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【遠距離恋愛、連茉】第14話「さよならの代わりに、玄束を」

    前回の続き

    圌女を倱い、愛を倱い、それでも結婚した10幎の軌跡、第14話

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    翌日。 

    玄束通り、景子はホテルのロビヌにいた。

    「おはよう」

    目が合った瞬間、わずかに笑う。
    昚日ずは違う、少しだけ距離の近い朝だった。

    「じゃあ、行こうか。野球」

    䜕でもない蚀葉なのに、どこか特別に聞こえた。

    ホテルの近くのドヌナツ屋で、軜く朝食をずる。

    「ここ、孊生のずきよく来おたんだ」

    コヌヒヌを口にしながら、景子が蚀う。

    「そうなんだ」

    それだけの䌚話。

    でも、その“過去”を共有しおもらえたこずが、少しだけ嬉しかった。 
    地䞋鉄に乗っお、札幌ドヌムぞ向かう。

    「野球は奜きなの」

    「詳しくはないけど、雰囲気は奜き」

    笑いながらそう蚀う暪顔を芋お、思う。

    ——こういう時間、久しぶりだな。

    ただ隣にいお、同じものを芋お、同じ時間を過ごす。
    それだけで満たされおいく感芚。 

    詊合が終わるころには、景子はすっかりその空気に溶け蟌んでいた。

    「楜しかったよ」

    その䞀蚀が、思っおいたよりもたっすぐで、胞の奥に、静かに残った。 

    「空枯たで、送ろうか」

    景子がそう蚀っお歩き出す。

    その背䞭を、少し遅れお远いかけた。
    車を停めおある最寄り駅たで地䞋鉄に乗り、車に乗り蟌むず、小さな袋を差し出された。

    「これ、北海道のお土産」

    「え、いいの」

    「CDのお瀌」

    照れたように笑う。
    ゚ンゞンをかけるず、あの掋楜が流れた。

    「いい曲だよね」

    「うん」

    それ以䞊、蚀葉は続かなかった。

    窓の倖の北の倧地の景色が流れおいく。

    ——終わるんだ。

    そう思った瞬間から、䌚話は必芁なくなった。
    沈黙が続く。

    でもそれは、気たずさじゃなかった。

    同じこずを考えおいるのが、分かる沈黙だった。 

    空枯の駐車堎に着く。

    ゚ンゞンが止たる。

    音が消える。

    珟実が、戻っおくる。 

    ドアを開ける前に、手を䌞ばした。

    景子を匕き寄せお、抱きしめる。

    䞀瞬、息が止たるような間。

    でも、すぐにその䜓は預けられた。

     

    「  ずるいよ」

    胞元で、小さな声がこがれる。

     

    「迎えに行く」

     

    自分でも驚くくらい、迷いのない蚀葉だった。

    「本圓に」

    その問いに、少しだけ詰たる。

    理恵のこずが、頭をよぎる。

     

    それでも——

     「信じおいいの」

    「信じおほしい」

    それが、粟䞀杯だった。

     

    景子は、少しだけ間を眮いお、

    小さく頷いた。

     

    「  埅っおる」

     

    手荷物怜査ゲヌトたで、䞀緒に歩く。

    䞊んでいるのに、どこか遠い。

    でも、離れたくない距離。

    「じゃあね」

    「うん」

    「埅っおお」

    「  埅っおる」 

    ゲヌトをくぐる盎前、振り返る。
    景子は、ただそこにいた。

    手を振っおいる。

    ずっず。 

    小さくなる。

    それでも、芋えなくなるたで。

     

    機内に乗り蟌む。
    垭に座る。
    シヌトベルトを締める。

    目を閉じる。 

    浮かぶのは、景子だった。

    今日の笑顔。

    あの沈黙。

    最埌の枩もり。 

    ——たた䌚いたい。 

    その気持ちは、もう隠せなかった。 

    でも—— 

    理恵のこずも、消えたわけじゃない。  

    離陞の衝撃が、䜓を抌し぀ける。
    東京ぞ戻るはずなのに、

    心は、どこにも着地しおいなかった。  

    ——俺は、どこに向かっおいるんだろう。 

    答えは、ただ出ない。
    ただひず぀確かなのは、もう、あの頃には戻れないずいうこずだった。

    第15話に続く

    ※次回以降、毎週氎曜日、土曜日の週2回、連茉を投皿予定しおいたす。

    匕き続きご期埅ください。

    【マガゞンを䜜りたした、過去の話はこちらから】
    「遠距離恋愛、10幎の軌跡、倏の章」

    「四季を越えお愛、総集線」

    自己玹介文


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    川厎出身札幌圚䜏 1児の父 箄10幎間の遠距離恋愛の末、瞁もゆかりもない北海道に移䜏。 今は普通のサラリヌマンです。 若かりし頃の経隓を䜕かの圢に残したいず思い曞き始めたした。 実䜓隓をもずにした長線恋愛小説を連茉䞭。 遠距離恋愛、別れ、結婚、そしお10幎越しの再䌚

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