
想像しすぎる癖がある。
想像力がありすぎる。
たとえば、昼休み。コンビニに昼食を買いに行くことにする。
玄関ドアに手をかけたところで、外から叫び声が聞こえる。ギャーともギエーとも言えない絶妙な叫び声だ。
手が止まる。
外で何が起こっているのだろう。
現実的に考えれば、子どもがふざけて叫んだか、犬の声。車のタイヤがスリップした音かもしれない。
でも私は想像する。
もしかしたら事件かも。通り魔が現れて、この静かな路地が火曜サスペンスよろしく、事件現場になっているのかもしれない。
さらに想像する。
もしかしたらUFOかも。人類が月の裏側を見たことで、怒った宇宙人が攻め込んで来たのかもしれない。
さらに想像する。
もしかしたらイノシシかも。山に放棄された家電を引き連れて路地を歩いている。さっきのギエーは人間に打ち捨てられた家電たちの叫び声なのだ。
ドアノブに手をかける。
突風が髪を乱して過ぎてゆく。カラカラと空き缶が転がる音がする。
さ、お昼ご飯買いに行こ。