
バルナックライカとエルマーが描く光の記憶

「創世記」にして「本流」
ここを通過せずして、カメラの深淵は語れない。そう思った。
組み合わせるレンズはエルマー5cm f3.5。
沈胴式というギミックが最高に楽しそうだった。テレカ(公衆電話で使うカード)を使ったりハサミで切り込みをいれたり「愛すべき儀式」
を終えた者だけが、この100年前の精密機械で光を切り取る権利を得る。
この鉄の塊と変形レンズが描き出した「光の記憶」を、まずは見てほしい。

現代のカリカリした解像度は確かにというか当たり前にないが、空気感というか独特の味というものは確かにそこに映り込む。(ような気がする)


エルマーの吐き出す黒は、ただの暗闇じゃない。
戦火をくぐり抜けてきた眼は、令和の強い光も、深く優しいグラデーションに変えてしまう。

めんどくさい儀式や現像を乗り越えた先には「写真を撮ったぞ」という確かな手応え。

不自由を愛でる。手間暇に涎を垂らす。
それこそが忙しい現代における贅沢な写真の愉しみ方のひとつなんじゃないだろうか。
【偏愛日記】