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ケーキが4等分できた日〜出航〜

    離婚してまもなく長男の10歳のお誕生日だった。
    お誕生日はいつものおやつのシフォンケーキが『ドレスメーキング』されて食卓の真ん中に鎮座する。
    去年まで、身体を半分乗り上げないと届かなかったケーキ。 テーブルの小ささを子どもたちの成長にすり替えたいくらい近かった。
    フルーツいっぱいに飾られたケーキにロウソクが灯る。 彼らの目に映るキラキラなロウソクが愛おしい。

    「にぃ、はやくふぅーして!」

    次男が囃し立てる。

    長男はゆっくり息を吸い込み
    「ふぅーっ」

    黙って見ていた3男が
    「あー、ちぃにぃも、ふぅした!ぼくもしたかったぁ!」

    長男が
    「かぁさん、もう一回つけてもいい?みんなでふぅーしたい」

    ちょっとうるッときちゃいながら、新品のチャッカマンロウソクに灯を付けた。
    (ホンの30分前、我が家にライターが無い事が発覚!急いでコンビニで買って(笑)昨日までフツウだった物ですら、1人抜けると無い事になる。なんだかなぁ~笑える、とボヤきながら走って帰った。)

    「せぇーのぉー!ふぅー!!!」

    嬉しそうにロウソクが消せたことにパチパチ拍手する3人。
    平和すぎる。

    「さぁ、切りますよ~。にぃが大きなイチゴのところね」
    (皆、同じなんだけど、これは今しか通用しない【ことばのまほう】)

    「はぁーーい!」
    何でもかんでも手を挙げて賛成するおチビちゃん達
    ケーキに、十文字にナイフを入れたところで

    長男と次男が

    「わぁー!ペケポンでいいんだぁー!凄ーい!おっきい!ばんざーい!」
    またまた拍手喝采(笑)
    半端ない喜び方で、笑い泣きしちゃいそう。
    意味不明な三男も
    「ばんじゃーい!」

    つられてテーブルの周りではしゃぐ。インディアンの宴じゃないから、(笑)

    「鎮まれ〜、座りましょう。」
    私がサトス。

    そう、この日からケーキが4等分になりました。
    平和なエピソードにしてくれた息子達に感謝。

     
     
    60の手習い。人生はお料理。 選んだスパイスやお出汁で味が変えれる。持って生まれた素材を活かす。さぁ、今日はどんなお料理で食卓を彩りましょうか? 「山谷七海」時々「私」として、エッセイを綴ってます。 クスッと笑っていただけたり、あるある〜なんて、共感いただけると嬉しいです。

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