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「お」

    単語の頭に「お」を付けると丁寧に感じたり、敬ってる感が出たりするやん? でも、あれって万能やないよな。

    「肉」に「お」を付けて「お肉」になるけど、「牛肉」「豚肉」「鶏肉」に「お」を付けて「お牛肉」「お豚肉」「お鶏肉」とは言わへんやん。

    「野菜」もそうや。「お野菜」とは言うけど、「トマト」「きゅうり」「ブロッコリー」に「お」を付けてるのを聞いたことない。

    「おトマト」「おきゅうり」「おブロッコリー」

    うん、どれも聞いたことないな。

    でもな、「茄子」は「お」が付いて「お茄子」になるんよな、不思議や。「大根」に「お」が付いて「お大根」になっても「ごぼう」に「お」が付いて「おごぼう」にはならんよな、不思議や。

    「嫁さん」に「お」を付けたら「お嫁さん」になるのに、「夫」に「お」を付けて「お夫」にはならん。

    男女平等が叫ばれる昨今、これは由々しき問題として……まあ、扱うほどの問題やないわな。

    そもそも「おおっと」って響きが、ウィザードリィで盗賊が宝箱の罠を解除し損ねて、毒針を喰らった時のようやないか。あ、解らん人はスルーでよろしく。

    以前、元格闘家の前田日明あきら氏が話していたことやけど、リングスという格闘技団体を旗揚げして間もない頃、弟子の山本宜久よしひさ氏に「お前、昨日の休みは何をしとったんや?」と尋ねたらしい。

    前田氏ご本人は普通に世間話のつもりで聞いたらしいんやけど、山本氏は尊敬と緊張と恐怖のあまり

    「えっと……昨日はですね、お外を歩いておりましたらですね、お犬さんがお外を、お歩きになられてまして……」みたいなことを口走ったらしい。

    これはもう、丁寧と敬いの「狂戦士バーサーカー」やん!

    ホンマ、何でも使いすぎは気をつけなあかんっちゅうこっちゃな。
    「お」も「丁寧な言葉」も「鉤括弧かぎかっこ」も……。



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    50代中盤からの文章修行。 「より自由に、より自在に」を目指すおっさん。 贅肉文章のマトリョーシカ 実際の体型はカトンボ

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