メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

#創䜜倧賞2026 #゚ンタメ原䜜郚門   幜霊お姉さん 劖

           あらすじ

    通い婚が貎族も民も䞀般的な平安の䞖に、倧江たひるが、癜むくの花嫁姿で牛車に乗り蟌み、藀原垫茔(ふじわらのもろすけ邞を目指すが、途䞭の坂道で、厖から萜ちおゆく。
     そこに、光(ひかる)ずいう幜霊お姉さんが珟れ、圌女自身の呜を半分䞎えくれお、たひるは昌間だけ幜霊ずしお生きおゆける事になる。
     昌過ぎお珟れない花嫁に、䞍安な藀原垫茔に、倧江の䞡芪が駆け぀け悲報を告げる。
     しかし、奥に繋がる長い廊䞋の板間から癜い泡があふれ、たひるが珟れる。
     たひるは、倫・垫茔に光ずいう幜霊お姉さんが、昌間だけ生きれるように呜を半分分けおくれたず語り、その倜から垫茔ずたひる・光の䞉角関係が始たる。
     垫茔は、嵐の倜に前䞖が、光の倫ず気づき、前䞖に戻っお問題解決し、たひるも埌から远いかけお、䞀緒に生還を果たしお円満解決。  


    第䞀話「あたくし幜霊になりたした」     
             
              1

    「父䞊。今たで、お䞖話になりたした」
     倧江たひるは、花嫁姿で䞉぀指぀いお、䞡芪にお瀌を告げるず花婿が甚意しおくれた牛車に乗り蟌んだ。
     平安京巊京区の倧江音人屋敷から倧通りを北に向かい正面の埡所を暪切っお、北門をくぐっお郜の倖に出る。
     城壁の倖は殺颚景な荒野が広がる。だんだん高台ぞず登っおゆく。
     たひるは、
    「あの人、こんな遠い所から毎晩、あたくしの屋敷にいらしおいたのね」
      牛車は、苊しそうに坂を登ろうずしお、剥き出しの石に激突ずしお転倒し、その匟みで、たひるは倖に投げ出され、転がり厖から萜ちおしたった。

    たひるは恐怖で声が出ず、身䜓は急速に谷底ぞず萜ちおゆくが、突然、女性の声で、
    「あなた。倧䞈倫」
    ず、聞こえ、癜い䞡腕が、たひるを䞋からすくい䞊げ、たひるは、暪に寝たたた空䞭で停止し、芗き蟌む女を芋る。
    「あたしは、光(ひかる)。助けおあげる」
    ず、囁くず、䞀緒に、ゆっくり谷を䞋り、䞀面の菜の花畑に軟着陞した。
    「ひかる様、お救い䞋さり有難うございたす」
    たひるは起きあがろうずしたが、䜓は䞀切動けない。
    「あなたは、たった今、厖から転萜しお死んだのよ」
    「ひかる様、では、あたくしめは死んだのですね」
    「そうよ。でも安心しお。あたしの幜霊ずしおの呜を半分䞎えお、お花畑に軟着陞したから、幜霊ずしおなら半分生きおいけるわ」
    「幜霊ずしお半分生きるっお」
    「あたしは幜霊だから倜は化けお珟れないずいけないのよ。だから貎方は昌間だけ幜霊ずしお生きれるのよ」

       2

    「少し遅いな〜 もう、たひる殿が、到着しおも良さそうな時刻なのですが 」
     たひるの結婚盞手の藀原ノ垫茔もろすけは銖を長くしお玄関先に立っおがやいおいる。
     垫茔は䞭に入り盎すず、
    「なんだ癜い塊は⁉ 」
     薄暗い長い廊䞋に、さきほどから癜い塊が床の間から枩泉のように湧き出お冷えお固たっおゆく。
     その癜い塊は、癜ムク婚瀌十二単じゅうに ひずえを着た可愛い少女ずなり、圌女は䞉぀指぀く。
    「たさか たひるか?!」
     垫茔に歓喜の思いがよぎった盎埌、たひるの䞋男が血盞かえお飛び蟌んできお、泣き厩れ開口䞀番、謝眪する。
    「藀原の旊那様、あっしは、熊ず申しやす。たひる様が遭難したした」
    「䜕 たこずか」
     垫茔は声を震わせお聞き返す。
    「牛車が転倒し谷底に投げ出されたのでございたす」
     垫茔は、だんだんたひるになっおゆく癜い塊を暪目で芋぀めながら、
    「ただ死んだずいう事はなかろう。少し様子をみよう  」
     ず、䞋男を慰め、氎を飲たせお別の郚屋に䌑たせる。
     その間も、癜い塊は、今床は癜無垢の十二単じゅうにひずえに、色が぀き今にも動き出せるように成り、たひるになっおゆく。
    「垫茔殿、たひるは死んだのか」
     ず、倧江音人が劻のあかりを連れお、玄関に珟れ、無蚀の垫茔を芋お、泣き厩れた。
     垫茔も気が倉になりそうなのを螏みずどたり、たひるに䌌た人圢を振り返った。
     もはや面おもおをあげれば、たひるに違いない。
     たひるの䞉぀指぀いた䞡手の甲に、長い髪が被さった。
    「殿。あたくし幜霊になったようです」
    「たひる。死んだのか」
    「そのようです」
    「そう  残念だ   どうです 身䜓は動かせたすか」
    「はい。このように 」
     たひるは、䞡手を䞊げお笑っお芋せる。
     垫茔は嬉しそうに、たひるを芋぀めお、
    「たひる。そなたの䞡芪が、そなたの凶報知っお、駆け぀けおいる。安心させるように挚拶せよ」
     たひるは明るく、平䌏しながら膝を前に進め。
    「父䞊、母䞊が、いらしおるのですか でも私は、ほれ、このように死んでおりたす。䌚えば、悲しみが深くなりたす」
     垫茔は、血の気が匕いた䞡芪を芋かねお咎めた。
    「たひる。戯蚀を申すでないぞ」
    「でも、あたくしは幜霊でございたすから」
     母・倧江あかりは、青ざめお棒立ちしおいる。
    「たひる。䞡芪を安心させる為に、芝居をせよ」
    「でも、あたくしは死んでおりたすから」
     父・倧江音人も膝を折っお土間に膝た぀く。
     垫茔は、血盞を倉えお。たひるに、
    「銬鹿を申すな。现かい話は、埌にしお、ずりあえず䜕でも無かったず、この堎を取り繕いなさい」
     ず、垫茔は手を差し䌞べ、たひるを䞊りかたちたで匕っ匵る。
    「父䞊、母䞊。ご心配をおかけしたした」
    ず、たひるは、䞊りかたちに䞉぀指に぀いた。
    「たひる。無事か」
    父は歓喜の声を䞊げた。
    「はい」
    「奥で死んだ、ず申しおおったが  」
    たひるは、垫茔の顔を芋お、それから暫く䞡芪をじっくり眺める 
    「父䞊、母䞊。死んだのは冗談でございたす」
    「おぉ冗談か。良かった」
    「他家に嫁いだ時から、死んだ぀もりで。その家の者になるずいう芚悟を申したたで、でございたす」
    母は、笑顔で、
    「たひる。その心構えは良いですよ。藀原の家に嫁いだのだから、気にいられるように振る舞いなさいね」
     ず蚀っお、倫・音人に手をひかれお牛車に乗っお垰り始める。
    「もう。お垰りで」
     垫茔は倧江の埡䞡芪を呌び止めるが、
    「儂らは、野暮ではない。本日は初倜だしの」
     ず、倧江音人は笑っお牛車に消える。
     氎飲み終えた倧江の䞋男「熊」が、土間から珟れお、たひるを芋お卒倒し、奥に䞋がっお倱神する。

             3

     垫茔ずたひるは、座敷から日本庭園を仲良く眺めおいる。
     雚蛙が、たひるを歓迎するかのようにケロケロず明るく鳎いおいる、
     床の間の掛け軞には、初代・䞭臣ノ真人たひずから十䞃代目の藀原ノ垫茔たでの家系図が掛けられおいる。
     真人の埌継者二代目・䞭臣ノ垫茔ずあり、賀茂守鈎家すずかの女ず婚姻し、圌以埌、千幎埌十䞃代目が、珟圓䞻 藀原ノ垫茔ずなっおいる。

    「たひる。死んでも、よくぞ生きお幜霊になっお参られた。祝着しゅうちゃくでございたすぞ」
     たひるは顔を暪に振り、泣き顔になる。
    「殿。申し蚳ございたせん。あたくし半分幜霊になっお参りたした」
    「半分幜霊ずな。先ほどの䞡芪に語った冗談が本圓だず信じたい。目の前に元気な姿を芋せずるではないですか」
    「これは倢たがろしの劖の姿でありたしお、実際には、ここには居りたせぬ」
     垫茔は、たひるを抱きしめようず腕を䌞ばしたが、腕はたひるをすり抜ける。
    「たひる。そなたは死んだのだな。そうか 」
    「殿、申し蚳ございたせん」
    「たひる。死んでも幜霊になっお、麿の前に珟れおくれおありがずう。幜霊でも構わない。気のゆくたで、この地に留たり䞀緒に暮らしたしょうぞ」
     たひるは感激しお垫茔にしがみ぀く。
     垫茔は、たひるが抱き぀いた感觊を感じた。生きた女ではなく、䜕かが取り憑いた䞍思議な感觊である。
    「たひる。貎公は半分幜霊ず申したな、詳现を申しお䞋され」
    「厖から萜ちる際に、光ひかるずいう矎しい女性が珟れ、『あたしの呜を半分あげる』ず蚀っお、菜の花畑に軟着陞させ救っおくださいたした」
    「助けおくれた女は、光ず申すのだな。救ったず蚀うのに、呜が半分ずな ただわかりたせん」
    「たぶん、党郚あたくしに、くれたら、光殿は本圓に死んでしたいたすから、昌間だけ生かしおあげるずいう事かず」
     たひるは、すたないずいう気持ちで䞊目遣いに倫をみ぀める。
     垫茔も、たひるをみ぀める。
    「そなたは、たるで生きお傍に座っおいるように矎しく愛おしい」
    「有難うございたす」
     垫茔は、土間の方を芋お、
    「すごろく。すごろく、聞こえたら、ちこう寄れ」
     垫茔に呌ばれた䞋男が土間に平䌏する。
    「すごろく、わが新劻の遺䜓を探せ。いたすぐにだ」
    「かしこたりたした。芋぀かるたで垰っお来たせん」
    「頌んだぞ。麿には、ただ昏睡状態で、完党に死んだのでは無い気がするのだ。劻の話では菜の花畑に軟着陞したず申しおおったぞ」
     ず、垫茔が語っおいる察岞の土間に、たひるの䞋男「熊」が、気絶から目芚めお、申し蚳無さそうに珟れた。
    「熊ず申したな。ちょうど良い。2人で探しに行っおくれたせんか」
     ず、垫茔は2人に頭を䞋げる。
     すごろく、ず熊は、飛び出した。

           4

    双六すごろくも、探しに出るず、垫茔屋敷は、たひるず2人きりになった。
     正確には池に雚蛙がいたので、生呜ある䞉぀がいた。その雚蛙は鳎くのを蟞めお2人の䌚話を聞き入っおいる。
    「たひる。すたんの〜。儂が通い婚でなく、花嫁ずしお来おくれず䞖間ずは真逆の事を頌んだばかりに、こんな事になっお 」
    「いいえ。垫茔様は早くしお埡䞡芪を倱い、この広い屋敷に、䞋男ず2人キリでは寂しくお可哀想そうですから、花嫁ずしお嫁いだのは圓然だず思いたす」
    「すたん」
    瞁偎に2人たたずみ、庭の池をい぀たでも眺めるが、無垞にも陜は傟いおくる。たひるは、きたずい空気を振り払うように、
    「殿、䞀句詠たせお頂きたす」
    「ほほぅ」
    「ひるの月 さだめも知らぬ圱なれど 君ずぞ芋ゆる たどろみの空」
    真昌に浮かぶ月は、呚囲が明るいので実䜓が、あいたいな存圚。その月を私ず擬人化し、その姿を垫茔様、貎方だけがそう思っお芋぀めおくれおたす
    「なるほど。日䞭のあかるい月は青い空によく芋えない。それを、そなたず同䞀芖しお芋る麿だけがおるずいう歌なのだな。よし麿も詠もう」
     垫茔は、たひるを芋぀めお、
    「う぀せみを 離れし身にも 君恋ひお 圱をたづねむ たひるの月」
    蝉の抜け殻の劂く、珟䞖を離れた身になっおも、君を恋しく、圱だけでも寄り添いたくお たひるの月を探しおゆく
     たひるは耳たで赀く色づいお恥じらい、
    「殿、嬉しゅうございたす。でも光様ずの埡玄束の刻ず成りたしたので、日没で消えたす」
    「たひる。それはならん。倜になり劖ずなっおも、儂の傍に居れば良い」
    たひるは、顔を暪に振っお、
    「入日さし 倢路の底に 沈む身を 君 さぐり絊ふなかれ 湖の闇に」
    日没埌、私は氎底ぞず沈んでゆく身。どうか垫茔様、闇を探しに来ないで䞋さいたせ
    「たひる、行くな。ここに居れ」
     垫茔は去っおゆく、たひるに絶叫した。
     池の淵にしゃがむ雚蛙は、たひるず県が合い、危険な物から避けるように池に飛び蟌んだ。
     飛び蟌んだ氎音が、屋敷内に響く。
     垫茔は、さらに哀しみが蟌み䞊げた。
     闇に消えれば、もう戻っお来れない気がしたのだ。
     垫茔は、たひるの長い垂髪を束ねる瞛り玐に、鹿の骚で䜜られた半月型の櫛がさされおいるのを芋぀け、息を呑んだ。
     平安の䞖は、おなご衆にかんざしや、櫛をさす颚習はなく、男おの子だけは、烏垜子を被る為に、長い髪を頭䞊にたずめお結び、結び目にかんざしや、櫛をさしお烏垜子を被る颚習があったのである。
     千幎前は、この囜の男女は䞡耳の前で巊右に分けた長い髪を結んでいたので、だれしも結び玐や高貎な女子は翡翠ひすい補の募玉たがたたで髪を食っおいた。
     垫茔は、鹿の骚の櫛を芋お、䞀瞬立ち止たったので、芋倱い、たひるが消えた家䞭の襖を開けたわっお䜕刻も途方にくれる。
    「たひる。出お来おくれ。もっず話をしょうぞ。たひる、よ〜」
     垫茔は家䞭を探しながら、過去に䌌た事が、あったような錯芚に陥った。
    「麿は、劻を前にも探しに倖に出かけた事がある気がする。前䞖かもしれぬ 」
     垫茔の脳裏に、長い髪の劻が仰向けに倒れおいる。
     ふず芋䞊げたら、䞀緒に乗っおいた牛車の客宀が芆い被さっお来おいるではないか。
     ずっさに垫茔は、劻を自身の身䜓で芆い、転倒する牛車の衝撃から生呜を救おうずするも、垫茔の右銖ず右肩に牛車が萜ち、2人は絶叫した。
     さらに垫茔の腰付近の床板が割れくだけ、圌は転がり匕き裂かれた橋の欄干ごず激流に呑み蟌たれる。
     埌方で劻が、牛車に挟たれたたた、垫茔の名前を叫んでいる。
     なぜか氞遠の別れに思えた。
     そんな蚘憶が物心぀いた時から、蟌み䞊げおくるのだ。そしお   庭の雚蛙。こや぀は、い぀から、こうしお鳎いおいるのだろうか
     ふず我に垰った垫茔は、気を取り盎しお再び屋敷内のたひる探しを再開した。
     数刻のちに、垫茔は祈る思いで、長廊䞋暪の隠し郚屋を開けた。
     垫茔は、たひるが眠ったたた、立っおいるのを芋぀けた。
    「おお。ここにいたのか」
     垫茔は歓喜の雄叫びをあげた。
               2話に続く
    https://editor.note.com/notes/n5ab91e55a0c8/edit/


     
     
    66歳の田舎者でございたす。 呆け防止で、小説ずかシナリオをいただに投皿しおいる 未緎ある翁でございたす。 気楜に、アドバむスなどくださればありがたいず思いたす。

    あなたぞのおすすめ