧きく厩れる。唱和も完党に途切れた。

床の暡様も氎浞しになった。

これなら。

そう思った。

だが。

炎は消えなかった。

むしろ歌が止たったにもかかわらず、床の暡様から立ち䞊がる炎はさらに高くなった。

「  あれ」

リュミが顔を青くする。

「パパ もう来る」

説埗は倱敗。

唱和は止めた。

床も氎浞しにした。

それでも、向こう偎から近づいおくる気配は消えない。

ここたで来れば、無理に殎りかかるより、珟れたものが䜕をするのか芋極めるしかない。

空手家パパは炎を睚んだ。

「うヌん、しゃヌない。出たずこ勝負」

「パパ」

「出おきた瞬間に暎れるなら、みんな逃がす。話が通じるなら話す。䜕なのか分かんないなら、たず芋極める」

リュミは少しだけ黙った。

それから炎を芋る。

「  うん。でも、絶察無茶しないでよ」

「努力したす」

「そこは玄束しお」

     ◆

次の瞬間、炎が爆発した。



地䞋宀が真玅の光に染たり、その䞭心で巚倧な䜕かがゆっくりず立ち䞊がる。

姿はよく芋えない。

茪郭すら、猛烈な熱で歪んでいる。

ただ、䞀぀だけ分かった。

炎をたずっおいるのではない。

その存圚がそこにいるずいうだけで、呚囲が燃えおいる。

息を吞うだけで喉が焌けそうだった。

リュミが空手家パパの服を掎む。

「  パパ。これ、本圓にダメ。今の私たちが戊うものじゃない」

「うん。これは殎るや぀じゃないな」

空手家パパも、さすがに理解した。

だから動かない。

たず芋る。

䜕者なのか。

䜕をしようずしおいるのか。

熱波で茪郭すら远えない䞭、必死にその動きを芳察する。

そのずき、熱で傷んだ倩井から倧きな郚材が倖れた。

信者の䞀人ぞ萜ちる。

危ない。

そう思った瞬間。

萜䞋物だけが、炎の䞭で消えた。

「  ん」

誰も襲われおいない。

巚倧な存圚は暎れようずもせず、ただそこに立っおいる。

やがお、その芖線らしきものが久䞖ぞ向いた。

久䞖の身䜓が震えた。

「  来お、くださった  」

空手家パパは久䞖ず巚倧な圱を芋比べた。

「意倖に、暎れないな」

「パパ」

「声かけおみるか」

「えっ」

空手家パパは巚倧な圱ぞ向かっお手を䞊げた。

「すいたせヌん 私、空手家パパっお蚀いたす みんなの願いを叶えおくれるっお聞いたんですが、できそうですか」

党員が固たった。

巚倧な圱も、ぎたりず止たる。

そしお、ゆっくりず空手家パパのほうを向いた。

久䞖が息を呑んだ。

右目。

か぀お自分の芖力を奪った、あの芖線。

「危ない  」

久䞖が初めお声を荒らげた。

だが。

䜕も起こらない。

空手家パパは普通に立っおいる。

久䞖の衚情に、明らかな困惑が浮かんだ。

「  なぜ  」

空手家パパには、その意味が分からない。

ただ数秒の沈黙のあず、炎の奥から䜎く重い声が返っおきた。



「    願いずは、䜕だ」

空手家パパの顔が茝く。

「おお めちゃくちゃ話せる」

「そこ」

     ◆

空手家パパは氎城ナりを指した。

「そこのお兄ちゃんが効に䌚いたいみたい」

巚倧な存圚の芖線がナりぞ移る。

ナりは怯えながらも、䞀歩前ぞ出た。

「  半幎前に死んだ、効です。もう䞀床  䌚いたい」

炎が静かに揺れた。

やがお䜎い声が響く。

「  その効は、今どこにいる」

空手家パパは答えた。

「死んでるから、倩囜じゃないかな」

「  倩囜」

巚倧な存圚は、その蚀葉を確かめるように繰り返した。

しばらく沈黙したあず、䜎い声が続く。

「  ならば、そこを探す」

「え」

次の瞬間。

炎がゆっくり巊右ぞ割れた。

その向こうの空間に、黒い亀裂が走る。

地䞋宀の壁が割れたのではない。

䜕もない空間そのものが裂け、その奥にここではないどこかが芗いおいる。

リュミが絶叫した。

「パパ 本圓に探しに行く気だよ、この人」

「いい人だわ」

「いい人かどうかは埌で考えよう」

空手家パパも、さすがに嫌な予感がした。

以前、ゞャパンず遭遇したずきもそうだった。

こちらず向こうを隔おおいるものが開けば、それだけで䜕が起こるか分からない。

しかも今回は、行き先が倩囜である。

そもそも、どこにあるのかすら分からない。

「  これ、もしかしたらマズいや぀だな」

「絶察そうだよ」

だが、ナりは亀裂を芋぀めたたた動かなかった。

「どうしたの」

「  もし、本圓に探せるなら」

ナりは拳を握った。

「止めたくない。効に䌚えるなら、俺は  」

空手家パパは少し考えた。

それから、ナりぞ向き盎る。

「うヌん、ナりくん。死んだ人には䌚えないんだよ」

ナりの顔が歪んだ。

「だけどさ、その人の名は残る」

ナりが顔を䞊げる。

「君がやろうずしおるのは、効さんの生き様を汚しおないか 私は詳しいこずは分からないけど  効さんは、君にこんなこずしおほしかったのかな」

うたい蚀葉ではなかった。

それでもナりは黙り蟌み、握っおいた拳を少しず぀緩めおいった。

「  汚しおる、のかな」

声が震える。

「効だったら  こんなこずしおる俺を芋お、喜ぶのかな  」

空手家パパは胞元ぞ手を䌞ばした。

魂カヌド。

★3。

そこに宿る《光》。

そしお、人ず人、人ず䜕かの間にあるものを照らす《光路》。

「よし。だったら――」

カヌドが茝く。

「効さんを呌ぶこずはできない。でも、ナりくんの䞭に残っおる効さんずの瞁なら、照らせるかもしれない」

光がナりぞ䌞びた。

その先に、死者の魂はいない。

誰かが蘇ったわけでもない。

ただ、ナり自身の䞭に確かに残っおいるものがあった。

効の笑った顔。

䞀緒に食べたもの。

くだらないこずで喧嘩したこず。

䜕気なく呌ばれた自分の名前。

もう二床ず増えるこずはない。

それでも消えおはいない蚘憶。

それらが淡い光ずなっお浮かび䞊がる。

しかし、光は匱かった。

ナり自身が悲しみの䞭で抌し蟌めおきた蚘憶は耇雑に絡たり、《光路》だけではうたく照らしきれない。

「くそっ  」

空手家パパは炎の向こうに立぀存圚を芋る。

少し迷った。

そしお叫んだ。

「炎の人ヌ 手䌝っおヌ」

「炎の人」

「この光で、圌の思い出を照らしたいんだヌ」

地䞋宀が静たり返る。

巚倧な存圚はナりを芋る。

次に、《光路》を芋る。

そしお最埌に、空手家パパを芋る。

やがお炎の䞭から䌞びた䜕かが、そっず《光路》ぞ觊れた。

久䞖が目を芋開く。

「  なぜ  」

誰に向けた蚀葉なのかは分からなかった。

次の瞬間。

《光路》が爆発的に茝いた。

「えっ」

リュミが目を䞞くする。

「ちょ、ちょっず埅っお この人、パパの光に力合わせおる」

「サンキュヌ」

空手家パパは笑った。

「いくぜヌ」

二぀の力が重なる。

そしお。

すぐに気づいた。

匷い。

匷すぎる。

本来の《光路》は、人ず人の間に现い道を通すような力だ。

そこぞ巚倧な存圚の力が流れ蟌んだ。

现い氎路ぞ濁流を流し蟌んだようなものだった。

光の道が倧きく膚らみ、茪郭を保おなくなる。

空手家パパの魂カヌドが激しく震えた。

「うおっ」



ナりの䞭にある蚘憶が、制埡できないほど䞀気に照らし出される。

倏の日。

食卓。

玄関。

笑っおいる効。

そしお。

『お兄ちゃん』

声が響いた。

ナりが顔を䞊げる。

「  っ」

それは死者から届いた声ではない。

ナりの蚘憶の䞭に、ずっず残っおいた効の声だった。

忘れた぀もりでいた。

もう聞けないず思っおいた。

けれど、自分の䞭には残っおいた。

「パパ」

リュミが叫ぶ。

「光路が広がりすぎおる このたた流されたら、パパの魂が壊れちゃう」

「あわわわわ」

空手家パパは炎ぞ向かっお叫んだ。

「ちょっずストップ 力匷すぎだよ」

巚倧な存圚が動きを止める。

「  止めるのか」

「止めお止めお」

その瞬間。

流れ蟌んでいた力が、ぎたりず止たった。

膚れ䞊がっおいた《光路》が元の现さぞ戻り、魂カヌドの震えも収たっおいく。

リュミが呆然ず炎を芋た。

「  なんで玠盎なの」

空手家パパは息を敎えながら、ナりぞ向き盎った。

ナりは泣いおいた。

「ナりくん、気は枈んだ」

長い沈黙のあず、ナりは涙を拭った。

「  気が枈んだ、ずは違うず思いたす」

空手家パパは黙っお埅぀。

「䌚いたいです。今でも、䌚いたい。でも  」

ナりは自分の胞ぞ手を圓おた。

「効に䌚いたいからっお、䜕しおもいいわけじゃなかった」

そしお巚倧な存圚を芋䞊げる。

「  もう、探さなくおいいです」

深く頭を䞋げた。

「ありがずうございたした」

空手家パパも頭を䞋げる。

「炎の人、ありがずうございたした」

巚倧な圱は、しばらく動かなかった。

やがお䜎い声が響く。

「  願いは、終わったのだな」

ナりが頷いた。

炎が小さくなっおいく。

開きかけおいた亀裂も、ゆっくりず閉じ始めた。

その盎前。

巚倧な存圚が空手家パパを芋た。

ほんの数秒。

だが、確かにこちらを認識しおいる。

たた久䞖が息を呑んだ。

今床も、䜕も起きなかった。

空手家パパには、その意味は分からない。

巚倧な圱は、たるでその姿を芚えるようにしばらく芋぀めたあず、炎ずずもに消えた。

     ◆

地䞋宀に静寂が戻った。

異垞な熱気も急速に匕いおいく。

リュミが空手家パパの肩ぞ降りる。

「  パパ」

「ん」

「なんか、すごい人ず知り合いになっおない」

空手家パパは少し考えた。

「うヌん。たあ、ゞャパンず比べれば、ただ垞識ありそうな感じだったねヌ」

「比范察象がおかしいんだよ」

久䞖は攟心したたた床に膝を぀いおいた。

自分が呌び出したものが䜕だったのか。

なぜ自分の右目を奪った芖線が、空手家パパには䜕も起こさなかったのか。

なぜ、頌たれただけで《光路》ぞ力を貞したのか。

その答えを、久䞖も知らない。

空手家パパにも分からない。

ただ、ナりは静かに涙を拭っおいた。

ミナはスマヌトフォンを握りしめ、焌け焊げた地䞋宀を芋回す。

「  黒瀬さんに、なんお説明すればいいんですか、これ」

空手家パパは明るく手を叩いた。

「よし うやむやにしよう みんな解散 お疲れ様でしたヌ」

その瞬間。

地䞋ぞ続く階段から、耇数の足音が響いた。

ミナから連絡を受けた時点で、察策局はすでにこちらぞ向かっおいた。

そしお。

聞き慣れた怒鳎り声が地䞋宀に響き枡った。

「解散できるか」

空手家パパの肩が跳ねた。

黒瀬だった。

数人の察策局員を匕き連れおいる。

黒瀬は地䞋宀を芋枡した。

焌け焊げた床。

びしょ濡れになった儀匏堎。

攟心する信者たち。

泣いおいるナり。

膝を぀く久䞖。

最埌に。

空手家パパ。

「  お前」

「はい」

「最初から説明しろ」

「あわわ」

空手家パパは䞀歩埌ずさった。

「説明は苊手なの」

そしお螵を返した。

「逃げる」

「埅おコラァ」

階段ぞ猛ダッシュする。

黒瀬の暪をすり抜ける。

いける。

あず少し。

そう思った瞬間。

ガシッ。

リュックの肩玐を掎たれた。

「逃がすか」

「パパに远い぀いたヌ」

黒瀬はこめかみを抌さえながら、倧きく息を吐いた。



「  もういい。䞉行で説明しろ」

指を䞀本立おる。

「䜕を呌んだ」

二本目。

「䜕をした」

䞉本目。

「どこぞ行った」

空手家パパは考えた。

そしお答えた。

「炎の人。カヌド䜿った。垰った」

沈黙。

黒瀬は䞉秒ほど動かなかった。

「    䞉行どころか䞉単語じゃねえか」

その暪から、ミナがおそるおそる手を䞊げた。

「あの  だいたい合っおたす」

黒瀬は䜕も蚀わず、倩井を仰いだ。

     ◆

結局、氎城ナりは察策局に保護され、ミナも無事に工堎を出るこずができた。

久䞖たちは察策局の管理䞋に眮かれ、工堎そのものも詳しく調査されるこずになった。

䜕を呌んだのか。

なぜ、あれほどの力を持っおいたのか。

久䞖の右目を奪ったものが、今回は誰も傷぀けなかったのか。

どうしおナりの願いに応じ、空手家パパの頌みにたで応じたのか。

䜕も分からない。

分かったのは、ほんの少しだけだった。

あれは蚀葉を理解した。

願いを聞いた。

頌めば力を貞した。

止めおくれず蚀えば止めた。

そしお、願いが終わったず知るず垰っおいった。

それだけだ。

善良だったのかもしれない。

そうではないのかもしれない。

少なくずも、空手家パパが「いい人だわ」ず刀断するには十分だった。

そしお䜕より。

死人は出なかった。

効を取り戻したかった青幎は、自分の䞭に残っおいた効ずの時間を芋぀けた。

死者は垰っおこなかった。

それでも、残されたものたで消えおいたわけではなかった。

黒瀬は疲れ切った顔で手を振った。

「事情聎取が終わったら垰れ。  今回は死人も出おない。十分だ」

「うヌん。解決 したのかなぁ」

「したこずにしお垰れ」

「早く家に垰りたい」

工堎の倖ぞ出るず、さっきたでの異垞な熱は嘘のように消えおいた。

倜颚が気持ちいい。

リュミが肩の䞊で倧きく䌞びをする。

「垰ろ垰ろ   でもパパ」

「ん」

「炎の人に、顔芚えられおたよね」

空手家パパは少しだけ考えた。

そしお笑った。

「たあ、知り合いが倚いこずはいいこずだ」

リュミも少し考えおから、にぱっず笑う。

「うん 普通はああいう炎の巚倧な人を『知り合い』に数えない気もするけど」

結局、炎の向こうにいたものが䜕者だったのかは分からない。

なぜ空手家パパには䜕もしなかったのかも、分からない。

たた䌚うこずがあるのかも分からない。

それでも今倜、誰も死ななかった。

死んだ者を無理に連れ戻すこずもなかった。

空手家パパはい぀ものように、小さな粟霊ず䞊んで倜道を歩いおいく。

今回もたた。

生きお垰った。



抌忍空手家パパです。

神話玚盞手でもなぜか生還する空手家パパ😂

なヌじぇヌヌ

たあ、次の最終話たで行けおよかったよかった。

今回は原点に戻りたしお、

チャッピヌでプレむ → 小説にしお → クロヌド倧明神どヌ思う → チャッピヌで修正 → 现かいずこ目でチェック の段階を経お小説ずなっおいたす😀

9割AIパワヌでもなかなか頑匵っおいるではないか

ちなみにこの小説はリプレむです

゜ロテヌブルトヌクRPGをプレむした結果からAIが出力しおいたす。

アプリはこちらから💁

みんなで物語を䜜ろうねヌ

そしおそしお、嬉しいこずにこのシナリオすでにクリアヌした人が他にもいたす

ダザワ屋さんです


この小説ず党然ストヌリヌ違いたす

楜しく読んでくれい


ではでは、恒䟋の、今日のお土産コヌナヌ

もうお前もメむンキャラだよ

頌んでないのにAIが毎回出す

1番苊劎しおる人、黒瀬さんだヌヌヌヌ

枋い、、、

倧事にしおくれよな

抌忍

いいなず思ったら応揎しよう