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Photo byspinel3

押し入れの中のくま。 2

    押入れの上段で目を覚ました私は、
    やっぱり、くまの体をしていた。

    ベッドの方を見ると、
    私の体は、気持ちよさそうに眠っていた。

    私が、うーんと伸びをした瞬間、
    下に敷いてあった敷布団のシーツが、
    爪に当たって、ビリッと破けた。

    爪を見た。

    鋭くて長い。

    爪、切らないと危ない。

    (くまくーん、起きて)

    「うーーん、まだ眠いよ」

    (ねぇ、くまくん、爪切ってほしいの。起きてよ)

    「んん? ここどこ? あれ? 君はぼく?」

    (思い出した?
    私のうち。ここね、爪が長いと危ないの)

    (そこの引き出し、開けてくれる? 
    その取っ手、ひっぱるの)

    「こうかな?」
    くまくんは、引き出しを開けた。

    (その白いのが爪切りっていうの。
    先っぽが光ってるのわかる?)

    「これかな?」

    (それはね、充電器。
    そのとなりの、短い奴だよ)

    「これだね」
    くまくんは、両手で爪切りを、大事そうに持ち上げた。

    (ここから先の説明が難しい……)
     
    「説明ってなぁに?」

    ――ひとりごとも言えない。
    爪切りの使い方の説明、どういえば伝わる?

    (そこを持って、
    くるっと回して、
    先端を押すの)

    カチッカチッ

    (そうそう、
    その光ってるところ、
    こっち向けて。)

    (まだだよ、
    爪が入ってから、押すんだよ)

    (よし、入った。今だよ。押してみて。)

    カチッ。
     
    (上手だよ。
    くまくん、あと19本お願いね)

    「ぼく、つかれたよ
    爪を切るって大変なんだね」


     
     
     

    華子

     
     
    ステキブンゲイに載せたレッドチェッカーという小説をもとに、流行語大賞をとるための活動をしています。#レッドチェッカー #チェックチェッカーチェッケッスト 10月1日「レッドチェッカー」kindle出版しました。 #熊本応援プロジェクト  #小さな一歩 発起人でもあります。

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